2022年3月26日土曜日

長崎県新知事のコロナ対策には期待できない

 昨日(3月25日)の知事会見を見て、正直大石知事には失望した。

前回、こういう記事を書いたばかりなのに、1ヶ月も経たないうちに正反対の記事を書くことになってしまった。

長崎県新知事のコロナ対策は期待できるかも


会見を見て、もう医師会に取り込まれてしまったのかな、という印象を受けた。知事就任後最初の会見では「経済を動かそう」という意欲が見えたが、それはある意味まだ空気が読めていなかったから言えたのかな、と今になって思う。だんだん空気が読める(空気に巻き込まれる)ようになって、これからは他の知事と大差ないことしか言わなくなるのだろう。


大石知事に期待できるかも、と思ったのは、全国知事会での発言を聞いたことも理由であった。

コロナ出口戦略 制限緩和方針の早期提示を 大石知事、全国知事会に初出席

(長崎新聞3月5日付け)

このほか、濃厚接触者を特定するための「積極的疫学調査」についても言及。感染スピードの速いオミクロン株の特徴を踏まえ、「例えば、濃厚接触者の特定ではなく、重症化リスクの高い感染者の健康観察をさらに重点化すべきではないか」と指摘した。

知事就任から間もない頃には、こういう出口に向かおうという気持ちが発言から見えていたが、昨日の発言からは「感染対策をずっと続ける」という方針しか受け取れなかった。大きな後退である。

濃厚接触者の特定については、自治体の判断でやらなくてもいいという通達が厚生労働省から出た。それを受け、例えばあの沖縄県でも特定をしないという方針を打ち出した。

きょうから濃厚接触者の特定せず 無症状は待機なしに 玉城知事「変わらず感染対策を」

(琉球新報3月24日付け)

一般事業所や小中高校、幼稚園、保育園、特別支援学校などではこれまで実施していた濃厚接触者の特定をせず、無症状の場合は7日間の待機もなくす。濃厚接触者の緩和については24日から実施する。

この件に関して、昨日の会見では大石知事からは何も触れられなかった。自身が知事会で主張したことが国の方針として出されたのだから、普通なら「自分が言ったことを国が認めた」といって自分の実績を誇示し、率先して導入するものだ。これをやらないことが、もう大石知事が医師会や長崎大学の教授などに飲み込まれて、出口に向かう方針を棚上げしたと思わざるをえない。

またこの記事の写真でもわかるが、就任直後の大石知事はやる気に満ちたいい表情をしていた。ところが昨日の会見では、もう元気がないというか、不本意なことを言わされているというか、マスクで表情を隠せるのはいいことなんだろうけど、初期の元気な印象は全くなくなっていた。


会見の中でマスク着用を勧める発言があったことからも、大石知事の「後退」を感じた。

中村前知事はほとんどマスク着用を言うことがなかった。今でも知事会見の時の背景は「マスク着用」ではなく「咳エチケット」としか書いていない。中村知事も最後のほう(飲食店への認証制度を導入した時点)は国の方針に取り込まれてマスク着用を言うようになったが、私が中村前知事を高く評価していたのは、非科学的な「マスク着用」を言わなかったことも理由として大きい。

そもそもマスク着用が感染対策になるという証拠は、学術的には今まで1つも出ていない。コロナ騒動が始まった頃、私の周囲の医師はみな「マスクは汚いものだと教わった。何故突然マスク着用と言い出すのか、全く理解できない。」と言っていたのだ。

私はいろんな場所で何度も紹介しているのだが、このブログでは初めて「マスクに効果がない。逆効果にもなる」と発言している忽那医師の動画を以下に示す。40秒あたりからに注目。


「マスク着用が感染予防につながる」という証拠がないから、富嶽のシミュレーションなどで無理やり証拠を作ったというのが実態なのである。「マスク教」教祖である忽那氏も、上の動画の発言後に「マスクに効果がある」と言い出した理由として、実験データやシミュレーション結果しか挙げていない。

令和4年3月25日 記者会見

3つ目、これは前回も同じですが、会食時を含め、会話をする際はマスク着用をお願いします。マスクを着用することで感染率が大幅に低減するというシミュレーションは繰り返し延べて紹介させていただいておりますが、感染防止対策にマスク着用ということは非常に重要ですので、何とぞよろしくお願いいたします。

大石知事の口から「マスクを着用することで感染率が大幅に低減するというシミュレーション」という言葉が出たこと自体が、大勢に飲み込まれたことの証しなのである。現実社会でマスクが感染拡大を防いだというデータは全くない。それがわかっているので、欧米各国ではマスク着用をやめているのが現実である。大石知事もそれは理解しているので、わざわざ「証拠はある」という言い方をしているとしか、私には思えないのだ。


これは、昨年夏に県の福祉保健部長が変わったことも大きい。

【長崎】中田勝己福祉保健部長が退任会見


中村前知事が、間違ったことばかり言う長崎大学の教授連中や医師会に惑わされずに「正しい理解」をしていたのは、絶対に誰か正しいことを言う人が近くにいたはずである。それが中田前部長だったのではないかと私は思っている。

部長が変わって嫌な予感がしていたのだが、やはりというか新しい部長は変なことを言い始めて、かなりがっかりした。「HOME」って何ですか?


こういう訳のわからないことを言い出す時点で、新しい部長は話にならない。最初の項目以外は全て間違いで、前知事は言ってなかったことだ。つまり前部長は言ってなかったことを、部長が変わったために県の方針として打ち出すことになったのだろう。大石知事が「マスク着用」を推すようになったのも、厚生労働省から出向で来ている部長に配慮してという気もする。


こんな感じで、昨日の知事会見はほんとうにがっかりした。もう最初の姿に戻ることはないだろうから、今後4年間の県政が正直不安でしょうがない。