2018年12月2日日曜日

長崎ソウル便の利用補助金は税金の無駄遣いだ

ちょっと古い話だが、長崎空港発着の国際線利用者に補助金が出るが、特にソウル便の利用者が少ないというニュースが出ていた。

長崎就航2年 ソウル便 伸びぬ邦人客

私もソウルに用があることは無いのだが、トランジットで使えるかもしれないということで一度利用したいと思っていた。

今日、この便に乗ってみたので、その感想を書く。


参考までに、上の記事で重要な部分を引用しておく。
県などでつくる県空港活性化推進協議会と日本旅行業協会(JATA)長崎支部などは長崎-ソウル線、長崎-上海線の旅行商品の代金を先着200人を対象に5千円値引きするキャンペーンを10月27日から11月末まで展開中。ただ、8日時点で長崎-ソウル線の商品に申し込んだのは4人だけ。同室は「ぜひとも利用してほしい」と呼び掛けている。
本稿はこの値引きキャンペーンが無駄なお金だ、と言いたいのだ。


最初にこういう補助金にはどんな効果があるのかを考えてみる。

今回のような一時的な補助金は、一度利用して利用者に良さを知ってもらい、次回以降は自費で使うことにより、価値が生まれる。そう、自腹を切ってでも使おうという気持ちを持ってもらえないのなら、補助金は全くの無駄になるのだ。

補助金が出て安いから利用しよう、安くないのなら使わない、というケースもありうる。その場合は永続的に補助金を出し続けないといけないのだが、果たして補助金を出してまで路線維持をするメリットがあるのか、という別の価値判断が必要になる。今回のケースは違うので、その議論はしない。


なぜソウル便の日本人利用者が少ないのか。長崎から韓国への旅行客が多くないということもあるが、この便の最大の問題点はソウル発の時間が早すぎることだ。引用した記事中にも触れられているが、ソウル発は朝7時55分。空港に2時間前に着く必要があるので、6時頃には空港に着かないといけない。エアソウルはLCCなので時間には厳しいため、ここは絶対条件になる。市内のホテルから空港まで1時間程度かかるので、ホテル発は朝5時だ。そうすると、何時に起きないといけないのか。

入国審査の時に近くにいた旅行客のご婦人と話をしてみると、やはり4時起き5時出発ということだった。

私もホテルを5時前に出たが、これは避けたい。多分タダででも一度この行程を経験すると、もう行きたくないと思うだろう。つまり、補助金の目的を全く果たせておらず、逆効果にしかならない、ということだ。


このソウル便が全く使えないということでもない。ソウル仁川空港はいわゆるハブ空港であるため、ソウルで乗り継いで他の国に行き来する時には使えるのではないかと思う。朝が早いといっても、早朝にソウル着の便から乗り換えるのなら、ちょうどいい時間になることもある。

乗り継ぎで使うと言っても、宿泊を伴う場合はきついな、というのが今回の印象だ。まさに早朝着便限定でしか使えないだろう。トランジット利用で宿泊が必要になることは多々ある。成田空港近くにホテルが沢山あるのも、乗り継ぎ利用者が宿泊するためのものだ。余談になるが、羽田空港が国際化される前も、成田の方がソウル仁川より遥かに多くの人に乗り継ぎ利用されていた。また長崎から海外旅行をする場合に成田で前後泊することはは珍しくなかった。そういう利用者が成田ではなくソウルを使う、というのは、ちょっと勘弁、という気がする。


そうして最後にダメ押しだったのが、長崎空港での税関検査である。

私はこの数年、月1回平均位で日本に入国している。そして、今まで一度も税関で荷物を開けろと言われたことはなかった。

ところが今日初めて荷物を開けさせられ、金属探知器にも通させられたのだ。

出入国で時間がかかるというのは、その空港の利用をためらう大きな理由になる。例えば今回の仁川空港では、空港に着いてから出国審査が終わるまでに1時間近くかかった。これではトランジットで使う気になれない。

