とりあえず、長崎県の新型コロナウイルス対策の目的が見えないという話は、前回書いた。
長崎県のコロナ対策は目的が見えないことが問題
そして、諌早市で70代男性の感染が判明したのだが、場所が問題である。
健康センターで陽性患者と接触 長崎県諫早市の70代男性が新型コロナ
男性は7月17日、諫早市の小長井健康センターにあるトレーニング施設を利用していて、ここで長崎県内51例目となった諫早市の50代の男性と接触があったということです。
私が以前から思っていることなのだが、この件を契機に書きたい。
感染症対策というのは、ハイリスクな人たちを隔離する、ということが基本のはずだ。スポーツジムは感染が起こる場所だというのは、かなり以前からわかっていたこと。では何故、感染が広がっている今の時期に、高齢者のスポーツジム利用を禁止しないのか。
子どもは感染してもほぼ無症状か軽症で済む。実際に日本では18歳以下の死者は、ゼロである。
それなのに「命が大事だ」とか言って、高総体を中止にした。
高校生は感染しても死なない。命が大事だと言うのであれば、60歳以上の人を立ち入り禁止にして、高総体を開催するという選択肢もあったのではないか。
高総体に限らず、多くの若年層のイベントが中止・規模縮小になっている。弊害が多いと言われながらも、子どもへのマスク着用やソーシャルディスタンシングを行っている。それは全て、「子どもを経由してハイリスクな高齢者を感染させてはいけない」という理由だったのではないのか。
コロナと小児科医療 「子どもの重症化リスク低い」 長崎大学病院 森内教授
また、成長発達の過程にある子どもが、友達との触れ合いの機会が減り、マスクを着けた状態でしか友達や先生の顔を見られないと、表情から感情を理解できない大人に成長する恐れもある。子どもを犠牲にしていることを頭に置き、どこまで我慢を強いるべきかを考えたい。
そうやって子ども達に負担をかけるのに、何故、もともとハイリスクな高齢者は自由に行動させているのか。感染拡大防止対策としては、全く意味不明である。
民間のスポーツ施設で年齢制限をかける、となれば、経営問題になる。しかし、公営の施設であれば、例えば60歳以上の利用を当面控えてもらう、などの対応は、できるはずだ。何故やらない?
とにかく「高齢者のため」とか言って子どもたちに過剰な負担をかけながら、その高齢者は自由にさせているという今の日本社会は、絶対におかしい。