2021年8月21日土曜日

長崎大学の占い師の予想は外れる

 また長崎新聞の記事から。

「1カ月前の東京のよう」 長崎大病院・泉川教授が会見 感染状況に危機感

長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は20日、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、県独自の緊急事態宣言が19日に出されたことを受けて会見。県内の現状を「1カ月前の東京に若干似ている。嵐の前の静けさのようで恐れている」と危機感を示し、「今すぐ知事が示した感染対策を実施し、ワクチンも打ってほしい」と訴えた。

多分、この予想も外れる。長崎県の感染者はこれから減少していくというのが、私の予想である。

具体的な私の予想は以前この記事に書いた。

長崎大学の感染推計は絶対に外れる

一応私の予測も書いておけば、お盆過ぎまでダラダラ流行が続いて、ピークはせいぜい70〜80人程度じゃないかと思う。但しこの1年間書き続けているが、長崎県程度の感染者数だと、クラスターの発生状況に大きく左右される。高校生のクラスターがいくつか見つかれば(これも、濃厚ではない接触者の調査をどこまで広げるか、に関わってくる)、100人を越えることも有り得るが、高校生にいくら陽性者が増えた所で、ほとんど無症状、症状が出ても微熱が2〜3日続く程度なので、ことさら大騒ぎすることでもない。家で療養すれば医療機関への負担もかからない。子どもから親に感染させることも、現状ほとんど無い。家庭内感染は「子から親」ではなく「親から子」のケースが大多数なのである。

感染状況が落ち着いてから振り返りの記事を書こうと思っていたのだが、途中経過という感じで今現在の見解を書いておく。

私は長崎県の感染状況はおおむねこの予想通りに進んでいると思っている。100人を越えることがあっても1日位だと思っていたのだが、実際にはもう2日超えてしまった。そういう部分では予想が外れてしまったが、その位は誤差の範囲内だと思って頂きたい。


私のブログを読み返してもらえばわかることだが、コスタアトランチカの騒動以来、私の予想は全て当たっている。それに対し、長崎大学の占い師の予想は、全部外れている。

普通は外れ続ける占い師の予想は、そのうち誰も聞かなくなるものだが、たちが悪いことに、この占い師は「長崎大学教授」の肩書きを持っているので、予想が外れ続けても、人々が言うことを聞くのだ。

長崎大学の先生は、とにかく悲観的なことを言って県民の不安感を大きくすることを意図して発言している。それは以前書いた内容の通りである。県民の行動変容が感染拡大防止に寄与することはほとんど無いのに、それでも少しは影響があって、感染者が減り自分たち医療者の仕事が楽になればいい、と思っている。そのために飲食店や宿泊業者の経営が圧迫され、精神疾患が増え自殺者が増え、子どもたちの成長にとって大事なさまざまな体験の機会や学習の場を奪うことを、何とも思っていない。

感染症の専門家は、感染症が原因で病気になる人が減れば全て良しで、精神を病む人が増えて自殺者が増えても、自分たちは関係ないと開き直った発言をする人さえいる。


今回言いたいのは、何故こういう県民の不安感を増すような発言を記者会見を開いてまで行う必要があるのか、ということだ。今まで長崎大学の占い師がこういう会見を開いた場合、そこから感染状況が落ち着いてくる、ということを繰り返してきた。自分の予想が外れたことを研究者として恥ずかしく思わないのかと私は思うが、「教授」を名乗っていても研究者ではなく占い師なのが実態なので、何とも思っていないのが真相だろう。

2021年8月20日金曜日

「感染しない、させない」がコロナ被害を大きくする

長崎新聞に以下の記事が出ている。

「死活問題」「逆効果」の声も 緊急事態宣言 長崎県民反応 医療従事者「危機感を」

新型コロナの患者を受け入れている病院で働く別の女性看護師は「感染しない、させないという緊張状態が1年半続き、みんな疲れ切っている」と職場の窮状を吐露。


私は、コロナ禍で人々が疲弊する最大の原因は、この「感染しない、させない」という意識にあると思っている。

そもそも感染して何が悪いのか。無症状やタダの風邪で終われば全く問題はない。だから、感染対策としては最初に「罹っても大丈夫な体づくりをしましょう」ということになるはずだ。