帰国時に入国審査でどれだけの時間がかかるかというのは、家に帰る時間が違ってくるので、できれば早く終えたい。

福岡空港で仮に審査が長引いて、長崎に戻る高速バス『九州号』が1本遅くなると、家に着くのが1時間遅くなったりする。タイミング次第で、入国審査の1分2分が命取りになることがあるのだ。飛行機の遅れで家に帰るのが遅くなるのは仕方がないとあきらめがつくが、税関でつまらないことに時間を取られて遅くなるのは、非常に不愉快だ。

福岡空港の場合、日本人だとすんなり通過できることが多いので、ここでストレスを感じることはない。しかし今日は長崎空港で時間を取られて、危うくリムジンバスを1本逃す所だった。1本逃すと30分遅くなったりすることもある。幸い出発間際のバスに乗れて、実害はなかったが。


長崎空港発着の国際線を利用しようと思うためには、いろんな要素がある。値段だけではなく、出入国手続きの手間や航空会社の快適性などである。

私も一度だけシンガポールに行く際に、長崎発着上海乗り継ぎを利用したことがある。結論としては、もう使いたくない、という印象を持った。

その理由は、中国東方航空のサービスレベルが低いこと、乗り継ぎの上海浦東空港が快適に過ごせないことなどである。

もちろんメリットもあって、値段が安いこと、時間帯がいいこと、長崎空港での出入国がスムーズに行くことが挙げられる。

実際には福岡空港からキャセイパシフィック航空を使って香港経由で行くことが多い。それはキャセイパシフィック・キャセイドラゴン航空のサービスレベルに満足できていること、香港空港でのトランジット時間を快適に過ごせること、香港で乗り継ぎのために1泊することもあるが、宿泊地としての香港の魅力が高いことなどが挙げられる。

上海乗り継ぎだけでなくソウル乗り継ぎでも条件を比較してみたい。長崎ソウル線に就航しているエアソウルはアシアナ航空とコードシェアを行っており、ソウルから先はアシアナ航空を利用することになる。アシアナ航空には乗ったことがないが、多分サービスレベルには満足できると思う。しかしソウルに宿泊地としての魅力を私は感じない。

最初のテーマに戻ると、ある路線を利用するには値段以外のいくつかの要因があるので、補助金を出して値段のメリットを出した所で、他のデメリットを打ち消せなければ、補助金の効果はないということになる。

そして長崎空港の税関の問題。これも長崎空港国際線利用のメリットを見事に打ち消してくれた。もちろん金の密輸が多発しており、地方空港が狙われているから厳しく検査しないといけないのはわかる。しかしそれが原因で福岡空港を使った方がいいと思われるのでは、元も子もない。税関検査が原因でその空港が避けられることがあるというのは、フランクフルト空港が実証しているので、長崎空港はそうなって欲しくない。

もちろん長崎空港の審査を緩くして欲しいと言うつもりは毛頭ない。福岡空港と同程度になればいいだけである。ちなみに、長崎空港は長崎税関の、福岡空港(対馬の厳原・比田勝も)は門司税関の管轄になる。

税関の立場からすると、地方空港が密輸で狙われるのであれば、わざわざ地方に職員を配置してコストをかけるよりは、極力地方空港を使わせないようにして拠点空港に利用客を集めた方が効率的だということにはなる。

私は今までどこの税関でも荷物を開けろと言われたことがないのだから、税関職員から見て私が怪しい人間でないのは間違いないはずだ。長崎だけ厳しいというのは長崎空港を避けたいという理由になってしまったので、その辺は職務遂行にあたって税関側も考えて頂きたい。

