2018年1月28日日曜日

長崎市役所新庁舎は高層化が必要

長崎市役所の新庁舎が、「高すぎる」という批判が市民にあるということで、20階建ての予定が19階建てに変更されるという。

長崎市新庁舎、19階建てに変更 市見直し方針


これを見た人は、「その1階分でどれだけ違うのか」、と感じるのではないだろうか。また、20階建ての高層棟を19階建てに変更する一方、4階建ての低層棟を5階建てにするらしい。

じゃ、結局一緒じゃないのか、と思うし、容積が変わらないのであれば、高層棟を低くするメリットは何なのか、という疑問も出てくる。ここは市がきちんと説明すべきだし、高層化に反対する市民も、何で高層棟がいけないのか、という意見を出して欲しい。少なくとも私は、容積を減らした上であっても高層棟を作るのが悪いという理由は、思いつかない。

私は最初から市役所庁舎は高層でないといけないと主張している。それは、高層化し最上階に展望室ができれば、海まで見通せるからだ。周囲のマンションが13階建てになっていて、しかも新市庁舎は崖の下にある。台地の上の高層建築物より高くするには、20階位の高さは必要だろう。もちろん、19階でも構わない。

どれ位の高さならどれだけ見通せるか、というのは、今の時代ならドローンを上げれば、すぐわかることだ。ドローンで写真を撮ってみて、何階建ての高さならこの景色になるという例を提示して、そこから議論をすればいい。


少なくとも公会堂右側のマンションより高くするためには、20階位必要なんじゃないかな、と思う。

私がなぜ高層化にこだわるかと言えば、高層化して最上階に展望室を作れば、新市庁舎に人の流れを作ることができるからだ。

現在、出島から眼鏡橋までは観光客の流れができている。公会堂跡地に高層化した市庁舎ができれば、そこまでは流れを呼び込むことができる。展望室から博物館の全容を見ることができれば、さらに市庁舎から博物館、諏訪神社方面へと観光客の流れを生み出せる可能性がある。

人の流れを作ることで新たな商売が生まれる。眼鏡橋周辺の中島川沿いにも、沿岸を公園化したことで人の流れができ、新しいお店が次々とできている。


長崎の人は、どうしてこういう将来に向けた投資的な発想ができないのかと、本当に残念に思っている。現状維持を訴えるだけでは、ジリ貧になるのは必然であるし、実際にジリ貧になっている。県庁舎移転反対運動にしてもそうだが、県庁舎を移転して跡地を公園にするなどして観光客の流れを作った方が、将来の可能性は格段に広がる。長崎の人口減少が必然になっている状況下で、将来の商売相手を内に求めるのではなく外に求めないといけないのは、当然のことだと思えないのだろうか。

幸い、長崎は観光地としての魅力は高い。国内からの観光客はジリ貧になることが避けられないにせよ、海外からの観光客はどんどん増えている。私の家は眼鏡橋のすぐそばだが、眼鏡橋周辺にいる個人観光客は、日本人より中国語を話している人(多分台湾人。クルーズ船で来る中国人以外の個人旅行客である。)の方が遥かに多い。こういうインバウンド観光客は、新市庁舎に展望台ができれば、そこまでは回遊することが見込まれる。魅力ある観光スポットを増やすことが、長崎全体の魅力を高めることにつながるのだ。

最初に出したYahooニュースのコメント欄を見ても(リンク先がすでに消えているかもしれませんが)、高層化した方がいいという意見の方が、低層化しろ、という意見より強い。多分、高層化しろという意見が他所の人で、低層化すべきという意見が地元の人主体じゃないかと感じる。

長崎の人は自分の狭い範囲の意見だけでなく、もっと他所からどう見られているのか、ということまで考えた方がいいと思う。長崎はどの程度魅力的に見えるのか、冷静に考えて欲しい。

