文化芸術ホールは市役所跡地 長崎市長表明、県庁跡を断念
私は4年以上前から県庁舎跡地は公園にすべきだと主張していたので、何を今さら、という感じである。
このことに限らず、長崎市のまちづくりにはグランドデザインがないことが最大の問題である。とにかく場当たり的で、その時に空いている公共の土地を使おうという発想しかない。
本来まちづくりというものは、計画区域全体の施設配置を考えた上で、個々の計画に落とし込んで行かないといけない。もちろん、公共用地だけでなく民間の土地も合わせて計画に入れて考える必要がある。
計画を作る際にも、行政にだけ任せるのではなく、土地所有者も含めた民間人が一緒になって考えないといけないのは当然のことである。この点において長崎は民間サイドにも大きな問題があると思っている。以前指摘したように、商店街の人達は県庁舎や市庁舎については行政に対して色々文句を言うくせに、グランドホテル跡地は長年放置したままだ。グランドホテルは民間の土地なのだから、本気でまちづくりを考えるのであれば、役所に頼るのではなく民間対民間で解決策を考えるのが筋なのである。
今さらの話にはなるのだが、考え方として新ホールをグランドホテル跡地に建設する枠組みについて提案したい。その際に、先日完成した熊本城ホールが参考になる。
熊本城ホールは、元々民間の施設である熊本交通センターがあった場所に、新たなバスターミナルとともに、民間による再開発事業として建設された。それを完成後にホールの部分だけ熊本市が買い取ったのである。
熊本城ホールについて
このホールは熊本市の中心部にあり(熊本駅からは遠い)、一階がバスターミナルであることもあり、大変便利である。私も大ホールのこけら落とし公演だったはずの森高千里コンサートに行った(後日、森高公演の1週間前に山下達郎が入ってこけら落としになった。市長直々に頼んだとか。)が、他所から行くにしてもバスターミナル併設という立地はほんとうに便利であった。
長崎市のホールも、福岡銀行が中心になってグランドホテル跡地を再開発し、バスターミナル併設で建設すればいい。
行政が民間の再開発を後押しするつもりらしいから、ここを最初のケースとして打ち出せばいいと思う。