2021年12月7日火曜日

県内産の高級果物を県内業者は取り扱えない

2021年12月7日付けの長崎新聞に以下の記事が出ていた。

「出島の華」50万円の高値も 「させぼ温州」初競り 東京・大田

「出島の華」はうまくブランド化できたと思うし、それが高値での取引につながっているのは、いいことだと思う。


「出島の華」の評価は海外でも高く、海外の業者からの引きあいも強い。私も商談の際に名指しで商品指名されることが多々あった。

ところが長崎県で青果物の輸出業者を経営している私の立場では困ったことに、県内業者だとこうした高級果物を扱えないのだ。農協が長崎市中央卸売市場には出荷せずに県外の卸売市場中心に出荷するからである。

農協としては高級な商品は高く売りたいと考えるのが当然のことである。長崎の市場に出荷しても高値がつかない。だから東京の市場を目指して営業活動をする。このことに関して批判するつもりは全くない。


海外での営業活動を数年行っていると、長崎県産の農産物で売れるものは結構あるということがわかる。みかんもそうだし、県産いちご「ゆめのか」もかなりの人気である。このあたりは名指しで現地の輸入業者に指定される。他には香港では日本産びわがかなり売られていて、私は長崎県産しか見たことがないし、野菜でもミニトマトは長崎県産の割合が高い。

香港で長崎県産びわをPRしよう

ところがこうした商品を売ろうと思っても、長崎の卸売市場に基盤を置く業者だと東京や福岡の業者に勝てないのである。「出島の華」は入荷しないし、いちごも農協が我々に提示する価格が東京よりも高いのではないかと思える感じで、商談が成立しないのだ。

青果物の価格というのはきわめて市場原理に従って成立している。量が多ければ安くなり、少ないと高くなる。高値で買う人が多いと値段が上がり、少ないと下がる。

みかんにしろいちごにしろ、長崎より東京の方が高値で買う人は遥かに多い。農協としては東京で売ることを目指すのは当然のことである。いくら運賃が高くてもたくさん売れれば元はとれるし、売り上げ総額は高くなる。いちごの場合は東京で大量に売った方が儲かるから、量を売って市場を確保したい。購入実績がなく将来的の売り上げも不透明な長崎の業者に売るのなら、高目の値段を提示することも何ら不思議なことではない。


では長崎の業者が輸出において東京の業者に勝ち目はないのか。私はあると思っていた。

長崎から東京まで運ぶのには運賃が高くつく。それでは東京市場において他産地との競争に勝てない。長崎から出荷する場合最低10トントラック1台くらいの量がないと、東京での競争力がない。だから量が見込める商品でないと東京には出荷できない。

これが輸出になると、パレット1枚分、200kg程度の量があれば十分競争力を持てる。もともとアジア市場であれば東京からより福岡からの方が距離が近く、航空貨物運賃も安くなる。また長崎から福岡までの輸送であれば輸送頻度が高いので、パレット1枚分程度であれば他の荷物と積み合わせることで安く運べる。

だから少量の高級品に焦点をあてれば、東京で売るには物量が足りないものを海外で高く売ることは可能だと考えた。

こうして物量を増やしていくことで、県内業者による海外へ輸出ルートを太くしていって、結果として長崎県内の卸売市場の活性化にもつながると考えていた。


このような戦略の調整は、一輸出企業の努力ではどうしようもない。行政が各関連機関との調整の役割を担うべきことなのだ。

ところが長崎県の担当機関にはこういう姿勢が全く見られない。「全く」というのは語弊があって、最初は私と同じ考えのもとに動く担当者もいたがそれが続かないのである。役所の担当者は異動ですぐいなくなるからだ。

私が県と一緒になって一番活動していた時に、担当の係長は1年、課長補佐は2年で異動になった。担当が変わればゼロに戻る。気の利かない人が新たな担当で来れば、マイナスからの再始動になる。

そして担当者はこの短い期間で成果を出すことを期待される。するとどうなるか。短期間で実績が出る方向へ施策を変えてしまうのだ。

長崎県の事例をあげれば、県外の輸出業者に補助金を出すようになってしまったのだ。輸出実績のある業者に補助金を使えば、確実に輸出量は増える。最も簡単な補助金の使い方だ。

ところが補助金をつけて輸出量が増えた分は、補助金がなくなると元に戻る。県外業者にとって、どこの県産品を扱おうが関係ない。その時に有利な商品を扱うだけだ。補助金がなくても競争力がある商品は、そもそも元々扱われていたし、補助金がなくなっても扱われる。こういう補助金は結果として県外業者を潤わせるだけで、逆に県内業者の息の根を止めてしまう。実際に私は県外業者に補助金を出す施策が導入されてから、やる気を失い輸出の営業活動をやめてしまった。


正直に言って、長期的に継続させないと成果が出ない政策は現状の行政のしくみにはそぐわない。資本力のある企業が継続してやらないと結果に結びつかないのだ。

私が輸出の実務をやっていた感じだと、2〜3年続けていればやっと海外の取引先とも話ができるようになる。そこから実績を積んで5年くらいで芽が出てくればいい方じゃないかと感じた。1〜2年で担当が変わる役所ができる仕事ではない。そもそも農産物は大きな商談のチャンスは1年に1回しかない。いちごであれみかんであれ、シーズン始めに商談が成立しないと、次のチャンスは翌年になってしまうのだ。

こういう部分こそ地方銀行がサポートできないのかと思うが、親和銀行も十八銀行も私に声をかけてきたが、なんの成果も出すことはなく、1年も経たないうちに何も言わなくなった。まだ肥後銀行の担当者の方が前向きに考えて頂けたが、やはり(熊本から見て)県外企業のサポートをすることは難しいという結論になった。


十八親和銀行が福岡銀行傘下になった今こそ、福岡フィナンシャルグループ(FFG)が主体になって長崎県からの農産物輸出に取り組めば、少しは何とかなるとも思えるが、現状の農産物輸出は福岡の輸出業者が主体になっているので、FFGとしては本気で取り組まないだろう。実際に私が親和銀行の担当者と一緒に取り組もうと動いていた時にも、福岡銀行側は「親和のことには関わらない」という雰囲気だった。

2021年9月18日土曜日

佐世保の保健所は濃厚接触者の判定基準が厳しすぎた

以下の記事の続編。

佐世保市の保健所は濃厚接触者の判定が厳しすぎるのでは?

やはり私の推測が正しかったんじゃないかと思わせる新聞記事が出た。

佐世保郵便局 クラスター原因の配達遅延 27日には正常化

また同支社は、陽性者以外の配達員全員が濃厚接触者に認定された原因について、共用部分の消毒や換気が不十分だったためと説明した。現在は改善しているという。

佐世保郵便局では、配達を担当する職員が全員濃厚接触者に認定されたために2週間の隔離が命じられ、郵便配達をする人が1人もいなくなった、という事件の続報である。


濃厚接触者の判定基準は保健所によって違う。私は状況を知らないから具体的なことは言えないが、「マスクを着用していれば濃厚接触者にしない」という所は多いと聞く。

そもそも保健所の一存で郵便配達ができなくなるという社会生活をマヒさせる行為を許していいのか。もちろん濃厚接触者の中から感染者が大量に出て、「郵便配達が行われない」という事態よりも「濃厚接触者の隔離」のほうが社会的に重要なのであれば、濃厚接触者の隔離を第一に考えなければならない。

しかし今の感染局面では、大都市部においては保健所の業務が間に合わないという理由で濃厚接触者の調査自体をやめている所も多い。それでも感染者は急減しているので、今の状況において濃厚接触者の隔離が重要だとは、全く思えない。

濃厚接触者の調査が広く行われることにより、一定割合でPCR検査の陽性者が出る。そのため県内で佐世保市だけ行政による警戒措置が解除されず、飲食店の営業短縮要請が継続され県内対象の旅行キャンペーンも佐世保市だけが除外になったりする。学校行事も佐世保市だけ縮小され、お祭りが延期になる。佐世保の保健所で多くの濃厚接触者を出すことによる社会経済的損失は大きすぎるのだ。


ここ数日県内の市町別陽性者数の発表を見ると、佐世保市だけ他地域より多いということがなくなっている。正直、これは怪しいと思う。この1年佐世保市だけ多めの数字が続いていた。佐世保郵便局の事件を受けて、佐世保の保健所が接触者の判定を県内他保健所並みに緩くしたのではないかと勘ぐってしまうのだ。真相は知らない。

2021年9月11日土曜日

佐世保市の保健所は濃厚接触者の判定が厳しすぎるのでは?

佐世保郵便局で配達員全員が濃厚接触者に認定されたため、郵便配達ができなくなっているそうだ。

佐世保郵便局クラスター 配達遅れ 最大1週間 完全復旧、早くて9月末に

同郵便局では8日までに、郵便物の集配を担当する従業員74人のうち12人の感染が判明。残り62人全員が濃厚接触者に認定された。濃厚接触者は2週間の自宅待機が求められるため、集配担当の全従業員が出勤できなくなっている。全国の郵便局でこうした事例は初めてという。

この措置に対しては色々と議論すべきことがあると思う。まず私が最初に主張したいのは「そもそも濃厚接触者の調査が必要なのか」ということで、次に「濃厚接触者の自宅待機が必要なのか」ということになる。


まず濃厚接触者の調査が必要なのか、という点について。現実問題として、感染が拡大して保健所の調査が追いつかない地域においては、濃厚接触者の調査をしないでいいことになっている。

そしてどうなったか。感染縮小期においては、濃厚接触者の調査をしなくても、感染者は順調に減少しているのである。もう今は第5波。これまでの事例を振り返れば、この事実は統計的にはっきりしている。

私の知人に関東でコロナ診療をしている医師がいるが、今は濃厚接触者の調査はやっていないということである。それでも現在、急速に感染縮小している。これが現実だ。


次に「濃厚接触者の自宅待機が必要なのか」という点。あくまでこういう措置は、利益と損失のバランスを見て判断すべきことだ。それは医学的観点からだけでなく、経済社会面まで考慮し政治が決断することだ。

無症状で他人に感染させる恐れがほとんど無い濃厚接触者を自宅待機にすることで、郵便配達ができなくなるという損失を上回る社会的利益があるのか、行政関係者は少しは真面目に考えて欲しい。

今は「コロナ陽性者を1人でも出さないようにするためには、どれだけの社会的損失があっても構わない」という観点から行政運営が行われている。長崎県知事はちゃんとバランスを取ろうとする意志が見えるが、長崎市長はコロナ対策が全てで、飲食店や旅行関係業者がどれだけ潰れようが、子どもたちの教育や課外活動、そして健全な成長にどれだけ悪影響が出ても構わない、という姿勢しか見えない。どれだけ自殺者が増えようが、コロナの死者が1人でも増えなければそれでいいという考えのようだ。多分、佐世保市長もそうなんだろう。


それはさておき表題の件。今回、県独自の緊急事態宣言は9月12日で解除されることになったが、佐世保市だけは感染が落ち着かないということで30日まで延長になった。7月1日から行われていた県民限定観光キャンペーンも、佐世保市は感染が落ち着かないということで除外されていた。

これまでも県内で佐世保市だけ感染が収まらないという状況が繰り返されてきた。これは佐世保市に何か特殊事情があると考えるほうが自然である。

私が思ったのは、佐世保の保健所は接触者の判定が厳しく、より多くの人にPCR検査をしているのではないかという疑問である。上述した通り、感染縮小期においては濃厚接触者の検査を行うこと感染縮小とは関係がない。長崎県や佐世保市といった感染者数がそもそも少ない(1日1ケタ)地域においては、たくさん検査をすることにより陽性者をより多くあぶりだし、陽性者がゼロにならないのではないかという疑問である。

症状が出ていない感染者が他人に感染させることは、ほぼ無い。陽性者自身も数日で陰性になる。そもそも発症していないんだから、検査をしない限りは自分が陽性であるという自覚もない。そういう人に対して数多く検査をして警戒期間を長引かせることは、社会的に何か意味があるのだろうか。

保健所の管轄は地域によって違う。長崎と佐世保は市の、その他の地域は県の管轄である。だから、佐世保市の保健所が県内他保健所に比べて、接触者に対する検査をより多くやっているのではないかという疑問が出るのだ。


とにかくコロナ対策に関しては世界中が科学的根拠に基づかない非科学的な思い込みをもとにして行われている。私は、中村知事は日本の知事の中ではいちばん科学的根拠を重視していると思っているので、毎回佐世保市の感染が最後まで収まらない理由について、きちんと検証して頂きたい。