初期の頃には専門家も「ウイルスに負けないようにちゃんと食事をして睡眠をしっかり取って適度な運動をしましょう」と言っていたが、そういう声は最近全く聞かなくなった。私がブログで珍しく評価していた熊谷千葉県知事も、千葉市長時代には「ウイルスに負けない体づくりをしましょう」と言っていたのに、最近は言うことがおかしくなって、Facebookで「マスクを着用していない人がウイルスを撒き散らしている」と発言する始末だ。

私のブログの過去記事から。

徹底した感染対策を取っている人ほど新型コロナに感染している

以下は、上記記事で引用した熊谷氏のFacebookでの発言である。

私も市長としての職務に加えて早朝・夜や週末に選挙に向けた諸作業をしていますが、しっかりと睡眠を取り、免疫力を維持するよう意識しています。また、毎日の体温測定などの健康管理も徹底しています。

https://www.facebook.com/toshihito.kumagai/posts/3648746841861464

から引用。2020年12月17日の発言。


そもそも重病人でもない人を病院やホテルに縛りつけていることに何の意味があるのか。濃厚接触者だというだけで14日ホテル隔離されたりもしていた。健康な若者が14日も狭いホテルの部屋に閉じこめられていたら、健康であっても病気になる。

長崎県医師会長がコロナ感染して入院した話が以前新聞に出ていた。私は医療に詳しくないが、医療関係者に言わせれば、家で静養していれば治ったレベルで、入院したのは精神的な問題だということである。まさに「病は気から」、なのである。

初めて書いた短い遺書… 感染経験の産婦人科医・森崎氏 “普段”の対策が重要


国民に恐怖感を抱かせ、特に子どもたちの精神状態を悪くさせることに何のメリットがあるのか。まず医療関係者がやるべきことは、「罹っても大丈夫な医療体制を作っています」と言って、国民を安心させることではないのか。

以前書いたブログ記事から引用する。

新型コロナ陽性者が出る前提での観光推進を

話を元に戻すが、少なくとも長崎県では、「感染者が出ることは気にしない」「出ても大丈夫な医療体制を整える」ということを、県民そして旅行に来る都会の人に積極的にPRすることを政策の基本に置いて欲しい。間違っても過剰な感染防止対策をすることを推し進めることは、やめて欲しい。必ずしも旅行者はそれを望んでいないのだから。

医療関係者がまずやるべきことは、コロナ患者を受け入れていない病院が受け入れを始めるよう努力すること。そして「軽症無症状の人は多くの場合自宅療養で治ります。だから症状が重い人のための病院のベッドを開けさせて下さい。デルタ株になって、死者はほとんど出ていません。過剰に恐れる必要はありません。症状が悪くなればすぐに入院できる体制は整えますから、まずは自宅で療養して下さい。」と言うべきだと、私は考える。


2021年8月12日木曜日

「医療危機的状況宣言」は誰に対して出すの?

長崎県で 「医療危機的状況宣言」が出されたらしい。

長崎県医師会が医療危機的状況宣言を発表

発表しているのは、家でもマスクを着用していてコロナ感染した長崎県医師会長。


で、この宣言って、誰に対して出しているのでしょうか?

医師会が出しているのだから、医師会員に対して出しているんですよね?

「今回、また医療危機的状況宣言を発出することにいたしました。地元で自宅療養、宿泊療養を余儀なくされることが予想されます」

だったら医師会が全力を尽くして、病床を増やして下さい。

長崎県の民間病院は、コロナ患者を受け入れているのですか?

あの東京都でさえ、医師会長が動き出しているんですよ?

自宅療養者の健康観察を 医療機関に協力依頼 都医師会

まあ、「病床を増やせ」という話ではないのですが、もう東京都は民間病院も受け入れをかなり増やしているようです。


最初の記事から引用。

また、宿泊療養施設で153人、自宅などで170人が療養しています。

そりゃ、高校生のクラスターがかなり発生してますからね。高校生を1人で病院やホテルに押し込めるより、自宅で療養する方がいいでしょ。そもそも、高校生の陽性者で症状が出ている人はどれ位いるんですか?

