2020年5月13日水曜日

「コロナ後」を見据えた観光戦略を

朝日新聞の記事で、中村知事がコロナ後の客船誘致についての話をしたというものがあった。

長崎)「寄港前から情報入手を」客船感染症対策で知事

中村知事は「中長期的に見ればクルーズ船需要が拡大する」との見方を示し、新型コロナの終息の見通しが立つことや安全対策の整備を前提に、客船の誘致や修繕事業を後押しする方針を示した。

とにかく後手後手の知事が、少しは前向きの話をしたのは、喜ばしく思う。

では将来の観光振興に向けて何をするべきか。「新型コロナ患者を出さない」では駄目で、「患者が出てもきちんと対処できることを住民に示す」ことが重要だ。そもそも新型コロナウイルスは撲滅することはできないと、私が耳にする限り全ての専門家が言っている。だから、「患者を出しません」と言って住民を安心させるのは不誠実であり、患者が出た時に取り返しがつかないことになる。「罹っても対処できますから大丈夫です」と言わないといけない。

対馬を例にして以前記事を書いたので、それも参考にして頂きたい。

「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう


そのためにも「コスタアトランチカ」号の総括を、きちんと県民に対して行うべきである。


コスタアトランチカ号には、200人程度の感染者がいたと思われる。そもそもPCR検査の精度だと、感染者のうち7割程度しか陽性反応が出ない。だから、陽性者が140人であれば本当の感染者は200人程度だと想定される。

知事がおかしくなったのは、このうち2割が重症化すると聞かされたからだと想像する。200人のうち2割が重症化すれば40人の重症者が発生する。その面倒をどこで見るのか、ということで、県民に行動自粛を呼びかけるという本末転倒の策を取ってしまった。

長崎県医師会の「医療危機的状況宣言」は間違い


実際どうなったかと言えば、重症者は1人だけ。2割どころではない、0.5%である。いかに現実と比べてとんでもない数字を持ち出して医師会と県知事が大騒ぎをしていたのかが、わかる。そのために長崎市内の街中からは人が消え、商店に大きな打撃を与えた。

ここで重要なのは、重症化率は0.5%、致死率は0%だったということだ。これを県民にきちんと説明しないといけない。せめて全員が回復した時点で、知事がはっきり「県民の皆様にはご心配をおかけして申し訳ありません。重症者1人、死者0人で全員回復しました」と県民向けの報告を、マスクを外してするべきである。

そして、もちろん船員に若い人が多いということはあったけど、この程度の病気を恐れて、県に来る観光客を完全に断る必要性があるのかを、県民に考えてもらわないといけない。今の状況だと、離島は観光客お断り、クルーズ船の寄港は絶対反対だ、という県民は多い。それを説得するのは、間違いなく知事の仕事なのだ。


8割の行動削減目標で大きな迷惑を受けた県民の1人として、それを挽回する仕事を知事にはしっかりやって欲しいと思う。