2018年1月19日金曜日

壱岐、上五島、小値賀空港へのJAC就航を検討しよう

以前、離島航空路についての記事を書いたことがある。


この時も機材の老朽化に伴う欠航の多さを指摘したが、それから6年半が経ち、いよいよORCの後継機について真剣に考えないといけない時期に来ている。

今日も、機材整備に伴う大量の欠航が発表されたことが報道された。


なぜこういう事態になっているかと言えば、壱岐路線の後継機はATR42しか考えられないのだが、ORCが整備を委託するANAグループではATRを導入する予定がなく、整備をANAに委託できないため、ORCはATRを導入できないのだ。

前回のブログを書いた後に、JAL系列ではATR42の導入が進んだ。もしORCがATRを導入すれば、JALに整備を依頼すればいいのだが、なかなかそうも行かないようで、半年ほど前にJAL/ANAの系列を超えた地域航空会社の設立などの案が国土交通省から発表された。


この内容は、私にはORCの処理に困ったANAが、ANAの面子を潰さずにORCの面倒をJALに見させるための策を、政治力を使って国土交通省に言わせた、としか思えない。

JAL系列ではATR42の導入が進み、系列各社間で機材の融通を行う制度設計もできているので、現状で何ら困っていない。困っているのはORCだけなのだ。

さらに、ORCでは後継機種としてQ400を導入することが決まっていて、何と現在、長崎とは全く関係のない福岡宮崎便を、ORCがANAとのコードシェア便として、見た目はANAのQ400で運航している。


今後ORCがどうするかと言えば、先にリンクを張った国土交通省の地域航空会社再編案がうまく行かない限り、現行機はQ400に置き換え、ATR42の導入はないだろう。


もともと対馬と五島路線は、ANA(子会社のエアーニッポン)により運航されていた路線だ。Q400の座席数を埋めるだけの旅客数は十分期待できる。特に長崎対馬線は、現行機では席が少なすぎて、週末は満席になることが常態化している。Q400への大型化は、むしろ好都合である。

困るのが壱岐空港路線だ。Q400では大きすぎて採算が取れないし、滑走路の長さも足りないという話も出ている。となると、県は多分、上五島と小値賀が機材の都合で廃止になったのと同様に、壱岐便も廃止にするつもりではないだろうか。

何とかATR42-600Sを導入できれば壱岐路線の廃止も避けられるし、同機は800m滑走路の離着陸も可能なので、現在路線がない上五島や小値賀便も復活できる。教会群の世界遺産登録を控え、上五島や小値賀への定期航空路は、是非とも開設しておくべきだ。

ATRを導入するには、路線をJACに運航してもらうのが一番である。JACは鹿児島県の奄美諸島の自治体が出資している会社ではあるが、鹿児島の離島路線だけを運航している訳ではない。例えば兵庫県の但馬空港便もJACが運航している。

但馬便に関しては、兵庫県が機材を購入するなどの措置を取ることで、JACの運航を可能にしている。この路線も後継機の導入が検討されているが、次回も兵庫県がATR42を購入する方向だ。


長崎でも同じように、ATR42を県の予算で購入する枠組みを作って、それをJACに運航してもらうようにすれば、問題は解決する。


長崎の離島路線をJACが運航することは、他にもメリットが生まれる。

1つは福岡空港拠点のダイヤ編成が組めることである。

上五島や小値賀へは、長崎空港からより福岡空港からの路線のほうが大事である。長崎から上五島や小値賀へ飛ばしても、あまり利用客は見込めない。

壱岐にしても、福岡から壱岐に飛んでそこから長崎へ往復するダイヤにすればよい。こうすることで福岡壱岐便を復活させることができる。

もう1つは、いわゆるJALの「修行僧」が乗ることを期待できることだ。

航空会社は乗客の利用度によってステイタスを付与し、自社への囲い込みを行っている。高いステイタスを得るを目的とし、飛行機に何往復も搭乗する人のことを「修行僧」と呼んでいる。

ANAの場合は、ステイタスの基準は乗車距離のみであるのに対し、JALは搭乗回数も含まれる。そのため、鹿児島や沖縄の離島路線、福岡宮崎便、但馬便などは、沢山の「修行僧」が1日に何往復も繰り返し搭乗していて、搭乗率のかさ上げに貢献している。

