2020年12月24日木曜日

長崎県医師会は論理的ではない

しかし、医師会の頭の悪さには、あきれてしまう。

何も書かないつもりだったけど、さすがに書かずにはいられなくなった。


まず世間の人は誤解しているみたいだけど、基本的に開業医って、頭悪いんです。

「医師会の人って、頭いいはずなのに、なんでこんな馬鹿なことを言うの?」というコメントをネット上でよく見かけるが、それは大きな間違いなのだ。

開業医というのは、基本的に決まった治療法に従って、それを間違いなくこなすことが求められている。自分で頭を使って勝手な治療をやっては、いけないのだ。

もしかしたら大学入学時には頭が良かったのかもしれないけど、何十年も頭を使わないと、どんどん馬鹿になっていく。

そして医師会というのは開業医による政治団体です。決して新型コロナ患者を受け入れて苦労している大学病院や市民病院の代表ではありません。医師会の人が何を言っても、自分の病院ではコロナ診療はやっていないのが事実なのだ。


医師会の悪口はさんざん書いてきたが、今回書きたくなったのも、この論理性のなさに、あきれてしまったからだ。

【医療危機的状況宣言】「命を守る通常の医療ができない。皆さまの行動変容しかありません」長崎県医師会

長崎県医師会は「マスクの着用や手洗いの徹底」などを改めて呼びかけ、森崎 正幸 会長 は「家庭内感染も増えているので、できれば家でもマスクを着用してほしい」と話しました。

頭悪いとしかいいようがない。もう、論理より精神論である。

家庭内感染をどう防ぐかについては、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸教授が「あきらめるな」と色々説明していた。具体的には食べ物を大皿にせずに取り分けるとか、飲み物の回し飲みしないとか、プリンを回して食べてスプーンを共有することがないようにするとか、とにかく唾液の交換が起こらないように注意すると言われていた。

本当に家庭内感染を防いで欲しいと思うのであれば、こういう話をしなきゃいけないんじゃないですか?何故、「家でもマスク」になるのですか?


そもそも医師会や首長が言う「新型コロナに罹らない」ための対策が間違っていると、常々私は思っている。マスク着用なんて、順番は後も後。一番大切なことを、まず言えよ。

コロナウイルスは風邪のウイルスである。だったら、新型コロナに罹らない方法も、風邪をひかない対策が基本である。風邪をひかないためにはどうするか。よく寝てよく食べて陽に当たって適度に運動してウイルスに負けない体を作ることではないのか。マスクをつけて室内に引きこもっていると、そりゃ抵抗力落ちて風邪ひきますよ。外に出る時までマスクつけてちゃ、陽に当たらなくて不健康でしょ?

最初の頃は、長大医学部の専門家もこういう話をしていたと思うが、今は全く聞かない。正しいことを言っているのは、千葉市長だけである。以前ここのブログでも紹介したが、再度引用する。

https://www.facebook.com/toshihito.kumagai/posts/3648746841861464

私も市長としての職務に加えて早朝・夜や週末に選挙に向けた諸作業をしていますが、しっかりと睡眠を取り、免疫力を維持するよう意識しています。また、毎日の体温測定などの健康管理も徹底しています。

そして2番目に大事なこと。「具合が悪いと思ったら、外に出ない。」熱があったのに居酒屋でウイルスを撒き散らした県議会議員など、論外である。何故、「少しでも体調が悪いと思ったら家から外に出るな」と言わずに、若者は飲食店に行くなという話になるのか。順番が違う。これも、最初の頃は長大医学部の専門家が言ってた気がするけど、最近全く聞かなくなった。

まあ他にも長崎県のコロナ感染状況についてや感染対策についても書きたいことは色々あるけど、今回はこの辺までにしておく。とにかく医師会の言うことに論理性がなくて根性論だけだということは、県民の方々は広く理解しておいて欲しい。

長崎県医師会が長崎県の観光業界と飲食店を殺した

本文なし。

書く気も起こらない。

2020年12月17日木曜日

徹底した感染対策を取っている人ほど新型コロナに感染している

表題は、東京の会社員から聞いた話。

大企業に務めていると、同じ会社の従業員で新型コロナに感染した人は珍しくないそうだ。そして、感染した人を見ると、「徹底した感染対策を取っている」人ほど感染している、ということである。

この話はなるほどと思った。私は専門家が言う「感染防止対策」は効果の薄いものばかりで、逆効果のことも多いと普段から主張している。典型的なのがマスク着用である。マスクの常時着用は、現状を見ると感染防止効果よりも遥かに逆効果の側面が大きい。

下のリンクは今朝の千葉市長からのFacebookにおけるメッセージである。千葉市長はきちんと数字ベースで現状を分析されており、言っていることが科学的で、専門家の言う間違った対策は取っていないので、私もずっとフォローしている。

https://www.facebook.com/toshihito.kumagai/posts/3648746841861464

ここで最後に書かれていることが重要である。

私も市長としての職務に加えて早朝・夜や週末に選挙に向けた諸作業をしていますが、しっかりと睡眠を取り、免疫力を維持するよう意識しています。また、毎日の体温測定などの健康管理も徹底しています。

これが最大の新型コロナ対策なのだ。最初の頃は専門家も「免疫力を高める」と言っていたはずなのに、最近は全くそういう言葉を聞かなくなった。今でも正しい対策を主張される千葉市長は素晴らしいと思う。

そもそもコロナウイルスとは風邪のウイルスである。風邪をひかないための対策は何かと聞かれたら、睡眠取って、きちんと食べて、適度な運動をして、免疫力を高めることだと専門家は言うのではないか。風邪のウイルスを避けるために常時マスクをして家に篭もりなさいという専門家は、果たしているのか。この時点で、今専門家が言っていることは、感染防止対策として間違っていると断言できる。

そしてタイトルに書いた話である。一日中マスクをして家に篭もっていたら、不健康そのものである。だから免疫力が低下して新型コロナに罹患するのだ。東京では普通に新型コロナウイルスはその辺に充満しているので、もう避けることはできない。だったらマスクを外して外に出て、極力健康な生活を送る方が、ウイルスに負けない体になって罹患しないのだ。

「ウイルスはどこにでもあって、日常生活で曝露することは避けられない」。まずこの事実を認めないといけない。少なくとも長崎市内は今年1月からウイルスがあふれ返っているので、どこにでもウイルスがある状態だと思う。だから、別に接待を伴う飲食店に行かなくても、ウイルスを貰うことは日常的に起こるのだ。貰ったウイルスをマスクをすることで封じ込めると、自分で増殖させてしまい発症する。


そもそも日本感染症学会の理事長が頭悪すぎて、話にならない。

市中感染の影に「見えないクラスター」 感染症学会理事長が訴える“五つの回避策”

「マスクを着けていれば感染リスクは低い」とか書いているけど、じゃあ長崎市副市長はマスクを着けてなかったのですね。


舘田教授インタビュー 政府の対応に焦燥感 記者ノート

舘田氏をはじめとする専門家や医療関係者の間で使われる、「ハンマー・アンド・ダンス」という言葉がある。

私は「専門家」の信頼性を測るいくつかの指標があって、1つはマスク着用を主張するかどうかなのだが、この「ハンマー・アンド・ダンス」も指標になっている。これを言う人は信用できない。感染拡大を抑えられるハンマーがあるのですか?それは無いというのが、今までの世界の情勢を見て言えることだ。そんな不可能なことを、学会の理事長が言っているのだから、感染症学会が言うことは全く聞いてはいけないと、強く感じる。

この騒動の最初の頃に聞いた話だが、医学のなかで感染症の分野は人気がなく、人材のレベルが低いそうである。それが事実であることはその後の状況を見てよくわかったし、そもそも理事長がこんな風では、会員のレベルはどの程度なのかと悲しくなる。千葉市長の方が、遥かに感染症学会の理事長より状況を読めているし正しい対策も取れている。こんな頭のおかしい理事長に振り回されるのでは、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(舘田氏もメンバー)からまともな答申なんか出るはずがない。

下のリンクは感染者を沢山出したホストクラブ経営者の対談である。実際に感染者を出した状況を沢山知る人が、どういう所で感染をするのか、どういう対策が有効なのかを一番わかっている。飲食店を経営する人は、是非下のリンクを見て欲しい。いかに無意味な対策を取らされているのかが、わかるはずだ。

【GoToトラベル一斉停止表明】コロナ感染は人の移動が原因か?宮沢准教授と新宿ホストクラブの1年を振り返り、感染のメカニズムに迫る。

一言書き加えておけば、長崎県が出している方針は、無駄な対策を強調されず、おおむね正しいということだけは、言っておきたい。このブログでも、そのことは繰り返し書いている。


そして今の専門家がいう対策だと、差別を助長することにつながるということを、専門家は認識しているのだろうか。「対策を取れ」「危険な所には行くな」と言うと、罹患した場合「対策を取っていなかった」「危険な所に行った」と思われるのは、当然のことである。実際に長崎市副市長が罹患した。市民の大部分は「副市長は感染対策が足りなかった」「副市長は危険な場所に行った、危険なことを行った」と思っただろう。それが差別の原因になる。

東京の会社員の話でも、罹患した人が保健所の調査を受けると、絶対に心当たりがあるような行動は取ってないのに、「どこか言えない所に行ったでしょう?」と繰り返し聞かれて、尊厳を傷つけられるそうだ。長崎市副市長が保健所の人からどういう対応を受けたかは知らないが、差別を生み罹患者を傷つける行為の原因になっているのは、行政側の対応なのだ。



2020年12月13日日曜日

長崎市副市長の感染は「気の緩み」が原因なの?

長崎市の武田副市長が新型コロナウイルスに感染した。

長崎市副市長がコロナ陽性 市長「誰でも感染する」 危機感あらわ

「気の緩み」で感染拡大するのであれば、副市長には気の緩みがあったのでしょうね。

そして、長崎市は感染防止対策が足りなかったのでしょう。市役所の運用を考え直しましょう。職員はマスク着用はもとより、全員職務中はフェイスシールドの着用を義務づけましょう。

こんな考え方、もう馬鹿らしいと思いませんか?長崎県教育委員会はこれをやったのですよ。長崎県は長崎市に対し、さらなる感染対策強化を要求しましょう。

北陽台高校の感染防止対策を見て具合が悪くなった


私は最初から主張しているが、そもそも新型コロナの感染をゼロにすることは不可能なのである。それはインフルエンザの感染をゼロにしよう、というのと同じレベルのこと。ほぼ不可能であるし、それを実行しようとすると、弊害が大きすぎる。

そして、罹った所で50歳未満であれば、新型コロナの恐怖はインフルエンザ以下なのである。ここではっきり厚生労働省新型コロナ対策推進本部の参与も務める高山義浩氏が言っています。その程度の病気に対し、ここまでの対策を取る必要があるのか。しっかり考え直す時期に来ていると思う。


今の新型コロナウイルス対策は、科学的根拠がないことを、感情だけでやたら強調している所に大きな問題がある。前回も書いたが、マスク着用に感染拡大防止効果があることは、学術的に証明されていない。多分、長崎大学の専門家はそのことがわかっているから、長崎県や長崎市が出している感染防止対策に、マスク着用は強調されていない。

マスク着用に効果があるのであれば、国民のほとんどがマスクを着用していないスウェーデンでの感染が他国に比べて大きくなっていないといけない。しかし実際には、他国と比較して大きな差はない。スウェーデンの政策決定をしているテグネル氏は、国民にマスク着用をさせない理由として、学術的にマスクの効果は否定されているという根拠とともに、「マスクを着用することで国民が安心してしまい、他の感染防止対策を怠るようになる。」ことを挙げている。

日本の状況を見ていると、まさにこの通り。北陽台高校でも換気の徹底は言わずにマスクやフェイスシールド着用を言い出したり、接待を伴う飲食店でもフェイスシールドで感染防止をしていた、などという報道が出る。マスコミも感染拡大を止めたいのなら、換気が十分だったのか、ということを、マスク着用以上に報道すべきなのだ。前回に引き続き書くが、長崎県からの「お願い」では、飲食店に対し換気の徹底は要望しているが、マスク着用には言及していない。

https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2020/12/1607497350.pdf

上のリンクの6番目に書いてある。

この辺は、長崎大学の専門家が出すメッセージが間違っているのだ。国が間違ったメッセージを出しているのだから、少なくとも県内においては、国のメッセージに負けない位の圧力で、正しいメッセージを出さないといけない。一線級の研究者であるという自負があるのなら、国が間違っていると堂々と言えるはずだ。言えないのなら、そういう研究者を税金で養う価値はない。そんな税金があるなら、私を国立大学で雇え(苦笑)。長崎大学の研究者も、自分たちは世界のトップ級にいるという自負はあるんだろうから、何故国に遠慮して演壇の上でもマスクを付けて講演するなんていう、非科学的な行動を取るのか。その時点で私は彼らの研究者としての能力を疑っている。

結論からいえば、市民が無理なくできる範囲で、経済社会活動に悪影響を与えない程度の感染対策を取り、感染したら仕方がないと思えるようにしないといけないのだ。もちろん換気が悪かったりどんちゃん騒ぎをするのは良くないが、インフルエンザ程度の感染対策を取っていて、罹ったら仕方がないと思える社会にしなければならない。長崎大学の泉川教授も、「インフルエンザ程度の対策でいい」とおっしゃってたはずなんだけど、どうなっちゃったんでしょうね?考え方を変えたとは思わないので、自分の意見を封じ込めちゃったでしょうね。


国が間違ったメッセージを出しているのも、間違った思考回路を持った人が「新型インフルエンザ等対策有識者会議」の構成員に入っているからだ。特に問題なのが、平井鳥取県知事だと思われる。

平井知事は全都道府県知事の中で一番まともな人だと思っていた。しかし極度のコロナ脳で、まともな思考ができていない。コロナ脳は頭の良さとは関係なく発症するというのが今回の騒動でよくわかったが、その一例である。

それに対し、和歌山県知事はコロナ騒動の初期から実に適切な対応を取られている。

この和歌山県知事からのメッセージは必読である。

新型コロナウィルス感染症対策(その44) ‐大阪が危ない。日本も危ない。‐

私が日常から言いたいと思っていたことを、実にわかりやすく整理されている。


この図である、医療現場のひっ迫を解消するために、国民に行動・営業の自粛を求めるのは、ちょっと短絡的で行き過ぎじゃないの?ということだ。その前にやるべきことは、ある。

医師会の人たちは頭が悪いので、論理的に物事を考えられない。だから、途中をすっ飛ばして最後の所に行ってしまう。さらにタチが悪いのは、医者が言うことには無条件に国民が従うし、従うべきだというふうに思い込んでいる。まわりがそう思い込ませる行動を取るから問題なのだが、医療現場でやるべきことをやらずに、いきなり市民国民の行動を制約するようなお願いを出すのはおかしい。そしてお願いをするのなら「自分たちの準備・努力が足りなくてこういう事態になったので、申し訳ありませんが国民の方々にも協力して頂きたいです。」と頭を下げるべきだ。医者というのは、人に頭を下げるという行為ができない人種なので、言うだけ無駄なのだが。

今回の医療機関のひっ迫の原因は、新型コロナ患者に対する過剰な病院の対応を要求されていることだ。これは初期から言われていることで、何故秋の余裕がある時期に、ここを改善するように国に対して医療機関側から強く要望しなかったのか。完全に医療側の怠慢である。その怠慢のツケを、今になって国民に押し付けるというのは、おかしな話だ。まずは自分たちの怠慢を認めることが先である。

和歌山県知事が言うのは、上に挙げた部分で、国民にお願いする前に出来ることはあるだろう、ということだ。知事の立場から見ると、自分の管轄である途中の保険医療行政・保健所の対応で取るべき対応はある、と書かれている。早い話が、医療関係者の言うことを鵜呑みにするな、ということだ。まさにその通り。行政は医療現場と国民の間に立ち、両者の間で均衡できる施策を取るべき立場なのである。医療側からの意見を一方的に受け入れるのは、自らの責任を放棄していることになる。今の政府有識者会議は、完全に医療側からの要望を伝える場になっており、それをそのまま受け止めない菅総理は、きちんと仕事をしているのだ。

長崎県知事は自らの考えを持たない人なので、医療側の意見を丸のみしている。

長崎県知事は科学的根拠をもとに規制をかけるべき


多分、であるが、知事の方針は、ゴールデンウイークの頃は思考力のない医師会の人たちの意見を丸のみしていたのだろうが、その後は長崎大学医学部の専門家の意見を採り入れるようになっていて、割と正常化しているのではないかと感じている。知事が全ての事象について知識を持ち判断するというのは不可能である。専門家の意見を仰ぐのは当然であり、その限りにおいて知事を批判するつもりは毛頭ない。だったら長崎大学の専門家が、もっと正しいメッセージを積極的に、少なくとも沖縄の高山医師程度には発信してもらいたい、というのが長崎市民としての私の気持ちである。

2020年12月11日金曜日

長崎県にも新型コロナの第3波がやってきたの?

 私は医療の専門家ではないので、確かなことは言えない。

但し、経済学の専門家ではあるので、統計は普通の人より遥かに読める。なので、統計資料をもとにした分析は、医学の専門家よりはきちんと出来ていると思う。

とりあえず、過去の記事を読んで頂ければ、私が新型コロナの流行や対処法について、ほぼ正しいことを言っていることは、確認できるはずだ。

また新型コロナに関する話は、医療の専門家が見る場でも頻繁に発言している。間違っていることを言えば、きちんと訂正してもらえる仲間に恵まれているお陰で、おおむね正しいことを言っていると思っている。


長崎県は現状、他県に比べて「第3波」が来ていない。直近1週間の人口10万人あたりの陽性者数は、全国45位だそうだ。下から3番目、間違いなく、少ない数字である。

ここの2参照。

この理由については、以前ブログに書いた。長崎は今年の1月に第1波が来ていて、世間では第2波だった時にすでに第3波を迎えているから、もう感染しても広がらないか軽症・無症状で済んで気付いてないんじゃないか、ということだ。

長崎で新型コロナは流行していないのか?

