今回も知事会での中村知事の発言について。
ワクチン配分 長崎・中村知事「スケジュールを」 全国知事会で国に求める
この記事にも書いたが、中村知事は知事会の中でもまともな発言をする唯一の知事だと思う。そして、今回の知事会での発言。
「このほか県内では感染の第4波は落ち着きつつあるが、次の第5波を早期に抑えるためには一層迅速かつ効果的な対策が必要と強調。」
第3波の収束時も同じような発言をされていたが、「次の波が来ないように」というのは、ウイルスの性質上不可能である。政府も、どこの知事もそれがわかっていない。「コロナを撲滅する」みたいなことしか言わない。その中にあって、現実的な対応をされている中村知事は、素晴らしい。
では、なぜ第4波で長崎市に独自の緊急事態宣言を発出させる事態になってしまったのか。
それは私が言うまでもなく知事はしっかり検証されているだろうが(残念ながら長崎市長と、長崎市長に進言している長崎大学教授を名乗る占い師は検証する気もないのだろう)、私の考えも書いておく。
まず医療体制の整備が間に合わなかったこと。変異株の感染スピードが速かったということはあるだろうけど、そんなのは言い訳にしかならない。第4波のピークは第3波と変わらない程度。事前に言われていたように第3波の倍の感染者数に耐えられる医療体制を構築できておけば、問題にならなかった。
これも、長崎市内でコロナ陽性者を受け入れる病院がわずか4ヶ所しかない、というのが最大の問題なのである。今回のことを反省し、民間病院の受け入れ先を増やす努力が必要で、そのためにも長崎県医師会が動くべきだ。医師会長の仕事は、自分がコロナに感染し、病床が逼迫したら県民に危機感を煽ることだけではない。民間病院の受け入れ先を増やすのが、現状最大の医師会長の仕事である。そもそも県医師会長は、自分が感染しておいて、他人には感染するなとよく言えると感心する。
ちなみに「コロナ騒動」の出口をどこに見いだすかは、決して「ゼロコロナ」ではない。医療体制を整えて、「コロナに罹っても死なない」と国民が思うことだ。そのことは、私は去年の4月に記事に書いている。今読み返しても、この時の私の考え方は正しかったと確信している。
もう1つは「カラオケ喫茶」での集団感染を複数起こしてしまったこと。これは長崎県側も、これまで長崎県では昼カラオケでのクラスター発生がなかったので「油断があった」と認識しているだろう。
ここへの対策については、県側の言い分(?)もある。飲食店の営業時間短縮要請に対しては国から補助金が出るけど、「昼カラオケ」の営業自粛要請には現状補助金がない。だから県独自で営業自粛要請は出せない、ということだ。
飲食店への協力金の負担分(県1割、市1割みたい)を考えたら、その分を全額昼カラオケ自粛協力金に振り替えれば、できないはずはないと思うのだが、そういう思い切ったことをすることを中村知事に期待するのは無理なので、まあ、ここに書くだけにしておく。
今後は「昼カラオケ対策」をすることになるのも間違いないだろうが、そこで間違った感染防止対策を取っても逆効果にしかならない。具体的にいえばビニールの遮蔽シートやマスク着用である。
この辺は、昼カラオケでのクラスターが発生して1年経って、やっと朝日新聞が記事にした。
ビニールシートが逆効果になることも、やっとテレビで報道されるようになった。
長崎県でもビニールシートが原因だったと思われるクラスターが発生している。
マスク着用が逆効果になることは、去年の夏に私はこのブログで指摘した。
マスクを着けると息苦しくなるから呼吸が激しくなる。するとウイルスの排出量が増えるのだ。
感染源になるエアロゾルは呼気に含まれるので、マスクでは防げない。だから、マスクを着用してカラオケで歌うと、かえって感染を広げる結果になる、ということだ。
このことについては、科学的に検証されていない。また検証しないことが、感染症の専門家が本気で感染拡大を防ぎたいと思っていないことの証拠になると私は考えている。
中村知事は、ここで私が書いていることは全て認識されていると思うので、これから間違った飲食店に対する感染防止対策を進めないことを望んでいる。こんなビニールシートを張るのは、逆効果なのだ。
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