2019年9月29日日曜日

韓国人観光客が激減した対馬は、稚内の経験に学ぼう

前回、「境界地域ネットワークJAPAN(JIBSN)」の年次セミナーに参加した時の話を書いたが、今回はもう1件。

このセミナー参加のために、実に20年ぶりに稚内を訪問した。前回稚内に行った時の印象は、とにかく街中にロシア語があふれ、ロシア人が沢山歩いていた、ということだった。

ところが今回、以前ほどロシア語を見かけることもなく、街を歩くロシア人の姿を見ることもなかった。

これは色んな社会情勢の変化や、稚内とサハリンを結ぶ定期船がなくなったことなどが理由として挙げられるのだが、地元の人の話を総合すると、以前ほどロシア人が稚内を訪れることは、もう無いだろうという印象になる。


稚内市も以前はロシア人との交流を重点施策として進めてきていた。もちろん今もその姿勢が変わることはないのだが、ロシア人の急減と大幅な回復の見込みがないことから、20年前と比べて施策の内容を変化させているとのことであった。

対馬と韓国の関係が今後どうなるかはわからないが、今の対馬の状況を見て、稚内市の職員も、稚内の経験を参考にできることは必ずあると力説されていた。

JIBSNの活動は、国や県を通してではなく、基礎自治体同士の交流を深めることが目的の1つになっている。

私も今回初めて参加したのだが、国境に接する自治体どうしの意見交流を手助けできる立場になれればいいな、と、つくづく感じた。

2019年9月26日木曜日

ATR42-600S導入で上五島・小値賀への定期航空便復活を

小笠原に空港を建設し、航空路が開設されることが決まりそうだ。


小池知事が小笠原村長に飛行場の開設「精力的に検討」



小笠原は滑走路を建設する用地がなく、それが航空路開設への最大の問題になっていた。
そこに、800m滑走路でも離着陸できる「ATR42-600S」という機種が開発されたことで、滑走路長を通常より短い1000mにし、ATR42-600S機を使った路線を開設しようという計画を進めるらしい。

この話は、上五島、小値賀という800m滑走路を持つ長崎県にとっても、大きなニュースになるはずだ。


先日、「境界地域ネットワークJAPAN(JIBSN)」の年次セミナー参加のために、北海道礼文島を訪問した。ちなみにこのセミナーには、県内自治体からは五島市と対馬市の職員が参加した。本来であれば五島市長も参加する予定だったが、台風が五島を直撃しそうだったため、稚内まではいらっしゃっていたのだが、礼文島には渡らずに五島に戻られた。

この会議には、やはり800m滑走路を持っていて定期便が飛んでいない空港を抱える沖縄の自治体職員も参加していて、開催地の礼文島自体が800m滑走路であり定期便が飛んでいない。

あいにく新上五島町と小値賀町からの参加者はいなかったのだが、せっかくの機会だったので、質疑応答の時間に「800m滑走路の空港を、ATR42-600Sを導入することにより活用しようという話が出ていれば、お話しを伺いたい。」と質問した。

それに対し地元礼文町の副町長から回答があり、「対応できる機種ができるということは想定していなかった」とのことであった。

果たして新上五島町や小値賀町は、新機種のことを想定しているのだろうか。世界遺産関連の観光客を呼び込もうと思うのであれば、絶対に定期航空路線は必要である。新機種導入による定期路線開設を積極的に働き掛けてもらいたいと思う。


また、礼文副町長の話にもあったが、新機種よりも滑走路延長の方が話題になる。壱岐市でも、やはり新機種導入より壱岐空港の滑走路延長のほうが大きな声になっていると感じる。そちらの方が大きな予算を地元に持ってこれるから、当然なのだろう。

2018.9.11空港滑走路延長など再検討(壱岐新報)


壱岐空港の滑走路延長を 民間の期成会発足、国や県に働き掛け 「空路の維持」に危機感も(西日本新聞)



礼文島はもう航空路はあきらめているような印象だった。上五島や小値賀には、世界遺産という追い風があるのだから、決して航空路開設をあきらめないで欲しい。