前述した国交省の地域航空会社再編案でも、例えばORCがANA、JALの両社とコードシェアすることにより、JALの修行僧もORCに搭乗すれば、ORCの搭乗率向上が期待できるという話も出ていた。


多分、このまま何もしないと、壱岐空港への定期航空便は廃止されることになる。壱岐選出の県議会議員さん、私の案を関係機関に積極的に働き掛けないと、他に手はないですよ。早くしないと、時間切れで終わりになります。

2018年1月12日金曜日

長崎駅周辺土地区画整理事業は大丈夫なの?

まず最初に報告事項から。

今までこのブログで好き勝手に書いているだけだったが、今後は「フォーカス長崎」の一員として、まずは長崎駅周辺事業について関わっていくことになったので、お知らせしておきたい。

まずその最初の行動として、駅前電停への平面横断がほんとうに不可能なのかを、先日県に問い合わせに行って来た。長崎市が「県警がダメだというからあきらめた。策はない。」というので、本当に策がないのか、直接聞きたかったからだ。

この記事を参照して頂きたい。リンク先が消えるかもしれないので、適宜引用する。

断念したようにも聞こえるが、市はいま、駅前の交通量を分散させる方策をひねりだそうと懸命になっている。』

と記事には書いてあるが、路面電車の駅舎引き込み断念の経緯などをふまえると、本当に市が方策をひねりだそうと懸命になっているのか、申し訳ないが信じられないのだ。

県議の方を通じて県警に面談の手配をお願いすると、県警だけでなく、県の担当部署の方々も同席して頂けることになり、市議、県議同席の中、結果としてかなり有意義な会合を持つことができた。

話の中身は相手の立場もあるので、私にしては珍しく忖度して控えめに書くが、結論から言えば、電停への平面横断も含めて、まだ策はあるし、他にも考えるべきことは多い、ということになる。

また、県と話をする中で、今さらながら事業の進め方が見えて来た。こうした事業執行については私も素人なので、よく知らなかったというのが実情である。

たとえば駅前電停の場所は国道であり県が管轄する範囲なのだが、今回の区画整理事業については、この県管轄の範囲まで市が計画を立てて、それを見てから県として意見を言う、という流れになる。ところが、県からすると、市がなかなか全体像を見せないから、意見の言いようがない、という状況なのだそうである。

例えば駅前電停に横断歩道を作る、といった話でも、駅周辺の交通をどう流すのか、という計画を見せてもらえないと、判断しようがない、ということだ。現状だと南から北の流れは、駅に入らず北上する車と駅に入る車が駅南側の交差点で分散するが、駅に入る車が全て電停の北側から左折するようになると、今より電停横の交通量は増えるので、そこをどう考えるのかを示してもらわないと、具体的な話はできない、ということである。

今は駅の北側と南側の交差点で、駅に入る車と出る車が分散しているけど、両方が北側の交差点に集中する形になれば、果たして交通量が捌けるのか心配しているが、その辺の計画を市が示してくれないから、県はまだなにも意見を言えない状況のようだ。

これ以外でも、区画整理地域内での道路について不安に思われていることはいくつかあるようだった。私なりに判断すると、こうした不安点に関する意見は、県職員としての立場では、越権行為になるので市には言えない。しかし、まちづくりの専門家として、個人の意見として気になるということは、多々ある、とおっしゃっているように感じた。このあたりは、あくまで私がそう感じた、ということではある。

確かに、これほどの大規模な区画整理事業となると、市職員より県職員の方がノウハウもあるだろう。しかし、市が事業主体である以上は、相談に来られない限り県として意見を出せないようだ。

長崎の街の姿を変える、これだけの大掛かりな事業にしては、市の計画の立て方は、ちょっと内にこもりすぎているんじゃないか、というのが、県との話し合いを持った後の私の印象だ。もう少しいろんな人の「個人としての」意見を集めるやり方に変えないと、完成してから大変なことになるんじゃないのか、というのが、私の率直な気持ちである。

