2018年1月28日日曜日

長崎市役所新庁舎は高層化が必要

長崎市役所の新庁舎が、「高すぎる」という批判が市民にあるということで、20階建ての予定が19階建てに変更されるという。

長崎市新庁舎、19階建てに変更 市見直し方針


これを見た人は、「その1階分でどれだけ違うのか」、と感じるのではないだろうか。また、20階建ての高層棟を19階建てに変更する一方、4階建ての低層棟を5階建てにするらしい。

じゃ、結局一緒じゃないのか、と思うし、容積が変わらないのであれば、高層棟を低くするメリットは何なのか、という疑問も出てくる。ここは市がきちんと説明すべきだし、高層化に反対する市民も、何で高層棟がいけないのか、という意見を出して欲しい。少なくとも私は、容積を減らした上であっても高層棟を作るのが悪いという理由は、思いつかない。

私は最初から市役所庁舎は高層でないといけないと主張している。それは、高層化し最上階に展望室ができれば、海まで見通せるからだ。周囲のマンションが13階建てになっていて、しかも新市庁舎は崖の下にある。台地の上の高層建築物より高くするには、20階位の高さは必要だろう。もちろん、19階でも構わない。

どれ位の高さならどれだけ見通せるか、というのは、今の時代ならドローンを上げれば、すぐわかることだ。ドローンで写真を撮ってみて、何階建ての高さならこの景色になるという例を提示して、そこから議論をすればいい。


少なくとも公会堂右側のマンションより高くするためには、20階位必要なんじゃないかな、と思う。

私がなぜ高層化にこだわるかと言えば、高層化して最上階に展望室を作れば、新市庁舎に人の流れを作ることができるからだ。

現在、出島から眼鏡橋までは観光客の流れができている。公会堂跡地に高層化した市庁舎ができれば、そこまでは流れを呼び込むことができる。展望室から博物館の全容を見ることができれば、さらに市庁舎から博物館、諏訪神社方面へと観光客の流れを生み出せる可能性がある。

人の流れを作ることで新たな商売が生まれる。眼鏡橋周辺の中島川沿いにも、沿岸を公園化したことで人の流れができ、新しいお店が次々とできている。


長崎の人は、どうしてこういう将来に向けた投資的な発想ができないのかと、本当に残念に思っている。現状維持を訴えるだけでは、ジリ貧になるのは必然であるし、実際にジリ貧になっている。県庁舎移転反対運動にしてもそうだが、県庁舎を移転して跡地を公園にするなどして観光客の流れを作った方が、将来の可能性は格段に広がる。長崎の人口減少が必然になっている状況下で、将来の商売相手を内に求めるのではなく外に求めないといけないのは、当然のことだと思えないのだろうか。

幸い、長崎は観光地としての魅力は高い。国内からの観光客はジリ貧になることが避けられないにせよ、海外からの観光客はどんどん増えている。私の家は眼鏡橋のすぐそばだが、眼鏡橋周辺にいる個人観光客は、日本人より中国語を話している人(多分台湾人。クルーズ船で来る中国人以外の個人旅行客である。)の方が遥かに多い。こういうインバウンド観光客は、新市庁舎に展望台ができれば、そこまでは回遊することが見込まれる。魅力ある観光スポットを増やすことが、長崎全体の魅力を高めることにつながるのだ。

最初に出したYahooニュースのコメント欄を見ても(リンク先がすでに消えているかもしれませんが)、高層化した方がいいという意見の方が、低層化しろ、という意見より強い。多分、高層化しろという意見が他所の人で、低層化すべきという意見が地元の人主体じゃないかと感じる。

長崎の人は自分の狭い範囲の意見だけでなく、もっと他所からどう見られているのか、ということまで考えた方がいいと思う。長崎はどの程度魅力的に見えるのか、冷静に考えて欲しい。