2018年9月19日水曜日

長崎市は長崎駅南口設置に反対

今日は長崎市議会の都市整備・交通対策特別委員会が開催され、長崎電気軌道と九州旅客鉄道(JR九州)から担当者を招いて意見交換が行われた。

昨日の県議会傍聴に続き今日も傍聴し、県と市の新駅に対する考え方がわかった。

まず私が主張している、新長崎駅から現長崎駅前電停まで市営で低床電車を走らせ、長崎電気軌道に運営を委託するという案だが、長崎電気軌道からは難しいという回答があった。まあ、今の電鉄を取り巻く環境を考えると、運営受託だけでも厳しいのかな、という気にはなった。


最大の問題点である南口開設に対するJR側の意見だが、改札口は一ヶ所しか作らないということは明言された。

但し、県から南口開設に関する打診は受けているということで、例えば県が費用を負担することになっても開設できないのかという質問に対しては、正式に依頼がないと答えられないということであった。

そして市がどう考えているかだが、市は東口を交通結節点として利用したいため、南口の開設には反対、ということだった。

昨日の記事にも書いたが、県は南口改札を作りたいが、市の計画では南口に人を流したくない、ということなので、県はこれ以上強く意見を言えない、という状況のようである。まちづくりに関する計画策定は、当然市によるものが優先されるし、県が口を出すべきことではない。


実は参考人が帰った後の、議員と市職員との質疑応答が紛糾した。「なぜ南口を作れない」「高架で導線を作っておかないと、この付近はよく水没するから防災面でも必要だ」と市議側が主張しても、「南口に人が出ても不便だ」「浸水しても排水能力は高めているので、すぐ排水できる。水が引くまでの間は高い所(現実プラットホームしかない)で待っていればいい」という市からの回答、ということが繰り返された。

今の長崎駅周辺の最大の問題点は、駅前の国道202号線が渋滞するということである。となると、当然駅が移転した時には、西口や南口に交通量を分散させ、202号線の交通量を減らすことを考えるべきだ。ここの交通量が減れば、電停への平面横断が可能になったり、サイドリザベーション方式(電停を現在の高架広場付近に移して、歩行者が電停に行きやすくする。熊本や鹿児島で採用)を取ることもできる。サイドリザベーション方式が現状否定されているのも、電車が道路中央から端に横断するための、信号の時間を確保できないことが主要な理由である。電鉄側は電車の通行時間が確保されたサイドリザベーションなら大歓迎だ、という雰囲気だった。

にも関わらず、市は現在の計画をそのまま無修正で通したいようで、以前の記事で書いたように、「西通り線に負荷がかからないように誘導する」、すなわち東口、202号線側に車両を誘導する、ということである。


今日で長崎県、長崎市、JR九州の話を全て聞いたことになる。市が東口の混雑緩和、南口開設に方針転換すれば、あとはすんなり進むんじゃないか、という気はする。

2018年9月18日火曜日

新長崎駅南口設置の可能性はある

本日の県議会(2018年9月17日)で、前田哲也議員と浅田眞澄美議員から、新長崎駅周辺の開発事業について質問があった。それを傍聴した感じだと、南口設置の可能性はあるんじゃないか、という印象を持った。

状況を整理すると、基本的に駅周辺の区画整理事業は長崎市の事業であるが、駅の南側の道路は県道であり、その南の県庁舎は当然県の持ち物なので、これらの部分に関しては県が開発することになる。また、在来線の連続立体化工事は県の事業である。県の事業の部分について、今日県議から県側に質問があった。

区画整理事業の概要に関しては、過去の記事を見て頂きたい。いやいや最初の記事は2010年10月だよ。結構昔から言ってるよねぇ。私としては、ずっと訴え続けていたことが市議会だけでなく県議会でも取り上げてもらえて、とても嬉しかった。


さて、今日の話。とりあえず私なりに重要だと思っている部分は2点。アミュプラザ裏側の側道部分に、アミュと県庁舎を結ぶペデストリアンデッキを作ることと、長崎駅の県庁側に改札口を作ることである。

まずペデストリアンデッキ。県も重要度はわかっているという答弁。ただ、アミュプラザ拡張の設計がわからないので、設計が終わってから検討する、ということだった。それでは遅いよ。アミュの計画が決まる前に県とJRが話し合って導線の設計を決めなきゃだめでしょ、という、前田県議から当然の指摘があった。

そして改札口。知事から「改札を作るなら運営費用は県が負担するようにJRが言っている」という答弁。但し「県は負担できない」とは言わなかった。じゃ、負担する可能性もあるんですね?