2017年12月16日土曜日

長崎県内のJR路線は第三セクター化すべき

JR九州が次のダイヤ改正で大幅に列車本数を削減することが発表された。

JR九州、在来線本数を大幅減 来春ダイヤ改正 「経営体質改善図る」


本数削減については事前に噂が出ていて、てっきり不採算路線のことだけかと思っていたら、なんと長崎県内にも削減対象があることを知り、びっくりしている。

・日中の特急「かもめ」の本数削減(不定期化)
・快速「シーサイドライナー」の日中区間快速化
である。

JR側の意図としては、「乗客の利便性」より「コスト削減」で、「快適な車内」より「詰め込んでコスト削減」、ということである。

まず「かもめ」から。

現在、特急「かもめ」は1時間2本のペースで運転されている。現在でも長崎発11、12、13時台は1時間1本に間引かれているのだが、これを10時、14時台にも拡大しよう、というものだ。

私はこの時間帯の「かもめ」によく乗る。間引かれた時間帯の「かもめ」は割と混んでいて嫌なのだが、さらに混雑する時間帯が広がるということになる。

もちろん、混雑すると言っても満席になっている訳ではない。「満席じゃないなら、満席にした方がコストが下がる」というのが、JR九州の考えだろう。

次に「シーサイドライナー」。
現在、大村線は1時間に快速1本、各停1本走っている。
これを、日中は乗客の比較的少ない竹松と佐世保の間を間引いて、快速の区間快速化により1時間1本に減らそうということである。

どちらも国鉄時代を思い出せば、特急は1時間に1本だったし、大村線の快速なんか無かった。まあ、その時代に戻ればいいと考えるしか、ないんだろう。

大村線に快速がなかった時代は、長崎と佐世保の移動はバスが普通だった。その時代に戻って、バスを使えばいい話である。

JR九州の福永嘉之鉄道事業本部副本部長によると、「人口減の影響で、利用者が伸びなかった所を見直した。削減対象は、前後の列車(との間隔)などをみて、総合的に判断した」「鉄道事業の維持には利用者の実態に合わせたダイヤにし、経営体質の改善を図る必要がある。沿線にはしっかりと説明し、理解を求める。路線を廃止するとの考えはない」とのことだけど、長崎本線の特急にしても大村線の快速にしても、本数を増やして利便性を上げて、乗客を増やして来たはずなんだけど、違うようだ。

もう、こういう地域を考えない会社に経営を任せるよりは、第三セクター化して地元で運営した方が、住民のためになるのではないか。

JR九州が鉄道事業を黒字化させたというのも、減価償却費を圧縮した会計上の理由が大きい。となると、新しい車両を導入すれば、また赤字に戻る、ということだ。大村線の車両も老朽化していて、新車の導入は不可欠になっている。

それであれば、新幹線の開業時に第三セクター化して補助金を使って新車を導入し、シーサイドライナーはロングシートじゃない車両を入れて、乗客の快適性を上げて乗客を増やす努力をした方がいいのではないだろうか。

また、第三セクター化すれば、新長崎駅の県庁側にも改札を作ることができるし、諌早の運動公園近くにも駅を作ることができる。これらはJR九州が反対しているので、第三セクターになれば、県の責任で作ることができる。

不動産会社に鉄道事業を続けさせるより、鉄道専業の第三セクターを立ち上げた方が、住民の利便性は確実に向上するのだ。

2017年6月20日火曜日

十八銀行頭取の意見に反論する

ここの話の続き。

Yahooニュースに、十八銀行の頭取のインタビューが掲載されていた。

「統合で50店削減 400~500人捻出」 十八銀行頭取・森拓二郎氏


このコメントをそのまま受け取っていいのだろうか。もし素直に受け取るのであれば、人が良すぎる。もっとも、長崎人は人が良すぎるから経済が停滞しているという気もするのだが。