2021年9月9日木曜日

長崎大学教授の予想はやはり外れた

 本日、長崎県に出されていた緊急事態宣言が、佐世保市を除いて予定どおり9月12日で解除されることが発表された。

【速報】長崎県が県独自の緊急事態宣言解除へ 佐世保除く

という訳で、「第5波」の総括をもうやってもいいだろう。


表題の話になるが、8月8日の記事を振り返ろう。

長崎大学の感染推計は絶対に外れる

ここで書いた私の予想を引用する。

一応私の予測も書いておけば、お盆過ぎまでダラダラ流行が続いて、ピークはせいぜい70〜80人程度じゃないかと思う。但しこの1年間書き続けているが、長崎県程度の感染者数だと、クラスターの発生状況に大きく左右される。高校生のクラスターがいくつか見つかれば(これも、濃厚ではない接触者の調査をどこまで広げるか、に関わってくる)、100人を越えることも有り得るが、高校生にいくら陽性者が増えた所で、ほとんど無症状、症状が出ても微熱が2〜3日続く程度なので、ことさら大騒ぎすることでもない。

それに対して長崎大学の推計は、お盆に感染者140人だった。

「自分たちの行動で決まる」 長崎大が感染推計公表 盆には140人到達か

そして、答えはこれ。










長崎県のHPより引用)

100人を越えたのが2日だけ。あとは70〜80人程度でダラダラ続いた。

私の予想どおりだったと言って、問題ないだろう。


ちなみに8月20日に出された長崎大学教授を名乗る占い師の話はこれ。

長崎大学の占い師の予想は外れる

長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は20日、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、県独自の緊急事態宣言が19日に出されたことを受けて会見。県内の現状を「1カ月前の東京に若干似ている。嵐の前の静けさのようで恐れている」と危機感を示し、「今すぐ知事が示した感染対策を実施し、ワクチンも打ってほしい」と訴えた。

やはりこの占いは外れた。20日以降、順調に減少傾向に入っている。


では第4波の時はどうだったのか、振り返りたい。

5月8日の記事から。

長崎大学の占い師の予想は当たるのか?

長崎の医療崩壊迫る…医師が悲痛な訴え 感染症対策を呼びかけ

長崎大学病院感染制御教育センター 泉川 公一 センター長「増え方が尋常ではないというのは、間違いない事実。個人的な感想としては、これはまだ(第4波の)入り口だと思っている」

さて、この占い師の予想は当たるでしょうか。

私は、繰り返し書いているがもう長崎市はピークに差しかかっていると思っている。

答えは、5月8日がピークだった。









東洋経済オンラインより引用)

見事に占い師の予想は外れ、私の予想どおりだった。


第3波の時はどうだったか。

2020年12月11日の記事。

長崎県にも新型コロナの第3波がやってきたの?

では第3波は来ないのか。来るだろうけど、小さな波じゃないか、というのが、私の予想。これも、個人の感想です。


但し統計的に言えることは、世界中を見ても、寒い国からこの冬の流行は始まっている。日本でも北海道から始まり、東京・大阪で流行した。冬になれば流行が起こる、ということはずっと前から言われていたことで、その通りになっている。では長崎で流行が起こらないかといえば、どうやら福岡でも流行がやってきた感じで、単純に日本の中で相対的に暖かい地方は流行が始まるのが遅かったと考えるのが自然だろう。長崎でも、これから第3波がやってくると思っておく必要は、ある。

続いて2021年1月4日の記事。

長崎県にも新型コロナの第3波がやってきた

ピークで1日35人。人口規模を勘案すると、他県に比べて全然大きな波ではない。

そして、多分もうピークアウトしている。12月末の時点でそう書いておこうかと思ったんだけど、ブログを書く気力が出なかったので、書かなかった。今書いても、もう後出し。

結果はこれ。









東洋経済オンラインより引用)

ピークは1月9日の60人。ちょっと外した。まだこの頃は私も経験不足で(だって、この時第3波ということは事前に2波しか経験していないんだもん。)、予想の精度が悪い。思っていたよりピークが後ろで高めに来る傾向があるとわかったので、以後修正した。そう、科学者とは事後的に振り返って修正し精度を高めるものである。外れる占いを繰り返す人は、大学教授を名乗っていても決して科学者ではない。


私が教授を名乗る占い師について批判の発言を強めているのは、以下の記事がきっかけである。

疫学は易学だ

長崎大学 5月連休明けに感染一日120人超えを予測

「占いじゃないです。理論に基づいた値を皆さんに見せてるだけです。この図を示すことによって皆さんの行動変容を促すことにひとつでも役に立てればと思っています」

なんだ、疫学のシミュレーションは占いレベルだという自覚はあるんじゃない。

みなさん、事後的にこの占いが当たったのか、きちんと振り返りましょうね。

この記事のリンクが切れていたので、別の記事のリンクを貼る。

GW明けコロナ感染者数 第3波の「2倍超」 長崎大 県内推計 行動変容あれば抑制

上のほうの図を見てもらえばわかるけど、5月連休明けの感染者数は65人がピーク。「理論に基づいた値」の約半分。これを「理論に基づいた値」とみなすのは、余程のお人よしである。普通に考えれば、理論がおかしい。

賢明な読者の方には、いかにこの教授の話が「占い師」の予想でしかないことがわかって頂けると思う。普通はこんなに予想を外しまくる占い師の話なんか誰も聞かなくなるものだが、「長崎大学教授」を名乗っていればそれでも聞く人は沢山いて、マスコミにも取りあげられる。

真理を追究したい方は、肩書きに惑わされるのではなく、話の論理性に問題がないのかを自ら考え、後でその発言が正しかったのか検証する必要がある。それが科学的な物事の考え方だ。


2021年8月25日水曜日

本を出しました

 本を出しました。


内容は、「アゴラ」というサイトに寄稿した文章とこのブログの記事から抜粋したものです。

自分で言うのも何ですけど、結構面白いですから、買ってください。
今の所、Amazonでしか買えません。初版が売り切れたら、書店にも並べられるよう手配します。

2021年8月21日土曜日

長崎大学の占い師の予想は外れる

 また長崎新聞の記事から。

「1カ月前の東京のよう」 長崎大病院・泉川教授が会見 感染状況に危機感

長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は20日、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、県独自の緊急事態宣言が19日に出されたことを受けて会見。県内の現状を「1カ月前の東京に若干似ている。嵐の前の静けさのようで恐れている」と危機感を示し、「今すぐ知事が示した感染対策を実施し、ワクチンも打ってほしい」と訴えた。

多分、この予想も外れる。長崎県の感染者はこれから減少していくというのが、私の予想である。

具体的な私の予想は以前この記事に書いた。

長崎大学の感染推計は絶対に外れる

一応私の予測も書いておけば、お盆過ぎまでダラダラ流行が続いて、ピークはせいぜい70〜80人程度じゃないかと思う。但しこの1年間書き続けているが、長崎県程度の感染者数だと、クラスターの発生状況に大きく左右される。高校生のクラスターがいくつか見つかれば(これも、濃厚ではない接触者の調査をどこまで広げるか、に関わってくる)、100人を越えることも有り得るが、高校生にいくら陽性者が増えた所で、ほとんど無症状、症状が出ても微熱が2〜3日続く程度なので、ことさら大騒ぎすることでもない。家で療養すれば医療機関への負担もかからない。子どもから親に感染させることも、現状ほとんど無い。家庭内感染は「子から親」ではなく「親から子」のケースが大多数なのである。

感染状況が落ち着いてから振り返りの記事を書こうと思っていたのだが、途中経過という感じで今現在の見解を書いておく。

私は長崎県の感染状況はおおむねこの予想通りに進んでいると思っている。100人を越えることがあっても1日位だと思っていたのだが、実際にはもう2日超えてしまった。そういう部分では予想が外れてしまったが、その位は誤差の範囲内だと思って頂きたい。


私のブログを読み返してもらえばわかることだが、コスタアトランチカの騒動以来、私の予想は全て当たっている。それに対し、長崎大学の占い師の予想は、全部外れている。

普通は外れ続ける占い師の予想は、そのうち誰も聞かなくなるものだが、たちが悪いことに、この占い師は「長崎大学教授」の肩書きを持っているので、予想が外れ続けても、人々が言うことを聞くのだ。

長崎大学の先生は、とにかく悲観的なことを言って県民の不安感を大きくすることを意図して発言している。それは以前書いた内容の通りである。県民の行動変容が感染拡大防止に寄与することはほとんど無いのに、それでも少しは影響があって、感染者が減り自分たち医療者の仕事が楽になればいい、と思っている。そのために飲食店や宿泊業者の経営が圧迫され、精神疾患が増え自殺者が増え、子どもたちの成長にとって大事なさまざまな体験の機会や学習の場を奪うことを、何とも思っていない。

感染症の専門家は、感染症が原因で病気になる人が減れば全て良しで、精神を病む人が増えて自殺者が増えても、自分たちは関係ないと開き直った発言をする人さえいる。


今回言いたいのは、何故こういう県民の不安感を増すような発言を記者会見を開いてまで行う必要があるのか、ということだ。今まで長崎大学の占い師がこういう会見を開いた場合、そこから感染状況が落ち着いてくる、ということを繰り返してきた。自分の予想が外れたことを研究者として恥ずかしく思わないのかと私は思うが、「教授」を名乗っていても研究者ではなく占い師なのが実態なので、何とも思っていないのが真相だろう。

2021年8月20日金曜日

「感染しない、させない」がコロナ被害を大きくする

長崎新聞に以下の記事が出ている。

「死活問題」「逆効果」の声も 緊急事態宣言 長崎県民反応 医療従事者「危機感を」

新型コロナの患者を受け入れている病院で働く別の女性看護師は「感染しない、させないという緊張状態が1年半続き、みんな疲れ切っている」と職場の窮状を吐露。


私は、コロナ禍で人々が疲弊する最大の原因は、この「感染しない、させない」という意識にあると思っている。

そもそも感染して何が悪いのか。無症状やタダの風邪で終われば全く問題はない。だから、感染対策としては最初に「罹っても大丈夫な体づくりをしましょう」ということになるはずだ。

初期の頃には専門家も「ウイルスに負けないようにちゃんと食事をして睡眠をしっかり取って適度な運動をしましょう」と言っていたが、そういう声は最近全く聞かなくなった。私がブログで珍しく評価していた熊谷千葉県知事も、千葉市長時代には「ウイルスに負けない体づくりをしましょう」と言っていたのに、最近は言うことがおかしくなって、Facebookで「マスクを着用していない人がウイルスを撒き散らしている」と発言する始末だ。

私のブログの過去記事から。

徹底した感染対策を取っている人ほど新型コロナに感染している

以下は、上記記事で引用した熊谷氏のFacebookでの発言である。

私も市長としての職務に加えて早朝・夜や週末に選挙に向けた諸作業をしていますが、しっかりと睡眠を取り、免疫力を維持するよう意識しています。また、毎日の体温測定などの健康管理も徹底しています。

https://www.facebook.com/toshihito.kumagai/posts/3648746841861464

から引用。2020年12月17日の発言。


そもそも重病人でもない人を病院やホテルに縛りつけていることに何の意味があるのか。濃厚接触者だというだけで14日ホテル隔離されたりもしていた。健康な若者が14日も狭いホテルの部屋に閉じこめられていたら、健康であっても病気になる。

長崎県医師会長がコロナ感染して入院した話が以前新聞に出ていた。私は医療に詳しくないが、医療関係者に言わせれば、家で静養していれば治ったレベルで、入院したのは精神的な問題だということである。まさに「病は気から」、なのである。

初めて書いた短い遺書… 感染経験の産婦人科医・森崎氏 “普段”の対策が重要


国民に恐怖感を抱かせ、特に子どもたちの精神状態を悪くさせることに何のメリットがあるのか。まず医療関係者がやるべきことは、「罹っても大丈夫な医療体制を作っています」と言って、国民を安心させることではないのか。

以前書いたブログ記事から引用する。

新型コロナ陽性者が出る前提での観光推進を

話を元に戻すが、少なくとも長崎県では、「感染者が出ることは気にしない」「出ても大丈夫な医療体制を整える」ということを、県民そして旅行に来る都会の人に積極的にPRすることを政策の基本に置いて欲しい。間違っても過剰な感染防止対策をすることを推し進めることは、やめて欲しい。必ずしも旅行者はそれを望んでいないのだから。

医療関係者がまずやるべきことは、コロナ患者を受け入れていない病院が受け入れを始めるよう努力すること。そして「軽症無症状の人は多くの場合自宅療養で治ります。だから症状が重い人のための病院のベッドを開けさせて下さい。デルタ株になって、死者はほとんど出ていません。過剰に恐れる必要はありません。症状が悪くなればすぐに入院できる体制は整えますから、まずは自宅で療養して下さい。」と言うべきだと、私は考える。


2021年8月12日木曜日

「医療危機的状況宣言」は誰に対して出すの?

