2018年7月28日土曜日

MICE施設建設を止めたいなら松藤グループを説得すべき

長崎市のMICE施設建設に関わる議論を、もう一度整理したい。

こことかここの話の続きになる。
内容を大ざっぱに言えば、「MICE施設は公設民営であり、赤字が出るのであればそれは民間がかぶるのであるから、赤字になるからと言って市に建設反対を訴えるのは筋が違う」ということだ。

私は基本的にMICE施設の建設には賛成であり、それは需要があると思っていることと、手を上げる民間企業がいる以上は採算も合うはずだと考えたからだ。

しかし、そうは言っても採算性に疑問がありそうで、その理由としては一者入札だったことが挙げられる。実は池田市議の調査により、事業計画に書かれた採算性の計算が相当怪しいということも、市議会の委員会で明らかにされたのだ。

では赤字になるのなら、それを誰がかぶるのか。反対派は市がかぶることになると言うが、赤字になったからといっていきなり市が補填するはずはない。民間が赤字をかぶって、ほんとうにどうしようもなくなってからしか、行政は手を出さない。

伊王島のリゾート施設のことを思い出して欲しい。結果的に市が施設を買い上げて、今は運営がうまく行ったから施設まるごと民間に売却した、という経緯になる。

ここに大きな流れが書いてある。

では、伊王島の開発をした民間企業は無傷で済んだのか。そんなことはない。あの失敗のお陰で松早グループは大きな資産を失ったる。今の若い人は「マツハヤって何ですか?」と言うだろうが、40代以上の長崎人でマツハヤグループを知らない人はいない。

ここを参照して欲しい。以前、長崎新聞にマツハヤグループの記事が掲載されていたのを読んだ覚えもある。「松早の創始者は手堅い人だったが、息子が銀行に躍らされて資産を潰した」、みたいな話だった。

ではMICE施設が失敗したら、どうなるのか。誰が損をかぶるのか。九電工などのよそ者は、危なくなった所で手を引くだろう。それは目に見えている。残る地元企業は誰か。松藤グループである。常識的に考えて、松藤グループがマツハヤのように実質解体される状況にならないと、市はMICEの後始末に手を出さない。もちろん、その状況になった時の市長が誰なのかにもよるが。

つまり、「事業がうまく行かないからMICE反対」を言うのであれば、それは市に言うのではなく、松藤に言わないといけないことなのだ。市の姿勢として、「応募する民間企業がいる以上は、そこに任せる」というのが正論であるし筋である。だから、「松藤さん、このまま行けばマツハヤの二の舞いになって資産を潰しますよ。MICEからは降りた方がいいです。」と、優しい人は松藤章吾氏を諭してあげればいいのです。

松藤章吾氏は私と同じ歳でよく頑張っていると、つねづね思っている。私はMICEは必要だと思っているから何も言う気はないが、絶対失敗すると考える人は、是非松藤氏を諭してあげて下さい。