以下、全くの私感から、このインタビュー記事に反論したい。

十八銀行がふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の傘下に入ってどうなるのか、というのは、全くの想像でしか話ができないものではない。親和銀行がすでにFFGに入っているので、親和銀行が今どうなっているのかから推測することができる。

ここでの私の意見の根拠は、親和銀行の現状をふまえたものであり、数多くの十八・親和・福岡銀行の行員と接触した経験をもとにしている。


まずここから。
 十八、親和で立地が重複する約50店を削減でき、コストを年間数十億円抑えられる。離島・郡部の店舗網も維持し、事業性融資を扱っていない店舗では新たに扱える所を増やしたい。400~500人の人員を捻出できるので、中小零細企業まできめ細かく訪問し、相談に応じる体制をつくれる。経済振興のため専門性の高い人員を育成する余力が生まれ、現地派遣もできるようになるだろう。

専門性の高い人員を育成する、って、それができる人間が現在十八銀行にどれだけいるのだろうか。400〜500人ってことは、まずない。申し訳ないが、1人もいないと思う。
親和銀行にしてもしかり。こういうと本当に申し訳ないが、親和銀行には現状「経済振興のため専門性の高い人員」なるものは、いないと思っている。こういった人材は、育成すれば誰でもなれるというものではない。ある程度の素養がないと無理である。

試しに身近にいる親和銀行の行員に、「福岡銀行の人って、どうですか?」と聞いてみてもらいたい。「みんなものすごく優秀です」と答えるだろう。逆に福岡銀行の人に「親和銀行の人って、どうです?」と聞けば、露骨に言うかどうかは別にして、「みんなパッとしないよね」という反応が返ってくるはずだ。

私は実際に新規事業を行うために、親和銀行の行員に協力を仰いだことがあるが、申し訳ないが全く使い物にならなかった。親和銀行の行員は、そんなものだろうと思っている。十八銀行だって大差ない。もし十八銀行には優秀な人材がいるのであれば、是非紹介してもらいたい。一緒に事業を広げたいと、真剣に思っている。

こういう経験をふまえて頭取のインタビューを読むと、何を寝ぼけたことを言ってるのか、と思ってしまう。別に私は十八銀行や親和銀行の行員の悪口を言うのが目的ではない。むしろ反論してきて欲しい。逆にそんな元気のある行員がいるのであれば、まさか福銀傘下に入ろうなどという意見が出て来るとは思わないのだが。


融資はもっと前向きにできるし、統合したからといって金利を上げるようなこともしない。人口減少や経済規模の縮小で運用先や預金は減っていく。他金融機関との競争も続く。企業努力を続けないといけない。

実際には、親和銀行はFFG傘下に入って、ものすごく融資姿勢は厳しくなっている。これは私のまわりだけかもしれないが、正直、長崎で資産を持たない企業に対して福岡銀行は厳しい姿勢で臨むとしか思えないので、十八銀行の頭取が何を言おうと、FFGの社長のコメントがない限りは、信用できない。

 福岡さえよければいいということなら、長崎の経済は発展せず、新銀行やFFGの収益も上がらない。地元を軽んじることはない。統合時は株式交換するので、今の十八の株主はFFGの株主になり、もの申せる。取引先は、大経済圏の福岡とのつながりが強まる。FFGの東アジアの店舗網を活用でき、FFGが先行する(金融とITが融合した先進サービス)「フィンテック」にも力を入れられる。メリットは大きい。
そうですねぇ、今の十八の株主がFFGの株の何%を持てるのですかねぇ。過半を持てるのなら、この話も額面通り受け取れますが。

そもそも、今の福岡人の「福岡中心主義」をきちんと理解しないと、先の展望はできない。日本全体における東京一点主義よりも、福岡人の「福岡一点主義」のほうが遥かに強いように、私は感じる。長崎で前途有望な企業が出て来れば、「福岡に出てきてもっと発展しよう」と言い出すのが、普通の福岡人の感覚ではないだろうか。

人材にしても同じこと。地元出身で優秀な人材が、地元で働きたいと思った時に候補に上がるのは県庁と地元地銀しかないのが、今の日本の現状である。十分十八銀行もその候補になる得る。ところが、十八銀行がFFG傘下に入れば、銀行に就職するのであれば最初から福岡銀行に就職するのではないだろうか。

