2018年9月19日水曜日

長崎市は長崎駅南口設置に反対

今日は長崎市議会の都市整備・交通対策特別委員会が開催され、長崎電気軌道と九州旅客鉄道(JR九州)から担当者を招いて意見交換が行われた。

昨日の県議会傍聴に続き今日も傍聴し、県と市の新駅に対する考え方がわかった。

まず私が主張している、新長崎駅から現長崎駅前電停まで市営で低床電車を走らせ、長崎電気軌道に運営を委託するという案だが、長崎電気軌道からは難しいという回答があった。まあ、今の電鉄を取り巻く環境を考えると、運営受託だけでも厳しいのかな、という気にはなった。


最大の問題点である南口開設に対するJR側の意見だが、改札口は一ヶ所しか作らないということは明言された。

但し、県から南口開設に関する打診は受けているということで、例えば県が費用を負担することになっても開設できないのかという質問に対しては、正式に依頼がないと答えられないということであった。

そして市がどう考えているかだが、市は東口を交通結節点として利用したいため、南口の開設には反対、ということだった。

昨日の記事にも書いたが、県は南口改札を作りたいが、市の計画では南口に人を流したくない、ということなので、県はこれ以上強く意見を言えない、という状況のようである。まちづくりに関する計画策定は、当然市によるものが優先されるし、県が口を出すべきことではない。


実は参考人が帰った後の、議員と市職員との質疑応答が紛糾した。「なぜ南口を作れない」「高架で導線を作っておかないと、この付近はよく水没するから防災面でも必要だ」と市議側が主張しても、「南口に人が出ても不便だ」「浸水しても排水能力は高めているので、すぐ排水できる。水が引くまでの間は高い所(現実プラットホームしかない)で待っていればいい」という市からの回答、ということが繰り返された。

今の長崎駅周辺の最大の問題点は、駅前の国道202号線が渋滞するということである。となると、当然駅が移転した時には、西口や南口に交通量を分散させ、202号線の交通量を減らすことを考えるべきだ。ここの交通量が減れば、電停への平面横断が可能になったり、サイドリザベーション方式(電停を現在の高架広場付近に移して、歩行者が電停に行きやすくする。熊本や鹿児島で採用)を取ることもできる。サイドリザベーション方式が現状否定されているのも、電車が道路中央から端に横断するための、信号の時間を確保できないことが主要な理由である。電鉄側は電車の通行時間が確保されたサイドリザベーションなら大歓迎だ、という雰囲気だった。

にも関わらず、市は現在の計画をそのまま無修正で通したいようで、以前の記事で書いたように、「西通り線に負荷がかからないように誘導する」、すなわち東口、202号線側に車両を誘導する、ということである。


今日で長崎県、長崎市、JR九州の話を全て聞いたことになる。市が東口の混雑緩和、南口開設に方針転換すれば、あとはすんなり進むんじゃないか、という気はする。

2018年9月18日火曜日

新長崎駅南口設置の可能性はある

本日の県議会(2018年9月17日)で、前田哲也議員と浅田眞澄美議員から、新長崎駅周辺の開発事業について質問があった。それを傍聴した感じだと、南口設置の可能性はあるんじゃないか、という印象を持った。

状況を整理すると、基本的に駅周辺の区画整理事業は長崎市の事業であるが、駅の南側の道路は県道であり、その南の県庁舎は当然県の持ち物なので、これらの部分に関しては県が開発することになる。また、在来線の連続立体化工事は県の事業である。県の事業の部分について、今日県議から県側に質問があった。

区画整理事業の概要に関しては、過去の記事を見て頂きたい。いやいや最初の記事は2010年10月だよ。結構昔から言ってるよねぇ。私としては、ずっと訴え続けていたことが市議会だけでなく県議会でも取り上げてもらえて、とても嬉しかった。


さて、今日の話。とりあえず私なりに重要だと思っている部分は2点。アミュプラザ裏側の側道部分に、アミュと県庁舎を結ぶペデストリアンデッキを作ることと、長崎駅の県庁側に改札口を作ることである。

まずペデストリアンデッキ。県も重要度はわかっているという答弁。ただ、アミュプラザ拡張の設計がわからないので、設計が終わってから検討する、ということだった。それでは遅いよ。アミュの計画が決まる前に県とJRが話し合って導線の設計を決めなきゃだめでしょ、という、前田県議から当然の指摘があった。

そして改札口。知事から「改札を作るなら運営費用は県が負担するようにJRが言っている」という答弁。但し「県は負担できない」とは言わなかった。じゃ、負担する可能性もあるんですね?

