2019年7月21日日曜日

長崎のバスは数字の系統番号を全路線に付与すべき

東洋経済オンラインに以下のような記事が出ていた。

外国人客はバスを「グーグルマップ」で検索する


内容自体は、多少事情に通じている人にとっては目新しいことではないのだが、記事になったついでに私の意見もここに書いておく。


最近は海外旅行先でgoogle mapを使うのが日常的になっている。私もよく使っていて、google mapのお陰で海外で路線バスに乗りやすくなり、旅先での自由度が格段に向上したことを実感している。


これは私が2013年にリオデジャネイロに行った時に、現地でルート検索して出た結果。387のバスに乗ればいいと、すぐわかる。

ちなみに、リオのバス停はこれ。


このバス停からバスに乗るなんて、google mapがないとまず不可能である。

さすがにこの時代には、まだgoogle mapを使って海外でバスに乗るというのは一般的ではなかったが、今はかなり一般的になっている。


では、海外からの旅行者が長崎のバスに乗れるだろうか。

例えば私の知人が飽の浦でairbnbをやっていて、海外からも沢山の宿泊客が来ているが、外国人がバスに乗って長崎駅から飽の浦まで行けるのだろうか。

多分、長崎市民でも土地勘のない人が長崎駅前のバス停から飽の浦まで行くには、どのバスに乗っていいのかわからない人が多いと思う。いや、長崎バスの6番のバスに乗れば着くよ、と言われても、沢山来る6番のバスが全て飽の浦に行くと、確信できるだろうか。

google mapには長崎市の交通機関は登録されていないが、実はAppleのマップには登録されている。長崎駅から飽の浦交番までを検索すると、バスの時刻も出てくる。


ただ、日本語の読めない外国人が「神の島教会下」という行先を読めるだろうか。たまたま来た6番のバスに乗ってしまったら、どうするのか。

そう、目的地が飽の浦だから6番のバスならどれでも大丈夫だけど、立神だったら、間違えて福田方面に行くバスに乗ってしまうと、終わりである。

google mapを使う外国人は、ずっとスマホで地図のGPS情報を確認して、降りるバス停を見ている。立神に行く人が、飽の浦を過ぎて福田方面にバスが進んでしまったら、どうするんだろうか。三菱重工に向かう外国人が、こういう間違いを起こした、というトラブルは、まあ無いんだろうけど、google mapも長崎のバスに対応したら、このトラブルが起こる可能性は、否定できない。

だから、全路線に番号を振るのが第一だ。「この番号なら絶対に着く」という状態を作らないと、外国人は困る。行きと帰りで番号が変わるという長崎バス方式は、行先の日本語が読めない外国人にとっては、かえって便利かもしれない。偶数と奇数を方向別に分けて、11系統の帰りが12系統になる、という感じなら、わかりやすい。

数字であれば、どこの国の人でも読める。例えばタイのバスの写真。


何で中央車線を走っているバスのドアが開いているのかはさておき(多分暑いからだと思う)、タイ語を読めなくても38という数字が書いてあるから、google mapで38のバスに乗れと表示されれば、乗れる。


これは韓国仁川空港行きの路線バス。google mapで111番のバスに乗れと指示されたから、バスの表示が全てハングル文字でも、乗れる。もちろん111番の空港行きなのか空港発なのかは、バスを見ただけではわからないが、このバス停は空港ではないので、空港行きだと推測できる。google mapでは道路のどちら側のバス停からバスに乗れ、という指示が出るので、系統番号さえわかれば、行先は読めなくても問題ない。



多分、行先に「仁川空港」とハングル文字で書いてあるとは思う。国際空港行きのバスなのに英語表記がないとか、表示板とか車体のどこにも飛行機マークが付いていないとか、今のバス停の名前が車内に表示されているけどハングルだけで読めないとか、路線図も全く読めないとか、そんなことも路線に番号が振られていることとgoogle mapの組み合わせで、全て問題にならないのだ。


バス路線に番号を振る。ただそれだけで、これだけのメリットがあるのだから、とりあえず県がお金を出して県営バスに導入してみればいい。ほとんど効果のないインバウンド対策に無駄な税金を使うよりは、こういう簡単で確実に効果が見込めることにお金を使って欲しい。特に今は政府のインバウンド対策補助金は使い道がなくて困っているような状況なので、国の補助金も活用して早急に実現して貰いたい。