長崎県で 「医療危機的状況宣言」が出されたらしい。

長崎県医師会が医療危機的状況宣言を発表

発表しているのは、家でもマスクを着用していてコロナ感染した長崎県医師会長。


で、この宣言って、誰に対して出しているのでしょうか?

医師会が出しているのだから、医師会員に対して出しているんですよね?

「今回、また医療危機的状況宣言を発出することにいたしました。地元で自宅療養、宿泊療養を余儀なくされることが予想されます」

だったら医師会が全力を尽くして、病床を増やして下さい。

長崎県の民間病院は、コロナ患者を受け入れているのですか?

あの東京都でさえ、医師会長が動き出しているんですよ?

自宅療養者の健康観察を 医療機関に協力依頼 都医師会

まあ、「病床を増やせ」という話ではないのですが、もう東京都は民間病院も受け入れをかなり増やしているようです。


最初の記事から引用。

また、宿泊療養施設で153人、自宅などで170人が療養しています。

そりゃ、高校生のクラスターがかなり発生してますからね。高校生を1人で病院やホテルに押し込めるより、自宅で療養する方がいいでしょ。そもそも、高校生の陽性者で症状が出ている人はどれ位いるんですか?

長崎県医師会も、まず自分たちで「病床を埋めずに診療できるシステムを作るように努力します」と言うべきなんじゃないんでしょうか?


<8/13追記>
医療逼迫している神奈川県の話。

神奈川県病院協会 加盟する全病院に患者受け入れ検討を要請

神奈川県病院協会は新型コロナウイルスの患者が急増していることを受けて、協会に加盟するすべての病院に対して、患者の受け入れを検討するよう要請しました。

長崎県医師会も、病床が足りなくなるというのであれば、まずは県内のすべての病院に対して、患者を受け入れるように要請したらどうです?

「医療危機的状況宣言」を出すほど危機的なのであれば、まずは病床を増やすよう医療側で対応するのが先ですよね?それとも「医療は全ての産業の中で最も重要」だから、他の産業従事者が廃業の危機に陥ってでも、医療は現状のままを維持させなければならないのですか?もうコロナ騒動が1年以上続いているのに、長崎市内の受け入れ病院が4ヶ所しかない(増えてないですよね?)というのは、私には全く納得できません。受け入れ病院が増えない限りは、飲食店は一切要請に応じません、位のことは言ってもいいと思ってます。

2021年8月8日日曜日

長崎大学の感染推計は絶対に外れる

 長崎新聞にこういう記事が出ている。

「自分たちの行動で決まる」 長崎大が感染推計公表 盆には140人到達か

私はこれは絶対に外れると断言します。

理由は、公表している人がこうなるとは思っていないから、だ。

一番大事なのは記事中のこの部分である。

会見した有吉教授は推計の公表について「危機感を県民と共有するため。天気予報はわれわれで変えることはできないが、コロナ(の流行)は自分たちの行動で決まる」と強調した。

「正しい予測をすること」ではなく、「危機感を煽ること」が目的なのである。そして、「コロナ(の流行)は自分たちの行動で決まる」と本気で思っているのか、疑問に思う。本当に「自分たちの行動で決まる」のであれば、コロナ感染した長崎市副市長や長崎県医師会長は行動を本気で見直して欲しい。

私の周囲の人の話を聞けば、長崎市副市長や長崎県医師会長が罹患したのは「毎日夜飲み歩いていたから」だと思っている人が相当数いる。「自分たちの行動で決まる」なんてことを言い続けるから、罹患した人への差別が煽られるということが、長崎大学の教授はわかっていないのだろうか。


何で医療関係者がこんなに危機感を煽るようなことを言うのかと言えば、「もしかしたら行動自粛で感染者が少しは減らせる『かも』しれない。そうなれば医療負担が減って自分たちが楽になる」と思っているからである。

実際に接触機会を減らすことで感染が縮小したというデータは世界中になく、今だにそういう発言をしているのは、この長崎大学教授の記事位である。効果がある感染対策は「換気の徹底」しかないのが、この1年半のコロナ騒動における「科学的知見」である。「接触を減らす」というのは「机上の空論」でしかないことは、現実のデータから証明された。

この発言に、行動自粛のせいで苦しむことになる子どもたちや飲食店、宿泊業関係者に対する「申し訳ない」という気持ちは、全く感じられない。知事は会見のたびに「協力頂いた飲食店の方々には感謝します」という言葉を出すが、医療関係者からの「いろんな業種の方に協力頂き、感謝します」という言葉を、私は聞いたことがない。日本医師会長が「医療は全ての産業の中で一番重要なものである」と言うのだから、「医療に負担をかけないために、他の業種が潰れたりしても、当然のことである」というのが、医療従事者の総意なのであろう。

こういう県民を脅す発表をする際に、お盆の稼ぎ時を潰された飲食店や宿泊関係者、そして旅行を楽しみにしていた子ども達の気持ちを少しは理解して欲しいし、発表時に「県内の宿泊キャンペーン、GoToイート発売の一時停止などで、飲食店や宿泊関係者の方々には迷惑をかけますが、我々に負担がかからないように、ご協力お願いします。」の一言位はあってもいいと、私は強く主張したい。


このシミュレーションが間違いだらけだ、ということは、私も経済学の博士持ちとして、具体的な内容はいくらでも指摘できる。いちいち指摘するだけ無駄であるし、私のブログを読み返して頂ければ、長崎大学の予測より私の予想の方が遥かに当たっているということは、読者の方にわかってもらえると信じている。

一応私の予測も書いておけば、お盆過ぎまでダラダラ流行が続いて、ピークはせいぜい70〜80人程度じゃないかと思う。但しこの1年間書き続けているが、長崎県程度の感染者数だと、クラスターの発生状況に大きく左右される。高校生のクラスターがいくつか見つかれば(これも、濃厚ではない接触者の調査をどこまで広げるか、に関わってくる)、100人を越えることも有り得るが、高校生にいくら陽性者が増えた所で、ほとんど無症状、症状が出ても微熱が2〜3日続く程度なので、ことさら大騒ぎすることでもない。家で療養すれば医療機関への負担もかからない。子どもから親に感染させることも、現状ほとんど無い。家庭内感染は「子から親」ではなく「親から子」のケースが大多数なのである。

長崎県知事はこの1年の流れから、私と同じ分析をされていると思うので、過剰に騒ぎ立てることはないと思うが、そろそろ症状も出てない接触者への検査は減らしてもらえないかな、というのが正直な気持ちである。

2021年8月6日金曜日

「経済地理学年報」67巻2号に拙稿が掲載されました

 この記事と似たような内容です。

「東アジア評論」第13号に拙稿が掲載されました


今回は、インバウンド観光が対馬の経済に与えた影響に関する論考になります。

タイトルは「長崎県対馬市における韓国人観光客数の動向と地域経済」です。


残念ながら論文自体は、掲載後1年間ネット上では公開されませんので、読みたい方は『経済地理学年報』を購読している図書館に行かれるか、直接私まで連絡して下さい。


今回は査読付きの学術論文です。きちんと学会内で審査をされて、掲載に値すると認められたものです。それなりに価値はあります。

それ以上に個人的に自慢したい(?)ことは、この論文を書いた際に、私はどこの研究機関にも所属しておらず、かつ内容が自分の仕事とは全く関係のないものだ、ということです。完全に趣味で書きました。

緊急事態宣言が出て市立図書館が閉鎖されたり、大学図書館が学外者立ち入り禁止になったりで、色々とやりにくい面はありました。それでも、今の時代はインターネットを使えば、かなり自宅で研究を進めることが可能だ、ということも、わかりました。


「在野の研究者」という言葉は、定義があいまいなのであまり使いたくないのですが、少なくとも査読付きの学術誌に掲載される論文を書いたのであれば、「在野の研究者」という言葉を使ってもいいのかな、とは思っています。

2021年7月30日金曜日

新型コロナ陽性者は医師の判断で入院の必要性を決めよ

予想通り長崎県でも新型コロナ陽性者が増えてきた。

長崎県にも必ず第5波はやって来る

私が個人的に一番気になるのは、県内限定の旅行キャンペーンを休止するのかどうか、だ。

今流行しているデルタ株はかなり弱毒化していて、若い人の間で陽性者が増えても、ほぼ重症化しないので、自宅療養で十分な人が多いという状況だ。私の知人で、千葉でコロナ診療をしている医師がいるが、入院が必要なレベルまで悪化する人が極端に減った印象がある、と言っている。

そもそもコロナ対策というのは、医療の逼迫を避けるという目的だったはずだ。それを、とにかく隔離が必要だという法律の建て付けから、無症状であっても入院させて医療逼迫を招いてきた、という流れがある。

しかも、その入院の判断をするのが医師でもない保健所の職員。PCR検査で陽性だと、無条件に入院させるという自治体もあった。


本来「検査」というものは、医師が病気の診断をするための根拠にするための1つの要素でしかない。ところが、医師の判断よりも検査結果を重視されるという、間違った流れが世界中に起こってしまっている。

ここまで新型コロナに関する知見が蓄積されてきた今であれば、そろそろ「本来の医療」に戻すべきなのではないだろうか。つまり、医師がきちんと「患者」の診断をし、医師が入院の必要性を認めた「患者」だけを入院させるようにするべきだ。そもそも「患者」でもない無症状者を「診断」もせず入院させるなんて、医療としてはあり得ないことだ。医師でもない保健所の職員が入院の判断をするのは、本質的に間違っているということを認識しないといけない。


こうした診断が適切に行われれば、いまの新型コロナの病状だと、入院する必要のある陽性者は極端に少なくなる。そうすれば医療を逼迫せず、旅行キャンペーンもこのまま継続することができるはずだ。


私は長崎県の医療逼迫は過剰検査が原因だと以前指摘した。

長崎県の「医療逼迫」は過剰検査が原因

これに関しても、今回書いたようにきちんと医師が診断して入院者を増やさないのであれば、別に陽性者が増えても大きな問題にはならない。そこは中村知事ならきちんと説明されると思う。


色々法律の問題はあると思うが、今なら本来の「医療」に立ち返って、必要以上に経済を痛めつけたり子どもの行事を奪うことは、やめて欲しい。1年以上色々と我慢してきて、せっかくできた夏休みの家族旅行の計画が、旅行キャンペーン休止によって潰されるようなことがあれば、子どもたちの精神面でも相当な悪影響が出る。そういう事態は絶対に避けるよう、中村知事にお願いしたい。

2021年7月13日火曜日

長崎県にも必ず第5波はやって来る

以前の投稿とほぼ同じタイトルになってしまったが(苦笑)。

第5波は必ず起こる

7月12日に長崎県知事の会見があり、実質的に長崎県における第4波の終息宣言が出された。

知事記者会見(令和3年7月12日)

しかし、油断してはいけない。長崎県にも近いうちに第5波は必ずやってくるのだ。

もうコロナ騒ぎは1年以上経過していて、これまでの動きを見れば、今後どうなるかは容易に予想できる。では去年はどうだったのかを振り返ってみればいい。


という訳で、私が去年7月22日に書いた記事を読んで頂きたい。

「Go Toキャンペーン」活用して都会から観光客を呼び込もう

まあ去年も今年も同じような流れ。今年は全国的な「Go Toキャンペーン」は無理だが、県内旅行を推進する施策は取られている。


上のリンク先から引用する。

そして注意すべき点は、今は何故か感染者が重症化しなくなっていることだ。

そう、今年も去年と同じことになっているのだ。マスコミは社会不安を起こすことが目的になっているので、今流行しているデルタ株は若い世代でも重症化する、なんてことしか言わない。しかし全体として見ると重症化しなくなっているのはデータとして出ているし、実際に千葉でコロナ診療をしている私の知人の印象でも、陽性者は増えているけど入院が必要なレベルまで行く患者は明らかに減っている、ということだ。


去年もこの時期に東京で変異した株が夏場に全国に広がった。今年も同じこと。今東京で広がっているデルタ株が長崎に来ないことはないだろう。去年と同様、夏休みやお盆で人の移動が増える時期に、長崎に持ち込まれて広がることは絶対に避けられない。

じゃあそれを阻止しようと思うのか。そのために東京との移動は完全に控えろと言うのか。観光客や飲食店、土産物屋をもっと干上がらせるのは仕方がないのか。


中村知事はこの辺のことをよくわかっていると思う。わかって対処できている知事は、多分日本で中村知事だけだ。ではどう対処するのか。

それは感染が広がっても重症者を出さない医療体制を整備すればいいのだ。政策というのはバランスである。医療だけに偏って他の産業を潰していい、ということはない。特に観光で食っている長崎県では、なおさらのことだ。「医療は全ての産業の中で最も重要だ」との日本医師会長の発言に従う必要は、全くない。


