2016年7月5日火曜日

長崎空港に経由便を活用した国際線誘致を

長崎空港を発着する定期国際線は、現在、週2便の上海線だけである。

これだけインバウンド客が増え、九州の他の空港は台湾や香港と結ぶ路線が続々と開設されているという社会情勢の中、長崎空港は、一時期多客期には毎日運行もされていたソウル線が平成27年11月に撤退し、現在は上海線のみになっている、という惨状である。

長崎はアジアの人から観光地として人気がないのか、というと、そうではない。

例えばこの台湾人のブログ、県内のかなり細かい所をまわっている。日本人でも長崎県民でも、ここまでツボを押さえた行程の旅行はできない、という感じの素晴らしい内容である。

このブログで他に採り上げられている国内観光地を見てもらえばわかるが、台湾人にとって長崎は、日本全体で見ても魅力のある場所だというのは間違いない。またアジア諸国では、個人ブログが他の人の行動に与える影響は、日本と比較にならない位大きい。こういうブログの影響で、長崎観光の需要がさらに高まっているのだ。


ではなぜ長崎空港に香港や台湾からの定期便がないのか。チャーター便なら何回も就航しているにも関わらず。

その理由を私は知らないが、あくまで一般論でいえば、日本人の利用者が見込めず、トータルで路線を維持できる客数にならない、ということはあるようだ。長崎からのソウル線が廃止になったのも、それが理由の1つだった。

となると、長崎空港から国際線を利用する客を増やさないといけない。その時に、例えば香港路線であれば、香港だけでなく、香港で乗り継いで東南アジア諸国やヨーロッパに向かう人も、長崎空港から香港行きに乗ってもらうことで、利用者は増やせる。

私はヨーロッパに向かう際、福岡空港から香港経由で行くこともある。羽田や成田で乗り継ぐこともあるが、香港空港は魅力のある空港なので、特に日本から(ワンワールド加盟社の)直行便がない都市へ行く際には、香港経由を積極的に使っている。

香港をベースとするキャセイパシフィック航空は、ヨーロッパ路線の発着時刻を、香港発を夜0時台、香港着を朝6時台に揃えている。つまり、香港に夜11時頃着、香港朝8時発、のようなスケジュールにすると、長崎からヨーロッパへの乗継がものすごく便利になるのだ。

福岡便の所要時間をあてはめたダイヤを想定すると、

香港 8時15分発  長崎 12時40分着
長崎 19時40分発  香港 22時10分着

こんな感じだ。
香港から長崎に来る観光客にも使いやすい時間帯だろう。

しかし、これだと長崎空港に機材を7時間も遊ばせることになる。航空会社は、できるだけ機材を休むことなく使いたいので、こんな無駄なダイヤを組ませるのは難しい。


そこで、この時間にソウルまで飛んできて貰うのだ。
実際には、香港発長崎経由ソウル行き、という路線にすればいい。そうすることで、運休中のソウル路線の埋め合わせも同時にできる。

香港 8時40分発  長崎 13時05分着 14時05分発  ソウル 15時30分着
ソウル 16時30分発  長崎 17時50分着 18時50分発  香港 21時20分着

これでどうだろう。あと1時間遅くしてもいい。
ちなみにこの時間だと、香港でその日のうちにバンコク行きに乗り継ぐことができるので、バンコクに当日中に(日付は変わるが)着けるというメリットもある。

ちなみにこのダイヤだと、ソウルでアメリカン航空のシカゴ、ダラス便に行き帰りとも乗継できる。キャセイパシフィック航空(CX)とアメリカン航空(AA)は同じワンワールドアライアンス加盟社(日本では日本航空(JL)が加盟)なので、香港ソウル便がAAとCXのコードシェア便になれば(AAとCX、JLは多くの路線でコードシェアしている)、アメリカン航空のチケットで長崎からシカゴ、ダラス、さらに乗継で北米各地へ、安く便利に旅行することができる。

こうして見ると、アウトバウンドが弱いと言われる地方空港の国際線も、路線とダイヤ次第で何とかできるのではないか、という気になる。


ちなみに、経由便にするということでいえば、香港から台北経由長崎行き、という路線も考えられる。こうすることにより、香港台湾双方からのインバウンド客を集められるという魅力があるし、実際にキャセイパシフィック航空の香港福岡便は台北経由である。

その福岡便のダイヤを長崎にあてはめてみると、こんな感じになる。

香港 8時50分発  台北 10時45分着 11時45分着  長崎 15時20分着
長崎 16時20分発  台北 18時00分着 19時00分発  香港 21時05分着


こういう感じで、是非長崎空港の国際線を拡大してもらいたい。