これは医学的な裏付けは全くありません。ただの個人の感想です。

では第3波は来ないのか。来るだろうけど、小さな波じゃないか、というのが、私の予想。これも、個人の感想です。

但し統計的に言えることは、世界中を見ても、寒い国からこの冬の流行は始まっている。日本でも北海道から始まり、東京・大阪で流行した。冬になれば流行が起こる、ということはずっと前から言われていたことで、その通りになっている。では長崎で流行が起こらないかといえば、どうやら福岡でも流行がやってきた感じで、単純に日本の中で相対的に暖かい地方は流行が始まるのが遅かったと考えるのが自然だろう。長崎でも、これから第3波がやってくると思っておく必要は、ある。


そもそも新型コロナの感染拡大を防ぐ方法はない、というのが世界の状況を見た結論だと言っていい。台湾やニュージーランドのように、早期に外国との行き来を遮断してしまえば、国内での感染を広げないことは可能だが、永遠に国境を開けなくなってしまう。

日本の離島だって同じこと。感染を起こさないためには、永遠に島と外部との行き来を閉ざさないといけない。それなら健康被害が少なく済む夏の間に感染が広がった方がまだマシだということを、7月に書いた。

「Go Toキャンペーン」活用して都会から観光客を呼び込もう

この記事に書いたことは、今振り返っても大筋正しかったと思う。冬になって感染が広がった北海道の離島では、今大騒ぎになっている。それに比べて長崎県の離島は、まだ夏に感染者が出たから、冬の被害は少なく済むだろう。

もちろん長崎県の離島でも、年末年始に感染者が出るだろうが、だからと言って帰省した人を責めてはいけない。いずれ感染者は出るのだ。問題を先送りにするべきではない。また万が一感染しても、長崎県の離島では大事に至らずに済んでいる。以前さんざん悪口を書いたが、ここは長崎県の医療体制を信用しよう。

長崎県のコロナ対策は目的が見えないことが問題


そして昨日、長崎市の飲食店でクラスターが発生した。

長崎市が過去最多の12人の新型コロナ感染を発表 接待を伴う飲食店でクラスター

そりゃ、必ずどこかで起こります。感染した人を責めてはいけません。

但し、感染原因はしっかり突き止める必要がある。それをやらないと、夏の長崎北陽台高校の集団感染と同じで、経験を活かすことができない。もし北陽台高校できちんと原因を探り結果を全国に公表していれば、全国の学校での集団感染を防げた可能性があるので、残念でならない。

北陽台高校の感染防止対策を見て具合が悪くなった


では今回の集団感染について。

2つ前のニュース記事から引用する。

店はフェイスシールドを準備するなど感染対策を行っていて、来店客の名前や連絡先を把握していることなどから、今のところ、市では店名の公表はしない方針です。

はっきり書きます。フェイスシールドは感染対策にはなりません。

マスクやフェイスシールドは飲食店では無意味です。きちんと換気をして下さい。それがほぼ唯一で最大の対策です。

これは完全に東京の専門家の言い方が間違っているのが悪い。何が対策になるのか、きちんと伝えていない。効果のない対策を取っても、意味がない。感染を起こしておいて、「対策は万全に立てていたけど、感染が起こったから仕方がない」と言うのは、大間違い。感染を起こさないような対策を取れていたのなら、取らなかった方が悪いのだ。先の北陽台高校の件も同じ。私は換気不足が原因だと思っているが、それをきちんと検証せずに、マスクだのフェイスシールドだの、意味のない対策を強化しても、また感染を起こす可能性は変わらない。それでは長崎県の教育と同じで、何の進歩もない。できないことをできなかったといって責めるのは良くないが、できることをやらずに、対策はやっていたから仕方がないと済ませてはいけないのだ。何度も繰り返すが、それでは長崎県の教育界と同じである。


その辺、長崎大学の専門家はきちんとしていると思っている。多分、長崎県や長崎市が打ち出す感染対策は長崎大学が監修している。国の対策より、遥かにまともだと、私は感じている。

という訳で、さきほどのスライドを再度引用。

https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2020/12/1607497350.pdf

これの6番。

飲食事業者におかれては、適切な換気やパーティションの設置、料理を取り分けるなどの工夫をお願いします。

どこにもマスクだのフェイスシールドだの消毒だのとは書いていない。換気が第一、飛沫を防ぐのはパーティションと料理の取り分け。それだけだ。

飛沫防止はケースバイケースだと私は思っていて、例えばバイキングの料理は、料理を取る時に唾を飛ばさなければ大皿でも全く問題ない。パーティションにしても、ラーメン屋のカウンターみたいな所で1人ずつパーティションに区切ると、そこの換気が悪くなってウイルスがその席に溜まり、次に座った人が危ない、ということもある。パーティションは換気と引き換えの部分があるので、そこは場所の状況を見て考えるべきだ。専門家じゃないので明確には言えないが、理屈的にはこういうことになる。


そもそも、何で世間の人はマスクが万能だと思っているのか、私にはよくわからない。カラオケで歌う時にマスクをしていたって、換気が悪ければ集団感染は起こる。逆に、マスクをつけなくても、飛沫を直接浴びないように注意していれば、換気をきちんとしておけば感染は起こらない。間違っていたら、専門家の方、意見を下さい。

マスクを着用しないことで有名なスウェーデンでも、専門家が「マスクを着けると、それで安心して他の対策を怠る可能性があるから、マスク着用は推奨していない。」とはっきり言っている。私も先月スウェーデンに行ってきたが、ソーシャルディスタンスの対策は、日本より遥かに徹底していて、私には過剰対策に見えた。

そしてスライドを見る限り、長崎県は正しいことを言っていると思う。ただ、長崎大学の専門家が東京の人たちに気を使って、大きな声で正しいことを強調して言っていないのではないかと、普段から私は感じている。

長崎で大きな感染拡大を起こさないためにも、長崎県では「正しい指導」を飲食店に対して行って欲しい。せめて換気状況を調べるためにCO2測定器を置きましょう、という位のことは言って欲しい。逆効果にもなり得る、座席をパーティションで区切ることより、遥かに有効な感染防止対策なのだから。

2020年12月8日火曜日

「管理型旅行」をまず対馬で開始しよう

最初に書いておきます。まず実現不可能です。

でも、書きます。

韓国の報道だが、⽇本政府がオリンピックを控えて「管理型旅⾏」から開始しようという動きを⾒せているそうだ。

【独自】日本政府が金浦-羽田路線再開を要請、韓国政府は「コロナがあるので…」と拒否

上記記事の中から引⽤。

さらに⽇本側は、⼩規模旅⾏も再開しようという⽴場を韓国当局に伝えているという。公共交通機関の利⽤を禁⽌する条件でガイドが防疫の責任を負い、⼤型バスに10-20⼈だけ乗せて空港-観光地-ホテルのみを回る形式の旅⾏を検討しようというのだ。⽇本は来年の東京オリンピックのため「管理型旅⾏」を活性化する必要があると判断し、こうした⽅式を提案したといわれている。

対⾺にぴったりだと思いません?

現地の⼈の話だと、この件に限らず対⾺が実験台にされるのは市⺠感情からして認められないだろう、とのこと。

私もそのことには完全に同意する。地元が求めないことを国が押し付けてもいけない。GoToトラベルキャンペーンにしても、除外するかはあくまで地元の意⾒を尊重する、というのが国の⽅針だ。最初に「まず実現不可能です」と書いたのも、地元の多数派が「管理型旅⾏」による韓国⼈観光客の受け⼊れを望んでいるとは、思えないからだ。

だからここから先に書くことは、余計なお世話でしかないのだが、とりあえず書く。


JR九州がビートル廃⽌の⽅向性を打ち出した。

対馬「混乗便」休止へ JR九州高速船 国際線再開後も寄港せず

これは個⼈的には九州郵船が路線を引き継ぐなり、地元で新会社を設⽴して何とか路線を維持するとかの策を早めに練る必要があると思っているが、その話はここではしない。

JR九州は現在所有しているジェットフォイルを売るのだろうが、すぐには売れないだろう。だから、とりあえずはこの「管理型旅⾏」で⽐⽥勝釜⼭航路を復活させ、有効活⽤させるとJR九州の経営も助かるし、ある意味対⾺側からJR九州に恩を売ることになり、航路継続のわずかな可能性を残すことにもつながる。

「管理型旅⾏」を契機に、対⾺における韓国⼈観光旅⾏を正常化させる道筋をつけることもできる。

「管理型旅⾏」を許可するのは、⽇本資本の業者に限るという制限を付ければいい。当然ガイドも⽇本側が認めた⼈のみ。そうすることによって、悪質な韓国⼈添乗員を追放することができる。⻑期的には韓国⼈添乗員も免許制にして⽇本側が適性の判断をする制度を作る。そして悪質さが認められたら⽇本への⼊国を停⽌する措置を取るようになれば、韓国⼈ガイドの正常化にもつながる。

当⾯は宿泊施設は韓国資本の所に限るようにしてもいい。⽇本資本のホテルは、せっかく⽇本⼈観光客が増えているのに韓国⼈が来るようになれば、悪評が⽴つので避けるだろう。

免税店は、もともと韓国⼈しか相⼿にしていなかったのだから、この旅⾏が再開されたら、また開店するだろう。

バスの運転⼿が嫌がりますか?私が運転しますよ。私は⼤型⼆種免許を持ってますから。いつでも声をかけて下さい。ヤマダさん、よろしく(苦笑)。

そしてこの時期だと、多少⾼くても参加する韓国⼈は相当いると思われる。これを期に、韓国⼈向けの対⾺ツアーを、もう少し妥当な値段に引き上げることも可能だ。

⾊々と可能性は広がると思うのだが、まあ島⺠感情からして、無理でしょうね。

2020年11月15日日曜日

修学旅行生に過剰なコロナ対策を押し付けないように

 アメリカ海軍におけるコロナ対策の結果が出た

手短に言えば、「軍隊ほどの徹底した感染対策をしても、コロナウイルスの感染拡大は防げない」ということだ。

米軍でも防げない感染拡大を、どうやったら民間人が防げるのだろうか。


沖縄県で感染対策をされている高山医師が、修学旅行生への対応についてFacebookで答えられている

リンクを開くと動画が出るが、動画ではなく、横についているコメントを見て頂きたい。

要点をいえば、修学旅行生同士であれば、感染するのならどこかで感染する。どうせ感染するのだから、過剰な対策を取って不愉快な思いをさせる必要はない、ということだ。


世間の感染対策は、何が目的なのかわからなくなっている。完全に感染を防ぐのは不可能である。絶対に風邪のウイルスを貰ってくるな、と言うのと同じこと。世の中から風邪を撲滅させることは不可能。新型コロナウイルスだって風邪のウイルスである。だから撲滅させることはできないし、感染を完全に防ぐことだって不可能である。

心ある医師は、当初は「インフルエンザ並みの対策でいい」と言っていた。しかしそうした人も世間の圧力に潰されて、この手の発言はできなくなっている状況だ。

完全に防ぐことができなければ、過剰な対策を取るのはデメリットしかない、というのが、高山医師の基本的な考え方のようである。

修学旅行対策にしても、そうだ。過剰な対策を取ることにより、楽しいはずの修学旅行が、きゅうくつでつまらないものになっては、意味がない。


まあ、長崎県民からしたら、「結果はどうあれ、努力したことに意味がある。」という発想が基本にあるのだろう。仮に感染者が出ても、「努力したんだから、仕方がない」と思える。そう、結果より過程のほうが大事なのが、このブログでも繰り返し書いている、長崎県の基本的な姿勢なのである。

しかし修学旅行で来るのは長崎県民ではない。都会の人を受け入れるのであれば、もっと都会的な合理的な発想で受け入れるべきだ。時期的にはちょっと遅くなったが、「その対策は過剰じゃないですか?」ということを、受け入れ側には1度考えることを心がけて欲しい。



2020年11月12日木曜日

長崎で新型コロナは流行していないのか?

 世間では新型コロナの第3波がどうたらこうたらで、大騒ぎになっている。

それに比べて、長崎県では検査陽性者があまり出てこない。

これは何故なのか?

私が有力な理由として考えているのは、長崎市民はもう何回も新型コロナに罹っていて、今さら罹っても、ほぼ無症状で終わっているのではないかということだ。

以前の記事でも書いたが、長崎市民の間では、今年の1月に新型コロナの流行が起こっていたのではないかと思っている。

クルーズ船乗員の不安感は長崎市民の比ではない

私も1月にそれっぽい風邪を引いた。機会があったので6月に抗体検査を受けてみたが、陰性だった。


そもそも世界中で第2波だの第3波だのが起こっているが、何故こういう波が起こるのか。明確な理由を示す専門家はいない。

一番有力な仮説として私が納得できるのが、1度罹患してできた免疫が3ヶ月位で切れて、また罹患する。2回目以降は1度罹患しているので、体がウイルスへの対処方法を覚えていて、無症状で終わるか軽症で済む。これを3ヶ月位おきに繰り返すので、回を重ねるごとにピークは低くなり、山の裾野は広くなる。

何で風邪を引くのかというと、体が弱っている時に、その辺にうじゃうじゃある通常のコロナウイルスに対する抵抗力をなくして、健康な時には何ともないのに、ウイルスに負けて発熱を起こしたりするのだ。

通常のコロナウイルスには日常的に接しているので、ウイルスが侵入してきても体が対処できる。新型コロナウイルスは新型だったから体が対処できずに重症化することがあったけど、もう体が慣れてしまえば、そのうち通常のコロナウイルスに対応するのと同じように対処できて、重症化しなくらる、という説がある。

アジア人が欧米人に比べて重症化しない、というのも、欧米に比べてアジアの方がコロナウイルスが沢山あって、それに普段から対処しているから、新型コロナが出ても重症化しなかった、という説明もある。


では長崎市ではどうなのか。ご存知の通り、今年のランタンフェスティバルの前までは中国人が山ほど街中を歩いていた。それで長崎市在住者が新型コロナに罹っていないはずがない。もう今年の1月には、長崎市内で新型コロナの第1波が起こっていたと考える方が自然である。

そして3ヶ月経って4月以降の全国的な流行期には、免疫が切れて新型コロナに多少罹る人はいても、他の地域よりは発症する人が少なかった、という解釈が成り立つ。

私の身の回りでも、去年の12月から今年の1月にかけて、新型コロナっぽい風邪にかかっていたという人は、結構いる。それに対し、4月以降新型コロナで陽性反応が出た人は、1人もいない。つまり、4月以降に比べて遥かに大きな新型コロナの流行が、もう1月には起こっていたのだ。

もちろん、1月に怪しい風邪を引いた人が新型コロナだったという証拠は何もない。抗体検査をしても、私のように3ヶ月も経てば消えるから、わからない。しかし新型コロナじゃなかったとしても、新型コロナっぽい風邪をひくことで、新型コロナへの対処方法を体が身に付けるのは同じことである。だから、長崎市では他の地域に比べて先に流行を済ませていて、世間では第3波と言っていても長崎では第4波になっていて、もう軽症無症状で済む人が大多数になっているのだ。


こんなの素人の仮説でしかないのだが、理屈としては成り立つ。専門家の意見を是非聞きたいものだ。


<追記>

知人の関東在住の内科医の話によると、もう風邪症状の十人ちょっとに1人は新型コロナ陽性だそうだ。新型コロナウイルスは、関東ではそこらに充満しているようである。

私の今回書いた考え方だと、長崎市内にはそれよりももっと広く新型コロナウイルスは充満している。こういう風邪のウイルスに対して、「絶対風邪をひかないように」と強力な感染対策を取る意味が、あるのだろうか。多くの人は、普通の風邪症状で治っているのに。



2020年11月10日火曜日

なぜ雲仙温泉は観光客にマスクを着用させたがる?

また雲仙温泉の悪口です。今回は手短に。

雲仙温泉は避暑地としての魅力向上を


日経新聞の記事で、私のゼミの後輩の和田寛氏の話が出ていた。

白馬を日本の宝に 官僚・コンサルからの転身

彼は白馬の再興で頑張っているのだが、記事から一文だけ引用する。

和田さんは「密にならずマスクを外せる環境があるリゾートの価値はむしろコロナで増す」と語る。

雲仙温泉は何を売りにすべきか、全くわかっていない。成果を出している所と、そうでない所の差が出ていると思う。

2020年10月22日木曜日

長崎県立図書館は自ら考える気がない

 ミライon図書館に行ってきた話を先日書いた。

ミライon図書館に行ってきた

上の記事に最後の方に、「今だにコロナ対策で座席を減らしている。いつまでこの措置を続けるつもりなのだろうか。これは、県民の学びの場を奪うことになっていると思わないのだろうか。」と書いたが、この件に関して図書館側から匿名で回答が来た。

最初に書いておくが、何故回答を出した担当者の名前を相手に伝えないのだろうか。質問者の個人情報は必須条件にしているくせに、回答者が匿名というのは、まあお上意識が強いというか。お上の言うことに庶民は黙って従えということなんだろう。お上はお上なので、誰が言ったのか、発言に責任を取る必要はないのだ。

何故座席を減らしているのかについては、国や県の通知や、公益社団法人日本図書館協会が策定したガイドラインに従っているからとのことだった。そう、自分の意思では決めていません、ガイドラインに従っただけです、という、責任逃れの回答でしかない。さすが長崎県教育委員会。自分の頭では判断しませんよ、ということを、強調されている。


そもそもガイドラインが正しいのかどうかについて、疑問を挟むつもりはないのだろうか。そりゃ国が決めたことですから、国に意見するなんてとんでもない、というのが県職員としての考え方だろう。長崎県の教育界は、そういう所ですよ。上に従え。長いものには巻かれろ。自分の頭を使うな。私もそういう指導を、18歳まで受けてきたから、よくわかる。

今のコロナ対策のように、未知の事象への対応であれば、時間が経つといろんなことがわかってきて、対策も変わるものだ。実際に、感染経路としては換気の悪い密室でのマイクロ飛沫が大きな原因であり、接触感染は少ないということわかってきたし、声を出さない場所では感染がほぼ起こらないということも、わかってきた。

図書館のように声を出さない場所で座席を減らす必要性は、あるのだろうか。そりゃ国の指針に従うことが重要で、理由について自ら考えるなんて、恐れ多くてやってはいけないことだというのが、長崎県の教育界では当然の考え方だということは、よくわかる。長崎市立図書館は座席を減らしていないと言っても、それは他の自治体のことであり、県が知ったことではない。ましてや県が下級自治体である市のやり方を参考にするなど、あり得ないことである。国の指針が変わらない限り、県のやり方が変わることなんて、絶対にないのが長崎県なのだ。


では図書館に対して国の指針は変わらないのか。変わらないだろうというのが、私の正直な気持ち。そんな面倒で緊急性の薄いことは、国としても後回しになる。

例えば映画館が定員どおり入れるようになったのも、民間からの強い要望が国に対して行われたからだ。映画館は客が入らないと採算が取れない。だから、入場客数を増やしても感染対策として影響がないと主張して、規制を緩和してもらって赤字を減らそうという動きが出る。

しかし図書館は、県民の学習の機会を奪うことに対して、何ら抵抗感がない。県民が賢くなると、長崎県のカースト最上位に属する県職員の権威が落ちて、困るのだ。私は特に緊急事態宣言が出て図書館が閉まって、研究活動に多大なる支障が出た。私のような在野の研究者にとって、研究拠点は公立図書館しかないので、そこが閉まると一大事なのである。そして私のような人間が研究活動を活発に行い積極的に発言すると、県職員や県知事が困るということは、このブログを読めばよくわかるだろう。だから、図書館の利用制限を続けることは、県職員にとってはメリットしかない。来館者が減ることで職員の給料が下がることもないので、仕事が減って給料は変わらないと、いいことづくめだ。


その後メールの回答が来ないので、私がここに書いた話は図星だったのだろう。何か反論があれば、きちんと回答して頂きたい。


(10/23付記)

図書館から回答が来ました。

回答者の名前は名乗れない、それだけです。

ううん、例えば電話で問い合わせをした時に、「お名前をお伺いしてよろしいでしょうか?」と聞いたら、この図書館は「答えられません」と言うのでしょうか?

