2020年10月22日木曜日

長崎県立図書館は自ら考える気がない

 ミライon図書館に行ってきた話を先日書いた。

ミライon図書館に行ってきた

上の記事に最後の方に、「今だにコロナ対策で座席を減らしている。いつまでこの措置を続けるつもりなのだろうか。これは、県民の学びの場を奪うことになっていると思わないのだろうか。」と書いたが、この件に関して図書館側から匿名で回答が来た。

最初に書いておくが、何故回答を出した担当者の名前を相手に伝えないのだろうか。質問者の個人情報は必須条件にしているくせに、回答者が匿名というのは、まあお上意識が強いというか。お上の言うことに庶民は黙って従えということなんだろう。お上はお上なので、誰が言ったのか、発言に責任を取る必要はないのだ。

何故座席を減らしているのかについては、国や県の通知や、公益社団法人日本図書館協会が策定したガイドラインに従っているからとのことだった。そう、自分の意思では決めていません、ガイドラインに従っただけです、という、責任逃れの回答でしかない。さすが長崎県教育委員会。自分の頭では判断しませんよ、ということを、強調されている。


そもそもガイドラインが正しいのかどうかについて、疑問を挟むつもりはないのだろうか。そりゃ国が決めたことですから、国に意見するなんてとんでもない、というのが県職員としての考え方だろう。長崎県の教育界は、そういう所ですよ。上に従え。長いものには巻かれろ。自分の頭を使うな。私もそういう指導を、18歳まで受けてきたから、よくわかる。

今のコロナ対策のように、未知の事象への対応であれば、時間が経つといろんなことがわかってきて、対策も変わるものだ。実際に、感染経路としては換気の悪い密室でのマイクロ飛沫が大きな原因であり、接触感染は少ないということわかってきたし、声を出さない場所では感染がほぼ起こらないということも、わかってきた。

図書館のように声を出さない場所で座席を減らす必要性は、あるのだろうか。そりゃ国の指針に従うことが重要で、理由について自ら考えるなんて、恐れ多くてやってはいけないことだというのが、長崎県の教育界では当然の考え方だということは、よくわかる。長崎市立図書館は座席を減らしていないと言っても、それは他の自治体のことであり、県が知ったことではない。ましてや県が下級自治体である市のやり方を参考にするなど、あり得ないことである。国の指針が変わらない限り、県のやり方が変わることなんて、絶対にないのが長崎県なのだ。


では図書館に対して国の指針は変わらないのか。変わらないだろうというのが、私の正直な気持ち。そんな面倒で緊急性の薄いことは、国としても後回しになる。

例えば映画館が定員どおり入れるようになったのも、民間からの強い要望が国に対して行われたからだ。映画館は客が入らないと採算が取れない。だから、入場客数を増やしても感染対策として影響がないと主張して、規制を緩和してもらって赤字を減らそうという動きが出る。

しかし図書館は、県民の学習の機会を奪うことに対して、何ら抵抗感がない。県民が賢くなると、長崎県のカースト最上位に属する県職員の権威が落ちて、困るのだ。私は特に緊急事態宣言が出て図書館が閉まって、研究活動に多大なる支障が出た。私のような在野の研究者にとって、研究拠点は公立図書館しかないので、そこが閉まると一大事なのである。そして私のような人間が研究活動を活発に行い積極的に発言すると、県職員や県知事が困るということは、このブログを読めばよくわかるだろう。だから、図書館の利用制限を続けることは、県職員にとってはメリットしかない。来館者が減ることで職員の給料が下がることもないので、仕事が減って給料は変わらないと、いいことづくめだ。


その後メールの回答が来ないので、私がここに書いた話は図星だったのだろう。何か反論があれば、きちんと回答して頂きたい。


(10/23付記)

図書館から回答が来ました。

回答者の名前は名乗れない、それだけです。

ううん、例えば電話で問い合わせをした時に、「お名前をお伺いしてよろしいでしょうか?」と聞いたら、この図書館は「答えられません」と言うのでしょうか?

いよいよ組織として、話になっていないようです。

2020年10月7日水曜日

ミライon図書館に行ってきた

 ミライon図書館が開館して1年が経ったそうだが、今日、初めて行ってきた。


ミライon図書館は、長崎市内にあった県立図書館が大村市に移設され、大村市と共同の図書館になったものだ。

以前、県立図書館の移転場所を長崎市にするか大村市にするかで議論があった。

新長崎県立図書館は大村市へ

私は一貫して大村移転を主張していた。理由はリンク先を読んでもらうとして、手短に言えば、長崎市には市立図書館ができて、県立図書館がある必要性は薄まった。県立図書館は県下全域からアクセスしやすい大村市に立地すべきだ、ということだ。

長崎市に作るべきだという意見では、長崎市に研究者が多いから、長崎市におくべきだということだったが、私は、そんなの必要な時に大村に行けばいいじゃないか、と思っていた。


それで今日、ついにミライon図書館に行く用ができた。何のことはない、県立図書館を使わなくても、この1年間、長崎市立図書館で十分足りたのである。長崎市立図書館も蔵書は充実している。但し、歴史が浅い分、古い資料がないことが欠点である。今日は、古い資料を見るためにミライon図書館に行く必要が生じた。

長崎市から大村の図書館に行くのが不便なのだろうか?不便だから大村移転反対、というのは長崎市民のわがままでしかないと、移転の議論が出ていた時から思っていた。実際行ってみたら、全然不便じゃない。

高速シャトルバス(大村 - 長崎)

長崎と大村の間には、高速シャトルバスという便利なものがある。長崎「県営」バスが、民間事業者たるJR九州の邪魔をしていいのか、という議論もあろうが、県内輸送に全くやる気の無いJR九州の「補完をする」ために、県営バスが充実するのは、いいことだと考えよう。

高速シャトルバスを使えば、長崎市内中心部(それこそ市立図書館の目の前のバス停)から、ミライon図書館の目の前のバス停まで、乗り換え無しで40分弱で着く。全然不便じゃない。

県立図書館の移転に反対していた人たち、移転して不便になったのですか?そもそも、図書館を使ってたのですか?ちゃんと言及して下さい。


それはさておき、ミライon図書館に行くと、今だにコロナ対策で座席を減らしている。いつまでこの措置を続けるつもりなのだろうか。これは、県民の学びの場を奪うことになっていると思わないのだろうか。

もうコロナ対策ではいろんなことがわかってきている。図書館のようなしゃべらない場所で「人と人との間隔」を開ける必要は、ほとんどない。換気に気をつけることが最重要だ。

映画館も定員いっぱい入れられるようになっているのに、いつまでこんな状態を続けるつもりなのだろうか。

長崎県教育委員会のことだから、県民に勉強されて知恵をつけられたら困るのだろうか。根性論だけで何も考えられない長崎県教育委員会だから、多分、何も考えていないというのが正解だと思う。