医師会の支援によって当選した大石新知事の最初の大仕事が「まん防」解除になった。
正直私は、選挙で医師会の支援を受けた以上、大石知事は中村知事のように医師会の意向に反してコロナ対策を緩める施策は取れないだろうと思っていた。
そして今日(2022年3月4日)の会見をオンラインで見たのだが、いい意味で予想に反する発表内容だった。
ある意味当然といえば当然なのだが、記者からの質問ほぼ全てに対して直接自分で答えていた中村知事と違って、大石知事はすぐ担当職員に回答を委ねていた。2日に就任して4日の会見だから、それは仕方がない。そして発表された解除後の施策も、ほぼ中村前知事が考えたと思われる内容だった。ちゃんと中村前知事はここまでの仕事をきちんと済ませてから退任されたのだろう。
会見を見て感じたのは、大石知事はきちんとコロナ騒動の本質を理解している、ということだ。医師だから理解していて当然とは思わない。そもそもコロナ騒動を悪い方向に持っていっているのは医師連中なのだ。その医師・医師会に引っ張られては、県民から見るとろくなことにならないと心配していたが、「今のところは」大丈夫のようで安心した。
このブログでもたびたび述べてきたが、中村前知事は全国の知事の中で一番コロナ対策に関して理解されていると思っていた。但し「陽性者」のことを「感染者」と言うのだけが気に入らなかったのだが、大石知事はちゃんと「陽性者」と言われていたので、その部分でも期待できる。
県医師会のやっていることがおかしい、ということはこのブログで何度も指摘してきた。例えば以下の記事などだ。
その前に、なんで民間病院でコロナ患者を引き受けないの?
長崎市内でコロナ受け入れをしている病院が4つしかないって、どう考えてもおかしい。
そして今日の知事発表では、かなり重要なことが含まれていた。前掲の会見内容のこの部分である。
外来医療体制の更なる強化について
発熱した患者がより身近な医療機関で受診できるよう、診療・検査医療機関の更なる拡充、また、それらの施設名の公表を目指し、関係機関と協議を進めます
コロナ診療の最大の問題であった、開業医がコロナ診療を拒否するからすぐに医療を受けることができず自宅で病状が悪化する、という問題に対しての解決策を提示しているのだ。
もちろんここがコロナ診療の最大の問題であったことはかなり前から指摘されていた。ところが長崎県医師会長を始めとした「超コロナ脳」の開業医が怖がって、コロナ診療を拒否していたのだ。これは長崎県に限った話ではなく全国的な問題だ。そして開業医の団体である各地の医師会および日本医師会がコロナ診療をする窓口を狭めてきた。
果たして県医師会の支援を受けて当選した大石知事が、ここに踏み込むことができるのだろうか。是非医師会の横やりに負けず、正しい方向に県政を向かわせてもらいたい。
もう1つの話題として、長崎県のまん延防止等重点措置の終了に関する議論が公開されているので、その内容に関して触れたい。
長いけど、国の分科会の資料。
新型インフルエンザ等対策推進会議 基本的対処方針分科会(第 25 回)
一番最後に長崎県の議事録が出ている。
「第 39 回長崎県新型コロナウイルス感染症対策有識者会議の結果(概要)」という資料。
この会議は新知事就任その日の昼休みに行われているので、当然知事は内容について何も知らないはず。事務局である県職員の主導で議事が進行している。
面白かったのが、私のブログにたびたび登場して頂いている長崎大学教授を名乗る占い師が「規制を緩めるな」と発言しているのに(議事録上では匿名)、今日の発表内容を見ると県職員がちゃんと突っぱねているということだ。長崎県職員は長崎市長と違って占い師のいいなりになっていないということが、よくわかる。
この調子で頑張って貰えればいいのだが、やっぱり選挙で世話になった県医師会を始めとした「裏の力」に新知事が惑わされないかどうか心配ではある。今日の知事会見を見た限りでは、まだ期待感の方が大きいので、是非新知事には頑張って頂きたい。