2019年8月2日金曜日

長崎への欧米人観光客を増やすには、広島と長崎を新幹線で結ぶことが重要

日本に来る外国人観光客が増え続けていることは、周知の通りだ。
また、国によって滞在中に使うお金が違うことも、よく知られている。
簡単に言えば、アジアの国からの観光客に比べて、欧米からの観光客の方が長期滞在し沢山お金を日本で使ってくれる、ということだ。

長崎県内には毎日のように大型クルーズ船が寄港しているが、そのほとんどが中国からの船である。県内に滞在するのは日中だけで、ほとんど地元でお金を使わない、ということは、これももう当然のことのように語られるようになっている。

では、どうしたら欧米からの観光客を長崎に呼べるのだろうか。

一番早いのは、新幹線で広島と長崎を結ぶことだ。


私は今広島に来ているのだが、いつ来ても欧米人観光客の多さに驚かせられる。新幹線ホームに立つと、日本人より白人のほうが多いようにさえ感じられる。

これは、JRのフリーパスを持った観光客が、大阪から新幹線で来ていることが要因である。欧米人観光客は長期滞在する傾向にあり、関西に滞在している人たちが広島まで来ているのだ。これはこれで日帰り観光客が多いという問題にもなるのだが、とにかく欧米人の多さにはびっくりする。

新幹線で広島と長崎を直接結ぶことができれば、この観光客を長崎まで呼ぶことは、十分可能である。JRパスを持っている外国人旅行者でれば、追加料金なしで長崎まで来ることができるのだ。

こうして関西から広島、長崎が新幹線ネットワークで結ばれれば、今は広島を日帰り訪問している観光客も、広島や長崎で宿泊することが期待できる。ルート的には関西を朝出て、日中広島を観光客して、夜は長崎へ、という流れができないだろうか。

特に欧米の富裕層に宿泊してもらうためには、高級ホテルが不可欠になっている。広島にもヒルトンホテルができるし、長崎にもヒルトンができる。ヒルトンホテルのネットワークで、広島と長崎への欧米人観光客を集めてもらうことも可能だろう。

また、関西から長崎まで来てもらえば、帰国は福岡空港からというパターンも強化したい。

現在福岡空港には夏季限定だがフィンエアーの直行便が運行されている。この便を使ってヨーロッパから片道は関西、片道は福岡という流れが作れれば、福岡空港の活性化につながる。

北米方面へは、サンフランシスコへの直行便開設を期待したい。福岡空港側は、福岡市のIT企業振興のためにも、サンフランシスコへの路線開設を望んでいるようだが、需要が見込まれないため航空会社側からいい返事がもらえていない。

申し訳ないが、福岡単体だと北米からの需要を喚起できる力はないと思うが、広島と長崎を組み合わせることにより、福岡空港の利用者を生み出す方向性はあるだろう。ユナイテッド航空はサンフランシスコをハブ空港にしており、サンフランシスコと関西空港を結ぶ定期便も持っている。ここと組み合わせることにより、北米からも関西in、福岡outのルートを作ることができる。


山陽新幹線と長崎新幹線を直通させると、こういう需要も期待できる。「自分が乗らないから新幹線はいらない」という視野の狭い意見ばかりいう人には、考えを改めてもらいたい。