2021年9月9日木曜日

長崎大学教授の予想はやはり外れた

 本日、長崎県に出されていた緊急事態宣言が、佐世保市を除いて予定どおり9月12日で解除されることが発表された。

【速報】長崎県が県独自の緊急事態宣言解除へ 佐世保除く

という訳で、「第5波」の総括をもうやってもいいだろう。


表題の話になるが、8月8日の記事を振り返ろう。

長崎大学の感染推計は絶対に外れる

ここで書いた私の予想を引用する。

一応私の予測も書いておけば、お盆過ぎまでダラダラ流行が続いて、ピークはせいぜい70〜80人程度じゃないかと思う。但しこの1年間書き続けているが、長崎県程度の感染者数だと、クラスターの発生状況に大きく左右される。高校生のクラスターがいくつか見つかれば(これも、濃厚ではない接触者の調査をどこまで広げるか、に関わってくる)、100人を越えることも有り得るが、高校生にいくら陽性者が増えた所で、ほとんど無症状、症状が出ても微熱が2〜3日続く程度なので、ことさら大騒ぎすることでもない。

それに対して長崎大学の推計は、お盆に感染者140人だった。

「自分たちの行動で決まる」 長崎大が感染推計公表 盆には140人到達か

そして、答えはこれ。










長崎県のHPより引用)

100人を越えたのが2日だけ。あとは70〜80人程度でダラダラ続いた。

私の予想どおりだったと言って、問題ないだろう。


ちなみに8月20日に出された長崎大学教授を名乗る占い師の話はこれ。

長崎大学の占い師の予想は外れる

長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は20日、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、県独自の緊急事態宣言が19日に出されたことを受けて会見。県内の現状を「1カ月前の東京に若干似ている。嵐の前の静けさのようで恐れている」と危機感を示し、「今すぐ知事が示した感染対策を実施し、ワクチンも打ってほしい」と訴えた。

やはりこの占いは外れた。20日以降、順調に減少傾向に入っている。


では第4波の時はどうだったのか、振り返りたい。

5月8日の記事から。

長崎大学の占い師の予想は当たるのか?

長崎の医療崩壊迫る…医師が悲痛な訴え 感染症対策を呼びかけ

長崎大学病院感染制御教育センター 泉川 公一 センター長「増え方が尋常ではないというのは、間違いない事実。個人的な感想としては、これはまだ(第4波の)入り口だと思っている」

さて、この占い師の予想は当たるでしょうか。

私は、繰り返し書いているがもう長崎市はピークに差しかかっていると思っている。

答えは、5月8日がピークだった。









東洋経済オンラインより引用)

見事に占い師の予想は外れ、私の予想どおりだった。


第3波の時はどうだったか。

2020年12月11日の記事。

長崎県にも新型コロナの第3波がやってきたの?

では第3波は来ないのか。来るだろうけど、小さな波じゃないか、というのが、私の予想。これも、個人の感想です。


但し統計的に言えることは、世界中を見ても、寒い国からこの冬の流行は始まっている。日本でも北海道から始まり、東京・大阪で流行した。冬になれば流行が起こる、ということはずっと前から言われていたことで、その通りになっている。では長崎で流行が起こらないかといえば、どうやら福岡でも流行がやってきた感じで、単純に日本の中で相対的に暖かい地方は流行が始まるのが遅かったと考えるのが自然だろう。長崎でも、これから第3波がやってくると思っておく必要は、ある。

続いて2021年1月4日の記事。

長崎県にも新型コロナの第3波がやってきた

ピークで1日35人。人口規模を勘案すると、他県に比べて全然大きな波ではない。

そして、多分もうピークアウトしている。12月末の時点でそう書いておこうかと思ったんだけど、ブログを書く気力が出なかったので、書かなかった。今書いても、もう後出し。

結果はこれ。









東洋経済オンラインより引用)

ピークは1月9日の60人。ちょっと外した。まだこの頃は私も経験不足で(だって、この時第3波ということは事前に2波しか経験していないんだもん。)、予想の精度が悪い。思っていたよりピークが後ろで高めに来る傾向があるとわかったので、以後修正した。そう、科学者とは事後的に振り返って修正し精度を高めるものである。外れる占いを繰り返す人は、大学教授を名乗っていても決して科学者ではない。


私が教授を名乗る占い師について批判の発言を強めているのは、以下の記事がきっかけである。

疫学は易学だ

長崎大学 5月連休明けに感染一日120人超えを予測

「占いじゃないです。理論に基づいた値を皆さんに見せてるだけです。この図を示すことによって皆さんの行動変容を促すことにひとつでも役に立てればと思っています」

なんだ、疫学のシミュレーションは占いレベルだという自覚はあるんじゃない。

みなさん、事後的にこの占いが当たったのか、きちんと振り返りましょうね。

この記事のリンクが切れていたので、別の記事のリンクを貼る。

GW明けコロナ感染者数 第3波の「2倍超」 長崎大 県内推計 行動変容あれば抑制

上のほうの図を見てもらえばわかるけど、5月連休明けの感染者数は65人がピーク。「理論に基づいた値」の約半分。これを「理論に基づいた値」とみなすのは、余程のお人よしである。普通に考えれば、理論がおかしい。

賢明な読者の方には、いかにこの教授の話が「占い師」の予想でしかないことがわかって頂けると思う。普通はこんなに予想を外しまくる占い師の話なんか誰も聞かなくなるものだが、「長崎大学教授」を名乗っていればそれでも聞く人は沢山いて、マスコミにも取りあげられる。

真理を追究したい方は、肩書きに惑わされるのではなく、話の論理性に問題がないのかを自ら考え、後でその発言が正しかったのか検証する必要がある。それが科学的な物事の考え方だ。