2020年8月17日月曜日

雲仙温泉は避暑地としての魅力向上を

先週雲仙温泉に宿泊した。

雲仙に泊まったのは、多分高校時代の雲仙合宿以来。そう、当時は高校生が勉強合宿のために、雲仙に1週間缶詰めにされたのだった。高校に冷房がないので、冷房無しで涼しい雲仙にほぼ強制で、夏休みを潰して出かけていたのだ。私の時は、自由時間一切なし。宿舎に缶詰め。そういう時代だった。

今は夏休みに勉強するために、県立高校に冷房が入ったと聞く。

今回感じたのは、やはり涼しい。私は冷房を使うと体調が悪くなるので、家ではエアコンを使わない。そのため夏場は眠りが浅く、気分がすっきりしないのだが、冷房不要の涼しい雲仙で2泊したら、ぐっすり眠れて、体調も良くなった。

もともと雲仙は避暑地として栄えたのだから、やっぱり夏場は避暑地としての魅力を磨いて、県内からの集客も図る方向性が重要だろうということを強く感じた。長崎市内からでもそんなに遠くないので、リフレッシュのために短期間でも雲仙に泊まるのは、仕事の生産性も上がっていいことだ。


と思っていたら、ちょうど長崎新聞に以下の記事が出た。

6日間滞在できる雲仙 ワーケーション施設充実へ コロナ禍対応で市観光戦略


目指すことは私と同じなのだが、やり方がちょっと違うというか、利用者本位ではない所が気になる。

例えばワーケーションの拠点施設。ネット環境を充実させて、遠隔作業の仕事がしやすい場所が求められるのだが、それに旧雲仙小学校の校舎を利用できないか市が考えているらしい。

実際に利用する立場からすると、仕事の合間にちょっと息抜きで散歩したりお茶したりするのに、旧雲仙小学校の場所は中心部から離れすぎている。本気で人を呼びたいのであれば、絶対に温泉街の中心部に作る必要がある。星野リゾートと相談して富貴屋跡地に作るとか、宮崎旅館の改装後に中に入れるとか、まず利用しやすい場所を考えることが重要である。現地の当事者の都合で施設の配置を決めると、利便性が悪くなって、人が来ない。


そもそも雲仙温泉の人たちは、自分たちの地域の魅力がどこにあるのか、観光客が何を望んでいるのか、わかっているのか。今回滞在して、そこが疑問だった。

高原のリゾートであればレンタサイクル、というのは、ごく自然に思い浮かぶ。雲仙でもやっと今になってレンタサイクル事業を始めたようだが、何と貸し出し場所がゴルフ場。そこまでどうやって行くのですか?

自転車を借りようとする旅行者は、公共交通機関を利用する人が中心だと思われる。だったら中心部とか旅館の近くで借りられないと、意味ないでしょ?車で来た人がわざわざレンタサイクルを借りるのですか?車前提でもいいけど、やっぱり貸し出し場所は中心部じゃないと、利用者にとっては不便である。

そもそも中心部に観光案内所すらない。普通はバスを降りたら観光案内所に行ってパンフレットを貰って、それから何をするか考えるものだ。最初から観光の前提が車になっているのだったら、そこは考え直した方がいい。

主要な施設の管理者がバラバラだということが、調整を難しくしていると思われる。民間の施設はさておき、島鉄バス、国(環境省)、県、市など、当事者が多い。県営バスのターミナル跡は廃虚になっていて、全く活用されていない。観光案内所は市が開設して現地の観光組合に運営を委託したりするものだが、そういう調整が全くされていないようだ。そもそも県営バスのターミナルがあった時には、中に観光案内所位あったのだろうか。

そういう所を調整して、旅行者にとって便利な場所にしないと、ワーケーションなんて利用されるはずはない。

あとは、コロナ対策にうるさすぎ。大自然が売りなのだから、「高原では人との距離を取ってマスクを外しましょう」と宣伝すればいいのに、どこに行ってもマスク着用。かなりうんざりした。共同浴場でも「マスク着用、手指消毒」。風呂に入るだけなのに、マスク着けたまま湯船に浸かるのですか?硫黄分ですぐ消毒されますよ。

あいにく離れる以前に人がいません。そんなに大きく掲示される必要は、ありません。

これが完全におかしい。「感染症予防のため」じゃなくて「高原の自然の空気を入れるため」に窓を開けて下さい。これだけ涼しいのに、普段は冷房を入れているのですか?


とにかく、「高原の自然の風を満喫して下さい」という空気が、全くなかった。下界はこれだけ暑いのだから、何を売りにすべきか、地元の人が理解していないと思った。

宿泊施設も同様。マスク着用は最小限にするべきだ。以下に長崎・雲仙・佐世保各市共通の宿泊施設向けガイドラインを示す。従業員や宿泊客にマスク着用を推奨するような記述は一切ない。マスクが必要なのは、感染の疑いのある客に対応する時の従業員だけである。

チームナガサキセーフティ


温泉宿で感染リスクが高い場所は大浴場の脱衣場だと言われている。脱衣場の換気さえ徹底させていれば、後は宿泊客に過剰なマスク着用を求める必要性は全くない。そもそも風呂から上がったらすぐマスクを着けたいと思うだろうか。

新型コロナ陽性者が出る前提での観光推進を


上の記事にも書いたが、宿泊客の満足度を高めるためにも、マスクは極力使わないような方向で考えてもらいたい。


他にも色々アイデアはあるが、次の機会に回したい。