2011年3月30日水曜日

いま長崎の被爆者が福島の人に対してできること

福島の原子力発電所の事故で大変なことになっています。

言うまでもなく長崎は被爆地であり、今でもたくさんの被爆者の方が元気に生きておられます。

これまで長崎は、原爆の恐ろしさ、被曝の恐ろしさについては、世界中に発信してきました。

しかし、被爆後65年が経った今でも、被曝しても元気に生きている人がたくさんいる、ということについては、ほとんど発信していなかったと思います。

そのため、とにかく放射線は恐ろしいものだ、というイメージだけが世間に広がっている印象を受けます。

今大事なのは、放射線の恐ろしさだけを発信するのではなく、ある程度の放射線量を受けても、大きな健康被害はない、ということも伝えて、福島の人の不安感を取り除くことではないでしょうか。

長崎(そして広島)には、今、福島の原発の近くに住んでいる人が受けた、あるいはこれから受けるであろう放射線量より、遥かに多くの放射線を受け、しかも被爆後65年経っても、元気に生きている人が沢山いるのです。

この、今元気に生きている被爆者の方々が福島に出向いて、放射線の被害に対する不安を持っている人達に、「私は何シーベルトの放射線を浴びたけど、65年経っても、この通り元気です。みなさんが受ける放射線量は、私たちより遥かに少ないはずです。私は子どもの時に被曝しました。赤ちゃんの時に被曝しました。それでもこの通り元気です。みなさんも、どうぞ心配しないで下さい。」と直接語り、現地の人を勇気づけてあげることはできないでしょうか。

今大事なのは、放射線の怖さを語り福島の人を不安にさせることではなく、不安を取り除くことでしょう。マスコミの報道では、放射線による健康被害のことしか話されていません。これでは、いくら心配しなくても大丈夫だ、と言われても、誰でも心配になります。この不安感を取り除くことができるのは、長崎、そして広島の被爆者しかいないのではないでしょうか。