知事会で他の知事が「第5波を起こさない」「オリンピックは全国の会場で無観客に」と皆言う中で、中村知事は1人しっかりと「旅行キャンペーンの区域を広げて欲しい」と要望したのだ。

長崎県知事「旅行キャンペーン拡大」を知事会で要望

もう何度も引用したが、去年4月に書いた以下の記事を読んで欲しい。

「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう

私の中では、コロナ対策の答えは去年の4月に出ていた。今になっても、この答えは間違っていなかったと確信している。旅行客をなくし、飲食店を痛めつける対策を取るより、しっかりとした医療体制を作って、ある程度の罹患者は許容することしか、コロナ対策の出口はないのだ。

中村知事は、私と同じ考えで現在のコロナ対策を進めていると思っている。

2021年6月10日木曜日

「東アジア評論」第13号に拙稿が掲載されました

長崎県立大学東アジア研究所「東アジア評論」第13号に拙稿が掲載されました。

対馬のインバウンド観光に関する論文です。

インターネット上でもお読み頂けますので、興味のある方は是非ご覧下さい。

東アジア評論第13号

本文はこちらから

ポジショナリティ・シフトによる対馬へのインバウンド観光の可能性

内容は、2019年12月に開催された経済地理学会対馬特別例会のシンポジウムで出された意見をまとめたもので、例えば以下の記事に書いた話などです。

対馬への外国人観光客誘致は、福岡と釜山を結ぶ導線上で考えよう


2021年5月31日月曜日

第5波は必ず起こる

 今回も知事会での中村知事の発言について。

ワクチン配分 長崎・中村知事「スケジュールを」 全国知事会で国に求める


この記事にも書いたが、中村知事は知事会の中でもまともな発言をする唯一の知事だと思う。そして、今回の知事会での発言。

「このほか県内では感染の第4波は落ち着きつつあるが、次の第5波を早期に抑えるためには一層迅速かつ効果的な対策が必要と強調。」

第3波の収束時も同じような発言をされていたが、「次の波が来ないように」というのは、ウイルスの性質上不可能である。政府も、どこの知事もそれがわかっていない。「コロナを撲滅する」みたいなことしか言わない。その中にあって、現実的な対応をされている中村知事は、素晴らしい。


では、なぜ第4波で長崎市に独自の緊急事態宣言を発出させる事態になってしまったのか。

それは私が言うまでもなく知事はしっかり検証されているだろうが(残念ながら長崎市長と、長崎市長に進言している長崎大学教授を名乗る占い師は検証する気もないのだろう)、私の考えも書いておく。


まず医療体制の整備が間に合わなかったこと。変異株の感染スピードが速かったということはあるだろうけど、そんなのは言い訳にしかならない。第4波のピークは第3波と変わらない程度。事前に言われていたように第3波の倍の感染者数に耐えられる医療体制を構築できておけば、問題にならなかった。

これも、長崎市内でコロナ陽性者を受け入れる病院がわずか4ヶ所しかない、というのが最大の問題なのである。今回のことを反省し、民間病院の受け入れ先を増やす努力が必要で、そのためにも長崎県医師会が動くべきだ。医師会長の仕事は、自分がコロナに感染し、病床が逼迫したら県民に危機感を煽ることだけではない。民間病院の受け入れ先を増やすのが、現状最大の医師会長の仕事である。そもそも県医師会長は、自分が感染しておいて、他人には感染するなとよく言えると感心する。

ちなみに「コロナ騒動」の出口をどこに見いだすかは、決して「ゼロコロナ」ではない。医療体制を整えて、「コロナに罹っても死なない」と国民が思うことだ。そのことは、私は去年の4月に記事に書いている。今読み返しても、この時の私の考え方は正しかったと確信している。

「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう


もう1つは「カラオケ喫茶」での集団感染を複数起こしてしまったこと。これは長崎県側も、これまで長崎県では昼カラオケでのクラスター発生がなかったので「油断があった」と認識しているだろう。

ここへの対策については、県側の言い分(?)もある。飲食店の営業時間短縮要請に対しては国から補助金が出るけど、「昼カラオケ」の営業自粛要請には現状補助金がない。だから県独自で営業自粛要請は出せない、ということだ。

飲食店への協力金の負担分(県1割、市1割みたい)を考えたら、その分を全額昼カラオケ自粛協力金に振り替えれば、できないはずはないと思うのだが、そういう思い切ったことをすることを中村知事に期待するのは無理なので、まあ、ここに書くだけにしておく。


今後は「昼カラオケ対策」をすることになるのも間違いないだろうが、そこで間違った感染防止対策を取っても逆効果にしかならない。具体的にいえばビニールの遮蔽シートやマスク着用である。

この辺は、昼カラオケでのクラスターが発生して1年経って、やっと朝日新聞が記事にした。

クラスター発生のカラオケ店、記者が店内へ カギは換気

ビニールシートが逆効果になることも、やっとテレビで報道されるようになった。

ビニールシートが感染の一因に 換気に悪影響

長崎県でもビニールシートが原因だったと思われるクラスターが発生している。

飛沫防止用ビニール幕が集団感染の原因か?


マスク着用が逆効果になることは、去年の夏に私はこのブログで指摘した。

北陽台高校の感染防止対策を見て具合が悪くなった

マスクを着けると息苦しくなるから呼吸が激しくなる。するとウイルスの排出量が増えるのだ。

感染源になるエアロゾルは呼気に含まれるので、マスクでは防げない。だから、マスクを着用してカラオケで歌うと、かえって感染を広げる結果になる、ということだ。

このことについては、科学的に検証されていない。また検証しないことが、感染症の専門家が本気で感染拡大を防ぎたいと思っていないことの証拠になると私は考えている。


中村知事は、ここで私が書いていることは全て認識されていると思うので、これから間違った飲食店に対する感染防止対策を進めないことを望んでいる。こんなビニールシートを張るのは、逆効果なのだ。

長崎県、飲食店認証導入へ調査 市内13店舗 6月末めどに運用




2021年5月10日月曜日

長崎大学の占い師の「言い訳」が予想通り

以下の記事の続きです。

疫学は易学だ

そして、今日のこのニュース。

新型コロナ感染者数 長崎大学の最新予測は

感染拡大の勢いが当時のまま続いた場合の「シナリオA」。直ちに対策を強化した場合の「シナリオB」。Aの場合、5月10日に感染発表数はピークを迎え127人に達する予測でした。しかし実際には8日の65人がこれまでの過去最多の発表数となっています。 

(熱帯医学研究所・砂原俊彦助教)

「シナリオBの方に近く見えますよね。皆さんの行動の変容が起きた結果ではないかなと。」

(長崎大学熱帯医学研究所・有吉紅也教授)

「連休に入るまでにもう既に人々がある程度の行動自粛をされているという事。何らかの、人々の努力がこれに表れているんだと思っています。」

 

まさに予想通りの言い訳だ。今の状況で「全く何の感染対策も取らない」ということはあり得ないから、こういう言い訳はいくらでも成り立つ。


そして、

(熱帯医学研究所・砂原俊彦助教)

「連休明けの影響がまだこれから現れると思うんです。それがどう出るかは私達には今、予想すべき材料がありませんので、増えるかもしれませんし、減るかもしれないとしか言えない状況。皆さんの行動次第ではこれから遅れてAの曲線に近づいていく事も可能性としてはありますので、気を引き締めていって頂きたい。」

「予想すべき材料がありません」と明言するのなら、最初から何も言わない方がいい。

この人が多少でも統計分析の能力がある人であれば、これから減少すると絶対に予想しているはずだ。

ちなみに、私はこれでも博士(経済学)の学位を持っていて統計分析の能力はある。繰り返しこのブログで主張しているように、もう長崎県・長崎市の陽性者数はピークに差しかかっているので、今後減ると分析している。


繰り返すが、私の意見は「人々の行動様式の変化は、感染度にほぼ関係がない」である。この1年間の世界中のデータを見ると、そう判断せざるを得ない。効果があるのは、高齢者施設での徹底的な対策位だ。換気を良くして飲食店でのクラスター発生を防ぐ、ということも効果があるが、施設内感染・院内感染・家庭内感染の量に比べると、飲食店での対策の効果は微々たる数字でしかない。

長崎大学の占い師達は、自分たちの予想が本当に正しいと考えているとは思えないし、もし正しい分析をしていると思っているのであれば、それはこの1年間の世界中のデータを分析していない、ということである。そんな人が国立大学から税金で給料を貰っているということに対して、私は納得できない。

長崎県医師会はやるべきことの順序が違う

長崎県医師会長さん、 もうあきれることばかり言わないで欲しい。

宿泊療養施設での治療も視野に…医療体制ひっ迫する中で新たな取り組み検討始まる【長崎県】

また、軽症や中等症の患者を受け入れる宿泊療養施設で、治療を開始することも検討しているということです。

「午前1回、午後1回の往診をして、患者さんを管理していく。そして治療をはじめることが今後想定される」

その前に、なんで民間病院でコロナ患者を引き受けないの?

長崎市内でコロナ受け入れをしている病院が4つしかないって、どう考えてもおかしい。


私の友人で、千葉県の民間病院でコロナ診療をしている勤務医がいるが、中規模の民間病院でもコロナ受け入れができない訳はないと言っていた。受け入れないというのは、医療逼迫していないことの裏返しで、医療崩壊の危機になれば、受け入れざるを得ないし、受け入れ可能だというのが、実際に医療崩壊の危機を経験した彼の話だ。

長崎県の「医療逼迫」は過剰検査が原因

医師会長は病院でのクラスター発生について謝罪せよ

医師会は開業医と民間病院経営者による政治団体なので、どうやら長崎県医師会の仕事は、「民間病院でコロナ患者を受け入れないように行政に圧力をかける」ことのようだ。

2021年5月9日日曜日

長崎県の「医療逼迫」は過剰検査が原因

前回の続き。

医療崩壊迫る…医師が悲痛な訴え 感染症対策を呼びかけ【長崎市】

私は本当に医療崩壊になっていた関東でコロナ診療をやっている医師の友人がいるので、医療崩壊する状況がどういうものかは聞いている。

そういう友人から見ると、「長崎の医者は何を寝ぼけたことを言っているの?」という話にしかならないだろう。

というのも、これだけ陽性者が増えている最大の原因は、検査数が多すぎることだからだ。

発生の推移(令和3年5月8日現在)

データは更新されるので、5月8日のスクリーンショットを貼っておく。


内訳を見てもらえば、「接触者」の数が半分程度を占めていることがわかる。何のことはない、接触者へのPCR検査をやめて、発症した人だけを検査対象にすると、陽性者数は半分程度に減るのだ。

そもそも、「濃厚接触者」ではない「接触者」に検査をする必要性は高くない。長崎県が「医療体制に余裕がある」という前提で、やっているだけだろう。

そして、これだけ検査を増やして陽性者数を増やしておいて、医療崩壊だとか言うのは、経済サイドの私から見ると、「ふざけるな」の一言である。

ほんとうに医療崩壊しそうな地域では、接触者への検査をしないのは当然のこととして、濃厚接触者すら追跡しないようにしていた。そうしないと、医療が追いつかないのだ。

長崎県は、これだけ検査を続けていながら、「医療崩壊が近い」とか言って経済に大きな打撃を与えているのは、ちょっと医療側の人間を甘やかしすぎていると思う。まずは接触者への検査をやめて、濃厚接触者を追わなくして、それでも感染者が増え続ける段階で、人々の行動自粛を求めて欲しい。

もっとも、私は行動自粛で感染が減ることはないと思っているので、行動自粛を求めるのなら、それで感染が減る明確な証拠を示してからにしてもらいたい。

オカルトコロナ宗教で田上長崎市長を洗脳し、住民に恐怖感を植え付け行動を萎縮させ、精神疾患や自殺者、熱中症を増やし、子どもの健全な成長と部活など一生に一度の経験の場を奪うことに対して、医療関係者は何とも思わないのだろうか。もちろん小児科の森内先生は、今の空気がおかしいとは思っているだろうが。


2021年5月8日土曜日

長崎大学の占い師の予想は当たるのか?