いよいよ組織として、話になっていないようです。

2020年10月7日水曜日

ミライon図書館に行ってきた

 ミライon図書館が開館して1年が経ったそうだが、今日、初めて行ってきた。


ミライon図書館は、長崎市内にあった県立図書館が大村市に移設され、大村市と共同の図書館になったものだ。

以前、県立図書館の移転場所を長崎市にするか大村市にするかで議論があった。

新長崎県立図書館は大村市へ

私は一貫して大村移転を主張していた。理由はリンク先を読んでもらうとして、手短に言えば、長崎市には市立図書館ができて、県立図書館がある必要性は薄まった。県立図書館は県下全域からアクセスしやすい大村市に立地すべきだ、ということだ。

長崎市に作るべきだという意見では、長崎市に研究者が多いから、長崎市におくべきだということだったが、私は、そんなの必要な時に大村に行けばいいじゃないか、と思っていた。


それで今日、ついにミライon図書館に行く用ができた。何のことはない、県立図書館を使わなくても、この1年間、長崎市立図書館で十分足りたのである。長崎市立図書館も蔵書は充実している。但し、歴史が浅い分、古い資料がないことが欠点である。今日は、古い資料を見るためにミライon図書館に行く必要が生じた。

長崎市から大村の図書館に行くのが不便なのだろうか?不便だから大村移転反対、というのは長崎市民のわがままでしかないと、移転の議論が出ていた時から思っていた。実際行ってみたら、全然不便じゃない。

高速シャトルバス(大村 - 長崎)

長崎と大村の間には、高速シャトルバスという便利なものがある。長崎「県営」バスが、民間事業者たるJR九州の邪魔をしていいのか、という議論もあろうが、県内輸送に全くやる気の無いJR九州の「補完をする」ために、県営バスが充実するのは、いいことだと考えよう。

高速シャトルバスを使えば、長崎市内中心部(それこそ市立図書館の目の前のバス停)から、ミライon図書館の目の前のバス停まで、乗り換え無しで40分弱で着く。全然不便じゃない。

県立図書館の移転に反対していた人たち、移転して不便になったのですか?そもそも、図書館を使ってたのですか?ちゃんと言及して下さい。


それはさておき、ミライon図書館に行くと、今だにコロナ対策で座席を減らしている。いつまでこの措置を続けるつもりなのだろうか。これは、県民の学びの場を奪うことになっていると思わないのだろうか。

もうコロナ対策ではいろんなことがわかってきている。図書館のようなしゃべらない場所で「人と人との間隔」を開ける必要は、ほとんどない。換気に気をつけることが最重要だ。

映画館も定員いっぱい入れられるようになっているのに、いつまでこんな状態を続けるつもりなのだろうか。

長崎県教育委員会のことだから、県民に勉強されて知恵をつけられたら困るのだろうか。根性論だけで何も考えられない長崎県教育委員会だから、多分、何も考えていないというのが正解だと思う。


2020年8月25日火曜日

宿泊施設でのコロナ対策はサービス低下を招く

Yahoo!ニュースで面白いコメントが付いていた。

『宿泊施設を独自に認証 旅先には長崎を(長崎県)』へのコメント

一度、あるお店で体温はかるサーモなんちゃらを受けたことあるけど、あれすっげー不快になるな。
「あ?おれ疑われてんの?」ていうすげー嫌な気持ちになる。
来い来い言いながら、同時に、来た客にこれって、接客としてどうなん?って正直おもった。

まさに正論である。私も全く同意見。

雑貨屋や衣料品店に入る時、検温を求められたら、私はその店には入らない。飲食店なら微妙だが、ふらりと入ろうと思った程度の店なら、入店時に検温されるなら、そこには入らない。

旅行関係のことについては、以前記事を書いたので参照して頂きたい。

新型コロナ陽性者が出る前提での観光推進を



宿泊施設におけるコロナ対策でいえば、感染防止対策をすることがサービス低下につながるということを自覚している宿泊施設の経営者はどれ位いるのだろうかということを、かなり疑問に思っている。

以下はコロナ対策による顧客サービス低下にどう対応するか悩んでいらっしゃる方の寄稿文である。

【寄稿】「ポストコロナの農村観光」 不要不急を田舎の特権に

この方は、コロナ対策でサービスが低下している状態では、お客さんに積極的に来て下さいとは言いにくいとおっしゃっている。そこまで悩んでいる宿泊施設の経営者は、どれ程いるのだろうか。


私は7月に一泊3万円以上する高級リゾートホテルに泊まった。そこは、フロントの人はマスクをしていたが、アクリル板などの遮へい物は一切無し。レストランの従業員は誰もマスクをしていなかった。

これは、このような対策がサービス低下につながるから、敢えてやっていなかったんだと感じた。私は非常に好感が持てて、旅行する時には極力このホテルチェーンを利用しようと強く思った。

星野リゾートの星野代表も、従業員のマスク着用は魅力の低下につながるから、極力避けるようにと指示しているそうだ。

【星野リゾート・星野佳路代表】「久しぶりに代表としてお呼びがかかった」。倒産確率を示して社員と共有した現状と未来

なぜなら、星野リゾートのサービスにおける顧客満足度というのは、施設よりもスタッフに対するもののほうが圧倒的に高いからです。「スタッフの笑顔が素晴らしい」という感想を毎日のようにいただく。マスクで表情が分からずしてスタッフの笑顔や気持ちが伝わるのかと思うからです。


そもそも宿泊客がコロナ対策を望んでいるのかどうかすら、きちんと把握しているとは思えない。旅行者はほんとうに宿泊施設での感染を恐れて旅行をしないのだろうか。単にまわりの目が気になって旅行しないだけじゃないのか。そもそも、マスクを着ける最大の理由が、「感染防止のため」じゃなくて「人がつけているから」なのが現状である。宿泊客が気にもしていない感染対策を取ってサービスを低下させて顧客離れを起こしていては、本末転倒なのだ。

以下のnote記事を見て頂きたい。

「徹底的なコロナ対策」の是非


これはネイルサロンの方が個人的に取ったアンケートの結果だが、何と68%の人が「徹底的に対策をしている感たっぷりのサロン」よりも「癒し優先・見ためは今まで通りのサロン」を選ぶと回答している。

比較的感染リスクが高いと思われるネイルサロンでもこの結果なのだから、感染リスクが低い宿泊施設で目に見える感染対策を求める宿泊客がどの程度いるのか、私もかなり興味がある。


できれば各ホテルはHPなどで、そのホテルの感染防止対策を事前に調べられるようにして欲しい。私は宿泊客にマスク着用を求めるホテルは避けるし、極力感染対策を取ってない所を選ぶ。アクリル板やビニールシートでフロントを遮へいしてあるような所も、避けたい。

先日雲仙に行った時の話を書いたが、仮に事前に各旅館の感染対策がわかっていれば、絶対に宿泊客にマスク着用を求めない所を選んだ。雲仙の旅館組合として、全ての宿泊施設で宿泊客へのマスク着用を求めるのであれば、雲仙には行かないと思っただろう。実際、今の時点では私は雲仙には当分行きたくないと思っている。


こういうことを、コンベンション協会なりがきちんと宿泊客にアンケートを取って集計するべきだと、強く思っている。簡単なものでいい。たとえば「宿泊客へのマスク着用要請」について「絶対必要」「できれば必要」「どちらでもいい」「できれば不要」「絶対不要」から選ぶ、という程度のものだ。そして、どの項目を宿泊客が必要と感じているか、不要と感じているか、分析するのだ。やらないのなら、何のためにDMOとしてコンベンション協会に多額の公費をつぎ込んでいるのか、わからない。

アンケート用紙はコンベンション協会が作って、各ホテルに預けて宿泊客に渡してもらえばいい。回答は郵送あるいはホテル預かりで、コンベンション協会が開封して集計する。結果は公表する。この程度のことは、できるはずだ。

そして、不要だと思う人が多い項目については、長崎大学の専門家と相談して、それでも対策が必要なのか、外していいのか、再度検討すればいい。例えば検温は評判が悪いから外せないのか、など。

ちなみに、従業員に対しても宿泊客に対しても、マスクの常時着用は、チームナガサキセーフティの中では求められていない。「せきエチケットなど」の対策を励行する、という項目があるだけだ。せきエチケットというのは、マスクをしていない前提の話である。


(8/26追記)
ちょうど長崎新聞にも以下の記事が出ていた。

コロナへの過剰対応を危惧 全国旅行業協会理事 長崎で講演


2020年8月20日木曜日

北陽台高校の感染防止対策を見て具合が悪くなった

内容はタイトルそのまんまです。
長崎新聞の記事から。

クラスター発生した長崎北陽台高 きょう再開 感染防止、心のケア徹底



北陽台高校でクラスターが発生した。果たしてその検証はちゃんとやったのだろうか。

私としては、この事例を検証し、これをきっかけに学校でのマスク着用をやめさせる方向に動けばいいな、と思っていたが、長崎県の教育委員会がそんなまともな施策を取るはずがないと、今さらながら考え直した。

学校でクラスターが発生したこと自体は不幸なことであるが、原因をしっかり究明して、それを今後の対策に役立てるというのは重要なことである。

当然、検証したのであれば結果は公表しないといけない。今回はできれば長崎大学の専門家にしっかり検証してもらいたいと思っていたが、県教委自らが調査してもいい。やったのかもしれないが、結果を公表しないと意味がない。

私が一番興味があるのは、どのようにして教室内で感染が起こったのか、ということである。私が思うのは、飛沫が直接先生から生徒に飛んで感染したのではなく、微細な水滴が教室中に充満し、冷房の流れに乗って教室中に感染が広がったのではないか、ということだ。

これは、感染した生徒がどの席に座っていたのかで検証できる。感染者は最前列の席の生徒が多いのか、エアコンの吹き出し口に近い人が多いのか、ということは、絶対に公表して欲しかった。


そして具合が悪くなる高校側の対応だが、さらに飛沫防止をするらしい。本当に飛沫が原因だったのかは、言われてない。

一番嫌になったのは、以下の部分。

県教委は同校に教員用のフェースシールド約60枚を導入。マスクと併用することで飛沫(ひまつ)感染を防ぐ考えで、声の通り具合や使い勝手を検証しながら、各学校への導入を検討していく。

フェイスシールドというのは飛沫を受けて感染することを防止するためのものだ。だから、先生から飛んできた飛沫を生徒が受けないように、生徒にシールドを着けさせるというのなら、理屈としてはわかる。何故先生がシールドを着けるのか。

最初に私が「これをきっかけに学校でのマスク着用をやめさせる方向に動けばいいな」と書いたのも理由がある。教員がマスクを着用することにより、感染拡大の危険性が高まる可能性もあるのだ。

マスクを着けて授業をすると息苦しくなる。息が上がる。すると、ウイルスの拡散量が増える可能性があるのだ。そういう研究論文も、実際にある。

クラスター発生の原因が何なのか、ということが、ここで重要になってくる。生徒が先生から直接飛沫を受けたのであれば、マスクをする合理性もある程度は認められる。しかし、いわゆるエアロゾル感染で教室中に細かい飛沫が充満していたのであれば、マスクは無意味だ。そもそもマスクをしていても感染したのだから、「マスクに意味はない」という発想にならない方が不思議だ。

そして、マスク着用でウイルスの拡散量が増えるという前提に立てば、教員はマスクを外すべきで、生徒が先生から直接飛沫を浴びて感染が広がったのなら、教壇と最前列の距離を取ればいいのだ。感染事例はあるのだから、何列目以降は大丈夫だというデータもある。マスクの有無で飛沫が飛ぶ距離は違ってくるだろうから、その辺は実験でもして、さらに何メートル開ければいいかを検証すればいい。


この記事を読んで思ったのは、やっぱり長崎県の高校は、「科学的に物事を考える」ことではなく、「精神面を鍛える」ことが今でも教育方針の中心なんだなあということだ。少なくとも感染事例を科学的に検証した形跡は見えない。

そして、「感染を防ぐこと」が目的ではなく、「感染対策をすること」が目的化している。受験指導と同じだ。

受験指導においても、「成績を上げること」が目的ではなく、「沢山勉強をすること」が目的化しているのが長崎県の高校である。私のように「勉強はしないのに成績がいい」生徒にとっては、ものすごく居心地が悪い。学校の中での風当たりは強く、そもそも私のような生徒は「あってはならない事例」として、いなかったことにされてしまう。

だいたい優秀な生徒は人格も伴っていることが多いので、無駄だと思っている勉強にも、周囲に合わせて付き合っている。私のように「無駄な勉強はしない」と明言する生徒は、まずいない。長崎の社会で生きていくには、無駄だと思うことも黙って付き合うような人間にならないといけない、ということが高校時代から叩き込まれるのだ。それはそれで、合理的ではあると思う。


2020年8月18日火曜日

雲仙でのテレワーク推進は子ども中心の発想で

前回の続き。

雲仙温泉は避暑地としての魅力向上を


雲仙温泉では、6日間滞在できる観光地を目指しているそうである。

6日間滞在できる雲仙 ワーケーション施設充実へ コロナ禍対応で市観光戦略


お父さんがリモートワークで6日間滞在するとしたら、その間に奥さん子ども達は何をする?という問題が発生する。

しかしここは逆に、子ども達が6日間滞在することを目的とした行事を作り、それに親が付いてくるという発想に切り替えられないだろうか。

子どもに6日間滞在する目的と作るのは、簡単である。塾の夏季講習であったり、スポーツ合宿であったり。誘致できれば、それは難しいことではない。それを、「子どもだけの合宿」ではなく、親も一緒に来てもらって、昼間は子どもの行事、夜は家族で過ごす、というパターンを作ればいい。

例えば英進館に雲仙で夏季講習をやってもらうのは、どうだろう。九州全域から集めれば、それなりの講座を開設する規模にはできるのではないか。またそれであれば、旧雲仙小学校の校舎を、そのまま使える。

とりあえず初年度は校舎使用料を無料にする、ということでもいいと思う。こういう方向のほうが、いきなりワーケーションで社会人を呼ぶよりは、遥かに簡単ではないだろうか。

各旅館にも塾と提携していろんなパックを出してもらう。週末だけお父さんも合流するというケースも想定して、食事の内容を宿泊日によって変えるのもいいだろう。


お母さんはどうするのか。スポーツ合宿であれば、ずっと子どもの練習を見ているのもいいと思う。塾だと、そうもいかないだろうから、外で散歩してもらったりお茶してもらうような施設を用意しなければならない。

アウトレットモール的なものがあれば、昼間に買い物ができていい。しかし、いきなりそういう施設を作り経営的に成り立たせるのは難しい。しかし、インバウンド向けの免税店と組み合わせれば、インバウンド客も合わせた需要を満たせて、観光地としての魅力を高めることができる。

高原の避暑地といえば軽井沢が挙げられるが、軽井沢もアウトレットモールを作って大成功している。どんどん売場面積が拡大され、今はアウトレットではない「ショッピングプラザ」を名乗るようになった。

関東近郊では、この軽井沢を始め御殿場など郊外のリゾート地にアウトレットモールを建設する流れができた。週末には都心から沢山の買い物客が訪れる上に、近年ではインバウンド客も多く利用するようになった。御殿場のアウトレットモールへは、富士山へのインバウンド客が多く訪れている。


いきなりビジネスでのワーケーション客を誘致する施設を用意するより、まず子ども向けの合宿を誘致して、そこから広げていく方が、より現実的だと思う。


2020年8月17日月曜日

雲仙温泉は避暑地としての魅力向上を

先週雲仙温泉に宿泊した。

雲仙に泊まったのは、多分高校時代の雲仙合宿以来。そう、当時は高校生が勉強合宿のために、雲仙に1週間缶詰めにされたのだった。高校に冷房がないので、冷房無しで涼しい雲仙にほぼ強制で、夏休みを潰して出かけていたのだ。私の時は、自由時間一切なし。宿舎に缶詰め。そういう時代だった。

今は夏休みに勉強するために、県立高校に冷房が入ったと聞く。

今回感じたのは、やはり涼しい。私は冷房を使うと体調が悪くなるので、家ではエアコンを使わない。そのため夏場は眠りが浅く、気分がすっきりしないのだが、冷房不要の涼しい雲仙で2泊したら、ぐっすり眠れて、体調も良くなった。

もともと雲仙は避暑地として栄えたのだから、やっぱり夏場は避暑地としての魅力を磨いて、県内からの集客も図る方向性が重要だろうということを強く感じた。長崎市内からでもそんなに遠くないので、リフレッシュのために短期間でも雲仙に泊まるのは、仕事の生産性も上がっていいことだ。


と思っていたら、ちょうど長崎新聞に以下の記事が出た。

6日間滞在できる雲仙 ワーケーション施設充実へ コロナ禍対応で市観光戦略


目指すことは私と同じなのだが、やり方がちょっと違うというか、利用者本位ではない所が気になる。

例えばワーケーションの拠点施設。ネット環境を充実させて、遠隔作業の仕事がしやすい場所が求められるのだが、それに旧雲仙小学校の校舎を利用できないか市が考えているらしい。

実際に利用する立場からすると、仕事の合間にちょっと息抜きで散歩したりお茶したりするのに、旧雲仙小学校の場所は中心部から離れすぎている。本気で人を呼びたいのであれば、絶対に温泉街の中心部に作る必要がある。星野リゾートと相談して富貴屋跡地に作るとか、宮崎旅館の改装後に中に入れるとか、まず利用しやすい場所を考えることが重要である。現地の当事者の都合で施設の配置を決めると、利便性が悪くなって、人が来ない。


そもそも雲仙温泉の人たちは、自分たちの地域の魅力がどこにあるのか、観光客が何を望んでいるのか、わかっているのか。今回滞在して、そこが疑問だった。

高原のリゾートであればレンタサイクル、というのは、ごく自然に思い浮かぶ。雲仙でもやっと今になってレンタサイクル事業を始めたようだが、何と貸し出し場所がゴルフ場。そこまでどうやって行くのですか?

