2020年4月22日水曜日

「コスタアトランチカ」号への対応は人道的見地から行うべき

長崎港で修繕中のクルーズ船「コスタアトランチカ」号の乗員から、新型コロナウイルス感染者が発生した。

長崎のクルーズ船、感染拡大懸念 乗員「家に帰りたい」


長崎からすぐに出ていって欲しい、という声も出ているようだが、ここは人道的見地から冷静に考えて欲しい。

クルーズ船は感染拡大を恐れて、各国から寄港を拒否されている。
そうなると、乗員はどうすればいいのだろうか。

国に帰ればいい、と簡単に言うかもしれない。でも、多分だが、フィリピンは帰国を許さない。そして、許されないまま、何ヶ月も船内での生活を続けて、修繕中であるにも関わらず、長崎でじっと船の中に留まっていた、という事実はしっかりと受け止めないといけない。

国に帰りたくても帰れない人は沢山いる。日本人だって、アフリカから帰れない人が何百人もいるのだ。クルーズ船には世界中の乗員がいるので、帰りたくても帰れない人たちの事情にも配慮するべきだ。

アフリカ15カ国から10ルートで帰国 茂木外相明かす



日本はダイヤモンドプリンセス号への対応経験があるので、対処にはもうノウハウがある。当然、長崎港のことであっても、国の協力は確約されている。

日本の方針として、軽症者はホテル待機という方向が出ている。幸いこの船には乗客が乗っていないので、船内に部屋はあり余るほどある。そこで待機すればいいのだ。

重篤化すれば長崎市内の病院で世話をすることになるだろう。しかし、若者の多くは重篤化しないので、うまく行けば船内から誰も外に出ずに全員快方へ向かうことも、少なくない可能性として、ある。

クルーズ船の乗客は高齢者が多い。しかし乗員は若い人が多い。今船内にいるのは乗員だから、船内で重篤化させない方向で努力して、外に出さない努力をすることが大事なのだ。

(東洋経済オンラインよりhttps://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

これが年齢別の感染者の状況である。40代以下なら、ほぼ重症化していない。

長崎市民であれば、市内を歩いているクルーズ船の船員らしき人を見かけたことはあるだろう。みんな40代以下だと思いませんか?

フィリピン籍の船員は、当分国に帰れないと思う。そうなると、きちんと健康面の確認が取れれば、伊王島のホテルに滞在させてあげてもいいだろう。

新型コロナウイルスは、管理されていれば何も恐れることはないのが現状である。下船時に全員の感染チェックをして、そのままホテルに滞在してもらうというのが、人道的に見た正しい方針だと思う。


そして、いい対応をして貰えたと感謝されて、以後の修繕受注に結びつける方向を目指すのが、長崎にとって最良の方針である。