また本当に優秀な人材が十八銀行に入ったとしても、その人をそのままFFGが長崎に置いておくとは思えない。福岡に引き抜くだろう。 福銀とはそういう銀行だと、私は思っている。これも違っていれば反論を頂ければ幸いである。


この文章を書いたのは、繰り返すが十八銀行や親和銀行の行員を罵倒するためではない。私の正直な気持ちを書いただけである。

だから、是非十八銀行や親和銀行の方には、この私の考え方に反論してきて欲しい。そういう姿勢が、長崎経済の浮上につながると、真剣に考えている。



補足
「福岡一点主義」に対抗するためには、肥後銀行鹿児島銀行と組むのは有効だと思っています。私は肥後銀行とも付き合いがあります。

2017年5月9日火曜日

十八銀行が福岡銀行傘下に入ることの最大の問題点は何か


本日(2017年5月9日)付の日経新聞に、親和銀行と十八銀行の債権を他社に譲渡することで、経営統合への道筋をつける、という記事が出た。

ふくおかFG、長崎で融資シェア下げ交渉へ 十八銀と統合で


十八銀行と親和銀行との経営統合は、県内でのシェアが高まりすぎて競争環境が阻害され、金利が高止まりをする、という理由で公正取引委員会から承認を得られず、合併交渉が進んでいなかった。いよいよこれで話が先に進むようだ。


ところで十八銀行と親和銀行の合併およびふくおかフィナンシャルグループ入りは何が問題なのか。融資先企業からの視点で考える。

今問題になっているのは、合併により競争がなくなり金利が高止まりする、ということだ。現場の感触からすると、これは間違いなく起こる。

実際にこの混乱の乗じて、現在肥後銀行と北九州銀行が県内で強烈な営業攻勢をかけている。十八銀行より低めの金利を提示し、それにつられて十八銀行も金利を下げる、ということが現実に起こっている。もし仮に競合がなければ、十八銀行の金利が高止まりするというのは、ほぼ間違いない。

しかしこの例を見ても、十八銀行の競争相手は必ずしも親和銀行だけではない。仮に十八銀行と親和銀行が経営統合されても、離島などの地域を除き、今以上に肥後銀行や北九州銀行などの営業攻勢は強くなり、それなりの競争環境は維持できると思う。


このこと以外に、県内経済にとってより重要な問題が経営統合によって引き起こされることを説明したい。

十八銀行まで福岡銀行傘下に入ると、県内資本の地方銀行がなくなってしまうのだ。親和銀行はすでに福岡銀行傘下であるし、長崎銀行も西日本シティ銀行の支配化にある。現状、十八銀行が最後の砦になっている。

銀行が福岡県を基盤とする勢力の支配下になると、どうなるのか。親和銀行と長崎銀行の今の融資姿勢から考えてみる。この「今の融資姿勢」というのは、あくまで融資先企業としての私の肌感覚であることはご了承頂きたい。

親和銀行にせよ長崎銀行にせよ、福岡の銀行に「救済された」という側面が強い。だから両行の行員は「助けてもらった」という意識があり、親会社側は「助けてやった」と思っている。そのため、長崎の銀行側は親会社側の言いなりになっている。

親会社側から見たらどうであろう。自分たちの給料は、福岡県内で十分稼いでいる。だから長崎の銀行では利益が上積みされれば良く、赤字になるのは論外。無理はしない、という意識になる。

ここで、信用力の低い企業に対する融資を持ち込まれたら、本部の審査側はどう考えるだろうか。「無理はするな。断れ。」となる。実際に融資を受ける立場から見ると、そうなっているようにしか見えないのが現状だ。極端なことを言えば、長崎県内では優良企業にだけ融資しておけばいい、ということになるのだ。