自転車を借りようとする旅行者は、公共交通機関を利用する人が中心だと思われる。だったら中心部とか旅館の近くで借りられないと、意味ないでしょ?車で来た人がわざわざレンタサイクルを借りるのですか?車前提でもいいけど、やっぱり貸し出し場所は中心部じゃないと、利用者にとっては不便である。

そもそも中心部に観光案内所すらない。普通はバスを降りたら観光案内所に行ってパンフレットを貰って、それから何をするか考えるものだ。最初から観光の前提が車になっているのだったら、そこは考え直した方がいい。

主要な施設の管理者がバラバラだということが、調整を難しくしていると思われる。民間の施設はさておき、島鉄バス、国(環境省)、県、市など、当事者が多い。県営バスのターミナル跡は廃虚になっていて、全く活用されていない。観光案内所は市が開設して現地の観光組合に運営を委託したりするものだが、そういう調整が全くされていないようだ。そもそも県営バスのターミナルがあった時には、中に観光案内所位あったのだろうか。

そういう所を調整して、旅行者にとって便利な場所にしないと、ワーケーションなんて利用されるはずはない。

あとは、コロナ対策にうるさすぎ。大自然が売りなのだから、「高原では人との距離を取ってマスクを外しましょう」と宣伝すればいいのに、どこに行ってもマスク着用。かなりうんざりした。共同浴場でも「マスク着用、手指消毒」。風呂に入るだけなのに、マスク着けたまま湯船に浸かるのですか?硫黄分ですぐ消毒されますよ。

あいにく離れる以前に人がいません。そんなに大きく掲示される必要は、ありません。

これが完全におかしい。「感染症予防のため」じゃなくて「高原の自然の空気を入れるため」に窓を開けて下さい。これだけ涼しいのに、普段は冷房を入れているのですか?


とにかく、「高原の自然の風を満喫して下さい」という空気が、全くなかった。下界はこれだけ暑いのだから、何を売りにすべきか、地元の人が理解していないと思った。

宿泊施設も同様。マスク着用は最小限にするべきだ。以下に長崎・雲仙・佐世保各市共通の宿泊施設向けガイドラインを示す。従業員や宿泊客にマスク着用を推奨するような記述は一切ない。マスクが必要なのは、感染の疑いのある客に対応する時の従業員だけである。

チームナガサキセーフティ


温泉宿で感染リスクが高い場所は大浴場の脱衣場だと言われている。脱衣場の換気さえ徹底させていれば、後は宿泊客に過剰なマスク着用を求める必要性は全くない。そもそも風呂から上がったらすぐマスクを着けたいと思うだろうか。

新型コロナ陽性者が出る前提での観光推進を


上の記事にも書いたが、宿泊客の満足度を高めるためにも、マスクは極力使わないような方向で考えてもらいたい。


他にも色々アイデアはあるが、次の機会に回したい。

2020年8月7日金曜日

市民病院で新型コロナ患者が亡くなったそうですが

長崎なんたらセンター(長いので覚えられない。以下、市民病院と書く)で、新型コロナ罹患者がお亡くなりになられた。

もともと基礎疾患があって、入院されていたそうだ。


市民病院といえば、私のおばさんのことを思い出す。

おばさんは末期ガンで市民病院に入院していた。

で、そろそろ危なそうだという話を聞いたので、ある日、お見舞いに行った。入院してから会いに行くのは、初めて。そもそも、会うこと自体が10年振り位、いやもっとだったかもしれない。

病院に行くと、おじさんがつきっきりで看病していた。おばさんは意識はあるけど、私が来ていることを認識できているのかも、わからないような状況だった。

おじさんは、「昨日も親戚が来ていて、話をしてたんだけどねぇ。今日はつらそうだよ。」と言っていた。

結局、翌日亡くなって、私が家族以外で最後の面会者になった。


仮に、である。

このおばさんに新型コロナの陽性反応が出ていたら、どうなっていたか。

当然、隔離されて、旦那さんの看護も不可能。家族以外の面会なんて、論外。

ううん、と考えさせられる状況である。

2020年8月2日日曜日

過度なコロナ対策で子どもに責任を負わせるな

内容的には前回の続きになる。

なぜコロナ対策で高齢者の行動に制限をかけない?


長崎県でも学校で集団感染が起こり、大騒ぎになっている。
私は学校関係者とつながりが無いので、実際にどうなのかは、わからないが、多分大騒ぎになっているのだろう。

繰り返し書いているが、もう新型コロナによる病気の特徴は、かなりわかってきている。致死率はインフルエンザ並みで、一番違うのは、インフルエンザでは子どもも死ぬが、新型コロナでは死なないということだ。日本では20歳未満の新型コロナ死者は、今だにゼロである。

それなのに、何故コロナ対策で子どもの行動が制限されるのか。前回も書いたが、高総体の中止は、大人の都合に高校生が巻き込まれただけだ。高校生は罹患しても死なない。死ぬ可能性があるのは、役員その他の高齢者だ。だったら、高齢者は会場立ち入り禁止にして高総体を開催すれば良かったのだ。

今後も、子どもたちにとっては一生の思いでになる行事が、どんどん中止に追い込まれるだろう。これから行われる修学旅行や体育祭・文化祭はどうなるのか。


私が高校三年生の時に昭和天皇が崩御した。もう時代は平成も過ぎ令和に入ったので、その時のことを覚えている人も少なくなってきただろう。しかし、当時の高校三年生にとっては、あらゆる行事が自粛になり、一生忘れられない出来事になっている。

私の高3時の秋の体育祭文化祭は、中止にはならなかったが規模縮小された。準備段階から、今一つ盛り上がれなかった。そしてもし前日に天皇が崩御したら、多分中止になっていただろう。それを事前に学校側が決めていたかどうかは知らないが、常識的には中止だったと思う。

では、今年は秋の体育祭や文化祭の前日に校内でコロナ罹患者が発覚したら、どうするのか。中止にするのだろうか。多分、中止にするのだろうが、それをきちんと決めておけるのか。

日本の文部科学省は、最初から新型コロナ罹患者に対する対応は、インフルエンザ並みにするという指針を出していた。罹患者が出れば、本人が出席停止になるだけで、学級閉鎖や、ましてや学校閉鎖にする必要はない、という判断だった。ところが各地の自治体が、陽性者が1人でも出れば学校を閉鎖しまくっていった。

長崎県の教育委員会では、このことについてどう考えるのだろうか。多分、行事は一切中止という通達を出すと思われるが、昭和天皇の自粛ムードを経験した人間からすると、必要以上の対応をして高校生の一生の思い出に残るイベントを、簡単に中止にして貰いたくないという気持ちが強い。今の新型コロナによる重症者・死者の状況を見れば、学校での対応はインフルエンザ並みで十分である。

また、中止にすれば、陽性反応が出た(敢えて罹患したとは書かない)生徒や先生に、一生の傷を負わせることになる。「罹患した人は悪くない。責めてはいけない。」といくら言っても、自分のせいで行事を中止にさせたとなれば、本人は一生責任を感じるはずだ。生徒に大きな責任をかぶせるような決定を、絶対に行政側がやってはいけない。


<追記>
専門医の方が作った素晴らしいスライドがありました。
学校閉鎖についても書いてあります。
是非皆さん読んで下さい。

新型コロナウイルスのNow!


2020年7月27日月曜日

なぜコロナ対策で高齢者の行動に制限をかけない?

この話は長崎県に限ったことではないのだが。

とりあえず、長崎県の新型コロナウイルス対策の目的が見えないという話は、前回書いた。

長崎県のコロナ対策は目的が見えないことが問題



そして、諌早市で70代男性の感染が判明したのだが、場所が問題である。

健康センターで陽性患者と接触 長崎県諫早市の70代男性が新型コロナ
男性は7月17日、諫早市の小長井健康センターにあるトレーニング施設を利用していて、ここで長崎県内51例目となった諫早市の50代の男性と接触があったということです。

私が以前から思っていることなのだが、この件を契機に書きたい。

感染症対策というのは、ハイリスクな人たちを隔離する、ということが基本のはずだ。スポーツジムは感染が起こる場所だというのは、かなり以前からわかっていたこと。では何故、感染が広がっている今の時期に、高齢者のスポーツジム利用を禁止しないのか。


子どもは感染してもほぼ無症状か軽症で済む。実際に日本では18歳以下の死者は、ゼロである。

それなのに「命が大事だ」とか言って、高総体を中止にした。

高校生は感染しても死なない。命が大事だと言うのであれば、60歳以上の人を立ち入り禁止にして、高総体を開催するという選択肢もあったのではないか。

高総体に限らず、多くの若年層のイベントが中止・規模縮小になっている。弊害が多いと言われながらも、子どもへのマスク着用やソーシャルディスタンシングを行っている。それは全て、「子どもを経由してハイリスクな高齢者を感染させてはいけない」という理由だったのではないのか。

コロナと小児科医療 「子どもの重症化リスク低い」 長崎大学病院 森内教授

また、成長発達の過程にある子どもが、友達との触れ合いの機会が減り、マスクを着けた状態でしか友達や先生の顔を見られないと、表情から感情を理解できない大人に成長する恐れもある。子どもを犠牲にしていることを頭に置き、どこまで我慢を強いるべきかを考えたい。

そうやって子ども達に負担をかけるのに、何故、もともとハイリスクな高齢者は自由に行動させているのか。感染拡大防止対策としては、全く意味不明である。

民間のスポーツ施設で年齢制限をかける、となれば、経営問題になる。しかし、公営の施設であれば、例えば60歳以上の利用を当面控えてもらう、などの対応は、できるはずだ。何故やらない?


とにかく「高齢者のため」とか言って子どもたちに過剰な負担をかけながら、その高齢者は自由にさせているという今の日本社会は、絶対におかしい。

2020年7月23日木曜日

長崎県のコロナ対策は目的が見えないことが問題

長崎県内でも無症状の検査陽性者が増え(患者とは言わない)、県民および旅行者の不安感を増大させているが、特に県知事がしっかりとしたメッセージを出さないことが、大きな問題だと感じる。

新型コロナ対策で一番まともなことを言っているのは、大阪府の吉村知事だ。

ちょっと長いので私も全部は見ていないが、会見のようすを紹介する。


大阪府・吉村知事「陽性者120名程度。過去最多。30代以下が7割」(2020年7月22日)


吉村知事は、これだけ大阪府内で検査陽性者が増えても、Go Toキャンペーンについて「その必要性は認識をしています。」と言っている。

大阪府・吉村知事が定例会見7月22日(全文2)休業要請は持続可能なやり方ではない


吉村知事の素晴らしい所は、コロナ対策の目的がしっかりしていて、そこを目指していると明言していることである。具体的にいえば、「医療機関をひっ迫させない」ということだ。

いくら検査陽性者が増えようが、無症状や軽症者ばかりであれば、ホテル療養にすれば医療機関への負担は減らせる。だからホテルを確保する。そして、医療に負荷がかからない範囲内で経済を回す。今は重症者が非常に少ないので、感染拡大に注意しながら、飲食店の利用や旅行も認める。実にわかりやすい。

長崎県知事の話からは、こういう方針が全く感じられない。観光客を受け入れることが長崎県経済のために重要であるのなら、そのためにどういう対策を取っていくか、吉村知事のようにきちんと説明すればいいのだ。長崎県の場合、現在病床を占有しているのは、重症者どころか軽症ですらない無症状者ばかりだと、何故知事の口から言わないのか?

実際には方針も対策もないので、説明のしようがないのだが(苦笑)。


長崎県の方針のなさが顕著に現れたのが、五島での陽性者発覚後の対応である。この対応に問題があることは、前回の記事に書いた。

五島保健所は自ら医療崩壊を招くつもり?


陽性者の濃厚接触者はいないが、接触者の希望者全員に検査をした。何のための検査なのか、目的が全く見えない。

接触者13人の検査は陰性だったようだが、仮に全員陽性だったら、どうしたのか?全員入院させるつもりだったのか?陽性判明者2人に加え13人を入院させたら、15人になる。五島市の感染症指定病院に15人も入院させると、他の診療に影響が出ないのか。そこまで考えて検査をしたのだろうか。

みなとメディカルなど新たに3人 長崎県内感染確認50人に


税金を使って検査をする以上、それは「陽性になる確率が高い」ことが理由にならないといけない。つまり、13人が陽性になる前提で事後の対応を考えた上で、検査をしないといけないのだ。仮に陽性者が出ないと思うのであれば、公費で検査をしてはいけない。

政府の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を助言する分科会の尾身会長は、PCR検査の対象として、以下のように述べている。

1例でも感染出た医療機関、接触問わず「PCR検査可能に」、分科会


検査体制を巡って、尾身会長は7月6日の初回会合で、(1)有症状者、(2)感染リスクおよび事前確率が高い無症状者、(3)感染リスクおよび事前確率が低い無症状者――の3つのカテゴリーに分けて、それぞれの対象範囲やふさわしい検査の在り方を検討する意向を示していた。

一方、これらに該当しない(3)の場合は「行政検査は実施しない」と明記し、自費での検査であれば認める考えを示した。

五島市の接触者は(2)だったのか。「濃厚接触者」であれば(2)だと言えるが、ただの「接触者」であるから(3)であろう。


長崎県の対応は、「医療機関に負荷をかけないようにする」ことを目標にしているとは、思えない。大量の無症状・軽症の陽性者を炙り出し、無症状の状態で入院させ、医療機関の負担を増やし、コロナ以外の患者への診療に悪影響を与えている。

そして、県民には「医療危機が起こる」と言い、行動を萎縮させる。この状態で観光客に来て下さいと県民が思えるはずがない。

私はかなり前から訴えているのだが、何故長崎県は離島での軽症者用施設を確保しないのか。確保できているのは壱岐市の市所有施設だけだと聞く。


「コロナ後」を見据えた観光戦略を
「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう


長崎県がやるべきことは、特に離島において軽症者用の施設をしっかり確保し、「陽性者が出ても通常の医療には影響が出ないようにします」と言うことではないか。

また、壱岐では重篤化のおそれがある罹患者を自衛隊のヘリコプターで本土に搬送した。今回も五島で重篤化のおそれがあるとして、海上保安庁の巡視船で搬送した。こういう例を挙げ、「何かあっても万全の体制で治療しますから、心配しないで下さい」と離島住民に言うべきではないか。


長崎県の対応は、とにかく県民の不安感を煽って行動を萎縮させようとすることばかりだ。そのくせ、観光客には来てくださいと言う。これでは県民が県政に対して信頼感を持てるはずがない。観光客に来てくれと言うのであれば、大阪府知事みたいにしっかり方針を示して、県民を納得させる努力が必要である。


2020年7月22日水曜日

五島保健所は自ら医療崩壊を招くつもり?

五島市で初の新型コロナウイルス感染者が確認された。
2人とも現在無症状だということである。

以前から繰り返し書いているが、ウイルスが永久になくならない以上、「感染者を出さない」という方針を取るのは間違いで、「出た時にどう対処するか」を考えることが重要である。

もともと日本の新型コロナ対策はどういう方針だったかといえば、医療崩壊を招かないことと重症者を出さない、ということだった。感染者をゼロにする、ではない。

ところが、各地の首長が「感染ゼロ」を目指して検査数を増やし、無症状の感染者を大量に浮かび上がらせて、国民の不安を増大させている。今大量に出ている感染者は、「37.5度以上の発熱が4日続く」という以前のルールに従えば、ほぼ全員が「検査を受けられなかった」人たちであり、重症者もほとんど出ていない。それなのに、国民の不安は解消されていない。

「発熱4日ルール」までは行かなくても、無症状者に対する検査をなくすだけでも、国民の不安感の解消度は相当なものになるのだ。安心のために検査をするというのは大きな間違いで、現実には検査をすることにより国民の不安は増大しているのである。


五島市の話に戻す。感染者の濃厚接触者はいないということだが、接触者は希望すれば全員検査を受けられるそうだ。

五島市内で新型コロナウイルス感染者が確認されたことによる市長メッセージ

今回、感染された方との接触者につきましては、7月21日から22日までに五島保健所から連絡があり、希望される方は全員検査を受けていただきます。なお、濃厚接触者と判定された方はいらっしゃいませんでした。

これ、誰が決めたのだろうか。文面からすると五島保健所だろうか。となると、長崎県が決めたということだ。

もしこれで無症状の感染者が何人も出てきたら、県はどう対応するつもりなのだろうか。

五島市の感染症病床は4床しかない。もうそのうちの2床が埋まっている状態だ。23床までは対応できるようだが、そうなると医療機関の機能低下は免れず、他の病気の人に対して十分な医療が提供できなくなる。

これは実際に東京での感染ピーク時に起こった話で、コロナ対策で病院が疲弊し他の病気への対応に影響が出て、新型コロナによる死者よりも他の病気による死者が増えた、という現場の意見がある。

新型コロナ「超過死亡」提示へ 厚労相「専門家と検証」

海外では週単位で全死亡数が公表されており、「超過死亡は感染者の死亡報告数より6割多い」などとする分析が出ている。感染者の見逃しだけでなく、医療崩壊が起きて適切な医療を受けられずに死亡した可能性などが指摘されている。


長崎市でも検査陽性者の数が増えていることが問題になっているが、「入院中」の全員が無症状である。

さすがに全員が無症状だというのはデータがおかしいとも思えるが、新聞報道に出ている範囲では、「入院した」という話は全員症状が改善した後である。
(7/27追記 上の図、クリックしてみて下さい。さすがにゼロは間違いで、「データなし」だそうです)

長崎市民病院(今は名前が変わったらしいが、長すぎて覚えきれない)ではクラスターが発生し、診療のほぼ全面休止など大幅に病院機能が低下している。

みなとメディカル感染4人 長崎県内46人に 五島でも2人初確認


ところが、検査陽性者は全員発熱1日とか無症状というレベルで、そういう人を入院させ医療資源を食いつぶし、本来の患者さんへの診療が手薄になっているのだ。

私は当該病院に知人がいないので全く情報を持たないが(Yahoo!ニュースのコメント欄では見かけた)、さすがに今の状況に直面すれば、このやり方はおかしいと思うだろう。発熱1日とか無症状の患者を完全防御で手厚く保護して、他の患者の診療を制限しているのだから、まともな医療者なら相当歯痒い思いをしているだろう。


