長崎市のHPに、公募型プロポーザル「長崎駅前広場等設計業務委託」の結果公表についてというページがある。
そして、受賞した提案書が掲載されている。
もちろん、これは設計者を決めるためのプロポーザルであり、この提案の通りに駅ができる訳ではない。特に在来線と新幹線の駅舎は長崎市が作るものではないので、市に設計する権限は何もない。
という前提でこの案を見るが、まあ、今の駅を奥に引っ込めただけで、何ら目新しさを感じない。
魅力ある計画を立てるには、今の長崎駅、そして区画整理後の長崎駅は、どこが長所なのかを考える必要がある。
まず今の長崎駅は何が魅力なのか。地元の人はほとんど気付いていないが、よそから来る人は、いわゆる「頭端式ホームである」ことを最大の魅力として感じているのだ。
長崎は日本の西の端にある。そして、その長崎駅に着いたら、線路がそこで途切れていて、ホームを端まで歩いた所に改札がある。ここに旅情をかきたてられるという声を、私は今まで何度も耳にした。
この構造はバリアフリーという観点でも優れている。長崎駅にはホームと改札の間にエレベーターもエスカレーターもない。そんなものは必要でないことは構造上誰にもわかるが、その素晴らしさに気付いている長崎市民は、ほとんどいない。
在来線・新幹線とも高架になって、今の計画のままだと高架のホームから下に降りた高架下が改札口になる。それではごく普通のありふれた駅にしかならない。せっかくの終着駅の魅力を、何も活かさない構造になるのは、もったいない。
次に、移転後の長崎駅の魅力は何か。海に近付く。だから海(あるいは浦上川)に対する見晴らしを良くしよう、ということになるが、そのためにはどういう構造にすべきか。
とりあえず県庁のHPにある図から見てもらう。
(ここから引用)
続いて長崎市の資料から。
(ここから引用)
この図を見て、改札口はどこに付けるべきか考えて欲しい。これ、ホームを頭端式にして、新県庁を向いた場所に改札を作るのがベストだと、みなさん思わないだろうか。
なのに、市のイメージだと、こうなってしまう。
(上図の次のスライドから引用)
ちなみに、他の案も見てみよう。
(ここから引用)
これは私のイメージに近い案。なかなかいいじゃないの。
あとは、これ。
(ここから引用)
これがあるから、頭端式にするアイデアを提案することは不可能なんだけど、でも何で下の2案を抑えて最初の案が採用されたのか、私にはよくわからない。
続編はこちら。