同一機体で不具合相次ぎ、国指導 長崎空港拠点のORC
ORC旅客機トラブル欠航相次ぐ
これは機材の老朽化が最大の原因なので、正直言って防ぎようがない。
とにかく突然の欠航が多くて、安心して利用できないという声は、よく聞く。
解決策としてATR42という機材を入れようという話は、このブログでも何度も書いている。しかし解決することなく、どんどん事態が悪化しているという状況だ。もう長崎県にせよ長崎市にせよ、とにかく問題を先送りにするという姿勢は、何とかならないのだろうか。
欠航が多い理由は、2機導入しているDHC-8-200(Q200、39席)という機種が老朽化していて、代替機が今だに無い、ということである。ORCは完全にANAの下僕化していて、機材導入や路線開設はANAの意向で動いているとしか傍目には見えない。そして、ANAの意向で更新機はDHC-8-400(Q400、74席)という従来機より大型の機材になった。
ところが、Q400では壱岐空港に離発着できないという問題が生じ、今だに解決策が決まっていない。そうこうしているうちに、Q200の老朽化が進み、整備不良による欠航が続発するという状況になった。
これを防ぐには、もうQ200のうち1機を予備機にまわすしかないと私は思う。Q200がないと困るのは壱岐空港便だけなので、壱岐便にQ200をあて、他の路線はQ400で運行すれば問題ない。
そもそもORCのQ400は今どこを飛んでいるのか。長崎とは全く関係のない福岡宮崎とか、福岡小松に飛んでいるのだ。これは単にANAが飛ばすよりORCに飛ばさせた方が経費が安くつくという、ANAの意向だとしか思えない。
この小松に飛んでいる機材を対馬や福江に回せば、Q200が1機でも長崎県の離島路線網に問題はない。特に長崎対馬便はQ200では定員が少なすぎて、金曜の夜や月曜の朝は満席が続発するという状況になっている。
ちなみに2019年5月31日(金)の対馬長崎便の予約状況。全便満席である。
もっとも、最近は欠航になると困るのでORCの利用は避けられるようになっているみたいだが。
この路線はQ400を導入した方が利用者のためになるのは間違いない。そもそもここはANAがボーイング737というジェット機を1日2便朝夕に飛ばしていた。それで黒字だったにも関わらず、ORCの収益改善のためにORCに移管し機材が小さくなったため、満席が続発するようになったという経緯がある。機材を小型化して便数を増やせば便利になるのは、1日中平均して利用客がいる路線である。長崎対馬のようなビジネス客が大多数の路線では、乗客は朝夕に集中する。そこに合わせた機材を投入しないと、客をさばききれないのは明白なのに、県は「小型化しても便数が増えれば便利になる」と言ってごまかしてきた。この路線で一番利用が多いのは県職員なんだろうから、そんなのは嘘であるとわかっているはずなのに。
今の状況だと、お盆の繁忙期に突然の欠航で移動の足が奪われるという事態になる心配が大きい。Yahooニュースのコメント欄でも、五島の人が去年のお盆にORCが突然欠航して困ったから事前に予備機を用意するなり手を打って欲しいという声がある。とりあえずできることは、Q200を1機予備機にまわすことだ。これは県やORCが自ら対処するとは思えないので、国土交通省に指導してもらうしか手はない。幸い、現在長崎県の副知事は国土交通省からの出向者である。副知事主導で県民の足を守る方策を実行してもらいたい。