今回は この記事についてだけ。

長崎の医療崩壊迫る…医師が悲痛な訴え 感染症対策を呼びかけ

長崎大学病院感染制御教育センター 泉川 公一 センター長「増え方が尋常ではないというのは、間違いない事実。個人的な感想としては、これはまだ(第4波の)入り口だと思っている」

さて、この占い師の予想は当たるでしょうか。

私は、繰り返し書いているがもう長崎市はピークに差しかかっていると思っている。


結果がどうなるか、後で振り返られるように先に記録にしておきます。

もし私の予想が当たれば、「田上長崎市長は怪しい占い師に悪い話を吹き込まれていた」、と市民は解釈して下さい。

長崎県知事は科学的だ

 私は、長崎県知事は全国の知事の中で一番科学的根拠に基づき行動していると思っている。

そこが県民に評価されていないのが残念だし、まあ長崎県民のレベルはその程度なんだろう、だからまともな人材は県外に流出するのだ、という考えに至る。

長崎県知事のどこが科学的なのか。一番わかりやすいのは、会見の時にデータを見せて、「ここが感染源になっているから、ここに対して対策を取る」と毎回言っていることだ。政府も他県の知事も、こういう説明をしている人は、どこにもいない。

以前書いた記事から引用する。

長崎県知事の会見が素晴らしすぎた

一番重要なのは、主要な感染場所が飲食店ではないと断定されたことである。だから飲食店に対する営業自粛は求めないと、はっきり知事から言われた。都会では感染経路不明者の感染場所が飲食店だというエビデンスがある「みたい」だけど、長崎県では感染経路不明者はほんとうに感染経路がわからない、とおっしゃっていた。これは実は全国的にも重要なことである。

ほぼ全ての首長は、よそが飲食店への営業自粛を求めているからうちもやる、と、科学的根拠全くなしに営業自粛の政策を取った。しかし、中村知事は根拠がないことはやらないと明言されたので、素晴らしいと思った。

この時は、この後結局田上長崎市長の言い分を飲んで(多分)、飲食店への営業時間短縮要請を行ったのだが。

千葉県知事の熊谷氏は科学的に判断しているとずっと評価している。3月まで千葉市長を務めており、4月から千葉県知事に就任した。知事になることで小池東京都知事に対抗できる人が出たことはいいことなのだが、この人もゴリ押ししないので結局は折れる。そこは中村知事と同じ。

千葉県知事のFacebookでの発言を引用する。

大阪がなかなか減少に至らないため、政府も人流を抑えることに重点を置きつつありますが、本来は感染しやすい3密環境を作らないことが基本です。

日本では完全なロックダウン的措置ができない以上、一部の施設の休業要請にどこまで効果があるのかは未知数です。

こうはっきり言えることは素晴らしいのだが、休業要請をしない、という決断をできないのは、まあ、仕方がないのだろう。


この記事を見返していて、今はこの時と同じような状況にあると感じた。

直近の状況をいえば、会見前日に県内の陽性者数が過去最高を記録し、当日も2番目の数字であった。それでも危機感を過剰に煽ることなく、冷静に発言されていた。

私自身も、クラスターが発生して、一時的に陽性者の数字が高くなることはあっても、全体としては減少傾向に入っているのではないかとブログで書いた手前、いくらクラスターが発生しているとはいえ、陽性者の数字がこの数日高いので気になっていた。

私は、長崎県の感染状況は、今現在減少傾向に入っていると書いているが、陽性者数の大きい数字が時々出るので、ちょっとは気になっている。でも、実際はこの記事を書いた時と同じで、クラスター発生に伴いちょっと大きな数字が散発的に出るだけで、減少傾向に入っていると思う。


昨日の会見で中村知事は、長崎市を対象とした「まん延防止等重点措置」の適用を国に求める、との発言もあった。正直、これをやった所で市民の行動が萎縮し経済を冷ますだけで、感染拡大防止には何の役にも立たず弊害が大きいだけで、何故知事が今になって方針転換したのか、疑問だった。

会見の中で、「現状だと昼間だけ営業するカラオケ喫茶等への営業自粛要請に対する協力金に国から補助が出ない。まん延防止等重点措置の適用により、そこに補助が出ることを期待している。」というような返事があった。

令和3年5月7日 記者会見

○記者 今後、それで重点措置が適用された場合については、現在、県のほうで、営業時間短縮要請に伴う協力金の支給とか、ここら辺もちょっと枠組みが変わってくるという形になるんでしょうか。

○知事 いわゆる外出自粛でありますとか、営業時間の短縮、そしてまた、そこから間接的に生ずる営業上の様々なマイナス要因、そういった点について一定、一時金という形になるかと思いますけれども、そういった制度も期待できるのではなかろうかと考えております。まだ、まん延防止等重点措置の対象地域で、具体的な国の施策は明らかにされていないところでありますけれども、私どもの期待としては、そういった分野も視野に入れているところであります。

つまり、 まん延防止等重点措置の適用も、他所がやっているからうちもやる、効果があるかどうかわからないけど、やれることは何でもやるという非科学的理由からではなく、ちゃんと効果が見込める可能性があるから申請する、ということなのだ。


話は多少ずれるが、カラオケ喫茶がクラスターの発生源になっているというのは、去年の5月から言われてきたことだ。クラスターが大量発生していた札幌のカラオケ喫茶は広い所が多く、感染原因が飛沫ではなくエアロゾルで、マスクやアクリル板が感染対策にはならないということは、その頃からわかっていた。

にも関わらず、国はカラオケ喫茶への営業自粛要請はせず、協力金を払う制度も作らず、逆効果でしかないアクリル板やマスク着用を求める政策を取ってきた。ちなみに長崎県は今回の知事会見でもアクリル板の設置やマスク会食の実施には、全く触れていない。

ほんとうに国は新型コロナの感染拡大を防ごうという気があるのか、私はずっと疑問に思っている。

2021年5月5日水曜日

医師会長は病院でのクラスター発生について謝罪せよ

 昨日の記事にこう書いていた。

ちなみに、私は長崎県の感染状況は、もうピークアウトしたと思っている。高齢者施設や病院でクラスターが発生すれば一気に跳ね上がることも有り得るが、それは普通の県民の行動抑制で抑えられることではない。

書いた直後に長崎県から新規陽性者の発表があり、昨日は県内過去最多だったそうだ。

長崎県で最多62人感染 長崎市の病院でクラスター発生

見出しの通り、長崎市の病院でクラスターが発生したためで、私が記事中に書いた通り、「病院でクラスターが発生すれば一気に跳ね上がる」状況だ。

実際にピークアウトしているのかどうかは、あと数日様子を見ないと、わからない。


ここで言いたいのは、「病院でクラスターが発生することに対し、医師会は市民に対して何とも思わないのか?」ということだ。病院でのクラスター発生に、医師会は全く責任がないのか。そして、病院でのクラスター発生が原因で医療体制が逼迫し市民活動に制約が加えられることに対して、医師会は申し訳ないと思わないのか、ということだ。

「医療体制が逼迫するから市民は行動自粛せよ」という言葉しか医師会からは聞こえてこない。その医療体制が逼迫する原因を作っているのは病院じゃないんですか?少しは「申し訳ない」という言葉があってもいいんじゃないですか?と私は感じる。

市民の行動自粛と感染拡大の因果関係は薄いと私は思っている。そんな因果関係が薄いことを市民に要求する前に、病院でクラスターが発生しないような最大限の努力をすることが、医師会としては最優先にやることではないのか。病院でのクラスター発生を抑えられれば、感染者数も増えずに市民生活は大きな制約を受けずに経済活動を続けることができる。

医療体制を逼迫させないために、飲食店や宿泊施設を潰して自殺者を増やして、子どもの教育や課外活動の場を奪い、うつ病発症者を大量に増やして構わない、という医師会の論理が、私には全く理解できない。


飲食への営業規制をかける前に高齢者施設と医療機関に感染拡大防止策を徹底させることが重要だ、という議論は、青山まさゆき衆議院議員が国会でも取り上げている。

尾身会長の仮説は正しいのか?Part Ⅱ「夜の街や飲食が感染拡大の原因」

そもそも医師会がやるべきことは、市民への行動自粛を訴えることより、医療体制の強化ではないのか。長崎市で新型コロナ患者を受け入れる病院が4つしかないというのは、医師会の怠慢だとしか思えない。私の知人で、千葉県でコロナ患者を受け入れている病院に勤務する医師がいる。彼の話によると、決して大病院でなくてもコロナ患者の受け入れは可能で、彼の病院も中規模の病院だと言っている。やればできるのに、やっていないだけだというのが、コロナ患者を受け入れる民間病院に勤務する、コロナ患者の診療をやっている友人の話だ。

医療体制の整備もできないくせに、市民への行動自粛ばかり発言するというのは、医師会としての越権行為と言わざるを得ない。私は経済の立場から、「経済活動に制約を加えず、まず病院側の体制を充実させよ」と訴える。医師会が経済活動に口出しするのであれば、経済側からの私の発言も同じ重みで受け取られるべきだ。「医療はあらゆる産業の中で最も重要だ」というのが日本医師会会長の考えだそうだが、そういう傲慢な態度で国民は医師会の言うことに耳を傾けるのだろうか。もう国民の我慢の限界はぎりぎりの所まで来ていて、いよいよ医療側の言うことは聞かない状況が迫っていると、私は思う。

2021年5月4日火曜日

長崎県医師会長は科学的ではない

 新型コロナに罹患した経験がある長崎県医師会長が、「医療危機的状況宣言」を発表したそうだ。

変異株への危機感あらわ…長崎県医師会が3度目の「医療危機的宣言」

長崎医療圏で、確保病床140床に対して、入院患者が81人となるなど、長崎市内を中心に新型コロナウイルスの入院患者が増えています。


ちなみに、私は長崎県の感染状況は、もうピークアウトしたと思っている。高齢者施設や病院でクラスターが発生すれば一気に跳ね上がることも有り得るが、それは普通の県民の行動抑制で抑えられることではない。


 

で、医師会の仕事は何なのですか?医療体制を充実させることじゃないんですか?患者が増えても、それに耐えられる医療体制を整備することが、医師会の最大の今やるべき仕事だと思うのだが、それは違うのだろうか。

長崎県医師会は論理的ではない

そして「正しい感染防止対策」については、上のリンク先に書いている。私と医師会の言うことと、どちらが正しいのかは、読んで頂ければ私が正しいことを理解して頂けるはずだ。


このブログのテーマは、物事を「科学的に」考えることである。長崎県民は、精神論ばかり言って科学的根拠で行動を決める人が、あまりにも少ない。私がこのブログを開設したのも、少しは科学的に考える方法を提示したい、と思ったことが大きい。

では、長崎県医師会長がどう科学的ではないのか、説明する。

長崎県医師会長が新型コロナに感染したということは、「感染防止対策に失敗した」と考えるのが「科学的」である。家でもマスクをして外出を控える、という行動が間違いだった、とまず考えることが科学的なのだ。

そもそもコロナウイルスは風邪のウイルスである。コロナに罹らないということは、風邪をひかない、というのと基本的には同じことだ。風邪をひかないために、外出を控えずっとマスクを着用する、というのは、対策として正しいのだろうか。そんなことはない、外に出て運動をしてウイルスに負けない体を維持するのが、風邪をひかない対策だ。

マスクは不潔なので、ずっと着用すると、それこそ病気になる原因だ。アメリカは州ごとに法律が大きく違い、おもに共和党知事の州がマスク義務化を解除していった。すると、マスク義務化州より義務化解除州の方が感染状況が改善した、というデータがある。アメリカは50州あり、その約半分がマスク解除をして、明らかに解除州の感染状況が改善しているので、統計的にも十分有意である。たまたまではない。


私は飛行機に乗る時以外はマスクを着用していないし、冬場は毎週スキーに行っていた。スキーの大会にもいくつも出た。これだけ出歩いていてもコロナに罹っていない。普通に考えれば、家に篭もってずっとマスクを着用しているより、外に出て運動をしている方が、風邪をひかないのは当然のことだ。

スキー場でもコロナ云々と言っている高齢者がいたから、そういう人に私は、「こうやってスキーに来ているような高齢者は風邪をひかないから、そんなにコロナを心配することはないです。仮に罹っても無症状か軽症で済むから心配無用です。実際、あなた普段風邪ひかないでしょ?」と言えば、何となく納得してもらえた。

だいたい、毎日のようにスキーをしているような高齢者が病弱な訳がない。今シーズン私はマスターズのスキー大会にいくつも出場していて、その出場者は延べ1,000人を超す。それでも参加者がコロナに罹ったという話は、1件も聞かない。


今の感染防止対策は「思い込み」でしかなく、全く科学的ではない。このブログを読んでいる方には「科学的に」考えて行動して頂きたい。

2021年5月3日月曜日

効果のない飲食店へのコロナ対策認証制度に意味はあるのか?