私が主張しているのは、新幹線は後にして、在来線が先に出来るんだしその部分は県の事業なんだから、在来線だけでも簡易な改札口を県が用意して、費用も県が持てばいいんじゃないか、ということ。

例えばこんなの。


これは現川駅。ICカードリーダーが立っているだけ。
これを新長崎駅在来線の県庁側の端に作ればいい。最初は県庁通用口という形でICカード専用改札口にして(もちろん県職員以外でも利用できる)、通勤時間帯だけ開けるようにしてもいい。県庁舎で雇っている警備員をローテーションで配置して、ICカードを持たない人が来たら1階改札口に誘導する。その位の人件費なら県も負担できるだろう。

それで人の流れが見えた時点で、新幹線の改札口をどうするか考えればいい。

ちなみに、今日も中村知事から「頭端式の駅だから」というような表現があった。知事にやる気があることだけは、間違いない。

改札口についても、浅田議員から「県が負担してでも作ると言って下さい」と催促されたが、県側は「市が作る計画を立てないから」云々という返事だった。とりあえず区画整理事業は市が主体だから、市が「是非南口を作って下さい」と県にお願いしないと、難しい雰囲気である。


とはいえ、県側にペデストリアンデッキと改札口を作る気はある、ということがわかったことは、大きな収穫だ。

2018年9月4日火曜日

旭大橋横の、国道から県庁舎までの側道は歩車分離にしよう

前回の記事を書いた後に、何人かの人とこの話題について話をした。

駅周辺の問題に関わるようになって思うのは、いろんな人と話をすると、いろんなアイデアが出てくるということである。個人の発想や能力には限界があるので、話をするというのは重要なことだということを再認識させられている。

このブログで書いている内容が、ほんの一部でも実現されれば、本当に素晴らしいことだと思う。また、このブログに書いていることは、私1人のアイデアではない。いろんな人が出したアイデアを、私がまとめて書いているだけだ。

それで前回(というかこれまで全体)の補足なのだが、そもそも「トランジットモール」って何なの?ということを書いておく。

言葉ではわかりにくいから、写真を見てもらいたい。
私がフランスのニースで撮ってきたものである。

商店街の中を路面電車が走っている。線路の上を普通に人が歩いている。


これは上の写真の先の区間。広場の中を路面電車が走っている。

上と同様。この区間のすごい所は、架線がないこと。ここだけバッテリーで走る。


新長崎駅の改札口と現電停の間も、こうして歩行者と路面電車だけが走るようにすればいい、というのが私の案である。

ついでなので、富山駅の写真も。

新幹線の改札口。後ろを振り返ると、

正面に路面電車のホームが。雨が降っても濡れずに乗り換えができる。

新幹線の高架下に、路面電車が入っていきます。

市議会議員の方々も視察に行っているので、富山駅の現状を見ると、長崎でも実現したくなるのが自然な感覚だろう。


それから今回のタイトルに関する話に移る。

現在のアミュプラザ裏の旭大橋側道部分にペデストリアンデッキを作って、国道202号線から県庁までの導線を高架にして完全歩車分離を実現させれば、地上部分の歩道は狭くしても問題ないのではないだろうか。その分車線を増やせる。

この部分については先日の市議会特別委員会でも大きな話題になった。今でもアミュプラザ駐車場入口が混雑しているのに、駅が移転すれば今以上に大渋滞になるのは明白だから、拡張して欲しい、という意見が委員の議員から出た。それに対し市は「道路幅が狭いから難しい」という答弁だった。実はこの部分は県道なので、市が打てる対策は限られているのだ。