長崎県医師会も、まず自分たちで「病床を埋めずに診療できるシステムを作るように努力します」と言うべきなんじゃないんでしょうか?


<8/13追記>
医療逼迫している神奈川県の話。

神奈川県病院協会 加盟する全病院に患者受け入れ検討を要請

神奈川県病院協会は新型コロナウイルスの患者が急増していることを受けて、協会に加盟するすべての病院に対して、患者の受け入れを検討するよう要請しました。

長崎県医師会も、病床が足りなくなるというのであれば、まずは県内のすべての病院に対して、患者を受け入れるように要請したらどうです?

「医療危機的状況宣言」を出すほど危機的なのであれば、まずは病床を増やすよう医療側で対応するのが先ですよね?それとも「医療は全ての産業の中で最も重要」だから、他の産業従事者が廃業の危機に陥ってでも、医療は現状のままを維持させなければならないのですか?もうコロナ騒動が1年以上続いているのに、長崎市内の受け入れ病院が4ヶ所しかない(増えてないですよね?)というのは、私には全く納得できません。受け入れ病院が増えない限りは、飲食店は一切要請に応じません、位のことは言ってもいいと思ってます。

2021年8月8日日曜日

長崎大学の感染推計は絶対に外れる

 長崎新聞にこういう記事が出ている。

「自分たちの行動で決まる」 長崎大が感染推計公表 盆には140人到達か

私はこれは絶対に外れると断言します。

理由は、公表している人がこうなるとは思っていないから、だ。

一番大事なのは記事中のこの部分である。

会見した有吉教授は推計の公表について「危機感を県民と共有するため。天気予報はわれわれで変えることはできないが、コロナ(の流行)は自分たちの行動で決まる」と強調した。

「正しい予測をすること」ではなく、「危機感を煽ること」が目的なのである。そして、「コロナ(の流行)は自分たちの行動で決まる」と本気で思っているのか、疑問に思う。本当に「自分たちの行動で決まる」のであれば、コロナ感染した長崎市副市長や長崎県医師会長は行動を本気で見直して欲しい。

私の周囲の人の話を聞けば、長崎市副市長や長崎県医師会長が罹患したのは「毎日夜飲み歩いていたから」だと思っている人が相当数いる。「自分たちの行動で決まる」なんてことを言い続けるから、罹患した人への差別が煽られるということが、長崎大学の教授はわかっていないのだろうか。


何で医療関係者がこんなに危機感を煽るようなことを言うのかと言えば、「もしかしたら行動自粛で感染者が少しは減らせる『かも』しれない。そうなれば医療負担が減って自分たちが楽になる」と思っているからである。

実際に接触機会を減らすことで感染が縮小したというデータは世界中になく、今だにそういう発言をしているのは、この長崎大学教授の記事位である。効果がある感染対策は「換気の徹底」しかないのが、この1年半のコロナ騒動における「科学的知見」である。「接触を減らす」というのは「机上の空論」でしかないことは、現実のデータから証明された。

この発言に、行動自粛のせいで苦しむことになる子どもたちや飲食店、宿泊業関係者に対する「申し訳ない」という気持ちは、全く感じられない。知事は会見のたびに「協力頂いた飲食店の方々には感謝します」という言葉を出すが、医療関係者からの「いろんな業種の方に協力頂き、感謝します」という言葉を、私は聞いたことがない。日本医師会長が「医療は全ての産業の中で一番重要なものである」と言うのだから、「医療に負担をかけないために、他の業種が潰れたりしても、当然のことである」というのが、医療従事者の総意なのであろう。

こういう県民を脅す発表をする際に、お盆の稼ぎ時を潰された飲食店や宿泊関係者、そして旅行を楽しみにしていた子ども達の気持ちを少しは理解して欲しいし、発表時に「県内の宿泊キャンペーン、GoToイート発売の一時停止などで、飲食店や宿泊関係者の方々には迷惑をかけますが、我々に負担がかからないように、ご協力お願いします。」の一言位はあってもいいと、私は強く主張したい。


このシミュレーションが間違いだらけだ、ということは、私も経済学の博士持ちとして、具体的な内容はいくらでも指摘できる。いちいち指摘するだけ無駄であるし、私のブログを読み返して頂ければ、長崎大学の予測より私の予想の方が遥かに当たっているということは、読者の方にわかってもらえると信じている。