 この話の続き。

間違った感染防止対策に則った認証制度に意味はない


長崎県知事は、コロナ対策に関しては感情ではなく、きちんと科学的根拠をもとに判断されていると私は思っている。

全国知事会での中村知事の発言が全国版のマスコミにも採り上げられた。

長崎県の中村法道知事は「対策の効果が薄れてきている。変異株の蓄積されたデータを分析し、国としてエビデンス(証拠)に基づく効果的な対策を」と求めた。

全国知事会が緊急提言「旅行キャンセル料、国が負担を」

(朝日新聞の記事より)

中村知事の知事会での発言が全国ニュースで報じられることなど、前代未聞ではないだろうか。それ位、中村知事はコロナ対策は科学的に判断されており、全国の知事の中でもいちばん有能なのではないかと、私は感じている。

そして、中村知事は会見の中で、飲食店への認証制度は民間に委ねる方がいいと言われた。

○記者(長崎新聞社) わかりました。飲食店の感染の対策として、今注目されているものに、山梨県において、感染対策をしっかりしているところに対してお墨つきを与えるという「山梨モデル」というものがあります。県内では、例えば宿泊施設については、一部の地域で「長崎セーフティ」という形で、山梨県のようなお墨つきを与えている事例がありますけれども、飲食店に対して、感染対策をしっかりされているお店に対して県がお墨つきを与えるということは、検討されていないでしょうか。

○知事 実は、そういった話がこれまでもあったのは事実であります。ただし、公的機関が認証を与えるということになると、限りなく感染リスクをゼロにしていかなければいけないものと思っており、そういった認証店舗等で感染症が発生するということがあってはならないくらいの、非常に厳しい基準になっていくのではなかろうかと思っております。私の考え方としては、できれば関連事業者の皆様方がお集まりいただいて、感染リスクをどのレベルまで下げていくのか、共通認識の下、共同した取組を進めていただき、できるだけ感染リスクを低下させていただければ大変ありがたいと思っているところであります。

令和3年4月24日 記者会見より)

実際に「山梨モデル」の認証店で感染が起こったので、中村知事の判断は正しいと私は思っていた。

ちなみに私が公的認証制度に反対するのは、現状では間違った感染対策を認証基準にする可能性が高いから、という理由が一番大きい。「山梨モデル」にしても、アクリル板設置など効果の薄い飛沫防止対策が重要視され、感染を起こす可能性が高い換気対策を軽視していたため、換気不良が原因で認証店で感染が起こってしまった。


ところが、である。次の記事を見て、多いに落胆した。

コロナ感染症対策満たす飲食店 山梨の認証制度導入を検討

まあ、ねぇ。自民党が言うのなら、知事もそれに従うんでしょうね。

自分の意見を貫き通さないで周囲の意見を採り入れる、というのが、中村知事のいい点であり、悪い点でもあるから、仕方がない。


そして、こんなニュースが出た。

「山梨モデル」を全国導入へ 飲食店にコロナ対策認証制度

認証基準の案として▽座席の間隔を1メートル以上確保▽換気設備で必要換気量(1人当たり毎時30立方メートル)を確保――といった項目を例示している。

もう心ある専門家は、主要な感染経路は飛沫じゃなくてエアロゾルだということは、わかっている。厚生労働省も、青山議員による衆議院厚生労働委員会での質問(8:14:40から)に対する答弁を見ると、それはわかっているように私は感じた。

そうであれば、国による認証制度を作り、認証基準として「正しい感染防止対策」を入れれば、飛沫防止に過度に偏った現在の「間違った感染防止対策」を是正するきっかけになる。

こういう認証制度なら、国が導入することに私は賛成する。


余談

中村知事が突然アクリル板設置を言い出して落胆した、という記事を以前書いた。

長崎県知事の会見に落胆した

ところがこれ以降、アクリル板の話はしなくなった。

なんの事はない、田上長崎市長が「アクリル板設置を飲食店に呼びかけて回りたい」と言い出して、それに知事が付き合っただけじゃないかと、私は思った。

コロナ感染防止対策 徹底を 長崎県、酒類提供の飲食店に呼び掛け

県と両市の職員らは2人1組で各店を訪問し

上の文言で、そう感じた。

2021年4月22日木曜日

疫学は易学だ

 私はこの一年で、「疫学は易学だ」ということがわかり、あちこちでそう発言してきた。

特に西浦教授のシミュレーションは酷い。あのシミュレーション結果より占いのほうが、余程信憑性が高い。


それで驚いたのが、下の記事。

長崎大学 5月連休明けに感染一日120人超えを予測

「占いじゃないです。理論に基づいた値を皆さんに見せてるだけです。この図を示すことによって皆さんの行動変容を促すことにひとつでも役に立てればと思っています」

なんだ、疫学のシミュレーションは占いレベルだという自覚はあるんじゃない。

みなさん、事後的にこの占いが当たったのか、きちんと振り返りましょうね。


このシミュレーションの内容を私の所に持ってきてもらえれば、どこがおかしいか指摘して、このブログに掲載してあげますよ。 


私は今まで長崎大学は信頼していたけど、その信頼が最近崩れているという話は、以前書いた

この記事を読んで、もう完全に信頼感はなくなった。

2021年4月21日水曜日

衆議院で「感染経路はエアロゾルだ」という議論が行われる

私は繰り返し、新型コロナの主要な感染経路は飛沫や接触ではなく、呼気に含まれるエアロゾルだということを主張してきた。そしてアクリル板やマスクは、エアロゾルの感染を防ぐには逆効果だ、ということも、繰り返し書いてきた。

間違った感染防止対策に則った認証制度に意味はない

北陽台高校の感染防止対策を見て具合が悪くなった

「マスク会食」に効果があるのか専門家は検証せよ

飛沫防止用ビニール幕が集団感染の原因か?

そして今日の衆議院厚生労働委員会で、2人の議員からこの件に関して質問があった。

衆議院TVインターネット審議中継

宮本徹議員が7:41:50から、青山雅幸議員が8:13:40から、この件について採り上げている。

どちらも、私が何度か紹介した「THE LANCET」の論文が基本になっている。

Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2


この質疑を通して私が感じたのは、厚生労働省が一度決めた方針を変えることができずに、1年経って新しい知見が出ても、以前の方針を撤回できなくなっている、ということである。

もちろん、日本においては最初は密閉回避ということを言っていた。それなのに欧米の研究者が「ソーシャルディスタンス」と言い始めて、日本もそれに従うようになったのが、最大の間違いだったのだ。


今の感染対策は飛沫防止に偏りすぎていて、さらに「人出を減らす」ということまで、また言われ始めた。昨年末に外出を減らして家に篭もったことが原因で感染爆発を招いたにも関わらず、である。

私はこのブログでは「科学的に物事を考える」ことを基本に記事を書いている。私は博士(経済学)の学位を持っており、社会科学者としての自覚はある。そして、特に長崎のような地方においては、科学ではなく感情で政策が動かされることが多すぎるので、それを少しでも是正し、科学的見地から政策を作る動きを作りたいと思ったのが、このブログを始めた最大の理由である。

「科学的思考」という点では、社会科学も自然科学も変わりはない。私は学部は理学部出身である。大学院から経済に移ったので、自然科学と社会科学双方の基本的な考え方は理解しているつもりだ。


科学的に考えると、新型コロナの感染は、飛沫や接触ではなくエアロゾルによるものだということは、もうほとんど間違いない。心ある専門家はみんなそう思っていると、諸々の発言から私は感じている。長崎大学の専門家もそう考えているから、長崎県においては飲食店の感染防止対策としてアクリル板などの飛沫防止より換気を重視し、そう指導してきたと思っていた。

それが最近、何故かアクリル板とかマスクとか言い出したので、相当落胆しているし、長崎大学への信頼も一気に無くなってしまった(苦笑)。

長崎県知事の会見に落胆した


ここで政府が「この一年間で蓄積された知見によると、感染経路は飛沫や接触ではなく、エアロゾルが中心である。だから、換気だけをとにかく注意して、あとの対策は無理のない程度で構わない」と言えば、どれだけ社会の停滞感が払拭されるだろうか。

正直、現状では国にコロナ対策を収束させる気がなく、各首長は「自分が仕事をしている感」を出せて支持が上がるので、騒動を永遠に続けたいと思っているように、私は感じている。

コロナ騒動を終わらせるには、まず飛沫対策をやめることから

せめて長崎県だけは、ちょっと前に戻って、アクリル板とかマスクとか言わずに、正しい対策を取って県民が生き生きとした生活を送れることを目指して欲しい。感情だけで動くのは、もうやめよう。

2021年4月20日火曜日

間違った感染防止対策に則った認証制度に意味はない

いわゆる「山梨モデル」というコロナ対策で認証を受けた飲食店で新型コロナの集団感染が起こった。

山梨の認証店で6人感染 変異株クラスターか

記事によると、「換気のために開けていた出入口を閉めるなど客側のルール違反があった」、ということだ。

絶対的に言えるのは、「認証された店で集団感染が起こるのなら、認証制度に意味はない」ということである。


では、何故認証された店で集団感染が起こったのか。

単純に認証基準が間違っていたからである。


まずどういう条件で飲食店での感染が起こるのか。根本的に間違った認識が日本中にまん延している。

感染原因は飛沫や接触じゃなく呼気に含まれる微小な飛沫(エアロゾル)なのである。だから、いくら飛沫対策のアクリル板を置いたりマスクを着用させたりこまめな消毒をしても、換気が不十分なら感染は起こる。逆に換気さえしっかりしておけば、集団感染は起こらないのである。

それについて私は繰り返し主張してきた。

北陽台高校の感染防止対策を見て具合が悪くなった

「マスク会食」に効果があるのか専門家は検証せよ

長崎県知事の会見に落胆した

そして権威ある医学雑誌「THE LANCET」にも私の主張を裏付ける論文が掲載された。

Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2


山梨県の認証基準は飛沫対策と消毒に偏っていて、換気対策が不十分なのだ。

感染症予防対策に係る基準(飲食業)

ここでは、換気の条件として「30 分に 1 回、5 分程度、2 方向の窓を全開」と書かれている。私はその分野の専門家ではないからこれが妥当なのか判断する能力を持ち合わせていない。しかし最近は専門家のアドバイスだと「常時換気」と言われていることしか見かけないので、私の認識としては、常時換気じゃないと危ないと思っている。


長崎県はこれまで飲食店に対して飛沫対策よりは換気の徹底を強調してきた。ところが今になってパーティションの設置やマスク着用を飲食店をまわって促しているのだ。

長崎県や長崎市が飲食店に新型コロナ感染防止対策を呼びかけ

なんで長崎県の感染対策が間違った方向に進んでいるのか、不思議でならない。


<4/21追記>

長崎新聞の記事

コロナ感染防止対策 徹底を 長崎県、酒類提供の飲食店に呼び掛け

写真を見て欲しい。

こんなシートを垂らしたら、換気が悪くなって感染対策としては逆効果です。

行政ががこんな間違った対策をお店を回って教えて、どうするの?