長崎県は、本土の医療体制を1段階上の「フェーズ2」に引き上げた。

新型コロナ 長崎県「フェーズ2」へ 本土の医療機関に病床確保を要請

本土では長崎市の長崎みなとメディカルセンターで集団感染が発生するなど、19日現在、計23人が指定医療機関に入院、または軽症者用宿泊療養施設に入所。県は入院・入所の内訳を公表していないが、入院者が49床の3分の1を超えたとみられる。

しかし、何故入院・入所の内訳を公表しないのか。入院者が軽症なのか無症状なのか公表しないのか。上に出したデータは、県が軽症なのか無症状なのか公表していないから、「軽症・中等症」が0なのかもしれないが、仮に全員無症状で、無症状者のために病床が圧迫されて、他の病気の患者への診療体制が制約されるというのは、おかしいだろう。

以前にも書いたが、やはり長崎県は、対応が根本的に間違っていると思う。

長崎県医師会と長崎県知事は今何をすべきか全くわかっていない



長崎県の医療関係者は、「コロナ対策の目的」が何なのかを、もう一度考え直して欲しい。



2020年7月15日水曜日

「Go Toキャンペーン」を活用して都会から観光客を呼び込もう

政府が7月22日から始める旅行推進策の「Go Toキャンペーン」に対して、賛否両論が出ている。

反対派は、ほぼ「都会から地方にウイルスを拡散させるな」という意見だ。しかし、その理由で事業を中止する必要はあるのだろうか。

これは「新型コロナウイルス対策」がどこを目指すのか、ということと密接に関係している。


今の段階でわかっていることといえば、コロナ対策として「封じ込め」は無理がある、ということだ。

ウイルスは絶滅させることはできない。私が知る限り、ウイルスがなくなると言っている専門家は1人もいない。では、なくならないという前提でどういう対策を取ればいいのか。

今の世の中、国境を永遠に閉ざすことは経済面からほぼ不可能なので、仮に国単位での封じ込めが成功したとしても、国境を開けばいつかはウイルスが入ってくる。1度は封じ込めに成功したと思われた韓国や香港、シンガポールでは、再度流行が起こってしまった。

また、今でも封じ込め状態を続けているニュージーランドでは、国境を開くことができずに困っている。ニュージーランドは現在冬で、私も去年の今ごろはニュージーランドにスキーに行っていた。世界中からスキー客が集まっていたが、今年は海外からの観光客を入国させることができずに、現地のスキー関係業者も大変だろう。

となると、集団免疫が達成されて、感染が収束するしか方法はない。ヨーロッパは集団免疫が達成されて、感染が収束に向かいEU域内での旅行は自由にできるようになった。日本からの観光客が自由に入れる国も増えている。


行動規制による感染拡大防止策は、あまり意味がないというのは世界中の事例を見るとわかる。かなり早期に厳しい行動規制を取れば効果はあるようだが、それでも永久に行動規制を続けないと感染拡大を止めることはできない。

アメリカではカリフォルニア州が早期に行動規制を取って感染拡大防止に成功し、ニューヨーク州は失敗したと言われていた。ところが今の状況を見ると、ニューヨークは集団免疫が達成されて感染が収束しているが、カリフォルニアはまだ感染拡大が止まらず、行動規制を続けないといけない状況になっている。この現況を見て、カリフォルニアの行動規制が成功だったと言っていた人は、どう考えるのだろうか。


世界中を見ても、新型コロナ対策が成功したと言えるのはスウェーデンだけではないだろうか。スウェーデンも全く規制をしなかった訳ではない。市民生活の規制は最小限にして、重症化リスクの高い高齢者が罹患しないような対策を取った。

スウェーデンが失敗だったという人は、高齢者の死亡率が高いことを理由に挙げる。確かに、隔離したはずの高齢者施設で集団感染が起こったことは、スウェーデン政府も失敗として認めている。それでも国全体の人口あたり死亡者数はイギリスより低く、経済活動とのバランスを考えると、全体としてみれば成功したと言えるだろう。


では日本の地方はどうすればいいのか。「ウイルスを持ち込まない」では、永遠に地域を閉ざさないといけない。「ウイルスが持ち込まれることを前提にして、重症者・死亡者を出さない医療体制を作る」ことが、コロナ対策の目的にならないといけないのだ。

新型コロナ陽性者が出る前提での観光推進を


そもそも日本のコロナ対策の目的も、最初は「重症者・死亡者を出さない医療体制を作る」ことだったはずだ。それが世論に押されて、「感染者を1人も出さない」に変わってしまった気がする。


これは2月24日発表の政府専門家会議の資料だ。「現時点」というのが「この1〜2週間が瀬戸際」と言った時点である。この図からすると、今は「重症化防止」の時期であり、感染拡大防止のタイミングではない。

そして注意すべき点は、今は何故か感染者が重症化しなくなっていることだ。

なぜか、新型コロナで誰も重症化しなくなっているをデータで見る


「重症化しなくなっている」と判断するにはまだ早い、という意見もあるが、私はさすがにもう判断していいと思う。

では何故重症化しなくなったのか。ウイルスが変異して弱毒化しているのかもしれないし、あるいは夏場は人間の免疫力が高まるので、冬場なら重症化する人でも夏場に罹患すれば軽症で済むのかもしれない。


ここが重要である。仮に夏場の免疫力が要因で重症化しないのであれば、冬場より夏場にウイルスの流行が起こった方が、重症化する人を減らすことができるのだ。

地方が永遠に都会からの人を受け入れないつもりなら、「Go Toキャンペーン」に反対して閉鎖状態を作るのは構わないと思う。しかし、いつかは感染が広がって集団免疫が達成されないといけないのであれば、夏のうちにウイルスの流行が起こった方が、被害は少なく済むのだ。

私は地方在住者として「G0 Toキャンペーン」に乗る方がいいと考える。

2020年7月5日日曜日

新型コロナ陽性者が出る前提での観光推進を

東京都での新型コロナ陽性者が増えたり、長崎市でも陽性者が出たりと、まだまだコロナ騒ぎは落ち着くきざしを見せない。

その中で、「感染者が出ているのに観光客を受け入れるのはけしからん」というような意見を言う人がいる。

こういうことを言う人は、大前提が間違っていることに気付いて欲しい。

コロナウイルスは永久になくならないのだ。必ずいつか、どこかで陽性者が出る。だから、陽性者が出る前提で話をしないといけない。

陽性者を出さないことが目的になるのであれば、長崎には観光客を永久に呼べなくなる。それでいいのか。観光に従事していない人や年金で生活している人は困らないだろう。しかし、それでは地域が衰退してしまう。

市民に強烈な行動規制を強いて徹底的な封じ込めをやったニュージーランドは、今国境を開けなくて大問題になっている。国境を開ければ、必ず感染者が入ってくるからだ。実際、葬儀のために帰省した人がウイルスを持ち込んで、大問題になってしまった。

新型コロナ「勝利宣言」のニュージーランドにも新規感染者


当初は、ニュージーランドとオーストラリアの間だけは移動できるようにする計画だったが、それも暗礁に乗り上げている。

感染者を出さないという政策は、経済を壊滅させる危険な方針だということを、長崎の人にも理解して欲しい。


ではどうすればいいのか。コロナ陽性者が出ても心配しないで済む医療体制を整備することが大事なのである。具体的な内容は以下の記事ですでに書いたので参照頂きたい。

「コロナ後」を見据えた観光戦略を

「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう



長崎新聞に対馬グリーン・ブルーツーリズム協会事務局長の川口幹子さんが興味深い記事を投稿されていた。

【寄稿】「ポストコロナの農村観光」 不要不急を田舎の特権に


一部引用する。

大皿に盛られた刺身や鍋を囲みながら、マスクを着けずに会話を楽しみ、客とホストの間に、金銭と品物の交換を超えたコミュニケーションが生まれる。ポストコロナの日常で、それが田舎の特権になるならば、田舎に生きる私たちは、それを誇りと認識し、守らなければいけない。

そもそもマスクをして接客することを、客が望んでいるのか。宿側が勝手に客が求める「安心・安全」を判断して、過剰な安心を押し付けているのではないのか。そこを考えて欲しい。

現状では、都会に住む人が田舎に行く時に、自分が田舎にウイルスを持ち込むのではないかと心配して、旅行を控えている。都会から田舎に行って、田舎でウイルスを貰う心配をしているのではないのだ。マスクは自分から相手にウイルスを飛ばさないようにする効果しかない。つまり、田舎でウイルスを貰う心配をしていない都会の人に対して、マスクをして接客するというのは、必要のないことなのだ。

「私達はウイルスを貰う心配をしていません。仮に罹患しても、長崎県には十分な医療体制がありますので、私たちがコロナで死ぬことはありません。だから、心配せずに旅行に来て下さい。」と都会の人にメッセージを出さないといけないのだ。


私は先日東京に行ってきたが、電車の中の人が全員マスクをつけているのを見て、息苦しさを感じた。東京に住んでいたとすれば、その息苦しさから解放されるために地方に旅行に行っているのに、旅行先でまで全員マスクをして飛沫防止のビニールに覆われた状況を見て、気持ちが安らぐだろうか。

上京した時にJALの株主総会に参加して、質疑応答の時間に手を上げたら指名されたので、1つ質問をした。「過剰なコロナ対策をするのは、やめて欲しい。特に乗客全員にマスク義務化をするのは解除して欲しい。これから夏休みに入ってリゾート地に家族連れで旅行をする時に、全員マスク着用の機内にいたら、息苦しくなる。」と。

担当役員からの回答があり、「永久にマスク義務化を続けるつもりはないが、今はまだ乗客の反応を見るとマスクは義務化すべきだと判断している。」とのことだった。つまり、機内でマスクを義務化することに対して科学的根拠はなく、乗客の気持ちを勘案して判断しているということだ。


長崎新聞に以下のような記事も出ていた。

<いまを生きる 長崎コロナ禍> 消える? 大皿、直箸、杯洗… 長崎料亭文化に逆風


これも一部引用する。

卓袱は女将が「御鰭(おひれ)(吸い物)をどうぞ」と客に勧めて始まる。「花月」女将の中村由紀子さん(62)はその際、全従業員がマスクを外さないことに理解を求める。「たとえ、やぼと言われても、感染者を出して長崎観光のブランドを傷つけるわけにはいかない」と考える。

これは1つの考え方ではあると思うが、私は女将がマスクを外さない料亭には行きたくないし、仮に感染者が出た所で長崎観光のブランドが傷つくとも思わない。


星野リゾート代表の星野佳路氏の意見も引用する。

【星野リゾート・星野佳路代表】「久しぶりに代表としてお呼びがかかった」。倒産確率を示して社員と共有した現状と未来


かなりのペースでアイデアがいろいろと出てくるので、逆にあまり細かいことは見ていないのですが、マスクをつけた接客は、スタッフの表情がお客様に見えないので、私は1月ぐらいまでは反対していました。その後、「それでもやります」ということでマスクでの接客になっています。 
1月の段階ではここまで深刻になるという認識が私になく反対したのですが、今も改善は依頼しています。表情が見えるシールド・タイプにするか、マスクのデザインを工夫するようにと。 
なぜなら、星野リゾートのサービスにおける顧客満足度というのは、施設よりもスタッフに対するもののほうが圧倒的に高いからです。「スタッフの笑顔が素晴らしい」という感想を毎日のようにいただく。マスクで表情が分からずしてスタッフの笑顔や気持ちが伝わるのかと思うからです。

感染対策として気安く従業員にマスクを着けさせている接客業の方々、星野社長の意見もふまえて、そこは良く考えて頂きたい。少なくとも私は、マスクや飛沫除けのビニールシートやアクリル板のないホテルを積極的に選ぶ。チェックインで検温されたら、ふざけるなと言いたくなる。


話を元に戻すが、少なくとも長崎県では、「感染者が出ることは気にしない」「出ても大丈夫な医療体制を整える」ということを、県民そして旅行に来る都会の人に積極的にPRすることを政策の基本に置いて欲しい。間違っても過剰な感染防止対策をすることを推し進めることは、やめて欲しい。必ずしも旅行者はそれを望んでいないのだから。

2020年5月26日火曜日

観光でのコロナ対策は科学的に判断するべき

自粛が解除されても、軍艦島クルーズは再開の目処が立たないらしい。

軍艦島クルーズ 運航再開めど立たず 「3密」回避対策に苦慮


多分、こうなるだろうな、とは思っていた。軍艦島クルーズ船は対策の立てようがないからだ。そもそも密接して座らなければならず、座席間隔を開ければ採算が取れない。

ではなぜこうなるのか。コロナ対策の目的と手段が入れ替わっているからだ。

何のために対策を取らないといけないのか。新型コロナを拡散させないためだ。そこが目的で、「3密回避」というのはあくまで手段でしかないはずなのに、手段の方が目的化して、3密回避が果たせない限りは、コロナ自警団から祭り上げられ、営業をすることができないという状況になっている。

科学的に考えると、軍艦島クルーズを運航するめの対策は、乗客にマスク着用を義務づけるだけで十分なのだ。窓を開けて密閉を避ければ、マスクにより密集、密接によるウイルス拡散は回避できる。

何のために密接を避けるのか。新型コロナウイルスを持っている人が唾を飛ばし、それを近くにいた人が受けて感染しないように、である。これはマスクをすることによって防げる。

今は、マスクをすることが絶対という間違った意識が世間に広がっていて、何のためにマスクをするのかは、完全に置き去りにされている。じゃあ効果のない状況でマスクをして熱中症になったら、どうするのか。ついに厚生労働省も、暑い時には屋外でマスクをする必要はない、と公式に表明した。

暑い屋外、マスク外して コロナに加え熱中症も注意 厚労省など


これより前に、長大病院の泉川教授も、運動時にはマスクを外すことを指摘している。

解除後2週間が鍵 長大病院の泉川公一教授

運動の際のマスクは体に負荷がかかるため、着用せずに距離を取るべきとした。
私が勝手に翻訳すると、マスクは飛沫が飛ばないようにするものであるから、飛沫の届かない距離を開ければ、マスクは不要だ、ということだ。

軍艦島の船は、この逆である。密接は避けられないからマスクをして飛沫が飛ぶのを防ぐ。これで対策は問題ない。

そもそも軍艦島のクルーズ船程度で感染が広がるのなら、大都市部の満員電車なんてもうウイルス広がりまくりになっているはずだ。


ダイヤモンドプリンセスへの「突入」で有名になった神戸大学の岩田教授が、下のようなことを言っている。


「高校野球の開催は可能だった」感染症の専門家が語るゼロリスク思考の弊害


科学的に考えれば、軍艦島クルーズはマスク着用義務化で対策は十分である。でも、それでは世間が納得しないから運航会社は困る。だったら運航会社が例えば長大の泉川教授に「マスクで大丈夫です」と言ってもらえばいいんだろうけど、民間企業がそれを頼むのは難しい。ならば長崎市が泉川教授にお願いして、軍艦島クルーズはこれで大丈夫だと言ってもらえばいい。

長崎市にとっても軍艦島クルーズは貴重な観光資源なのだから、市が関与することで特定の企業に便宜をはかる、という解釈にもならないだろう。もっと行政が積極的に観光客の回復に関与すべきだと思う。


2020年5月18日月曜日

「シンクながさき」の提言は完全に間違っている

長崎新聞の記事で、ながさき地域政策研究所(シンクながさき)がコロナ後の提言をまとめたというものがあった。

「ピンチをチャンスに」 コロナ後見据え提言

具体的な内容について、もうシンクながさきのHPに掲載されている。

(第1部)コロナウイルス緊急事態宣言を受けた長崎への提言―コロナ後の世界に向けて

(第2部)コロナウイルス緊急事態宣言を受けた長崎への提言―コロナ後の世界に向けて


これを読んで、「ああ、参考になった。読んで良かった。」と思う県民が何人いるだろうか。ほぼ誰の参考にもならない文章である。そもそも読む人が何人いるのか。私のブログのアクセス数も少ないが、それと大差ないレベルではないだろうか。それも、本当に参考にしようと思って読む人が何割いるのか、悪いけど疑問に思っている。公務員がとりあえず読むだけ読んで、特に参考にできる話はなかったな、で終わりだろう。県内の公務員のそれなりの割合の人が読むだけで私のブログより遥かに多くのアクセス数にはなるのだろうが。

それとは違い、私のブログを今読んでいる人は、本当に参考にしようと思って中身を真面目に読んでいる人ばかりだと思う。申し訳ないが、シンクながさきの提言より、私のブログの方が遥かに価値が高い。

「コロナ後」を見据えた観光戦略を

「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう


じゃあ長崎県はこれからどうすればいいのか。具体的な提言を上の記事以外にも、これから書く。


まず長崎新聞の記事の引用から。

 これらの予測や考察を基に、長崎県が取り組むべき具体策を列挙。▽人口分散を見込んだ移住受け入れの促進▽「近距離間観光」の模索▽造船業振興に向けた「病院船」「災害救助船」の製造検討-などを提案している。

いちいち突っ込みを入れるのも面倒なので、観光に絞って書く。

観光についていえば、国内旅行は8月には正常化すると思う。だから、7月以降、どれだけ全国から、特に関東からの客を長崎に呼べるか、その準備を他県に先駆け今できるのかが、問われている。

日本がこの夏までに外国人の観光客を受け入れるとは思えないので、海外からの集客は見込めない。しかし逆に、日本人の海外旅行も、仮に相手国側が許可しても(ヨーロッパは許可すると思う)、日本が帰国後2週間自宅待機などを命じるだろうから、あまり増える見込みはない。となると、これまで海外旅行に出かけていた日本人が国内旅行に振り替える可能性は、高いのだ。

長崎県の現状を考えると、クルーズ船客を除けば、そこまで極端に海外客に依存していた訳ではない。逆に、それを埋めるだけの「海外旅行をしていた日本人客」を県内に呼び込むことが、努力次第では可能だと思う。それこそ今年の夏は県内の離島を売り込みチャンスなのである。

最近東京に行っていないからわからないが、駅などの広告スペースはガラガラらしい。そうであれば、目立つ場所は取り放題。値段も安く叩けるだろう。じゃ今のうちに広告を作っておいて、国内の移動が解禁されれば、一気に長崎県の広告で東京を埋める、なんてことも可能である。これは今年じゃないと、できないことだ。