一応私の予測も書いておけば、お盆過ぎまでダラダラ流行が続いて、ピークはせいぜい70〜80人程度じゃないかと思う。但しこの1年間書き続けているが、長崎県程度の感染者数だと、クラスターの発生状況に大きく左右される。高校生のクラスターがいくつか見つかれば(これも、濃厚ではない接触者の調査をどこまで広げるか、に関わってくる)、100人を越えることも有り得るが、高校生にいくら陽性者が増えた所で、ほとんど無症状、症状が出ても微熱が2〜3日続く程度なので、ことさら大騒ぎすることでもない。家で療養すれば医療機関への負担もかからない。子どもから親に感染させることも、現状ほとんど無い。家庭内感染は「子から親」ではなく「親から子」のケースが大多数なのである。

長崎県知事はこの1年の流れから、私と同じ分析をされていると思うので、過剰に騒ぎ立てることはないと思うが、そろそろ症状も出てない接触者への検査は減らしてもらえないかな、というのが正直な気持ちである。

2021年8月6日金曜日

「経済地理学年報」67巻2号に拙稿が掲載されました

 この記事と似たような内容です。

「東アジア評論」第13号に拙稿が掲載されました


今回は、インバウンド観光が対馬の経済に与えた影響に関する論考になります。

タイトルは「長崎県対馬市における韓国人観光客数の動向と地域経済」です。


残念ながら論文自体は、掲載後1年間ネット上では公開されませんので、読みたい方は『経済地理学年報』を購読している図書館に行かれるか、直接私まで連絡して下さい。


今回は査読付きの学術論文です。きちんと学会内で審査をされて、掲載に値すると認められたものです。それなりに価値はあります。

それ以上に個人的に自慢したい(?)ことは、この論文を書いた際に、私はどこの研究機関にも所属しておらず、かつ内容が自分の仕事とは全く関係のないものだ、ということです。完全に趣味で書きました。

緊急事態宣言が出て市立図書館が閉鎖されたり、大学図書館が学外者立ち入り禁止になったりで、色々とやりにくい面はありました。それでも、今の時代はインターネットを使えば、かなり自宅で研究を進めることが可能だ、ということも、わかりました。


「在野の研究者」という言葉は、定義があいまいなのであまり使いたくないのですが、少なくとも査読付きの学術誌に掲載される論文を書いたのであれば、「在野の研究者」という言葉を使ってもいいのかな、とは思っています。

2021年7月30日金曜日

新型コロナ陽性者は医師の判断で入院の必要性を決めよ

予想通り長崎県でも新型コロナ陽性者が増えてきた。

長崎県にも必ず第5波はやって来る

私が個人的に一番気になるのは、県内限定の旅行キャンペーンを休止するのかどうか、だ。

今流行しているデルタ株はかなり弱毒化していて、若い人の間で陽性者が増えても、ほぼ重症化しないので、自宅療養で十分な人が多いという状況だ。私の知人で、千葉でコロナ診療をしている医師がいるが、入院が必要なレベルまで悪化する人が極端に減った印象がある、と言っている。

そもそもコロナ対策というのは、医療の逼迫を避けるという目的だったはずだ。それを、とにかく隔離が必要だという法律の建て付けから、無症状であっても入院させて医療逼迫を招いてきた、という流れがある。

しかも、その入院の判断をするのが医師でもない保健所の職員。PCR検査で陽性だと、無条件に入院させるという自治体もあった。


本来「検査」というものは、医師が病気の診断をするための根拠にするための1つの要素でしかない。ところが、医師の判断よりも検査結果を重視されるという、間違った流れが世界中に起こってしまっている。

ここまで新型コロナに関する知見が蓄積されてきた今であれば、そろそろ「本来の医療」に戻すべきなのではないだろうか。つまり、医師がきちんと「患者」の診断をし、医師が入院の必要性を認めた「患者」だけを入院させるようにするべきだ。そもそも「患者」でもない無症状者を「診断」もせず入院させるなんて、医療としてはあり得ないことだ。医師でもない保健所の職員が入院の判断をするのは、本質的に間違っているということを認識しないといけない。


