2011年1月23日日曜日

長崎駅再開発事業の問題点

長崎駅周辺区画整理事業には、いろいろな問題点がある。

私が思う最大の問題点は、この事業を行うと、長崎駅に貨物列車の乗り入れが不可能になることだ。

長崎市の将来を考える際、長崎と上海を結ぶ航路は非常に重要になると思われる。

そして、航路というのは、人を運ぶだけではなく、貨物も運ぶ。さらに、人よりむしろ貨物の方が重要である。

長崎という中国に近い立地を考えると、全国各地から貨物列車で長崎まで荷物を運び、そこから船に積み替えて中国へ、というルートには優位性がある。当然、長崎から上海へのフェリーは、長崎駅裏に発着することが必須である。

ところが区画整理事業を行い長崎駅が高架化され、鉄道貨物の用地が他用途向けに整備されると、貨物列車が長崎駅まで入れなくなり、上に書いたような貨物の大動脈になり得るルートが消滅してしまう。

ご存知の人は少ないと思うが、今現在長崎駅に貨物列車は来ていない。長崎駅裏にある貨物のコンテナは、佐賀までトラックで運ばれている。

しかし、今貨物列車が走っていないからといって、将来も走らないと決めつけるのはどうだろうか。ちょうど今、上海への貨客フェリーが就航しようとしている。この時期に、貨物列車の復活の芽を完全に絶ち切る区画整理事業は、見直すべきである。