次に重要なのが修学旅行である。政府もできれば修学旅行は中止ではなく秋以降にやって欲しい、という意向を示している。

まずは長崎県に来る予定だった修学旅行が、確実に来てもらえるように努力するのが第1。そして、時期や目的地を変える学校が、変更後の行き先として長崎を選んでもらえるようにするのが第2である。

近年、特に高校では海外への修学旅行をする学校が増えている。残念ながら今年度は海外は無理だろう。じゃあ代わりに長崎に来てもらおう、ということだ。

沖縄や北海道も受け入れ側の都合もあり、避けられる可能性はある。じゃあ、長崎に来てもらいましょうよ。沖縄の離島に行くつもりだった学校に、かわりに長崎の離島を提案するということも、できるだろう。

そのために、今から県内のホテルを修学旅行用に押さえる。そして航空会社にも、大型の飛行機を秋には長崎に飛ばしてもらうようお願いし、飛行機の座席も押さえる。貸し切りバスはクルーズ船が来ないので空いているだろうから、観光バス会社の経営安定化のためにも、修学旅行用に今から話をしておく。特に飛行機は全国的な航空需要の低下から小型化されているので、夏以降運休便が再開されるスケジュールを立てる時に、「長崎は修学旅行を呼びますから、大型機を入れて下さい」と今からお願いする必要がある。

県内の旅行を増やそうと市長会が県にお願いに行ったようだが、今やることはそれではない。県外客の受け入れ準備をすることだ。

経済浮揚のカギは旅行!?市長会が県に緊急要望【長崎】


今書いた話は、決して非現実的な話ではないと思うし、今すぐにでも対策を立てるべきだと、読んだ人はみんな感じてもらえると確信している。

問題なのは、訳のわからない提言をしている組織に県の政策を委ねている現状である。私のこの文章を、是非平田副知事や中崎文化観光国際部長に読んでもらって参考にして頂きたいと、強く思っている。自分から読んでくれとお願いするつもりは、全くないが(苦笑)。


<追記>
スシローが渋谷スクランブル交差点の広告をジャックしたそうです。

スクランブル交差点が寿司だらけに コロナで人が消えた渋谷、スシローに占拠されていた


私も東京のどこかを、長崎県が観光広告で埋め尽くせ、と言っているのです。

2020年5月13日水曜日

「コロナ後」を見据えた観光戦略を

朝日新聞の記事で、中村知事がコロナ後の客船誘致についての話をしたというものがあった。

長崎)「寄港前から情報入手を」客船感染症対策で知事

中村知事は「中長期的に見ればクルーズ船需要が拡大する」との見方を示し、新型コロナの終息の見通しが立つことや安全対策の整備を前提に、客船の誘致や修繕事業を後押しする方針を示した。

とにかく後手後手の知事が、少しは前向きの話をしたのは、喜ばしく思う。

では将来の観光振興に向けて何をするべきか。「新型コロナ患者を出さない」では駄目で、「患者が出てもきちんと対処できることを住民に示す」ことが重要だ。そもそも新型コロナウイルスは撲滅することはできないと、私が耳にする限り全ての専門家が言っている。だから、「患者を出しません」と言って住民を安心させるのは不誠実であり、患者が出た時に取り返しがつかないことになる。「罹っても対処できますから大丈夫です」と言わないといけない。

対馬を例にして以前記事を書いたので、それも参考にして頂きたい。

「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう


そのためにも「コスタアトランチカ」号の総括を、きちんと県民に対して行うべきである。


コスタアトランチカ号には、200人程度の感染者がいたと思われる。そもそもPCR検査の精度だと、感染者のうち7割程度しか陽性反応が出ない。だから、陽性者が140人であれば本当の感染者は200人程度だと想定される。

知事がおかしくなったのは、このうち2割が重症化すると聞かされたからだと想像する。200人のうち2割が重症化すれば40人の重症者が発生する。その面倒をどこで見るのか、ということで、県民に行動自粛を呼びかけるという本末転倒の策を取ってしまった。

長崎県医師会の「医療危機的状況宣言」は間違い


実際どうなったかと言えば、重症者は1人だけ。2割どころではない、0.5%である。いかに現実と比べてとんでもない数字を持ち出して医師会と県知事が大騒ぎをしていたのかが、わかる。そのために長崎市内の街中からは人が消え、商店に大きな打撃を与えた。

ここで重要なのは、重症化率は0.5%、致死率は0%だったということだ。これを県民にきちんと説明しないといけない。せめて全員が回復した時点で、知事がはっきり「県民の皆様にはご心配をおかけして申し訳ありません。重症者1人、死者0人で全員回復しました」と県民向けの報告を、マスクを外してするべきである。

そして、もちろん船員に若い人が多いということはあったけど、この程度の病気を恐れて、県に来る観光客を完全に断る必要性があるのかを、県民に考えてもらわないといけない。今の状況だと、離島は観光客お断り、クルーズ船の寄港は絶対反対だ、という県民は多い。それを説得するのは、間違いなく知事の仕事なのだ。


8割の行動削減目標で大きな迷惑を受けた県民の1人として、それを挽回する仕事を知事にはしっかりやって欲しいと思う。



2020年5月5日火曜日

長崎県知事は科学的根拠をもとに規制をかけるべき

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が延長されたことに伴い、長崎県でも「長崎モデル」と呼ぶ対策が発表された。

長崎の緊急事態宣言延長の対応は 学校・遊興施設・図書館は


これは国による指針を受けてのものだが、全く科学的な根拠を持っていない独自の方針になっている。

築地市場移転問題で、小池東京都知事が「安全と安心は違う」と言って、過大な対策を取ったため予算が増大し移転が遅れた。そして移転した豊洲市場は現在全く問題なく運用されている。科学的根拠に立脚しない安心を求めることで、どれだけのムダな税金と時間を使ったのか、関係者は非難しているが、もう国民はそのことを忘れいる。小池知事は、今度はコロナウイルスの対応で人気を上げ、数ヶ月後に迫っている都知事選で再選を狙っているという状況だ。

安心というのは、きちんと理由を説明して相手を納得させることで成立する。安全であることを知事が理解し、県民にきちんと説明して安心させるのが筋なのだが、中村知事にはそういう姿勢が全く見えない。そもそも知事自身が全く安心していない。ちゃんと勉強して安心して欲しい。私のブログを全部読むだけでも全然違う。


長崎県の新型コロナウイルス対策はどうなっているのか。中村知事は、全く科学的根拠を示さず、感情だけで施策を打っている。市中感染がなく感染者の少ない長崎県で、県民に行動自粛を求めることに対する合理性はなく、それで経済を痛めつけることは悪影響しかないと、私は繰り返し書いてきた

長崎大学には感染症の専門家がいるのだから、専門家と相談して合理的な対策を立てなければ、ただでさえ人口流出が進む長崎県が、もっとひどい状態になるのは目に見えている。

そもそも外出禁止措置が感染拡大防止に役立つという根拠は、ない。ほとんど外出規制をしていないスウェーデンが、他の西欧諸国と比較しても感染の広がりが変わらないままピークアウトしたという事例もある。市中感染が起こっていない長崎県で行動の8割削減を目指すことは、ナンセンスでしかない。


国が出した方針は、以下の通りである。

緊急事態宣言延長 変更が決まった 「基本的対処方針」の詳細


この中で「地域の実情に応じて各県が判断する」という言葉が出てくる。長崎県は客観的に見て、一番緩い規制に留めるべきである。もちろん感染者が少ないことや市中感染が起こっていないことが理由になるが、長崎県の経済状況はもともと最悪である上に、観光業への依存度が高いことも考慮する必要がある。

長崎県が出した対応策は下にある。

新型コロナウィルス感染症への対応について


学校の対応で本土と離島部を分けたのは一歩前進である。しかし、本土部であっても、もともと感染の危険度は低い。平常授業を行うことに全く問題はないが、何故分散登校を取り入れるのか。個人的には、害悪でしかない強制補習授業が削減されることは、いいことだと思っているが。

そして、何故美術館と図書館を開けないのか。国の方針では、特定警戒都道府県でも「博物館、美術館、図書館、屋外の公園などは感染防止策をとることを前提に、開放することも考えられる」としている。何故特定警戒都道府県でもない長崎県で、美術館と図書館を閉鎖したままにするのか。不急不要なのか。少なくとも私は図書館が閉まって困っている。もっとも、大村の県立図書館ではなく長崎市立図書館が閉まっていて困っているのだが、実は県内では長崎県立大学にしかない見たい資料がある。普段なら借りられるのだが、ここも閉まっているから私の研究活動に支障をきたしている。


クルーズ船のことで中村知事の頭がおかしくなっている感じだが、県民全員が迷惑するのだから、もう少し勉強して冷静に対処して欲しい。

2020年5月3日日曜日

長崎県医師会と長崎県知事は今何をすべきか全くわかっていない

長崎県医師会と長崎県知事に対する悪口をこのブログに書いたが、これらの記事はおかげさまで私のブログ史上、最大級のアクセス数を記録している。たくさんの人に読んで頂き、書いた意味があったと強く感じている。

長崎県医師会の「医療危機的状況宣言」は間違い
クルーズ船を追い出した長崎港は将来痛い目にあう


そして、また医師会がピント外れのこと言っているので、文句を書く。
以下は、長崎新聞の記事へのリンク。

収容能力十分でない 長崎県医師会が「危機的状況宣言」


何が問題なのか。離島のことに一言も触れていないことである。
長崎県の医療で、今、特に大事なのは、離島の医療体制ではないだろうか。

他県の人も読んでいるだろうから、長崎県の病院事情に触れておく。多分、医師会というのは開業医が中心になって構成されている。長崎県の場合、長崎市の開業医が中心になるのだろう。そして長崎市の開業医といえば、医療費無料の原爆手帳所持者に処方せんを書くだけで経営が成り立つと言われてきた。事実かどうかは知らない。しかし、そう思っている市民は多い。となると、長崎県医師会は自分の頭を使うのではなく、政治力をつけて経営状態を良くすることしか考えてないのではないか、と思われても仕方がない。もし違うのであれば、いくらでも反論は待っている。このブログ上で公開で議論しても構わない。私の認識が間違っていれば、いつでもブログ上で訂正する。

そもそも今、他県から長崎県に来ないで、離島に来ないでと言っているのは何のためなのか、知事はわかっているのか。多分、わかっていない。感染拡大防止のため、という所まではわかっていても、じゃ他県の人に来るなと言っている間に、何をすべきかということを、わかっているのか。

まず2月24日発表の政府専門家会議の資料を見て欲しい。


例の、「この1〜2週間で」という話の奴である。「現時点」と書いてあるのが、「この1〜2週間が瀬戸際」と言った、現時点である。

この図を見てもらえばわかるが、誰も「この1〜2週間で終息する」とは言っていない。安倍総理が勝手に勘違いしただけであり、今でも総理が正しい考え方を理解しているとは思えない。

瀬戸際というのは感染拡大のペースを抑えられるかの瀬戸際であり、ウイルスを撲滅できるかどうかでは、ない。あくまでウイルスはずっと残る前提で、感染のスピードを抑えて、その間に医療体制を強化し、重篤患者・死亡者を出さないようにする、というのが当初計画であり、それは今に至っても何も変わることはない。

大阪府は外出自粛の解除の条件として、病床使用率などを基準にすることを発表した。

大阪府、経済再開へ基準 病床使用率など


つまり、感染を完全に止めることができない以上は、医療体制が間に合うかどうかが最大の問題なのである。


では長崎県および長崎県医師会は、きちんとこの理屈を理解し準備してきたのか。はなはだ疑問だ。

この病気の特性として、1人の患者からクラスター化すると、一気に10人程度の罹患者が発生する。当然、離島でもそれ位の感染者が数日のうちに発生することは、想定できた。にも関わらず、離島の感染症病床は各島4床しか用意していなかった。足りる訳がない。そして、壱岐で集団感染が起こり、壱岐の4床はすぐに埋まった。

発症者が重篤化するのは、今の日本の数字を見ると2%程度である。もちろんこれはICUが必要な人数であるから感染症病床の数とは違うが、重篤者が大量に発生する可能性は低いので、突然離島で医療崩壊が起こることはないだろう。しかし軽症者用のホテル等を20室程度用意しておく必要はある。壱岐の件があったにも関わらず、全離島で軽症者用の宿泊場所を確保したという話は聞かない。

長崎県医師会の会長さん、インタビューを受けたら、この話は絶対必要じゃないんですか?

そして「コロナ後」の対策を、知事も医師会も今全く考えていないようにしか見えない。このウイルスはなくならない。一旦収束しても、また冬になれば出てくることは考えられる。そうなったら、また「離島には来ないで下さい」と言うのか。それは違うだろう。離島で罹患者が出ても、医療体制は大丈夫だから心配なく来て下さい、ということを、島民にも島外からの旅行者にも言える体制を作らないといけないのだ。

「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう


今何もやらずに、ある程度収束した時に「島にどんどん来て下さい」と言って、その時に観光客から島民に感染したら、どうするつもりなのか。また再び「島に来ないで下さい」と言うのだろうか。医師会も、この部分はちゃんと言及する義務がある。もっとも医師会よりも各保健所(長崎県管轄)のほうが、対策の中心的役割を担う上で重要であろうが。

こういう体制を調整するのは、知事の仕事である。じゃ中村知事は今何をやっているのか。市中感染が起こっていない長崎県内で、県民に行動の8割削減を求めることで、経済に壊滅的な打撃を与えることがどれだけ危険なのか、全く理解していない。今、県内では市中感染数はゼロなのだから、ゼロはどう下げてもゼロにしかならない。それを抑えつけるような政策を県民に要求するのは、馬鹿げている。五島市長が連休中に県内の人は来島して下さいと言って問題になったが(後で撤回)、気持ちはわかる。そういう意識を持つことは、大事なのだ。


医師会長のコメントに戻る。

 -クルーズ船に関しては、市中感染の可能性が低いことなどが分かってきた。
 状況は推測でしかなく、感染発表(4月20日)から2週間経過する連休明けまでは目が離せない。市中で1、2人の感染が発生してもクラスターになり得る。

可能性が低いのに、可能性がゼロではないといって経済を止めていいのか。お店が潰れ、長崎県内で食えなくなって転出してもいいのか。極端なことをいえば、長崎県にとっては死者が出るのと人口流出が起こるのは、経済面から見ると同じ価値なのである。

まずクルーズ船の件だが、正しいことをすれば、支援する人は集まってくる。実際長崎にも、自衛隊を始め全国から支援団体が集まってきた。以前の記事の内容を繰り返すが、クルーズ船の感染者の影響で長崎県内の医療体制がひっ迫するから困る、みたいなことを医師会や県知事が最初に言うのは間違いである。クルーズ船のことは国が対処すべき話であるから、県内の医療体制は県民向けを第一に考え、クルーズ船の感染者は国に全面的な支援を求める、と最初の段階で言うべきだった。

診療態勢強化 CT車、現地入りへ 集団感染のコスタ・アトランチカ
熊本の災害派遣医療チーム(DMAT)なども


実際には、私が最初に指摘したように、クルーズ船から大量の重篤者が発生する事態にはなっていない。市内の病院に搬送されたのは今の時点で5人であり、人工呼吸器を装着している患者は1人のようだ。悪い方向で想定し準備することは大事であるが、いちばん起こりうるパターンを想定して先のことを考えることも、同様に重要だと私は考える。


そして今、国の専門家会議でも言われていることだが、医学面からだけの意見をもとに政策を決めるのは良くない。経済の専門家も会に入れて欲しいと専門家会議の委員から要望を出しているそうだ。現状、専門家会議が政府の方針を決める場になっているが(安倍総理の意向を専門家会議が反映して承認している、というのが実態)、本来これは違う。医学の専門家会議は医学面からの意見を言えばいいし、それとは別に経済面からの意見をくみ取る場を作り、それぞれの意見を聞いて総合的に政府が方針を決める、というやり方が筋なのである。

長崎県においても同じこと。医師会の意向だけ聞いて、経済面を全く無視するのは良くない。仮に私が経済面からのアドバイスを出す場にいれば、これまでブログに書いたように、医療崩壊・ウイルス蔓延の可能性は低いので、経済活動への打撃は最低限にするよう意見を言った。ここが中村知事は全くわかっていない。

繰り返すが、経済面からいえば、死者が出るのも人口流出が起こるのも、同じことである。長崎で廃業が増え人口流出の原因になり、さらに三菱重工がこれから増やそうとしているクルーズ船の修繕業務まで受注が困難になるような事態になれば、相当数の人口流出を招くことになる。そして離島の観光業はどうするつもりなのか。

こういうことをまともに考える人材が県庁にいないのは、非常に悲しいことだと思う。


2020年4月27日月曜日

クルーズ船を追い出した長崎港は将来痛い目にあう

普段あんまり露骨に個人名を出して悪口を書くことはないのだが。
今回のクルーズ船をめぐる中村知事の対応には、本当に腹が立つ。

普段船会社に対してたくさん長崎港に来て下さいと言っているくせに、相手が困っている時に追い出すというのは、どういうことだ。

私が船会社だったら、治療をしてくれたことに対して感謝はしても、以後極力長崎港には近付きたくないと思う。

困っている人がいれば助けてあげるのが、人として当たり前のことではないだろうか。

クルーズ船2隻が長崎出港 国通じ県が協力求める

また24日に長崎を出港した同社所有のコスタ・ベネチア(13万5千トン、乗組員781人)が、予定時刻の午後6時半を大幅に遅れて、同11時前に松が枝岸壁を離岸した理由について県は「次の行き先がなかったのではないか」と説明。

行き先がなくて困っている船に対し、とにかく出て行けというのは、何なのでしょう?
これ、命令出したの、中村知事ですよね?

そりゃ、船内にたくさんの患者が出て、大変になったことは、わかる。でも、医師会の言い方はどうなの?「医師会に過剰な負担がかからないように、私から国に強く要請する」と、中村知事が言わないといけないんじゃないの?