こうした診断が適切に行われれば、いまの新型コロナの病状だと、入院する必要のある陽性者は極端に少なくなる。そうすれば医療を逼迫せず、旅行キャンペーンもこのまま継続することができるはずだ。


私は長崎県の医療逼迫は過剰検査が原因だと以前指摘した。

長崎県の「医療逼迫」は過剰検査が原因

これに関しても、今回書いたようにきちんと医師が診断して入院者を増やさないのであれば、別に陽性者が増えても大きな問題にはならない。そこは中村知事ならきちんと説明されると思う。


色々法律の問題はあると思うが、今なら本来の「医療」に立ち返って、必要以上に経済を痛めつけたり子どもの行事を奪うことは、やめて欲しい。1年以上色々と我慢してきて、せっかくできた夏休みの家族旅行の計画が、旅行キャンペーン休止によって潰されるようなことがあれば、子どもたちの精神面でも相当な悪影響が出る。そういう事態は絶対に避けるよう、中村知事にお願いしたい。

2021年7月13日火曜日

長崎県にも必ず第5波はやって来る

以前の投稿とほぼ同じタイトルになってしまったが(苦笑)。

第5波は必ず起こる

7月12日に長崎県知事の会見があり、実質的に長崎県における第4波の終息宣言が出された。

知事記者会見(令和3年7月12日)

しかし、油断してはいけない。長崎県にも近いうちに第5波は必ずやってくるのだ。

もうコロナ騒ぎは1年以上経過していて、これまでの動きを見れば、今後どうなるかは容易に予想できる。では去年はどうだったのかを振り返ってみればいい。


という訳で、私が去年7月22日に書いた記事を読んで頂きたい。

「Go Toキャンペーン」活用して都会から観光客を呼び込もう

まあ去年も今年も同じような流れ。今年は全国的な「Go Toキャンペーン」は無理だが、県内旅行を推進する施策は取られている。


上のリンク先から引用する。

そして注意すべき点は、今は何故か感染者が重症化しなくなっていることだ。

そう、今年も去年と同じことになっているのだ。マスコミは社会不安を起こすことが目的になっているので、今流行しているデルタ株は若い世代でも重症化する、なんてことしか言わない。しかし全体として見ると重症化しなくなっているのはデータとして出ているし、実際に千葉でコロナ診療をしている私の知人の印象でも、陽性者は増えているけど入院が必要なレベルまで行く患者は明らかに減っている、ということだ。


去年もこの時期に東京で変異した株が夏場に全国に広がった。今年も同じこと。今東京で広がっているデルタ株が長崎に来ないことはないだろう。去年と同様、夏休みやお盆で人の移動が増える時期に、長崎に持ち込まれて広がることは絶対に避けられない。

じゃあそれを阻止しようと思うのか。そのために東京との移動は完全に控えろと言うのか。観光客や飲食店、土産物屋をもっと干上がらせるのは仕方がないのか。


中村知事はこの辺のことをよくわかっていると思う。わかって対処できている知事は、多分日本で中村知事だけだ。ではどう対処するのか。

それは感染が広がっても重症者を出さない医療体制を整備すればいいのだ。政策というのはバランスである。医療だけに偏って他の産業を潰していい、ということはない。特に観光で食っている長崎県では、なおさらのことだ。「医療は全ての産業の中で最も重要だ」との日本医師会長の発言に従う必要は、全くない。


知事会で他の知事が「第5波を起こさない」「オリンピックは全国の会場で無観客に」と皆言う中で、中村知事は1人しっかりと「旅行キャンペーンの区域を広げて欲しい」と要望したのだ。

長崎県知事「旅行キャンペーン拡大」を知事会で要望

もう何度も引用したが、去年4月に書いた以下の記事を読んで欲しい。

「コロナ後」の対策を、特に対馬で早めに立てよう

私の中では、コロナ対策の答えは去年の4月に出ていた。今になっても、この答えは間違っていなかったと確信している。旅行客をなくし、飲食店を痛めつける対策を取るより、しっかりとした医療体制を作って、ある程度の罹患者は許容することしか、コロナ対策の出口はないのだ。

中村知事は、私と同じ考えで現在のコロナ対策を進めていると思っている。