2010年10月8日金曜日

県庁舎移転後の跡地利用

県庁舎移転問題を考える場合、跡地がどう利用されるかも当然考慮に入れる必要がある。

反対派の中には、跡地利用を議論することは移転ありきだ、として、跡地利用についての議論さえしないという立場の人もいるようだ。しかし、移転した場合とそうでない場合を比較しないことには、どちらが長崎の将来にとっていいことかはわからない。跡地利用の議論すらしないという意見の方が、反対ありきであり、建設的ではない。

県庁舎が移転した場合、跡地はどうなるか。それを考える場合、今の県庁舎の位置が出島を一望できるすばらしい環境にあるということを認識する必要がある。

長崎の人は、出島というものが全国の人にどれほど認知されているかということに対しての理解が少ない。出島という名前は、日本人ならほとんど誰でも知っているという、知名度がものすごく高いものである。グラバー園とは比較にならない。これだけの高い知名度を持っているという自覚が長崎の人には少ないし、これを観光に利用すれば、どれだけの価値があるかなど、考えたこともないというのが圧倒的だろう。

県庁舎が移転することによって、付近の商店街が衰退する、ということを反対派の人は言うが、移転した跡地に訪れる観光客が多ければ、移転してもらった方が、かえって商店街が繁盛する、というふうに考え方を切り替えてはどうだろうか。

例えば、今の県庁周辺より、グラバー園周辺の方が、商店は賑わっていると思う。ところが上述した通り、グラバー園より出島の方が遥かに全国の人にとっての認知度は高い。うまくやれば、県庁跡地周辺に、グラバー園周辺以上の商店を立地させることは、決して不可能ではないと思える。

このようなことを考えても、県庁舎が移転したら、周辺の商店街が寂れると決めつけていいのだろうか。そこまで考えて、移転問題を議論して欲しいと思う。