2021年4月16日金曜日

長崎県知事の会見に落胆した

 いや、会見自体は見てないのですけど。

後で資料を見て、相当落胆してしまいました。


今まで、私は長崎県のコロナ対策は素晴らしいと思っていた。あちこちで「長崎県は素晴らしい」と言いまくっていた。

長崎県知事の会見が素晴らしすぎた


それなのに、である。何ですか、今回の会見内容は。

本当に、がっかり。

知事記者会見(令和3年4月15日)


何でアクリル板を設置した飲食店を利用しなきゃいけないんですか。

アクリル板なんて、換気を悪くするので、逆効果にしかなっていません。

私はアクリル板やマスクを推進する人たちに対して、逆効果にしかならない対策を勧めるので非科学的だ、と批判し続けてきた。長崎県は科学的にやっていると評価していたのに、本当に残念。

「マスク会食」に効果があるのか専門家は検証せよ


何でこうなっちゃったんだろうか。

以前は中村知事は「長崎県では飲食店が感染場所になっているという根拠はない」と断言するなど、ものすごく科学的根拠をもとに対策を打っていると思っていた。アクリル板やマスクを強調することなく、換気を重視するなど、世間で言われている「間違った対策」ではなく、「正しい対策」を推進しているのが長崎県だと思っていた。

首長は選挙のことを気にするので、世論に迎合する傾向が強まる。しかし中村知事は多分今期で引退するので、世論を気にせず、正しい対策を取っていけると、私は思っていた。

さらに長崎大学の専門家は、新型コロナに対して正しい認識を持っている人が多いという印象を持っていたので、知事も長大の専門家の意見を裏付けにして、国の流れに流されず、長崎県だけは正しい対策を取っていけると、これまでは思っていた。県民として、中村知事の姿勢を誇らしく感じていた。


それなのに、何故?という感じである。

知事に対する失望だけでなく、長崎大学に対する私の信頼も、一気に崩れた。感染原因はエアロゾルによる空気感染がほとんどで、大飛沫や接触はほとんど無いって、長大の研究者はわかっていると思っていたのに。


もう1年も新型コロナに付き合ってきて、なんで1年前と同じ間違った対策をやっているのか、と、世間に対して常々失望しているのだが、まさか長崎県まで1年前に逆戻りするとは、本当にがっかり、である。

私もこの1年、私なりの考えをブログに書き続けてきた。1年経って、私の考えは間違っていなかったと思っている。私のブログを見返して頂きたい。1年前に私が言っていることは、決して間違いではなかったということがわかるはずだ。私は1年経って、自分の考え方が正しかったと検証できたと思っている。

今だにマスクだのアクリル板だのこまめな消毒だの言っている人たちは、それに効果があったのか1年経った今、検証しているのか。アクリル板がなかったりマスクをしていなかったり消毒をやらなかった所で、感染爆発が起こっているのか。決してそうではない。感染が起こっているのは、換気不足の所ばかりである。いい加減、そのことに気付いて、正しい対策を取り、社会を健全化させる方向に動いて欲しい。


余談になるが、このままだと、来年も「長崎くんち」は中止になるだろう。1人でも新型コロナの陽性者が出ると大騒ぎする、という態度が変わらない限り、今後2度と「長崎くんち」は行われなくなる。

踊町の人たちのくんちに対する気持ちは、その程度だったのかと、これもがっかりしている。屋外行事を2年続けて中止する必要性が、どこにあるのか。徳島の阿波踊りは、規模を縮小してでも今年は開催することになった。岸和田のだんじりも、やるだろう。やらないと暴動が起こると言われている。長崎くんちの踊町の人たちの気持ちは、それに比べると大したことはないんだな、と実感させられた。


(4/16 追記)

新型コロナの感染が飛沫や接触じゃなくエアロゾルによる空気感染だという説明。

Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2

(SARS-CoV-2の空中伝播を支持する10の科学的理由)←GOOGLEによるタイトルの翻訳

THE LANCETのWikipediaによる解説

私は専門外なので、THE LANCETというのが、どの程度信憑性のある記事なのか、理解していません。

長崎大学の専門家であれば、この内容位は当然知っているはずです。知らないんだったら、税金で食わせる価値はありません。すぐ解雇して下さい。医師免許を持っている人なら、年収1500万円は保証されていますから、すぐ解雇されても生活には何も困ることはないです。


2021年4月13日火曜日

観光地での過剰コロナ対策をやめよう

私は競技スキーをやっていて、この冬シーズンも各地の大会に出場した。

そのため各地を旅行してきたのだが、コロナ対策の掲示を見るだけで、旅行気分が吹っ飛んで不快になってしまう。

目的はスキーの大会に出ることや練習をすることなので、それで不快になったからといって旅行をやめることはないのだが、当分の間は絶対に観光目的での旅行はしたくないと思うようになった。旅先で不快な思いをするのなら、旅行をしない方がお金もかからなくて、いい。


旅先で駅の改札を出た瞬間に「マスクを着用しましょう」という大きな掲示があちこちに出されていると、もうその土地には2度と行きたくないと感じてしまう。青森県、栃木県、新潟県はひどかった。鳥取県はそんなことはなかったので、この冬大山には何度も行った。

長崎県は、長崎空港に着いてからリムジンバスに乗るまで「マスクを着用しましょう」という掲示を目にすることがないから、快適だ。正確には快適なのではなく、不快にならないだけなのだが。月に2〜3回長崎空港を利用していると、最初は何とも思わなかったが、北日本で不快な思いを重ね続けたら、いかに長崎が快適なのか実感するようになった。

また、最近は「安いから」という理由でアパホテルを利用することが多い。旅を重ねるうちに、いかにアパホテルが快適かということが、よくわかるようになった。アパホテルは館内や客室内に「マスクを着用して下さい」という掲示がなく、従業員からマスクを着用するようにと言われることもない。これがものすごく快適。もちろんそれが快適なのではなく、不快にならないだけなのだが。ホテル中に「マスクを着用しましょう」という目立つ掲示があれば、それだけで不快になる。


旅先で「マスクを着用しましょう」という掲示を見るといかに不快になるかは、去年の夏に雲仙に行った時に実感させられた。

雲仙温泉は避暑地としての魅力向上を

長崎市・雲仙市・佐世保市は長崎大学監修のもと、宿泊施設共通のガイドラインを定めている。

team NAGASAKI SAFETY

ガイドライン詳細資料

この中のどこにも「客にマスクを着用させる」ということは書いてない。

そもそも大きな感染原因は飛沫じゃないことは明らかになっているので、飛沫防止のマスクやアクリル板は効果がないばかりか逆効果になっているのだ。そんな過剰対策を促す掲示を沢山出すことで、旅行者を不快にさせる必要は全くない。

「マスク会食」に効果があるのか専門家は検証せよ

幸い長崎大学の研究者はマスクの効果に疑問を持っている人が多いように感じられるので、長崎県は過剰対策や感染防止を促す掲示をしない方向性を持って、観光客を迎えて欲しい。


東京ディズニーランドは過剰対策がひどく、全く夢の国ではなくなっているという話も聞いた。屋外であっても、マスクを着用していないと、すぐスタッフが飛んできてマスクを着けろと言うそうだ。ハウステンボスはどうなのか知らないが、マスクについて何も注意しない快適な環境を作って、口コミででも観光客を増やす方向になって欲しい。

私は去年9月に対馬に行ったが、比田勝は何とも思わなかったけど、厳原は「マスク着用」の掲示が多すぎて、絶対行きたくないと感じた。今のところ、雲仙と厳原には当分行かないつもりだ。

2021年4月4日日曜日

「マスク会食」に効果があるのか専門家は検証せよ

 大阪府で政令に基づき「マスク会食」を義務づけ、違反者には罰則を与える方針が示されたことが話題になっている。

それと同時に、神戸市長は「マスク会食は不潔で、かえって危険」だとして、神戸市民には「マスク会食」を推奨しない、という逆の方針を示している。ちなみに、少なくとも私の周囲の医師は、みんな「マスクは汚い」と言っている。

“マスク会食”自治体で温度差 神戸市長「かえって危険」


こういう、自治体によってちぐはぐな方針が示されるのは、専門家がきちんと感染原因に対する検証を行っていないことが要因である。

今回の騒動でわかったのは、感染症の専門家は、自分たちが言ったこと・やったことの検証を事後的にしない、ということだ。私は経済学の博士所有者であり、研究者の端くれである。研究者というものは、自分が言ったことが正しかったのかどうかはきちんと検証して、間違っていた所は正し、より正確な理論を作るという作業を、当然のようにやるものだと思っていた。

ところが感染症の分野ではそうではないらしい。言いっ放しやりっ放し。検証しない。これは感染症の専門家の中にも自覚している人がいて、Facebookのコメントで「今までは検証せずに済まされてきた」と専門家がはっきり書いているのを、私は見た。


そもそもマスクに効果があるのかどうかすら、きちんと検証されていない。吉村大阪府知事は「飛沫が感染原因なのだから、マスクに効果がないはずがない」と言っているが、そもそも飛沫が感染原因なのかどうかに対する専門家の検証が、今現在きちんと行われていないのだ。

私は去年の8月に、長崎北陽台高校の感染事例についてきちんと検証すべきだという内容の記事を書いた。

北陽台高校の感染防止対策を見て具合が悪くなった

ここで指摘した中で一番重要なのは、「感染原因が飛沫なのかエアロゾルなのか、きちんと検証しないといけない」ということだ。

日本では初期の段階で、感染原因は密閉空間にある、ということが言われていた。その対策として「3密回避」が真っ先に挙げられたのである。

最初は、何故密閉空間で感染が起こるのかというメカニズムはわかっていなかった。しかし、実際感染が起こっているという事実があるのだから、それをなくす対策を取る、というのは、科学的に正しい対処である。理由は後付けでいいのだ。

その後、どうやら呼気に含まれるマイクロ飛沫(エアロゾル)が感染原因だということがわかった。だったら、換気を良くすることでエアロゾルの滞留をなくし、二酸化炭素(CO2)濃度を測定することで換気状況を把握する、という対策が取れる。


ところがその後、欧米で「ソーシャルディスタンシング」という対策が行われるようになった。「人と人との距離を取る」ということだが、これは飛沫による感染が前提になっている。実際に飛沫による感染が起こっているのかどうかは、検証されていないのに、である。日本も突然、「3密回避」より「ソーシャルディスタンス」が主要な対策であると認識されるようになった。「3密回避」を言っていた当時の専門家会議は会見でマスクを着用していなかったが、ある日突然「ソーシャルディスタンス」を言い出して、全員がマスクを着用するように変わった。

ここでわかったのが、医学の専門家は、自分の頭で理屈を考えるのではなく、欧米で言われていることをそのまま伝えるということである。欧米でやっていることが正しいのかどうか、検証することなく無条件に日本で適用することが正しいと思っているようだ。これも、経済学の研究者の私からすると信じられないことであった。工学の研究者も信じられないようで、実際医学の専門家が出すシミュレーションに対し、経済学や工学の専門家から具体的な間違いの指摘や、日本の現状に合わせたより正しい計算方法について、多くの提案がされるようになった。


感染原因が飛沫なのかエアロゾルなのか、ということで、取る対策は変わってくる。飛沫ならマスクや遮へい用のアクリル板が有効であるし、エアロゾルなら換気施設が重要になる。そして、アクリル板は空気の流れが悪くなるので、換気とは相反する結果になる。どちらがより重要なのかは、専門家なり行政なりがはっきりと指針を示さないといけない。

問題なのは、過去に行った対策が間違いであったとは、専門家も行政も絶対に言わないことである。新型コロナの騒動は世界で初めての事例なのだから、当然最初は間違った対策を取ることもあり得る。しかし、1年経って事実が色々とわかってきても、決して対策を修正しようとはしないのは、科学者としての私の感覚からすると、信じられない状況だ。

大阪府は、換気を悪くするアクリル板設置と換気状況を把握するCO2測定器の設置という、相矛盾する政策を同時に勧めている。飛沫対策が中心だった初期の政策を見直すことなく、換気重視という新たな政策を加えるから、こういうおかしなことになる。過去の施策を見直さず新たな施策を加えて、役所の仕事が膨張していくというのは、よくあることで決して感心できることではない。

また、換気状況を把握するためにCO2濃度を測る、という対策がやっと今広まってきたが、「3密回避」を言い出してから1年も経っている。ソーシャルディスタンスを強調しすぎたばかりに、それと違うが有効な対策が浸透するまで1年もかかるというのは、あまりにも遅すぎる。行政と専門家が、ほんとうに感染拡大を抑えようという気持ちがあるとは、私には全く思えないのだ。

ちなみに長崎県の飲食店向け補助金は、対象が換気設備だけだった。科学的に考えると、換気の徹底が感染防止の最優先対策なのだ。

長崎県「飲食店向け新しい生活様式対応支援補助金」公募スタート!

行政や専門家は、自分たちの面子を守ることが最大の目的になっていて、本当に感染拡大を抑えようとする姿勢がない、と私は感じている。飛沫よけビニールシートで換気を悪くして、従業員が集団感染する、という事例も散発しているが、「換気を悪くする飛沫対策は、逆効果だからやめましょう」というアナウンスは、全く私の耳に入ってこない。


罰則が適用される法律が施行されたのだから、せめて感染原因が何なのかは、科学的に検証されるべきである。罰則適用にあたり裁判所の判断を仰ぐことになるし、東京では飲食店が原告になって行政を訴える裁判も提起されている。興味のある方は、リンク先に掲載されている訴状を、是非読んで頂きたい。

コロナ禍、日本社会の理不尽を問う(コロナ特措法違憲訴訟)

素人の裁判官を納得させられる科学的証拠を行政側が示さないと、行政側は裁判で負ける。きちんと科学的検証をしないと、裁判に負けて行政にも迷惑をかけることになる、ということを行政のアドバイザーになっている専門家は自覚して欲しい。

2021年2月21日日曜日

やっぱり新型コロナの陽性者は増加した

 前回の続き

来週長崎県の新型コロナ陽性者は増加する

はい、やっぱり陽性者は増加してます。



そりゃ、急に寒くなったから、風邪ひく人は、増えます。

コロナウイルスは風邪のウイルスです。急に寒くなれば、風邪をひく人は増えます。

新型コロナも同じこと。急に寒くなれば、陽性者は増えます。当たり前の現象です。


長崎県は検査してから集計されるまでに時間がかからないので、割と早く数字に反映されます。東京都は検査してから集計されて数値が公表されるまで3日程度かかるそうですから、木曜日あたりに増加傾向が見えるんじゃないでしょうかね。


さあ、田上長崎市長は何と言うでしょうね。長崎市の緊急事態宣言が解除されたから、市民の気の緩みが出て、それで感染者が増えたと言いますかね?