長崎大学には感染症の研究拠点がある。こんな時こそ、「我々に任せろ」と士気が上がったはずだ。私も研究者として、わかる。ここは自分たちの出番だ、と思ったはずだし、思わなかったんなら、悪いけど税金使ってあなたたちを雇う価値はない。すぐに職を辞して下さい。

「コスタアトランチカ」の船員は600人超。多分、全員検査しないといけなくなるな、と思ったら、やっぱりそうなった。で、何日かかるかな、と思えば、えらい早く全員の検査が終わった。

客船乗員全検体600人超 4日間で迅速検査 長崎大協力

検査の指揮を執った同大感染症共同研究拠点の安田二朗教授は「これをもう一回やれと言われたら誰か倒れます」と苦笑い。
いや、お疲れ様でした。大変だったでしょう。でも、充実感はあったと思う。研究者として社会の役に立てるのは、ほんとうに誇りに思えることだ。長崎大学の研究者には「面倒だからクルーズ船に出ていって欲しい」と思っている人がいないことを、信じている。

陰性乗組員帰国へ 他2隻は近く出港 コスタ社

同工場にとどまっているクルーズ船コスタ・セレーナ(11万4千トン、乗組員669人)とコスタ・ネオロマンチカ(5万6千トン、乗組員393人)が近く長崎を出港することも発表。2隻は国外に向かうが、行き先は未定という。

「やることはやったから、早く出ていって下さい」なんですか。行き先は未定なんですよ。これが、普段クルーズ船誘致を進めている港のやることですか。私、相当腹が立ってます。

集団感染の長崎停泊クルーズ船 「交代の乗下船は必要」日本支社幹部が経緯説明

 その上で「船を受け入れていただいた三菱や県、市に感謝している。情報は判明次第開示していきたい」と述べた。
そりゃ、感謝はするでしょう。で、この人たちをまた路頭に迷わせるのですか?そして落ち着いたら、「長崎港に来て下さい」と言うのですか?


とにかく中村知事の虫の良さには、腹が立っている。人として、おかしいと思う。

ここまで書いているのを読んでも、「クルーズ船は早く出て行け」という長崎市民はいるんでしょうね。どう思うのも勝手です。


<追記>
三菱重工記念長崎病院がクルーズ船の患者を受け入れることになった。

クルーズ乗組員治療 受け入れ表明 三菱重工記念長崎病院


受け入れようと思えば、やり方は色々出てくる。やろうとする気持ちが、まず重要。
それをする前に追い出そうとする中村知事の態度は、絶対におかしい。

2020年4月26日日曜日

「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう

この記事は2020年4月26日に書いている。
一連の話は「いつ書いたものか」が重要なので、私の他の記事を読む時にも、日付は注意してもらいたい。

長崎では新型コロナウイルス感染拡大防止の対策が今「出始めてきた」感じがあるが、全国あるいは東京の状況を見ると、感染はもう収束に向かっている。


上記記事内では「8割おじさん」こと西浦教授によると、東京では4月10日頃から横ばい、17日以降さらに鈍化しているという分析だ。他の記事では、大阪や福岡でも鈍化傾向だと話していた。日本全国でも収束に向かっている。

東洋経済オンラインより https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/


長崎では今になって「人の動きの8割減」を知事が訴えているが、そもそも市中感染が確認されていない県内で、接触を削減することで得られる感染拡大防止効果は、ほぼ無い。それよりも経済活動が停止し、廃業が増えることの方が問題だ。

もちろん、8割減をやるな、と言うつもりはない。それと並行して、日本全体では収束に入っている状況をふまえ、もう「コロナ後」のことも考える必要がある、と訴えたい。


今回の新型コロナ騒動では、社会科学の研究者から積極的な発言が行われているのが印象的だ。もちろん感染症の専門家は忙しくて発信する余裕がないのだろうが、適切な情報をもっと発信して欲しいと感じている。

私も投稿している「アゴラ」というサイトでは、かなり鋭い分析が連日続けられている。後になって、ここでの指摘は適切だったと振り返られる日が必ず来ると信じている。参考までにいくつかの記事へのリンクを張っておく。


私も社会科学が専門で感染症は全くの専門外なのだが、ずっと状況の変化を追ってきた。専門家会議の会見は全て見てきたし、この状況なので医学系の学会シンポジウムが会員外でもネットで見れるものもあり、そういう場を通して医学的な視点からの情報も入れている。

その前提から意見を書くと、早めに「コロナ後」の対策、特に観光施策について議論しておくことが大事だと感じる。特に対馬においてである。


今現在の状況をいえば、感染した場合の致死率は当初の話より大幅に低いこと、インフルエンザと同様撲滅は不可能で、これからずっと付き合っていく必要があること、一般的なコロナウイルスは夏場に不活性化し冬場に盛り返すので、夏にかけて一時的に収束しても、冬になればまた盛り返す可能性があること、などが医学的に言われている。

まずこのことを県民に広く知らせないといけない。そして、すでに長崎市民も相当の人数が感染している可能性がある、ということもである。

以上をふまえた上で特に気になるのが、対馬がこれからどうするかだ。ごく簡単にいえば、国境措置が解除されたら、一時的にでも韓国から大量の入国者があることは間違いない。韓国人もどこかに行きたくてうずうずしている。その時に対馬がどう対応するのか、である。

はっきり言えば、国境を開ける開けないに関わらず、人の出入りがある限り、必ず感染者は出る。出た時にどうするのか、だ。ずっと島を閉鎖するつもりなのか、感染者が出た場合に素早く対処する、という方針に切り替えるのか、である。ニュージーランドは鎖国で感染を抑え込んだため、どうやって国境を開くか、相当悩んでいるのが実状である。

仮に韓国人が原因と思われる感染者が出た場合、また国境を閉ざすのか。そこを事前に決めてく必要はある。そして新型コロナは永遠に続く話だということを、きちんと島民に説明しなければならない。

韓国人が原因で感染したとなると、韓国人に対する差別は、今のクルーズ船船員に対する長崎市民の差別意識とは比較にならない大きさになることは容易に予測できる。そうならないための対策は、早めに考えておくに越したことはない。

これから一気にではなく徐々に国境を開くことになるだろう。となると、どの段階で1日何人の入国を認めるのか、国としっかり相談して計画を立てないといけない。安倍総理の気まぐれで方針がすぐ変わる(外国からの入国者を成田・羽田・関西空港に絞って、船での入国は認めないという方針も、唐突に決まった)が、国と早めに連絡を取り合うことは重要である。

そして、感染者が出るという前提で医療体制を用意することが必要になる。どれ位の勢いで感染が広がる可能性があるのか、感染者が出た場合はどこで療養するのか、という計画は、事前に必ず決めておかないといけない。

国の方針は、この部分では後手後手に回っていた。無症状の人間まで感染症病床に入れる方針にこだわったので、病床が軽症者であふれ、病院関係者は疲弊した。早い段階で「軽症者はホテルへ」という意見は強く出されていたが、ホテル療養の方針が出たのは病床が埋まって身動きが取れなくなった1ヶ月後だった。

長崎県の離島でも同様だ。各離島に感染症病床は4床しかなかった。新型コロナでクラスターが発生したら、10人位の患者はすぐに出る。実際、あっという間に壱岐市の感染症病床は埋まってしまった。


医療体制の計画を立てるために重要なのが、抗体検査によって免疫を持った人が実際にどの程度いるのかを調べることだ。私は、長崎市民はもうすでに相当数免疫を持っている人がいると思う。外国から多くの人が入ってくる可能性がある対馬こそ、大規模な免疫調査をする必要がある。


これは学術調査になるので、長崎大学が主体になって研究費を使ってやればいい。長崎大学から話を持ちかけるべき、とすら思う。そして対馬市・対馬保健所が協力して、厳原と比田勝の中心部で大規模な免疫調査をすることを提案したい。

対馬市には韓国人観光客激減に伴う予算が付いているはずだ。その予算の一部を免疫調査に回してもいいだろう。

私は医学部の研究はどういう感じで進めているのかは知らない。しかし、これが経済学であれば、こういう調査なら喜んでやりたいと思う人は多い。

申し訳ないが、疫学の学術レベルに対して疑いの目を、特に社会科学者が向けている。これを払拭するためにも長崎大学の熱帯医学研究所には頑張ってもらいたいし、経済学部にも学内における地位向上のために、一緒に対馬の復興計画を立ててもらいたいと思う。



2020年4月25日土曜日

外国人差別につながる言動はやめよう

クルーズ船のことで、色々騒いでいる人が多いですが。

そもそも、「コスタアトランチカ」号の船員がどこで感染したかは、明らかにされていない。以前書いたが、長崎市内で感染した可能性もある、と関係者から聞いている。但し時間が経っているので、新たな情報が出ているかもしれないので、この段階で断定できないが。

つまり、長崎市民が加害者で外国人船員が被害者だという可能性も、あるのだ。そのことは、市民の方にもわかって頂きたい。

船員が市内県内県外に出ていたとか大騒ぎをして、あたかも船員が日本にウイルスを撒き散らしていたような発言をする人が目に付く。

そういう発言が、外国人差別に結びつくということを、ちょっとは想像して欲しい。発言しているあなたがウイルスを撒き散らしている可能性だって、あるのだ。

本当は平戸市長のようなメッセージを長崎県知事や長崎市長が発しないといけないのだが・・・。

見ていない人は、必ず下の平戸市長からのメッセージを読んで下さい。

平戸市長から市民の皆様へのメッセージ(令和2年4月22日)

一部だけ引用。
危険を未然に防ぎ安全を守ることは重要です。しかし今回の敵は「見えない感染症」であり「他県ナンバーの車」ではありません。すでにお隣の佐世保市でも6例目の感染者が出たと発表されています。福岡県内の感染者の数よりも少ないですが、だからと言って「佐世保ナンバー」を排除することができるでしょうか。平戸市民の車も「佐世保ナンバー」です。つまり誰かを排除するのではなく、ひたすら自分と自分の家族を守る行動をとっていただきたいと願うばかりです。
「他県ナンバーの車」を「クルーズ船の船員」に置き換えて下さい。

2020年4月24日金曜日

長崎県医師会の「医療危機的状況宣言」は間違い

長崎県医師会が「医療危機的状況宣言」を出した。

「助かる命 救えぬ」 長崎県医師会 医療危機宣言

 長崎市内で会見した県医師会の森崎正幸会長は「クルーズ船のクラスター発生で本県は(現在の感染確認地域を上回る)『感染拡大警戒地域』に入ったと判断せざるを得ない」と危機感をにじませた。

これ、「クルーズ船の対応をしないといけなくなったから、県民に対する医療がしわ寄せを受ける」と言っているようにしか聞こえない。

私が今回の記事で注視しているのは、このメッセージを誰に伝えたいのか、ということだ。私は、県民に対して言っているようにしか読めなかった。当然、そうなんだろう。


前回も書いたが、私はクルーズ船は長崎で積極的に引き受けるべきだと思っている。平常時には「沢山来てくれ」と言っておきながら、都合が悪い時には追い返す、というのは、絶対におかしいと考えるからだ。

もちろん、クルーズ船の対応に人手を取られて、県民に十分な医療が提供できないことになるのは、本末転倒だ。だから、「県民に対する医療体制は最優先で割り当てておく。余裕がある分で、県内でクルーズ船客の対応をする。」と、はっきり言って欲しかった。

クルーズ船の対応でどれだけ医療資源を使う必要があるのかは、わからない。横浜のダイヤモンドプリンセスの場合だと、関東では足りずに愛知の病院にまで搬送された。

もちろん、当時は全員をホテルに収容したのに対し、今は重篤化しない限り船内で療養することになっているので、あの時ほどの病床が必要になる訳ではない。

とはいえ、長崎県医師会が危機感を持つのは理解できる。それを県民の負担に持ち込むのか、ということだ。

クルーズ船の対応は国がするべきことだ。だから、最初から「県民にしわ寄せが来そうになれば、早めに他県での対応をお願いするよう国に要望する」と言って欲しい。できないことまで県内で背負うことはないし、県民に対する医療サービスを低下させてはいけない。

この件に関しては、医師会だけでなく県知事もはっきり言わなければならない。「県民に迷惑はかけません。そこは国としっかり調整します。」と、医師会ではなく知事が言うべきことだ。中村知事が言えないのなら、平田副知事にお願いして言ってもらってもいい。

長崎大学も話をするべきだ。我々はもっと危険なウイルスを普段扱っているのだから、しっかり対処するので、市民が心配する必要はない、と、言わないといけない。「BSL-4の件で市民の方々には心配をおかけしています。我々はこういう事態のために日々研究をしているのです。危険な病原体の扱いには慣れています。今回もしっかり対応しますので、市民の皆様は安心して下さい。」位のことは、大学の担当者が市民の前で言えないのだろうか。


新型コロナウイルスに関するニュースは世界中にすぐ伝わる。2月に北海道知事が「緊急事態宣言」を発令した時に、私は大丈夫なのか心配した。すぐ世界に伝わるので、北海道が福島と同じような扱いを受けて、海外から人が来なくなるのではないかと感じたからだ。こういう悪評がつくと、何年も回復させることはできない。せっかく海外でも「北海道」というブランドを長年かけて築いてきたのに、この1つの宣言で、全て壊してしまうのだ。そこまで鈴木知事は考えていただろうか。

実際、発令後は福島に匹敵する位のインバウンド客減になってしまったのだ。

新型コロナ、観光に試練 星野氏「黄金週間まで続くと深刻」

やむを得なかったと思うが、北海道の「緊急事態宣言」が出たときから、北海道の需要の落ち込みは他の地域と比べて圧倒的に高くなった。緊急事態宣言の海外への伝わり方も実態よりもかなり深刻に伝わり、これは私が東日本大震災で原発事故のあった福島で経験したときに匹敵するくらいだった。インバウンドの北海道からの撤退がすごく激しかった。

特にインバウンド観光関係を重視する地域では、自分の発言が海外にどう報じられるかまで考える必要があるのが、今の時代なのだ。

「Nagasaki」の名前は、地元住民が思っている以上に海外で知られている。私がジンバブエに行った時に、昼食で同席したケープタウン在住の南アフリカ人に「日本のどこから来たのか?」と聞かれたので「長崎」と答えると、「港がある街だね」との返事があった。多分、クルーズ船関係で長崎の名前を知っていたのだろう。それ位、長崎の名前は世界に伝わっている。

長崎で製造された「ダイヤモンドプリンセス」の名前は、悪い意味で世界に伝わってしまった。しかし今回、世界中で忌避されているクルーズ船の対応を長崎でしっかりやった、ということになれば、世界中に「長崎はいい所だ」という評判が伝わるだろう。


今回の県医師会の発言が海外で否定的に報じられることはないと思うが、メッセージを出す場合は、誰がどう受け取るのかをしっかり考えてから、県民に対してだけでなく世界の人まで伝わるということを意識しなければならない。


<追記>
横浜でダイヤモンドプリンセスの対応にあたった方からも、「長崎県境を越えて負担を分散し、医療提供体制を守らないといけない」との指摘がある。


<追記2>
4月25日現在のデータで、日本国内で重症化するのは、感染者の2%程度である。当然、検査されていない感染者も多いので、実際の重症化率は、もっと低いと考えられる。

「東洋経済オンライン」より引用
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

クルーズ船乗員の不安感は長崎市民の比ではない

前回の続き

「市民が不安だからクルーズ船を着岸させるべきではない」という意見がある。
これは余りにも自分勝手な意見ではないか。
クルーズ船の乗員がどれだけ不安に思っているのか、想像して欲しい。

修繕中だった「コスタアトランチカ」号に加え、「コスタベネチア」号が補給のため長崎港に着岸した。

この船は、どこも受け入れてくれる場所がないから、乗員を乗せたまま長崎近海をうろうろしていた。いよいよ燃料と食料が尽きてきたから、補給するために長崎港に一時的に着岸したのだ。

少しでも船員たちの気持ちになれれば、どれだけ不安感を覚えているか、想像できるだろう。この状態で船内にウイルスが蔓延すれば、いよいよ受け入れてくれる場所はない。いつ船を降りられるかも、わからない。降りられても、自分の国に帰れる保証はない。帰れた所で、この仕事を続けられるかどうかも、わからない。船会社が倒産することだって考えられるし、今まで通りの便数でクルーズ船が就航できることは、当分あり得ないのだ。

だからこそ、長崎港で受け入れてあげるべきだということは、前回書いた。長崎でなら、十分対応可能なはずである。


そもそも、コスタアトランチカ号の船員がどこから感染したのかは、まだ不明である。長崎市内で市民から感染した、という可能性だって、あるのだ。

欧米諸国で一気に感染拡大したのに比べて、日本での拡大の勢いが遥かに小さいのは事実だ。何故拡大しないのか。理由はいくつか考えられているが、有力なのは「すでに感染した人が多くて抗体を持っているから、罹らない人が多い」という説である。

今、諸外国では抗体検査を進めている。抗体検査をすれば、発症していなくても無自覚で罹患していて、すでに免疫ができているかどうかがわかる。外国の調査によると、思ったより遥かに多くの人が抗体を持っていたという報告が、あちこちから出てきている。ニューヨークでは14%の人に抗体があったと発表されている。

米ニューヨーク州 約14%に抗体確認と発表 コロナウイルス


日本にも、すでに去年からウイルスが入ってきていたという話は、結構耳にする。私の知人の関西在住者も、今思えば明らかに新型コロナウイルスの症状で発熱していたし、関東在住の医者は、1月に診た肺炎患者の症状は、実は新型コロナじゃなかったかな、という話もしている。

医者から見ても、「ちょっと変だったけど、治ったからいいや」という症例が、実は相当あるのだ。

長崎市内だって、あれだけ中国人が来ていたのだから、全くウイルスが市内に出ていないとは考えられない。すでに罹患している人は、相当数いるはずだ。私自身も、1月にいつもと症状が違う発熱があった。あれだって、新型コロナだったのかもしれない。

日本でも相当数の無症状感染者がいる、ということは慶応義塾大学病院の検査でわかった。なんと無症状者のうち6%の患者が陽性だったのだ。

慶應大病院「新型コロナ以外」入院患者、5.97%で陽性


となると、クルーズ船の乗員から長崎市民が感染する危険性よりも、市民から乗員に感染させる危険性の方が、高いのかもしれない。


と、色々考えても仕方がない。話を元に戻せば、「困っている人がいたら助けてあげる」というのが人として当たり前のことであり、長崎ではクルーズ船の乗員を助ける能力はあるのだから、クルーズ船を排除するのではなく受け入れる方向で考えるのが、当然の答えになると私は考える。

2020年4月23日木曜日

困っている人がいたら助けてあげるのが人として当然の行為

前回の続き

修繕中のクルーズ船「コスタアトランチカ」号だけでなく、物資の搬入のために別のクルーズ船も長崎港に入港している。

それに対しても「入港させるな」という声があるようだ。

クラスター発生のクルーズ船と同会社が運航のクルーズ船が 長崎港に入港


何故、困っている人に対して、助けてあげようという気になれないのか。
乗員の人たちは食べ物がないと生きていけない。世界中の港から寄港を断られている中、長崎で助けてあげようという気に、どうしてなれないのか。