側道を広げる土地はアミュプラザ側にあると思えるが、あの部分は駅ビルへの搬入口が必要で、ある程度の車道なり導入路は必要になる。そこまで考えると、土地が狭いことに違いはない。

となると、もう完全歩車分離にしてしまって、地上部分は人が歩かないようにすればいいのではないか、という案が浮かんだ。

この辺は法的な条件がわからないので何とも言えないが、浸水時に県庁舎までの高架の導線が確保されることは非常に重要なので、県側に早めの対策を打って欲しい所である。

2018年8月29日水曜日

車での新長崎駅乗降は西口活用に誘導すべき

今日の長崎新聞に、昨日行われた長崎市議会特別委員会での話題が取り上げられていた。

リンクは無し。内容を一部引用する。

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「動く歩道」市が検討


・長崎市は28日の市議会都市整備・交通対策特別委員会で、新駅舎から東側の国道手前まで200メートルの区間に電動の「動く歩道」など歩行者支援施設を設置する方向で検討していることを明らかにした。

・複数の委員が賛同した一方で、新駅舎と国道の電停を結ぶ方策として「低床電車を入れてピストン輸送してはどうか」との意見も出た。
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私的には後半部分の引用内容が重要であるが、それはさておき。

私は当日傍聴し、資料も頂いた。以前からこの事業に関する問題点をブログで指摘してきたが、今回の資料を見る限り、いい方向に進み始めたのではないかと感じた。

長崎駅周辺土地区画整理事業は大丈夫なの?


特に上の記事で取り上げた話題について改善が見られた。多分、市と県の協議が進んで、県職員からの助言があったのではないかと思う。

以前の計画は、これ。

長崎市のHPより引用)

それが、こうなった。
(当日配布された資料より)

微妙に変わっているが、何が一番違うかといえば、東口ロータリーへの入口道路。
これがNHK前に統一されて、国道202号線現駅前電停付近の流れが格段に良くなっている。

それでも八千代町方面から駅に入る右折レーンが混むのではないか、という懸念が強く、委員の市議からも沢山意見が出た。

右折車を減らすにはどうすればいいのか。答えは簡単。左折で駅に入るように誘導すればいいのだ。つまり、北側から駅に来る車は、西口を使うように誘導すれば一気に問題解決なのである。さらに、現駅前の交通量を減らすことができ、現電停への平面横断が可能になる。八千代町電停が平面横断可能なのだから、交通量が減って大きな交差点もなくなる現駅前電停北側に、横断歩道を作れない理由はないのだ。

ちなみに、新しい方の計画図を見てもらうとわかるが、現駅前電停北側の歩道橋には、歩道2ヶ所、電停2ヶ所の計4ヶ所にエレベーターが設置されることになっている。平面横断ができれば、この4ヶ所のエレベーターの建設費や維持費が不要になる。


ところが市のまちづくり部長の答弁によると、「西通り線の道路幅が狭い」ために、「西通り線に負荷がかからないように誘導する」のだそうだ。私が今書いた話とは真逆になる。

さすがにこの答弁には、議員の方々もあきれていた様子。そこまでして当初計画を変えたくないんでしょうかね。

また気付いていない人も多いが、この計画が一気に完成する訳ではない。まず先に在来線の高架化が完成し、在来線の移設が終わってから工事をして新幹線駅が完成する。つまり在来線が高架化されてしばらくの間は、駅の利用者全員が西口を利用することになる。東口はその間工事中なのだ。

そしてこれはあくまで私感だが、東口より西口のほうが、タクシーや自家用車で駅を使う人にとっては使いやすい。一度便利な西口を使って、その後東口を利用して下さいって誘導した所で、どこまで東口に移るのやら。部長の言う通りに、事が進むとは到底思えない。


