2014年8月21日木曜日

クルーズ船寄港地としての長崎の魅力

久し振りに昔の記事を見返してみると、こんなことを書いていた。

中国からの買物クルーズ客は、あっという間に福岡と鹿児島に取られてしまった。

 じゃ、長崎にクルーズ船は来なくなったの?ということで、自分の発言に責任を持つ意味も含めて、今の状況をまとめておく。

2008年から2013年のクルーズ船寄港状況は、ここを参照。

いや、確かに2010年は、外国船の寄港数で、長崎は鹿児島に逆転されている。それを元に書いたのが、最初に挙げた記事である。

それで、その後どうなったか。

鹿児島の寄港数が増えたのは、近くにイオンの巨大なショッピングセンターができて、そこにバスで中国人買物客を運ぶ、というやり方が、当たったからである。

しかしその後、鹿児島への寄港数は激減した。まあそりゃ、買物目的なら福岡には勝てない。買物以外の魅力を、鹿児島が提示できなかったのが敗因である。

そして長崎は盛り返す。これは、買物以外の寄港地としての魅力が高かったからに他ならない。

確かに中国人向けクルーズ船の第一の目的は買物かもしれない。しかし、買物プラス1、という観点でコースを組んだら、博多港と長崎港に行き着いた、というのが現実である。天津から博多と長崎をまわって天津に戻る、というツアーが2014年に急増している(もっとも、こういう一気に増えたものは、一気になくなる可能性もあるのだが)。

また、沖縄や石垣が上位にあるのは、台湾からのクルーズ船が多いからである。距離が違いので、これは別種のものと考えた方がいい。


欧米人が中心のクルーズ船になると、日本の寄港地は横浜・神戸・長崎が評価が高い。長崎の相手として見ると、神戸はもう相手になっていない感じである。また横浜の寄港数が多いのは、「寄港地」としてよりも、関東にあるため「乗降地」としての役割の方が大きいからだ。となると、「寄港地」としてだけの魅力でいえば、現時点で、長崎が日本一なのである。

実際に、長崎がこれだけ寄港地としての客観的評価が高いということに、長崎市民はどれだけ気付いているのだろうか。