博多大丸長崎店の閉店が発表されてしばらく経つが、今後のまちづくりを考える際、閉店理由は何だったのかについての分析を見誤ると、大きな戦略ミスを起こす可能性がある。
大丸長崎店の閉店に関して、「夢彩都やアミュとの競争に浜の町が勝てなくなった」という理由を持ち出すのは、いかにも世間受けがしやすい。しかし、それが本質ではない。
大丸側も言っているが、「敷地が狭い」というのも理由の1つで、今の百貨店業界を考えた場合、これがとても大きな理由であるといえる。
最近の百貨店業界は、とにかく増床して品揃えを良くしていくという戦略を取っている。大丸も全国規模で勝負している百貨店であり、この戦略だ。売場面積は最低5万平米必要だと言われているが、大丸長崎店の場合、1万平米にも満たなかった。これでは、大丸として長崎店の将来を展望するのは不可能である。
今話題の博多阪急も売場面積は4万2千平米で5万平米に満たない。だから、天神の百貨店との競争に勝てないのではないか、という意見もある。それだけ、今の百貨店業界において、売場面積というのは重要なのだ。
話は戻るが、浜の町はもう商店街としての集客力を失っているのであろうか。答えは否、である。
もし大丸側が、浜の町に魅力がないと考えて閉店するのであれば、土地を売却するであろう。しかし、今の所、土地は大丸が持ったまま、テナントビルなどの形態で商業施設として運営するつもりだという。土地を売ったり住宅地にしたりするのではなく、商業施設にする予定があるというだけで、大丸という全国規模の企業からみて、長崎の浜の町は商業地としての魅力を失っていない、と判断している証になる。
これは単に、大丸が小さい面積での百貨店運営のノウハウを持っていないというだけだ。大丸だけではない。日本の大手百貨店は、どこもそのノウハウを持たない。
この視点で浜の町を考えると、浜屋だって安泰ではないといえる。やはり売場面積が小さい。これでは福岡の百貨店との競争には勝てない。しかし、今の浜の町の状況から考えて、浜屋だけの力で売場面積を広げようというのは、もう無理である。
浜の町からデパートをなくしたくないのなら、残った浜屋だけでなく、商店街全体で考えないといけない問題なのである。
2011年2月25日金曜日
2011年2月21日月曜日
鯨離れの真相
近年、若者の鯨離れが進んでいるという言い方がある。
5年ほど前、長崎で「長崎くじら食文化を守る会」というものが発足した。鯨の食文化を広めようというような趣旨だったと思う。そこには、若者が鯨を食べなくなっているからという理由もあっただろう。
では、なぜ若者は鯨を食べなくなったのか。
理由は簡単。高いから。
街中で売っている鯨カツは、一枚300円から400円する。それに比べてコンビニで売っている鶏の唐揚げは、100円台だ。
高校生が学校帰りにコンビニの唐揚げを食べている姿は普通に目にする。しかし、鯨カツを食べている姿はなかなか見かけない。理由は普通に考えたら誰にでもわかるだろう。鯨カツは高すぎるのである。
「長崎くじら食文化を守る会」を主催したながさき地域政策研究所(シンクながさき)の、菊森淳文常務理事が会の発足の時期に、「鯨の在庫が詰み上がっていて、来年には価格が暴落する。」とおっしゃっていた。そして、「鯨の消費を増やすために、何か手を打たなければいけない。」とも言われた。
それに対して私は、「値段が下がれば売れるようになりますよ。」と答えた。長崎で生まれ育った私には、値段さえ下がれば、長崎の若者は鯨を食べるという確信があったからだ。
さて実際はどうなったのか。あれから5年。確かに鯨肉の在庫は増えているようだが、鯨カツの値段は全く変わっていない。その辺の理由には政治的なものが相当からんでいるのであろうが、菊森氏がおっしゃったように、鯨肉の価格が暴落するということには、なっていない。
長崎の年配の人はみな口を揃えて言う。「昔は鯨は安かったもんね」。その言葉の裏側には、「鯨は安かったら食べるけど、高い金を出してまでは食べようと思わない。」ということが読み取れる。
経済学的には、在庫が増えると価格が下がって消費が伸びるというのは当たり前のことなのだが、実際には全くそうなっていない。
鯨の消費を増やすにはどうしたらいいか、なんて色々考える必要は全くない。値段を下げればいいだけの話である。鯨カツが鶏の唐揚げと同じ位の値段でコンビニで売られるようになれば、鯨肉の消費は爆発的に伸びると断言したい。
5年ほど前、長崎で「長崎くじら食文化を守る会」というものが発足した。鯨の食文化を広めようというような趣旨だったと思う。そこには、若者が鯨を食べなくなっているからという理由もあっただろう。
では、なぜ若者は鯨を食べなくなったのか。
理由は簡単。高いから。
街中で売っている鯨カツは、一枚300円から400円する。それに比べてコンビニで売っている鶏の唐揚げは、100円台だ。
高校生が学校帰りにコンビニの唐揚げを食べている姿は普通に目にする。しかし、鯨カツを食べている姿はなかなか見かけない。理由は普通に考えたら誰にでもわかるだろう。鯨カツは高すぎるのである。
「長崎くじら食文化を守る会」を主催したながさき地域政策研究所(シンクながさき)の、菊森淳文常務理事が会の発足の時期に、「鯨の在庫が詰み上がっていて、来年には価格が暴落する。」とおっしゃっていた。そして、「鯨の消費を増やすために、何か手を打たなければいけない。」とも言われた。
それに対して私は、「値段が下がれば売れるようになりますよ。」と答えた。長崎で生まれ育った私には、値段さえ下がれば、長崎の若者は鯨を食べるという確信があったからだ。
さて実際はどうなったのか。あれから5年。確かに鯨肉の在庫は増えているようだが、鯨カツの値段は全く変わっていない。その辺の理由には政治的なものが相当からんでいるのであろうが、菊森氏がおっしゃったように、鯨肉の価格が暴落するということには、なっていない。
長崎の年配の人はみな口を揃えて言う。「昔は鯨は安かったもんね」。その言葉の裏側には、「鯨は安かったら食べるけど、高い金を出してまでは食べようと思わない。」ということが読み取れる。
経済学的には、在庫が増えると価格が下がって消費が伸びるというのは当たり前のことなのだが、実際には全くそうなっていない。
鯨の消費を増やすにはどうしたらいいか、なんて色々考える必要は全くない。値段を下げればいいだけの話である。鯨カツが鶏の唐揚げと同じ位の値段でコンビニで売られるようになれば、鯨肉の消費は爆発的に伸びると断言したい。
2011年2月8日火曜日
日本フェイスブック学会
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