それから新聞記事にもなっている歩行者支援施設。

私は以前から路面電車乗り入れを主張しているし、昨日の委員会でもその提案はあった。市が市の予算で軌道を引き車両を買って、運営だけを長崎電気軌道に委託すればいいのだ。この路線を新駅舎の改札前から現電停まで市営にすれば、運賃が取れるから維持費も捻出できる。そもそも動く歩道案がなくなったのも、維持費がかかりすぎることが理由の1つだった。そりゃ、あの辺は大雨で頻繁に水没するから、水没する前提で維持費の計算をしないといけませんからね。

ところで地図を見てもらえばわかるが、現電停から新駅舎まではかなりの距離があるが、実は現アミュプラザの建物がその半分位の距離まであり、今でも現電停からロイヤルホスト横までは2階部分で歩道橋がつながっている。残り半分の距離にJR九州が建物を作るそうだから、その中にJR九州の負担で動く歩道を作ればいいのだ。

駅にある動く歩道といえば、大阪の阪急梅田駅が有名である。梅田駅の改札から阪急百貨店までの間に、阪急電鉄が動く歩道を設置している。JR九州も同じこと。長崎駅の改札口からアミュプラザまでの間に、自費で動く歩道を作ればいい。それ位は市がJRに要求しても、決して過大な要求だとは思えない。

但し大きな違いとして、阪急電鉄は阪急電車を利用して阪急百貨店に来ることを期待しているが、JR九州の場合、車で来て駐車場に車を止めてアミュプラザに来てもらうことを前提にしている。JR九州は不動産会社なので、自社の鉄道に乗ってもらうことよりも、駐車場収入の方を遥かに重要視しているということが(鉄道利用者には博多のアミュプラザを利用することを期待している)、阪急梅田の事情と大きく異なっているのが残念なことである。

2018年8月7日火曜日

長崎県内の並行在来線第三セクター化で佐賀県内は在来線非分離を確約させよ

フリーゲージトレインの開発断念で、長崎新幹線の佐賀県内部分をどうするか、という問題の解決策が求められている。

佐賀県知事に協力要請 与党検討委、整備方式巡り


国は全線フル規格かミニ新幹線方式のどちらかにしたい意向だが、いずれにせよ佐賀県が負担を嫌い、解決策の提案を待つ状況である。

私は全線フルを求める立場であり、同時に佐賀県は追加負担ゼロにすべきだと考える。そのためには、武雄温泉新鳥栖間はノンストップにするしかないと思っている。

佐賀県側がもう1つ問題にしているのが、仮に全線フルになれば並行在来線分離問題が出る、ということだ。佐賀県内の在来線が第三セクター化させられるのではないか、という懸念である。

この懸念を払拭させるためにも、私は以前にもここに書いた、長崎県内のJR路線を第三セクター化させて、そのかわりに佐賀県内はJRが直営にするという約束をJR九州に求める、という方法を取るべきだ。ちなみに、肥前山口諌早間は20年間JR九州が運営することで合意済みだ。

そもそも、今のJR九州に長崎県内の在来線を運営させて大丈夫なのか、ということは、長崎県側が真剣に考えないといけない問題なのである。ハウステンボスにカジノを含むIR施設が建設されることになると、今以上に長崎とハウステンボス・佐世保を結ぶ路線の重要性は高くなるし、福岡からハウステンボスまでの輸送も考える必要がある。このままJR九州が大村線を運営すると、車両は全部ロングシートのワンマン運転で、本数も区間快速が1時間おきで、諌早で長時間停車をして使い物にならない、とうい状況になるのが目に見えているのだ。

ここは県内在来線を第三セクター化し、ハウステンボスやIR事業者にも鉄道運営に参加してもらう方が、遥かに乗客本位になり、ハウステンボスや長崎の観光客誘致に役立つ。

佐世保線の第三セクター化については、新幹線接続路線まで長崎県第三セクター会社が運営した方がいいので、武雄温泉以西は全部長崎県の第三セクターへ移行する方が都合がいい。但し、これに関しては佐賀県・武雄市・有田町の意向をふまえて決める必要があろう。

