2021年8月8日日曜日

長崎大学の感染推計は絶対に外れる

 長崎新聞にこういう記事が出ている。

「自分たちの行動で決まる」 長崎大が感染推計公表 盆には140人到達か

私はこれは絶対に外れると断言します。

理由は、公表している人がこうなるとは思っていないから、だ。

一番大事なのは記事中のこの部分である。

会見した有吉教授は推計の公表について「危機感を県民と共有するため。天気予報はわれわれで変えることはできないが、コロナ(の流行)は自分たちの行動で決まる」と強調した。

「正しい予測をすること」ではなく、「危機感を煽ること」が目的なのである。そして、「コロナ(の流行)は自分たちの行動で決まる」と本気で思っているのか、疑問に思う。本当に「自分たちの行動で決まる」のであれば、コロナ感染した長崎市副市長や長崎県医師会長は行動を本気で見直して欲しい。

私の周囲の人の話を聞けば、長崎市副市長や長崎県医師会長が罹患したのは「毎日夜飲み歩いていたから」だと思っている人が相当数いる。「自分たちの行動で決まる」なんてことを言い続けるから、罹患した人への差別が煽られるということが、長崎大学の教授はわかっていないのだろうか。


何で医療関係者がこんなに危機感を煽るようなことを言うのかと言えば、「もしかしたら行動自粛で感染者が少しは減らせる『かも』しれない。そうなれば医療負担が減って自分たちが楽になる」と思っているからである。

実際に接触機会を減らすことで感染が縮小したというデータは世界中になく、今だにそういう発言をしているのは、この長崎大学教授の記事位である。効果がある感染対策は「換気の徹底」しかないのが、この1年半のコロナ騒動における「科学的知見」である。「接触を減らす」というのは「机上の空論」でしかないことは、現実のデータから証明された。

この発言に、行動自粛のせいで苦しむことになる子どもたちや飲食店、宿泊業関係者に対する「申し訳ない」という気持ちは、全く感じられない。知事は会見のたびに「協力頂いた飲食店の方々には感謝します」という言葉を出すが、医療関係者からの「いろんな業種の方に協力頂き、感謝します」という言葉を、私は聞いたことがない。日本医師会長が「医療は全ての産業の中で一番重要なものである」と言うのだから、「医療に負担をかけないために、他の業種が潰れたりしても、当然のことである」というのが、医療従事者の総意なのであろう。

こういう県民を脅す発表をする際に、お盆の稼ぎ時を潰された飲食店や宿泊関係者、そして旅行を楽しみにしていた子ども達の気持ちを少しは理解して欲しいし、発表時に「県内の宿泊キャンペーン、GoToイート発売の一時停止などで、飲食店や宿泊関係者の方々には迷惑をかけますが、我々に負担がかからないように、ご協力お願いします。」の一言位はあってもいいと、私は強く主張したい。


このシミュレーションが間違いだらけだ、ということは、私も経済学の博士持ちとして、具体的な内容はいくらでも指摘できる。いちいち指摘するだけ無駄であるし、私のブログを読み返して頂ければ、長崎大学の予測より私の予想の方が遥かに当たっているということは、読者の方にわかってもらえると信じている。

一応私の予測も書いておけば、お盆過ぎまでダラダラ流行が続いて、ピークはせいぜい70〜80人程度じゃないかと思う。但しこの1年間書き続けているが、長崎県程度の感染者数だと、クラスターの発生状況に大きく左右される。高校生のクラスターがいくつか見つかれば(これも、濃厚ではない接触者の調査をどこまで広げるか、に関わってくる)、100人を越えることも有り得るが、高校生にいくら陽性者が増えた所で、ほとんど無症状、症状が出ても微熱が2〜3日続く程度なので、ことさら大騒ぎすることでもない。家で療養すれば医療機関への負担もかからない。子どもから親に感染させることも、現状ほとんど無い。家庭内感染は「子から親」ではなく「親から子」のケースが大多数なのである。

長崎県知事はこの1年の流れから、私と同じ分析をされていると思うので、過剰に騒ぎ立てることはないと思うが、そろそろ症状も出てない接触者への検査は減らしてもらえないかな、というのが正直な気持ちである。