この話の続き。
長崎県知事は、コロナ対策に関しては感情ではなく、きちんと科学的根拠をもとに判断されていると私は思っている。
全国知事会での中村知事の発言が全国版のマスコミにも採り上げられた。
長崎県の中村法道知事は「対策の効果が薄れてきている。変異株の蓄積されたデータを分析し、国としてエビデンス(証拠)に基づく効果的な対策を」と求めた。
(朝日新聞の記事より)
中村知事の知事会での発言が全国ニュースで報じられることなど、前代未聞ではないだろうか。それ位、中村知事はコロナ対策は科学的に判断されており、全国の知事の中でもいちばん有能なのではないかと、私は感じている。
そして、中村知事は会見の中で、飲食店への認証制度は民間に委ねる方がいいと言われた。
○記者(長崎新聞社) わかりました。飲食店の感染の対策として、今注目されているものに、山梨県において、感染対策をしっかりしているところに対してお墨つきを与えるという「山梨モデル」というものがあります。県内では、例えば宿泊施設については、一部の地域で「長崎セーフティ」という形で、山梨県のようなお墨つきを与えている事例がありますけれども、飲食店に対して、感染対策をしっかりされているお店に対して県がお墨つきを与えるということは、検討されていないでしょうか。
○知事 実は、そういった話がこれまでもあったのは事実であります。ただし、公的機関が認証を与えるということになると、限りなく感染リスクをゼロにしていかなければいけないものと思っており、そういった認証店舗等で感染症が発生するということがあってはならないくらいの、非常に厳しい基準になっていくのではなかろうかと思っております。私の考え方としては、できれば関連事業者の皆様方がお集まりいただいて、感染リスクをどのレベルまで下げていくのか、共通認識の下、共同した取組を進めていただき、できるだけ感染リスクを低下させていただければ大変ありがたいと思っているところであります。
(令和3年4月24日 記者会見より)
実際に「山梨モデル」の認証店で感染が起こったので、中村知事の判断は正しいと私は思っていた。
ちなみに私が公的認証制度に反対するのは、現状では間違った感染対策を認証基準にする可能性が高いから、という理由が一番大きい。「山梨モデル」にしても、アクリル板設置など効果の薄い飛沫防止対策が重要視され、感染を起こす可能性が高い換気対策を軽視していたため、換気不良が原因で認証店で感染が起こってしまった。
ところが、である。次の記事を見て、多いに落胆した。
まあ、ねぇ。自民党が言うのなら、知事もそれに従うんでしょうね。
自分の意見を貫き通さないで周囲の意見を採り入れる、というのが、中村知事のいい点であり、悪い点でもあるから、仕方がない。
そして、こんなニュースが出た。
認証基準の案として▽座席の間隔を1メートル以上確保▽換気設備で必要換気量(1人当たり毎時30立方メートル)を確保――といった項目を例示している。
もう心ある専門家は、主要な感染経路は飛沫じゃなくてエアロゾルだということは、わかっている。厚生労働省も、青山議員による衆議院厚生労働委員会での質問(8:14:40から)に対する答弁を見ると、それはわかっているように私は感じた。
そうであれば、国による認証制度を作り、認証基準として「正しい感染防止対策」を入れれば、飛沫防止に過度に偏った現在の「間違った感染防止対策」を是正するきっかけになる。
こういう認証制度なら、国が導入することに私は賛成する。
余談
中村知事が突然アクリル板設置を言い出して落胆した、という記事を以前書いた。
ところがこれ以降、アクリル板の話はしなくなった。
なんの事はない、田上長崎市長が「アクリル板設置を飲食店に呼びかけて回りたい」と言い出して、それに知事が付き合っただけじゃないかと、私は思った。
コロナ感染防止対策 徹底を 長崎県、酒類提供の飲食店に呼び掛け
県と両市の職員らは2人1組で各店を訪問し
上の文言で、そう感じた。