ウイルスが怖いということもあるかもしれない。しかし、横浜でダイヤモンドプリンセス号が停泊していたからといって、横浜で感染が広まったという話は、全くない。何も怖がることは、ないのだ。きちんと対応すれば、何の危険もない。

長崎大学は感染症の分野で世界でもトップクラスの実績がある。だからこそ、長崎で対応するべきなのだ。今のコロナウイルスより遥かに危険な所で研究を進めている方々がいるのだから、今回のクルーズ船の対応には、全く問題がないはずだ。

長崎大学の専門家は、ダイヤモンドプリンセスの事件を見て、「自分が手助けしたい」と強く思っていたはずだ。研究者って、そういうものである。自分にその能力があるのなら、何かあった時に、すぐその知見を活かしたいと思うものだ。思わないのであれば、税金を使って研究者を支援する必要はない。

今度は長崎に出番が回ってきた。「今度こそは、自分たちがうまくまとめてやる」という気持ちで燃え上がっているだろう。


困っている人がいるのであれば、助けてあげられる人が助けるのが、当たり前のことである。

福島の原発事故の後、福島産の桃を長崎で大量に販売した。

風評被害が大きく、福島産というだけで、日本のどこでも店頭に置くことができない状況だった。しかし、長崎の人だからこそ、食べ物に被害はないということは知っている。だから、長崎で沢山売って、福島の人に深く感謝された。

事故の年だけでなく、その後もずっと桃のシーズンになると福島市長が長崎に挨拶に来るようになった。私の会社の小さな事務所にまで、福島市長が挨拶に来た。後でたまたま福島市から長崎市に出向で来ていた職員の方とお話しする機会があったが、福島市長が桃の季節に長崎に挨拶に行くことは、最重要事項として申し送りされているそうだ。


後で感謝されるために助けてあげる、というのは間違った考え方だが、困った人がいるのであれば、助けられる人が助けてあげるというのは、当たり前のことだ。クルーズ船に関しては、積極的に長崎で手助けするべきである。

2020年4月22日水曜日

「コスタアトランチカ」号への対応は人道的見地から行うべき

長崎港で修繕中のクルーズ船「コスタアトランチカ」号の乗員から、新型コロナウイルス感染者が発生した。

長崎のクルーズ船、感染拡大懸念 乗員「家に帰りたい」


長崎からすぐに出ていって欲しい、という声も出ているようだが、ここは人道的見地から冷静に考えて欲しい。

クルーズ船は感染拡大を恐れて、各国から寄港を拒否されている。
そうなると、乗員はどうすればいいのだろうか。

国に帰ればいい、と簡単に言うかもしれない。でも、多分だが、フィリピンは帰国を許さない。そして、許されないまま、何ヶ月も船内での生活を続けて、修繕中であるにも関わらず、長崎でじっと船の中に留まっていた、という事実はしっかりと受け止めないといけない。

国に帰りたくても帰れない人は沢山いる。日本人だって、アフリカから帰れない人が何百人もいるのだ。クルーズ船には世界中の乗員がいるので、帰りたくても帰れない人たちの事情にも配慮するべきだ。

アフリカ15カ国から10ルートで帰国 茂木外相明かす



日本はダイヤモンドプリンセス号への対応経験があるので、対処にはもうノウハウがある。当然、長崎港のことであっても、国の協力は確約されている。

日本の方針として、軽症者はホテル待機という方向が出ている。幸いこの船には乗客が乗っていないので、船内に部屋はあり余るほどある。そこで待機すればいいのだ。

重篤化すれば長崎市内の病院で世話をすることになるだろう。しかし、若者の多くは重篤化しないので、うまく行けば船内から誰も外に出ずに全員快方へ向かうことも、少なくない可能性として、ある。

クルーズ船の乗客は高齢者が多い。しかし乗員は若い人が多い。今船内にいるのは乗員だから、船内で重篤化させない方向で努力して、外に出さない努力をすることが大事なのだ。

(東洋経済オンラインよりhttps://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

これが年齢別の感染者の状況である。40代以下なら、ほぼ重症化していない。

長崎市民であれば、市内を歩いているクルーズ船の船員らしき人を見かけたことはあるだろう。みんな40代以下だと思いませんか?

フィリピン籍の船員は、当分国に帰れないと思う。そうなると、きちんと健康面の確認が取れれば、伊王島のホテルに滞在させてあげてもいいだろう。

新型コロナウイルスは、管理されていれば何も恐れることはないのが現状である。下船時に全員の感染チェックをして、そのままホテルに滞在してもらうというのが、人道的に見た正しい方針だと思う。


そして、いい対応をして貰えたと感謝されて、以後の修繕受注に結びつける方向を目指すのが、長崎にとって最良の方針である。

2020年3月7日土曜日

新長崎駅に南口設置の可能性が出てきた?

長崎新聞に以下の記事が出ていた。



前田哲也議員が県議会でこの問題に関して質問したようだ。

この件に関しては私はかなり昔からこのブログで指摘していた。

前田哲也議員にも2年前に話をして、県議会で質問して頂いた。


それが止まっていたのだが、今回また質問されたようである。
ちなみに今回の質問に際し、私は全く関わっていない。

南口設置に関しては、JR九州がかたくなに反対していたのだが、さすがに新駅の形が見えてきて、利用者が新駅の姿をイメージできるようになってきたら、反対するのは分が悪いと思ってきたのではないだろうか。

JR九州は新幹線より駅ビル事業のほうが重要


何にせよ、かなり遠回りはしたが、いい方向に向かっていくのであれば、それはいいことである。

ただ、ここに至るまで、ずっと私達が指摘していたのに、完全無視を決め込んでいた長崎市および田上市長の態度はどうなのかについて、市民の方々には考えてもらいたい。

2020年2月19日水曜日

新長崎駅へのアクセス問題は副知事の力で改善へ

ここの話の続きの動きが出た。

新幹線開業に向け長崎駅周辺の交通網を再検討


新長崎駅の駅舎まで現在の駅前電停から歩かせる、というのが長崎市の方針だったが、平田副知事が動いたことにより、動く歩道付きの歩行者デッキで結ぶという方向になったようだ。

さらに、バスターミナルも現在地で改修するという。今の長崎市の計画では、待合室だけ室内でバスへの乗り降りは路上で行うことになっていた。それをちゃんと建物の中でできるようにするようだ。

平田副知事がやる気を見せていたのは知っていたが、まさかバスターミナルまでとは思わなかった。

あとは改札口を県庁舎側にも作らせられればいい形にはなるのだが、これはJRが新アミュプラザへ人を誘導したいということで難しいと、直接お会いした時に副知事本人が話していた。

我々のような市民団体がいくら動いても全く無駄だったことが、権力を持っている人がやれば、あっさりと動いた。副知事は選挙で選ばれた人ではないが、まともな思考力と実行力を持った人を権力者に据えないと地域はダメになるという、いい事例になりそうだ。

しかし田上市長は何を考えていたのだろうか。そういう人を市長に選んだのは市民なんだから、結果に何を言っても始まらない。

2020年2月7日金曜日

長崎市の新ホールは熊本城ホールを見習いグランドホテル跡地に

長崎市が建設する文化ホールの場所が、県庁舎跡地ではなく現市役所跡地になることが決まった。

文化芸術ホールは市役所跡地 長崎市長表明、県庁跡を断念


私は4年以上前から県庁舎跡地は公園にすべきだと主張していたので、何を今さら、という感じである。

このことに限らず、長崎市のまちづくりにはグランドデザインがないことが最大の問題である。とにかく場当たり的で、その時に空いている公共の土地を使おうという発想しかない。

本来まちづくりというものは、計画区域全体の施設配置を考えた上で、個々の計画に落とし込んで行かないといけない。もちろん、公共用地だけでなく民間の土地も合わせて計画に入れて考える必要がある。

計画を作る際にも、行政にだけ任せるのではなく、土地所有者も含めた民間人が一緒になって考えないといけないのは当然のことである。この点において長崎は民間サイドにも大きな問題があると思っている。以前指摘したように、商店街の人達は県庁舎や市庁舎については行政に対して色々文句を言うくせに、グランドホテル跡地は長年放置したままだ。グランドホテルは民間の土地なのだから、本気でまちづくりを考えるのであれば、役所に頼るのではなく民間対民間で解決策を考えるのが筋なのである。

今さらの話にはなるのだが、考え方として新ホールをグランドホテル跡地に建設する枠組みについて提案したい。その際に、先日完成した熊本城ホールが参考になる。

熊本城ホールは、元々民間の施設である熊本交通センターがあった場所に、新たなバスターミナルとともに、民間による再開発事業として建設された。それを完成後にホールの部分だけ熊本市が買い取ったのである。


熊本城ホールについて


このホールは熊本市の中心部にあり(熊本駅からは遠い)、一階がバスターミナルであることもあり、大変便利である。私も大ホールのこけら落とし公演だったはずの森高千里コンサートに行った(後日、森高公演の1週間前に山下達郎が入ってこけら落としになった。市長直々に頼んだとか。)が、他所から行くにしてもバスターミナル併設という立地はほんとうに便利であった。

長崎市のホールも、福岡銀行が中心になってグランドホテル跡地を再開発し、バスターミナル併設で建設すればいい。

行政が民間の再開発を後押しするつもりらしいから、ここを最初のケースとして打ち出せばいいと思う。

長崎市が2年連続で転出ワースト1位 民間の再開発を後押しする秘策は


2020年1月25日土曜日

対馬への外国人観光客誘致は、福岡と釜山を結ぶ導線上で考えよう

経済地理学会対馬特別例会での話の内容は書かない、と書いたけど、ちょっとだけ書く。

1月24日付けの新聞に、以下の記事が出ている。

「福岡-釜山」高速船 「日韓以外」利用客3倍を目標に

(毎日新聞へのリンク)

まあ、ね、タイミングが悪かったよね。JR九州が巨大な高速船を博多釜山航路に2020年7月から投入する、という計画があって、今の日韓情勢を考えると、客が乗るはずがないという状況だ。

申し訳ないが、日韓情勢に関係なくこの計画は最初から難しいと私は思っていた。博多−釜山航路を利用する客は、安く海外旅行ができるからという理由が大きく、豪華な船でのクルーズを楽しむという需要は、ほぼ無いからだ。

それでも就航が決まった以上は、搭乗率を上げるためには日韓以外の観光客を乗せないといけない、という事情だ。
同社は長期滞在する傾向がある欧米豪の訪日客に注目。九州と釜山を同じ観光圏と位置づけ、旅行中の周遊先として釜山をアピールして高速船の利用を促す。
欧米豪の観光客に着目するのはいい。しかし、わざわざ博多から釜山を往復するだろうか。それは難しいと思う。


私が対馬の例会で提案したのは、特に欧州客を福岡in、釜山outなどの行程のなかで、対馬を組み込んでもらおうということだ。

対馬には森があり城跡があり神社仏閣も多いと、西洋人に好まれる要素がふんだんにある。熊野古道のような売り方ができれば、西洋人の観光客を集めることも十分可能だが、国土の端にあるという捉え方ではアクセスが悪く観光客誘致では不利である。

そこで、2020年夏ダイヤから就航が決まったフィンエアのヘルシンキ−釜山便を利用して、片道は福岡便、片道は釜山便という使い方を売り込めば、対馬の地理的不利性が解消される。さらにヨーロッパから釜山へのインバウンド客は少ないだろうから、そこは福岡・対馬と釜山が協力することでインバウンド増加を図るようにすればいいのだ。

韓国は仁川のハブ機能を強化する国の航空政策により、長距離便は仁川のみに就航させてきた。釜山にとってその政策を越える待望のヨーロッパ便になる。この路線を維持するためにもインバウンド増加は必須条件なのだ。福岡へのフィンエアー便にしても、インバウンドが弱い関係から夏季のみの就航に留まっているので、釜山と協力してインバウンド増加を目指すのは、お互いにとって悪い話ではない。

JR九州も、福岡から釜山を往復することを売り込むのではなく、片道利用を推進する方向で行く方が現実的である。


ところでアジアからのLCC路線は、九州の就航地として最初に福岡、次に鹿児島を選ぶ傾向がある。この事実を聞いて「鹿児島って人気があるのか」と思うだろうか。申し訳ないが、観光地としての人気は鹿児島より長崎の方が高い。それでも長崎ではなく鹿児島を選ぶのは、片道福岡、片道鹿児島の利用で、九州を縦断する観光客が見込めるからだ。

九州内の移動手段としてJR九州とバス会社は、いずれも九州乗り放題チケットを販売している。こういうチケットを利用し九州を縦断したいと考える海外客が多くなるのは、容易に理解できる。

香港と台湾は、日本へのリピーターが多いことで有名だ。LCCを使って年に何回も日本を訪れる人が多い。そして、香港と台湾からのLCCは、福岡と釜山の両方に就航しているのだ。

そうなると、福岡と釜山を航路で結んでいるJR九州が、福岡釜山移動に加え対馬周遊が可能な割引チケットを機内で売ったりすれば、アジアから対馬への旅行客は一気に増えるだろう。


ながさき地域政策研究所が作成した「対馬観光再生ビジョン提言書」には、福岡空港を経由してアジア諸国からの観光客を呼び込むと書かれているそうだ。しかし、福岡からわざわざ対馬を往復しようというアジアの観光客がどれだけいるのだろうか。それよりは福岡と釜山を移動する途中で対馬を訪れてもらうほうが、可能性は遥かに高い。

行政が関わると、国をまたいだ施策を取るは難しい。しかしこのケースならばJR九州が1社で対応できる話だ。現在LCCの香港エクスプレス機内でJR九州乗り放題チケットを販売していて、かなり売れている。こういう取り組みを博多−比田勝−釜山航路でも行えばいいのだ。

2020年1月24日金曜日

「対馬学フォーラム」の成果について考える

2019年12月8日に「対馬学フォーラム2019」が開催された。
対馬に関するさまざまな分野の研究発表会であるが、この内容が素晴らしすぎて、本当にびっくりしている。

何が素晴らしいかというと、大学の研究者だけでなく、地元の小中高生も発表していることである。発表しているということは、当然事前に研究をしている。

郷土についての研究を小さい頃から行うということは、郷土愛を育む上でこのうえない効果を生む。私のように大学で研究者になるための教育を受けてきた人間からすると、小さいうちから研究活動を行うことは、本当に素晴らしいことだと感じる。

但し、手放しで喜べない部分もある。下手に研究に興味を持ってしまうと、長崎県の現状であれば県外に優秀な人材を放出する結果につながってしまうからだ。

教育と就職・就業は、本来密接に関わるべきものだ。しかし長崎県では大きく分離している。高校では「いい大学」に入れることだけを考えていて、その後その人材をどう長崎に戻すのか、という視点が完全に欠落しているのだ。


研究に興味を持った高校生が出てくるのであれば、民間で研究をできる環境が乏しい以上、県が研究に携われる職場を用意しないといけない。現状県内にほとんどそういう職場がないから、学歴が高くなるほど、県内で職を見つけるのは困難になる。私も今でも相当苦労しているし、高学歴者を大事に扱わない長崎県の実状をここまで見せつけられると、早く県外に脱出したいと思っているのが現実だ。そもそも高学歴者を大事に扱え、と言うのがふざけていると言われるし、学歴が高ければ高い程、頭を下げないと生きていけないのが長崎の社会だ。だから頭を下げるのが嫌いな私は長崎では生きていけない。

ところで対馬で研究に興味を持った場合の就職先としては、市の学芸員しかない。果たして対馬市に学芸員のポストはいくつあるのか?

それ以外には、本来であれば高校の先生が最適である。

ところが長崎県の高校は、補習や部活に忙しすぎて、先生が独自に研究活動を行うのは困難である。そもそも先生に研究活動をさせようという空気が、多分今の長崎県教育委員会の中には無いはずだ。

私も高校の先生になろうかと考えたことがあるが、あまりに長崎県の高校はブラックすぎるから、採用試験を受ける気にもならなかった。朝から夜まで働かされて、夏休みも1週間位しかない。東京都立高校の先生の労働時間を見ると、冗談じゃないが長崎県の教員になろうという気にはならないし、ここを読んだ長崎県の教育関係者は、「そういう自分のことばっかり言うような人は、長崎県の教員になって欲しくない」と考えるはずだ。

また多すぎる強制補習授業の悪影響は、研究をしたい高校生の活動にも悪影響を与える。長崎県の教育を受けてきた私からすると、よくまあ学校で朝から晩まで補習だ部活だと拘束された上で、「対馬学フォーラム」の発表のための研究活動をできる高校生がいるもんだなぁと、感心せざるを得ない。

そもそも何のために補習授業をするのか。大学受験のためではなく、完全に先生が生徒を管理するための手段にしかなっていない。

今どき学科試験だけで大学入試を通過しているのは、入学者の半分しかいない。あとは推薦入試・AO入試などで入る。どう考えても補習授業を受けてペーパーテスト対策の勉強をするより地域に関する研究をした方が、入試には有利になるのが今の時代なのだ。

そうであれば、ペーパーテスト中心の受験を目指す人だけが補習授業を受ければいいのだが、個性を認めない長崎県の教育界でそれは許されない。全員同じことをしないといけないのだ。もちろん、同じことをさせた方が先生が管理しやすい、というのが根底にある。推薦で大学入学が決まった人まで「和を乱さないため」に補習授業を受けさせられるような状況なのである。

高校の先生として研究ができる人を採用しようという気すら、長崎県側にない。オリンピック代表になれば教員採用試験の一次試験免除になるという制度はあっても、博士の学位を持っていれば一次試験免除という制度はない。学術よりスポーツのほうが優先されるのが長崎県の教育界なのだ。私も一次試験免除になるのであれば、間違いなく長崎県の採用試験を受けていた。実際に先生になるかどうかは別にしても。


仮に研究できる人間を高校教諭として採用したとしても、異動があるから対馬にずっと居られないということは、今の制度では避けられない。しかし、これも制度を変えれば済むことだ。異動を少なくするのは私も反対だが、中学と高校を両方異動するように制度を変えれば、対馬で長期間勤務することが可能になる。今でも採用試験の段階で中学と高校を一括採用している都府県は存在するので、長崎県でもできないことはない。


「対馬学フォーラム」の開催などで対馬市がどれだけ頑張っても、教育職の人事は県なので、どうしようもない。だからこそ、県と市町が一体になって、就業対策を立てないといけないのだ。