私は医療の専門家ではないので、確かなことは言えない。
但し、経済学の専門家ではあるので、統計は普通の人より遥かに読める。なので、統計資料をもとにした分析は、医学の専門家よりはきちんと出来ていると思う。
とりあえず、過去の記事を読んで頂ければ、私が新型コロナの流行や対処法について、ほぼ正しいことを言っていることは、確認できるはずだ。
また新型コロナに関する話は、医療の専門家が見る場でも頻繁に発言している。間違っていることを言えば、きちんと訂正してもらえる仲間に恵まれているお陰で、おおむね正しいことを言っていると思っている。
長崎県は現状、他県に比べて「第3波」が来ていない。直近1週間の人口10万人あたりの陽性者数は、全国45位だそうだ。下から3番目、間違いなく、少ない数字である。
ここの2参照。
この理由については、以前ブログに書いた。長崎は今年の1月に第1波が来ていて、世間では第2波だった時にすでに第3波を迎えているから、もう感染しても広がらないか軽症・無症状で済んで気付いてないんじゃないか、ということだ。
長崎で新型コロナは流行していないのか?
これは医学的な裏付けは全くありません。ただの個人の感想です。
では第3波は来ないのか。来るだろうけど、小さな波じゃないか、というのが、私の予想。これも、個人の感想です。
但し統計的に言えることは、世界中を見ても、寒い国からこの冬の流行は始まっている。日本でも北海道から始まり、東京・大阪で流行した。冬になれば流行が起こる、ということはずっと前から言われていたことで、その通りになっている。では長崎で流行が起こらないかといえば、どうやら福岡でも流行がやってきた感じで、単純に日本の中で相対的に暖かい地方は流行が始まるのが遅かったと考えるのが自然だろう。長崎でも、これから第3波がやってくると思っておく必要は、ある。
そもそも新型コロナの感染拡大を防ぐ方法はない、というのが世界の状況を見た結論だと言っていい。台湾やニュージーランドのように、早期に外国との行き来を遮断してしまえば、国内での感染を広げないことは可能だが、永遠に国境を開けなくなってしまう。
日本の離島だって同じこと。感染を起こさないためには、永遠に島と外部との行き来を閉ざさないといけない。それなら健康被害が少なく済む夏の間に感染が広がった方がまだマシだということを、7月に書いた。
「Go Toキャンペーン」活用して都会から観光客を呼び込もう
この記事に書いたことは、今振り返っても大筋正しかったと思う。冬になって感染が広がった北海道の離島では、今大騒ぎになっている。それに比べて長崎県の離島は、まだ夏に感染者が出たから、冬の被害は少なく済むだろう。
もちろん長崎県の離島でも、年末年始に感染者が出るだろうが、だからと言って帰省した人を責めてはいけない。いずれ感染者は出るのだ。問題を先送りにするべきではない。また万が一感染しても、長崎県の離島では大事に至らずに済んでいる。以前さんざん悪口を書いたが、ここは長崎県の医療体制を信用しよう。
長崎県のコロナ対策は目的が見えないことが問題
そして昨日、長崎市の飲食店でクラスターが発生した。
長崎市が過去最多の12人の新型コロナ感染を発表 接待を伴う飲食店でクラスター
そりゃ、必ずどこかで起こります。感染した人を責めてはいけません。
但し、感染原因はしっかり突き止める必要がある。それをやらないと、夏の長崎北陽台高校の集団感染と同じで、経験を活かすことができない。もし北陽台高校できちんと原因を探り結果を全国に公表していれば、全国の学校での集団感染を防げた可能性があるので、残念でならない。
北陽台高校の感染防止対策を見て具合が悪くなった
では今回の集団感染について。
2つ前のニュース記事から引用する。
店はフェイスシールドを準備するなど感染対策を行っていて、来店客の名前や連絡先を把握していることなどから、今のところ、市では店名の公表はしない方針です。
はっきり書きます。フェイスシールドは感染対策にはなりません。
マスクやフェイスシールドは飲食店では無意味です。きちんと換気をして下さい。それがほぼ唯一で最大の対策です。
これは完全に東京の専門家の言い方が間違っているのが悪い。何が対策になるのか、きちんと伝えていない。効果のない対策を取っても、意味がない。感染を起こしておいて、「対策は万全に立てていたけど、感染が起こったから仕方がない」と言うのは、大間違い。感染を起こさないような対策を取れていたのなら、取らなかった方が悪いのだ。先の北陽台高校の件も同じ。私は換気不足が原因だと思っているが、それをきちんと検証せずに、マスクだのフェイスシールドだの、意味のない対策を強化しても、また感染を起こす可能性は変わらない。それでは長崎県の教育と同じで、何の進歩もない。できないことをできなかったといって責めるのは良くないが、できることをやらずに、対策はやっていたから仕方がないと済ませてはいけないのだ。何度も繰り返すが、それでは長崎県の教育界と同じである。
その辺、長崎大学の専門家はきちんとしていると思っている。多分、長崎県や長崎市が打ち出す感染対策は長崎大学が監修している。国の対策より、遥かにまともだと、私は感じている。
という訳で、さきほどのスライドを再度引用。
https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2020/12/1607497350.pdf
これの6番。
飲食事業者におかれては、適切な換気やパーティションの設置、料理を取り分けるなどの工夫をお願いします。
どこにもマスクだのフェイスシールドだの消毒だのとは書いていない。換気が第一、飛沫を防ぐのはパーティションと料理の取り分け。それだけだ。
飛沫防止はケースバイケースだと私は思っていて、例えばバイキングの料理は、料理を取る時に唾を飛ばさなければ大皿でも全く問題ない。パーティションにしても、ラーメン屋のカウンターみたいな所で1人ずつパーティションに区切ると、そこの換気が悪くなってウイルスがその席に溜まり、次に座った人が危ない、ということもある。パーティションは換気と引き換えの部分があるので、そこは場所の状況を見て考えるべきだ。専門家じゃないので明確には言えないが、理屈的にはこういうことになる。
そもそも、何で世間の人はマスクが万能だと思っているのか、私にはよくわからない。カラオケで歌う時にマスクをしていたって、換気が悪ければ集団感染は起こる。逆に、マスクをつけなくても、飛沫を直接浴びないように注意していれば、換気をきちんとしておけば感染は起こらない。間違っていたら、専門家の方、意見を下さい。
マスクを着用しないことで有名なスウェーデンでも、専門家が「マスクを着けると、それで安心して他の対策を怠る可能性があるから、マスク着用は推奨していない。」とはっきり言っている。私も先月スウェーデンに行ってきたが、ソーシャルディスタンスの対策は、日本より遥かに徹底していて、私には過剰対策に見えた。
そしてスライドを見る限り、長崎県は正しいことを言っていると思う。ただ、長崎大学の専門家が東京の人たちに気を使って、大きな声で正しいことを強調して言っていないのではないかと、普段から私は感じている。
長崎で大きな感染拡大を起こさないためにも、長崎県では「正しい指導」を飲食店に対して行って欲しい。せめて換気状況を調べるためにCO2測定器を置きましょう、という位のことは言って欲しい。逆効果にもなり得る、座席をパーティションで区切ることより、遥かに有効な感染防止対策なのだから。