こうなると長崎県側としては大変である。「信用力の低い企業」には、「伸びしろのある企業」「伸びるかもしれない企業」も含まれる。そういう企業にお金がまわらないと、県内では新しい企業が伸びずに経済が停滞してしまうからだ。

今の十八銀行であれば、「県内企業が伸びないと銀行も伸びない」という意識がある。本部の審査側も、支店の担当者がそう言って迫ると、無下に断れない。審査する人間だって、県内企業が伸びないと自分の給料も稼げないからだ。

ところが親和銀行や長崎銀行になると、審査側に福岡の銀行からの出向者がいたりする。審査側の給料は福岡の企業からの収益で払われている。別に長崎の企業が伸びなくてもいいし、それよりも融資が焦げ付いて銀行の業績が悪くなることの方が、気になる。

支店の担当者にしても、とりあえず親会社の言う通りにしていれば、自分の将来の給料は保証されていると考えている。安定第一である。そもそも地方銀行に就職しようとする動機は何だろうか。県内で安定した就職先として、公務員か銀行か、という理由の人が多数なのではないだろうか。

この話は「可能性がある」とか、たらればの話ではない。繰り返すが、融資先企業として親和銀行や長崎銀行と交渉する企業責任者から見た、現在の実感である。


仮に十八銀行と親和銀行が20店舗分程度の店舗移譲と債権譲渡をするとした場合も、その相手がどこになるのかが、最大の問題である。長崎銀行では、全く意味がない。肥後銀行や北九州銀行になっても、あまり面白くない。

一番いいのは、十八銀行の経営陣の誰かが、十八銀行から飛び出し、債権譲渡の受け皿となる新銀行を作ることだ。そして十八銀行の行員から希望者を募って、新銀行で採用する。単独で新銀行を作るのは難しいだろうから、その時は肥後銀行と鹿児島銀行で作る九州フィナンシャルグループや、北九州銀行が属する山口フィナンシャルグループの傘下に入るのは仕方がない。但し、主導権はあくまで長崎県側が持つ銀行にならないと、何の意味もない。


経営統合問題に関する長崎県や経済団体側からの意見が私には聞こえてこないが(そういう人と直接関わりがないので、耳に入るとしても新聞報道位であろう)、長崎県経済の将来のためにも、もっと地元が声をあげないといけない状況にあることを、県民全体が自覚しないといけないのだ。

2017年5月3日水曜日

香港で長崎県産びわをPRしよう

日本からの農産物輸出が徐々に増加している。その相手国として、香港の重要度は高い。

香港は食糧自給がほぼ不可能であり、かつ中国産農産物の不信感が根強い。そのため、日本からの農産物輸入も増加している。農産物に対しての輸入規制も緩く、日本からの輸出相手国としてはハードルが低い。

長崎県産の農産物も多く輸出されている。実際には福岡の青果市場から香港に輸出されていることが多く、生産者が自分で生産したものが香港で売られていることを、ほとんど知らないのが現状である。今の季節だと、じゃがいもや人参などの野菜が、博多港から香港に輸出されているのだ。

長崎県産の農産物といえば、代表的なものとしてびわが挙げられる。国内での生産量は一位であり、香港で売られているびわも、ほとんどが長崎県産である。

では、香港でびわは売れるのだろうか。
実は相当売れているのだ。


















これは先日香港に行った時に撮ったものだ。
スーパーやデパートだけでなく、こういう小さな果物屋にも日本産びわが並んでいて、それはほぼ長崎県産なのである。

ところが、香港では「びわ」と「長崎」という地名が結びついていない。香港でも長崎という地名は浸透しているのであるが、それがびわと関連させて認識されていないのは、残念である。「あまおう」と「福岡」位の関連性には持って行くことを目指すべきではないだろうか。

そのためにも、観光と農産物を結びつけたプロモーションが非常に大事である。長崎に観光で来てもらって、びわを食べてもらう。もちろん、長崎側でもびわを食べてもらったりびわ農園を見学できるような受け入れ態勢は必要だ。現状何もやっていないに等しいので、香港での長崎県産びわの売れ方を見ると、非常にもったいないことだと思う。