私が主張しているのは、新幹線は後にして、在来線が先に出来るんだしその部分は県の事業なんだから、在来線だけでも簡易な改札口を県が用意して、費用も県が持てばいいんじゃないか、ということ。

例えばこんなの。


これは現川駅。ICカードリーダーが立っているだけ。
これを新長崎駅在来線の県庁側の端に作ればいい。最初は県庁通用口という形でICカード専用改札口にして(もちろん県職員以外でも利用できる)、通勤時間帯だけ開けるようにしてもいい。県庁舎で雇っている警備員をローテーションで配置して、ICカードを持たない人が来たら1階改札口に誘導する。その位の人件費なら県も負担できるだろう。

それで人の流れが見えた時点で、新幹線の改札口をどうするか考えればいい。

ちなみに、今日も中村知事から「頭端式の駅だから」というような表現があった。知事にやる気があることだけは、間違いない。

改札口についても、浅田議員から「県が負担してでも作ると言って下さい」と催促されたが、県側は「市が作る計画を立てないから」云々という返事だった。とりあえず区画整理事業は市が主体だから、市が「是非南口を作って下さい」と県にお願いしないと、難しい雰囲気である。


とはいえ、県側にペデストリアンデッキと改札口を作る気はある、ということがわかったことは、大きな収穫だ。

2018年9月4日火曜日

旭大橋横の、国道から県庁舎までの側道は歩車分離にしよう

前回の記事を書いた後に、何人かの人とこの話題について話をした。

駅周辺の問題に関わるようになって思うのは、いろんな人と話をすると、いろんなアイデアが出てくるということである。個人の発想や能力には限界があるので、話をするというのは重要なことだということを再認識させられている。

このブログで書いている内容が、ほんの一部でも実現されれば、本当に素晴らしいことだと思う。また、このブログに書いていることは、私1人のアイデアではない。いろんな人が出したアイデアを、私がまとめて書いているだけだ。

それで前回(というかこれまで全体)の補足なのだが、そもそも「トランジットモール」って何なの?ということを書いておく。

言葉ではわかりにくいから、写真を見てもらいたい。
私がフランスのニースで撮ってきたものである。

商店街の中を路面電車が走っている。線路の上を普通に人が歩いている。


これは上の写真の先の区間。広場の中を路面電車が走っている。

上と同様。この区間のすごい所は、架線がないこと。ここだけバッテリーで走る。


新長崎駅の改札口と現電停の間も、こうして歩行者と路面電車だけが走るようにすればいい、というのが私の案である。

ついでなので、富山駅の写真も。

新幹線の改札口。後ろを振り返ると、

正面に路面電車のホームが。雨が降っても濡れずに乗り換えができる。

新幹線の高架下に、路面電車が入っていきます。

市議会議員の方々も視察に行っているので、富山駅の現状を見ると、長崎でも実現したくなるのが自然な感覚だろう。


それから今回のタイトルに関する話に移る。

現在のアミュプラザ裏の旭大橋側道部分にペデストリアンデッキを作って、国道202号線から県庁までの導線を高架にして完全歩車分離を実現させれば、地上部分の歩道は狭くしても問題ないのではないだろうか。その分車線を増やせる。

この部分については先日の市議会特別委員会でも大きな話題になった。今でもアミュプラザ駐車場入口が混雑しているのに、駅が移転すれば今以上に大渋滞になるのは明白だから、拡張して欲しい、という意見が委員の議員から出た。それに対し市は「道路幅が狭いから難しい」という答弁だった。実はこの部分は県道なので、市が打てる対策は限られているのだ。

側道を広げる土地はアミュプラザ側にあると思えるが、あの部分は駅ビルへの搬入口が必要で、ある程度の車道なり導入路は必要になる。そこまで考えると、土地が狭いことに違いはない。

となると、もう完全歩車分離にしてしまって、地上部分は人が歩かないようにすればいいのではないか、という案が浮かんだ。

この辺は法的な条件がわからないので何とも言えないが、浸水時に県庁舎までの高架の導線が確保されることは非常に重要なので、県側に早めの対策を打って欲しい所である。