新幹線問題に関しては、とにかく佐賀県がのめる案を提示する必要がある。長崎県も国にお願いするだけではなく、自ら案を提示する姿勢が求めらるのだ。

2018年8月2日木曜日

鹿児島銀行主導で長崎県に新銀行の設立を

私は十八銀行とふくおかフィナンシャルグループの統合には反対であった。
理由はここここここに書いたので繰り返さない。

今の雰囲気だと、どうやら統合が認められるようである。となると、統合されても上に書いたデメリットがなくなる方策を考えたい。

最大の解決策は、長崎県内に本店を置く新銀行を設立することだ。それをやるとすれば、山口フィナンシャルグループ(YFG)か九州フィナンシャルグループ(KFG)しかない。YFGは傘下の北九州銀行が、KFGは傘下の肥後銀行が、それぞれ長崎県内に支店を持っている。

ここで気になるニュースが目に入った。何と、KFGの鹿児島銀行が十八銀行の債権を「全件引き受ける」と言うのだ。県内に支店がないにも関わらず。

鹿児島銀も「全件」


佐賀銀行が全件引き受けると言うのは、わかる。隣県だし、長崎県内に支店もある。しかし、何故鹿児島銀行なのか。支店もないし、同グループの肥後銀行が長崎県内での営業を強めている状況なのに。

これは多分、肥後銀行の煮えきれない姿勢に鹿児島銀行側が我慢できず、「ならうちが乗り出す」、ということになったのではないだろうか。

私も肥後銀行と付きあいがあるから、雰囲気はわかる。とにかく肥後銀行の行員は反応が悪い。行員のレベルでいえば、十八未満、親和並み、という感じだ。これだと普段から鹿児島銀行の行員は肥後銀行に対して、いらだちを募らせていてもおかしくないと思う。

ならばいっそのこと、鹿児島銀行主導で長崎に新銀行を設立すれば話は早い。

この状況で新銀行を設立すれば、優秀な行員を十八親和両方から引き抜くことができるし、支店の場所も両行の支店が統合した場所の一方を居抜きで取れる。融資だって十八親和の「借り換えサポート」を使って簡単に増やせる。こんなにおいしい話はない。

十八親和両行とも統合すれば人が余る。支店も減る。支店長の数も減る。だったら新銀行が「支店長募集」と声をかければ、簡単に優秀な人間を十八親和から引き抜くことができる。そこから先は芋づる的に人は抜ける。

かつて福岡銀行の行員から、「親和銀行の行員と同じ給料にはされたくない」という話を聞いたことがある。まあそりゃそうでしょう。福銀から見ると、あんな無能な親和の連中と同じ給料じゃ馬鹿馬鹿しくてやってられないだろう。だからこそ銀行同士は合併せず給与体系も別にしていて、福岡銀行の長崎支店だって閉鎖されずに残っているのだと推測できる。

ということは、鹿銀が長崎に設立する新銀行も、給料を高くすればいい。当然、それに見合う人材だけを十八親和から引き抜けばいいのだ。元十八の行員が新銀行に入って、かつての顧客を回って「借り換えサポートでうちに移して下さい」とお願いすればいいのだ。営業店の窓口もあまり作る必要はないので人件費もかからないのだから、給料は高くしても何の問題もない。

そして「県内銀行だ」ということで、長崎県や県内市町の指定金融機関も取りにいけばいい。山口銀行が北九州銀行を設立したのは、北九州市の指定金融機関になるためだという理由が大きかった。十八親和の合併で県内の仕事を競争無しに取ろう、なんて安易な考えを通してはいけない。

これでKFGが肥後、鹿児島、長崎新銀行の3行になれば、鹿児島側が2対1になって、グループ内での発言力も強まるし、いいことづくめだ。

もし鹿児島銀行の関係者がここを読んでいらっしゃれば、是非検討願いたい。
ちなみに、私の会社も借り換えサポートで、鹿児島銀行への借り換えをお願いします。鹿児島には何の縁もなく、現在肥後銀行から融資を受けていますが。それ位期待しています。