もうこの状況を見たら、感染対策は関係なくて、気候の問題だと、いい加減考えませんか?

だから、新型コロナ対策というのは、マスクをつけたり飛沫防止をしたり人との距離を取ることじゃなくて、よく食べよく寝て陽に当たって適度な運動をすること、なんですよ。

一日中マスクをして家に篭もるのは、不健康でしょ?常識で考えましょう。

もちろん、体調が悪い時には家に篭もりましょう。



2021年2月17日水曜日

来週長崎県の新型コロナ陽性者は増加する

 長崎市内、今日は寒いですね。小雪が舞ってます。

小雪が舞う中、路面電車は窓を開けて走ってます。寒いです。風邪ひきますよ。


コロナウイルスは風邪のウイルスです。急に寒くなると、風邪をひく人が増えます。

新型コロナも同様です。この傾向は、1年間を通してみて、世界的に明らかになっています。

気象変化と新型コロナ感染/予測の可能性と新事実

という訳で、長崎県の陽性者数も、ゼロ近辺まで下がりましたが、来週は増加するでしょう。


もし増加したら、みなさんどう思いますかね?

中村長崎県知事はもう状況をよく理解されているので、はっきり言うかどうかは別として、「寒くなったから」と思うでしょう。

田上長崎市長は全く理解していないので、「長崎市の緊急事態宣言が解除されたことにより、市民の警戒が緩んだため」と言うでしょう。


もちろんこのままゼロ近くから動かないことが理想ですけど、もしかしたら増える可能性があるので、後出しにならないよう、先に書いておきます。

そして来週陽性者が増えたら、コロナ対策は茶番だということに、いい加減みなさん気付いて下さい。対策はほとんど陽性者数とは関係ありません。寒くなれば風邪をひく人が増える、それだけです。

2021年1月7日木曜日

長崎県知事の会見が素晴らしすぎた

長崎県も新型コロナの感染者が増加したため、県内の感染ステージが上がり、県下全域に特別警戒警報が発令された。

それに伴い、1月6日に長崎県の会見が開かれ、たまたま私も見ていた。

知事記者会見(令和3年1月6日)

知事の会見は、春に感情的になって「接触の8割削減」を騒いでいた時のイメージしかなかったので、見ないようにしていた。その頃のことで、散々知事と医師会の悪口をブログにも書いていた

ところが昨日の会見では、知事はとにかく落ち着いていて、科学的な証拠に基づき県の施策を説明していた。かなり驚いた。夏ごろには知事も冷静になっていたのだろうが、元々ちゃんと冷静に物事を考えられれば、中村知事は優秀な方だと私は思っているので、コロナ対策という点ではいい方向に長崎県政は回っていると感じた。


会見を見ての印象は、とにかく冷静に知事が発言しているということだった。質疑応答も担当者に振ることは少なく、知事自ら答えていた。知事自身が状況をしっかり把握し、中心になって施策を立てていることの現れだと思う。

直近の状況をいえば、会見前日に県内の陽性者数が過去最高を記録し、当日も2番目の数字であった。それでも危機感を過剰に煽ることなく、冷静に発言されていた。

私自身も、クラスターが発生して、一時的に陽性者の数字が高くなることはあっても、全体としては減少傾向に入っているのではないかとブログで書いた手前、いくらクラスターが発生しているとはいえ、陽性者の数字がこの数日高いので気になっていた。

その件に関しても、知事から「壱岐など市職員に対して、一度陰性が出ても同じ人に再度調査したら陽性が出るなどして、数字が継続的に発生しているだけで、感染が拡大している訳ではない」との説明があった。

この辺の調査も学術目的にやっているのではないかと思った。私はむやみに調査をすることには基本的には反対だ。特に市職員に高齢者はいないはずなので、入院させる必要のない症状の人まで陽性が出ることによって入院などの措置を取る必要が出れば、医療に負担がかかる。

壱岐市職員に継続的に陽性者が出ていたので、特に離島の医療負担を重くしないように、あんまり検査するなよと思っていた。しかし状況がわかっていて検査をしているのであれば、学術的には重要なデータになるので、どんどんやって頂きたい。そもそもPCR検査は7割位しか精度がないので、3割は見落とす。時間を置いて検査することで、どの程度見落としていたのかがわかるのは、学術的に重要だ。また、感染日から時間をおいて陽性が出ても、その人に感染力はもう無いということもわかっているので、過剰な隔離体制を取る必要もなく、医療機関に負担をかけない対処も可能で、そこまで理解した上で長崎県は継続的な調査をしているのだろう。


一番重要なのは、主要な感染場所が飲食店ではないと断定されたことである。だから飲食店に対する営業自粛は求めないと、はっきり知事から言われた。都会では感染経路不明者の感染場所が飲食店だというエビデンスがある「みたい」だけど、長崎県では感染経路不明者はほんとうに感染経路がわからない、とおっしゃっていた。これは実は全国的にも重要なことである。

感染場所が飲食店ではないのに、そこに営業自粛を強要するのは、ただの飲食店イジメでしかない。感染拡大防止の効果はないのに、飲食店を壊滅させ経済に多大なダメージを与えるだけだ。そして失業者が増え、若者の自殺者が増える。全国の統計では、新型コロナウイルスによる死亡者より、自殺者の増加数のほうが多い状況が続いている。

昨年末に長崎市内の飲食店を対象に行った集団検査で、陽性率が0.6%であったことにも言及されていた。東京の民間検査機関だと、無症状者対象でも1〜1.5%の陽性率になっている。それと比較すると、かなり低いといえる。この数字を見ても、飲食店が感染場所になっていると決めつける訳にはいけない。感染場所じゃないのに、そこに営業自粛を求めるというのは、政策として間違っている。


日本全体が間違っているのは、こういう何の科学的根拠もないことを、緊急事態宣言の名のもとに行っているのだ。マスコミが煽って国民が規制強化を求めるから、政治家としてはそれに答えないと支持率が下がる。だから、何の効果もない政策をどんどん打ち出して、自分の人気を高めようとする。東京都の小池知事が典型である。第1波の時より新型コロナ対応の確保病床を減らしておいて、今大騒ぎしているとは、政策的には大間違いなのであるが、都民の支持は高い。

長崎県では、こういう間違った政策を県が取っていないことに対して、ものすごく好感が持てる。ここまで科学的根拠を基本にして過剰対策を取らない都道府県も、他にはないのではないかという感じだ。政策は科学を基本にすべきだという考えの私としては、中村知事の方針を強く支持したい。


最後に繰り返す。特に長崎市では感染経路不明者が増えている。長崎市副市長もそうだったと思われる。長崎市内では、もうどこにでもウイルスはある状態なのだ。だからウイルスを貰わない努力以上に、ウイルスを貰っても発症しない体力を維持することが重要なのだ。医師会の間違ったメッセージを聞いてはいけない。

長崎県医師会は論理的ではない

県からの長崎市民に対する「不急不要の外出を控える」要請でも、「不急不要の外出に当たらない事例」として「屋外での運動や散歩等」を挙げている。外に出て日光を浴びて適度な運動をし、心身ともに健康な状態を保つことが、最大のコロナ対策になる。決して年中マスクを着用して家に篭もることがコロナ対策なのではない。県の今回の要請のどこにも「マスク着用」とは書いていないのだから。

2021年1月6日水曜日

飛沫防止用ビニール幕が集団感染の原因か?

 長崎市のデパートの食品売り場で集団感染が発生してしまった。

長崎の百貨店 「対策徹底したが ついに」 食品売り場で感染拡大

もうね、お願いしますから、長崎大学の専門家の方々、きちんと調査をして下さいよ。

北陽台高校の二の舞いにはしないで下さい。原因究明をすれば、同じ過ちは防げます。

北陽台高校の感染防止対策を見て具合が悪くなった

私は専門家じゃないから、わかりません。だから、専門家の方々にきちんと調べて頂きたい、と繰り返し書いています。


で、今回の事件。上の長崎新聞の記事から引用。

 浜屋幹部は「できる限りの対策は講じてきた」という。スタッフは入館時に検温を受け、売り場ではマスクを外さない。食品を扱うためビニール手袋を着用、手指消毒も頻繁にしている。換気扇を回し、飛沫(ひまつ)防止用ビニール幕で客側と仕切っており、市も「客や周囲のテナントに感染が広がるリスクは低い」とする。

 ただ、厨房(ちゅうぼう)とショーケースに挟まれた空間に複数のスタッフが密集する構造だった。市は「休憩室ではなく、売り場で感染が広がった可能性が高い」とみる。

 

これ、飛沫防止シートが換気を悪くして、中にウイルスがたまったんじゃないの?ついでに言えば、常時マスク着用も感染者のウイルス排出量を増やす要因になった可能性は、かなりある。

飛沫防止用のアクリル板が換気を悪くして逆効果になる可能性は、私はこのブログでも何度も訴えてきた。

長崎県にも新型コロナの第3波がやってきたの?

上の記事から引用。

飛沫防止はケースバイケースだと私は思っていて、例えばバイキングの料理は、料理を取る時に唾を飛ばさなければ大皿でも全く問題ない。パーティションにしても、ラーメン屋のカウンターみたいな所で1人ずつパーティションに区切ると、そこの換気が悪くなってウイルスがその席に溜まり、次に座った人が危ない、ということもある。パーティションは換気と引き換えの部分があるので、そこは場所の状況を見て考えるべきだ。専門家じゃないので明確には言えないが、理屈的にはこういうことになる。

ここで「売り場の人が危ない」とは書いてないけど、私が危惧したような状態になったと考えられる。


もう、逆効果になる得る過剰コロナ対策はやめさせようよ。

そして、今回こそは何が原因だったのかを、専門家にきちんと検証して頂きたい。


2021年1月4日月曜日

長崎県にも新型コロナの第3波がやってきた

 もう今さらという感じの投稿になるが、気が向いてきたから書いておく。

長崎県にも新型コロナの第3波がやってきたの?

これの続き。


だいたい前回書いた通りの経過になっている。寒くなったから第3波が来たけど、そんなに大きくはない。

県発表の資料

ピークで1日35人。人口規模を勘案すると、他県に比べて全然大きな波ではない。

そして、多分もうピークアウトしている。12月末の時点でそう書いておこうかと思ったんだけど、ブログを書く気力が出なかったので、書かなかった。今書いても、もう後出し。


長崎県の状況については、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授もnoteで分析している。

都道府県別第3波状況と予測

最後に何故か広島県と並んで長崎県も採り上げて頂いている。

「長崎も同様で第2波が低かった。今後何度もクラスターが発生し、感染拡大する可能性がある。」と書かれているが、私は長崎は2020年1月に第1波が襲っていて、もう特に長崎市民は罹っている人が多いから、そんなに大きな波は来ないと、私は思っている。

長崎で新型コロナは流行していないのか?

もうこれは素人の感想としか言えないレベルの話なので、信じる人は自己責任で信じて下さい。

長崎市の歓楽街で集団感染が発生し、無症状者にも一斉検査をしたけど、陽性率は0.7%とか、その程度だった。これは正直言って、相当低い数字だと思う。東京での民間検査の陽性率が1〜1.5%だそうだから、その半分程度だ。歌舞伎町で現在、全然新型コロナが発生していないように、長崎市内の繁華街も1年前に流行しまくって感染に強くなっていると思う。これは個人の感想です。全く根拠はありません。


最後に多少は統計を読む専門家として書いておく。

全国的な傾向としてピークアウトした後は、病院や高齢者施設でクラスターが発生して、なかなか陽性者数が減らない。長崎もそういう雰囲気になってきている。そもそも1日最多で35人しか陽性確認されていない県だから、クラスターが重なれば、一気にその日は数字が高くなるという性質がある。

だから、日々の陽性者数に一喜一憂せずに、確実な感染防止対策を行って欲しい。感染防止対策というのは、マスク着用とか消毒とか人と距離を取るとか、そういうことではない。第1に風邪をひかないように早寝早起き、適度な運動、栄養をしっかり取ることと、第2に少しでも具合が悪ければ外に出ない、ということだ。そして唾が飛んだり混じったりする状況を作らないようにする。そもそも医師会や首長が言う感染防止対策は間違っているのだ。と、最後にまた繰り返す。

長崎県医師会は論理的ではない