2021年5月5日水曜日

医師会長は病院でのクラスター発生について謝罪せよ

 昨日の記事にこう書いていた。

ちなみに、私は長崎県の感染状況は、もうピークアウトしたと思っている。高齢者施設や病院でクラスターが発生すれば一気に跳ね上がることも有り得るが、それは普通の県民の行動抑制で抑えられることではない。

書いた直後に長崎県から新規陽性者の発表があり、昨日は県内過去最多だったそうだ。

長崎県で最多62人感染 長崎市の病院でクラスター発生

見出しの通り、長崎市の病院でクラスターが発生したためで、私が記事中に書いた通り、「病院でクラスターが発生すれば一気に跳ね上がる」状況だ。

実際にピークアウトしているのかどうかは、あと数日様子を見ないと、わからない。


ここで言いたいのは、「病院でクラスターが発生することに対し、医師会は市民に対して何とも思わないのか?」ということだ。病院でのクラスター発生に、医師会は全く責任がないのか。そして、病院でのクラスター発生が原因で医療体制が逼迫し市民活動に制約が加えられることに対して、医師会は申し訳ないと思わないのか、ということだ。

「医療体制が逼迫するから市民は行動自粛せよ」という言葉しか医師会からは聞こえてこない。その医療体制が逼迫する原因を作っているのは病院じゃないんですか?少しは「申し訳ない」という言葉があってもいいんじゃないですか?と私は感じる。

市民の行動自粛と感染拡大の因果関係は薄いと私は思っている。そんな因果関係が薄いことを市民に要求する前に、病院でクラスターが発生しないような最大限の努力をすることが、医師会としては最優先にやることではないのか。病院でのクラスター発生を抑えられれば、感染者数も増えずに市民生活は大きな制約を受けずに経済活動を続けることができる。

医療体制を逼迫させないために、飲食店や宿泊施設を潰して自殺者を増やして、子どもの教育や課外活動の場を奪い、うつ病発症者を大量に増やして構わない、という医師会の論理が、私には全く理解できない。


飲食への営業規制をかける前に高齢者施設と医療機関に感染拡大防止策を徹底させることが重要だ、という議論は、青山まさゆき衆議院議員が国会でも取り上げている。

尾身会長の仮説は正しいのか?Part Ⅱ「夜の街や飲食が感染拡大の原因」

そもそも医師会がやるべきことは、市民への行動自粛を訴えることより、医療体制の強化ではないのか。長崎市で新型コロナ患者を受け入れる病院が4つしかないというのは、医師会の怠慢だとしか思えない。私の知人で、千葉県でコロナ患者を受け入れている病院に勤務する医師がいる。彼の話によると、決して大病院でなくてもコロナ患者の受け入れは可能で、彼の病院も中規模の病院だと言っている。やればできるのに、やっていないだけだというのが、コロナ患者を受け入れる民間病院に勤務する、コロナ患者の診療をやっている友人の話だ。

医療体制の整備もできないくせに、市民への行動自粛ばかり発言するというのは、医師会としての越権行為と言わざるを得ない。私は経済の立場から、「経済活動に制約を加えず、まず病院側の体制を充実させよ」と訴える。医師会が経済活動に口出しするのであれば、経済側からの私の発言も同じ重みで受け取られるべきだ。「医療はあらゆる産業の中で最も重要だ」というのが日本医師会会長の考えだそうだが、そういう傲慢な態度で国民は医師会の言うことに耳を傾けるのだろうか。もう国民の我慢の限界はぎりぎりの所まで来ていて、いよいよ医療側の言うことは聞かない状況が迫っていると、私は思う。